貴方の駒になど真っ平御免です

Saeko

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第三章 学園生活

閑話 それぞれの思惑② 白金桃花

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桃花 大学部4年の年末

いつも年末年始はハワイの別荘で過ごすのに、今年は利くんが来るからって日本で過ごす事になった。

あ~あ~。ハワイでコスメとかハイブランドのお洋服とかバッグとか買う気満々だったのになぁ。
利くんもハワイに連れてっちゃえば一石二鳥だったのに……ほんとパパってばKYなんだから。

そう思いながら、私はさっき届いたフレンチのおせち料理が入った容器をつついていた。

一月一日の夜。
家に利くんがやって来た。

桃花、嬉しくって。思わずリビングルームに顔を出した利くんに飛び付いて歓迎したの。

「利く~ん。いらっしゃ~い。桃花昨日からずっと待ってんだよ?」

「あけましておめでとう、桃花。はい、お年玉。桃花はまだ学生だからね。」

「わぁい!ありがとう利くん。桃花嬉しい~。」

ワクワクしながらお年玉袋を開けると、中に入っていたのはお金じゃなくて、東京ガールズ〇レクションの招待状だった。

「え?ウソ!!」

私は嬉しくなってお義姉様に見せびらかそうと思ったけど……どうせ 「そう。良かったわね。」ってなんの感情も見せずに言われるだけだから止めた。
お義姉様ってばほんと陰キャ過ぎる。だから桃花みたいなイケメン彼氏…あ!彼氏じゃなかった。利くんは桃花の婚約者だったね。お義姉様も、あの前髪切ってコンタクトに変えたら少しは見られるんじゃない?って思うんだ。
今度アドバイスしてあげなきゃ。だって私、優しいからね。

それにしてもこれは嬉しすぎだよ~
3月って事は春夏だよね~

大学部の友達に自慢しちゃおっと。みんな超羨ましがるだろうな~

てか、こんなチケット取れちゃう人が桃花の旦那さんとか最高じゃん?

桃花。高等部の時はずっと駿斗くんが大大大好きだったけど、大学部入らずどこ行っちゃたかわかんなくなっちゃったし~、お義姉様は「知らない」とか全然使えないしでどうしようかって思ってたのに……
でもまぁいっか。
利くんは昔から桃花が好きみたいだったし?
それに利くんのお父さんはパパと同じ社長だし。
優良物件間違いないもんね。

桃花と利くんの婚約のお祝いなのに、ママとパパは桃花そっちのけでお酒飲んで楽しそうだし、利くんもパパとママと話してる。

お義姉様は黙々と地味なおせち料理食べてて全く興味なさそうで、桃花つまんなくなっちゃった。

あ~そうだ!
桃花、大学卒業したら、パパの会社に入るんだよね。しかも~、社長だよ?社長!凄いよね?
桃花が社長で副社長が利くんになるんだって。
で、桃花の為にお義姉様が秘書さんになってくれるってパパが言ってた。
桃花は社員さんの前でニコニコ笑っていればいいって。難しい事は、会長になるパパと副社長の利くんがやってくれるって言ってたから、桃花の人生てば超イージーモードじゃね?

それより早く3月にならないかなぁ……
楽しみ過ぎる~
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