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第三章 学園生活
第5話 学園生活(高等部 4)
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春
私達は新しい学年に進級した。
私と菜々子それから駿斗は当然Aクラス。一時期桃花の勉強を見ていた桐谷君や桃花の取り巻きをしていた一部の人達(名前は覚えてない)はBクラスに。そして桃花はDクラスになった。
Aクラスになる為には、テストの合計点が上位25名の中に入らないといけない。それがDクラスともなると、相当出来なかった事になる。
やっぱり桃花は、編入試験を受けて無いとしか思えないわ。父が強引過ぎたのね?その点では桃花は被害者になるのかしら。
まあいいわ。今日からクラスに桃花が居ない平和な学園生活が始まるんだから。
あの
「駿斗く~ん。」
って媚びる様に鼻にかけた声で駿斗に話しかけるところを聞かなくて済むんだからね。まあ、学園には『地味香』で行かないといけないのだけど。
「おはようございます」
と言ってダイニングルームに入ると、
「パパ~。なんでお義姉様がAクラスなのに、桃花はAクラスになれないの?Dなんて、駿斗くんと離れちゃったじゃない!!パパの力で何とかしてよ!!」
と朝から桃花が喚いてて煩かった。
「そうですよ、あなた。何とかしてあげて下さいな。Dだなんて桃花が可哀想じゃありませんか。」
「そうは言ってもな、あの学園の高等部からは実力主義だから、点数が取れなかったらどうにも…「何よ、パパ!!それじゃ桃花がバカって事?酷いよ、パパ!」なっ…」
喚き散らす桃花と、それを宥められない父との醜い言い争いが始まっていた。って言うか、桃花。学園が決めたクラス編成なのに、お父様の力でどうにかしてとか……そんな事出来る訳ない事くらい、分かりそうなものなのに。そんな我儘を言うくらいなら、いっそ元いた公立高校へ戻った方がいいんじゃない?っていうか、元居た公立高校も大したレベルじゃ無かったって事でしょうけどね。
私は火の粉が此方に飛んで来る前に、今日も美味しい大貫さんのご飯を早々に食べ終え、ダイニングルームを離れた。
ダイニングルームを出た廊下にも響くくらいの声で
「私をAに入れてよ!パパの役たたず!!」
と桃花は叫んでいた。
桃花?早く食べないと新学期早々遅刻になるけどいいの?
まぁ私には関係無いんだけどね。
ஐ〰ฺ・:*:・✿ฺ ஐ〰ฺ・:*:・✿ฺ ஐ
「おはよう、百合。」
「おはよう、菜々。」
私と菜々子は揃ってAクラスへ入っていく。
去年と同じ顔触れが約半分。残りの半分は、下克上で下位クラスから上がってきた子達だ。
「結構ガラッと変わったな。」
私達の後から来た駿斗が、私の席まで来て当たりを見回しながら言った。
「「おはよう駿斗」」
「おはよ、りり菜々。りりは今日も地味子(仕様)だな。」
「えぇ。(敵を欺くには味方からですもん。)」
「良いのよ。これ(仕様)が百合なんだから。百合の事(本当の姿)をわかってる人間だけ傍にいたらいいんだしね?百合?」
私達が秘密の会話をしながら、クスクスと笑いあっていたその時!
「駿斗く~ん!」
「げっ!なんであの女がここまで来るんだよ!ごめん、りり菜々。また後でな。」
駿斗はそう言ってクラスを出ていった。
菜々子と2人でその方向を見ると、駿斗の後を、桃花とその取り巻き達が追いかけて行ったのだ。
「「お疲れ、駿斗」」
私と菜々子は、後からお互いの家のシェフが作った、美味しいお弁当のおかずを駿斗に分けてあげようね。と話していた。
私達は新しい学年に進級した。
私と菜々子それから駿斗は当然Aクラス。一時期桃花の勉強を見ていた桐谷君や桃花の取り巻きをしていた一部の人達(名前は覚えてない)はBクラスに。そして桃花はDクラスになった。
Aクラスになる為には、テストの合計点が上位25名の中に入らないといけない。それがDクラスともなると、相当出来なかった事になる。
やっぱり桃花は、編入試験を受けて無いとしか思えないわ。父が強引過ぎたのね?その点では桃花は被害者になるのかしら。
まあいいわ。今日からクラスに桃花が居ない平和な学園生活が始まるんだから。
あの
「駿斗く~ん。」
って媚びる様に鼻にかけた声で駿斗に話しかけるところを聞かなくて済むんだからね。まあ、学園には『地味香』で行かないといけないのだけど。
「おはようございます」
と言ってダイニングルームに入ると、
「パパ~。なんでお義姉様がAクラスなのに、桃花はAクラスになれないの?Dなんて、駿斗くんと離れちゃったじゃない!!パパの力で何とかしてよ!!」
と朝から桃花が喚いてて煩かった。
「そうですよ、あなた。何とかしてあげて下さいな。Dだなんて桃花が可哀想じゃありませんか。」
「そうは言ってもな、あの学園の高等部からは実力主義だから、点数が取れなかったらどうにも…「何よ、パパ!!それじゃ桃花がバカって事?酷いよ、パパ!」なっ…」
喚き散らす桃花と、それを宥められない父との醜い言い争いが始まっていた。って言うか、桃花。学園が決めたクラス編成なのに、お父様の力でどうにかしてとか……そんな事出来る訳ない事くらい、分かりそうなものなのに。そんな我儘を言うくらいなら、いっそ元いた公立高校へ戻った方がいいんじゃない?っていうか、元居た公立高校も大したレベルじゃ無かったって事でしょうけどね。
私は火の粉が此方に飛んで来る前に、今日も美味しい大貫さんのご飯を早々に食べ終え、ダイニングルームを離れた。
ダイニングルームを出た廊下にも響くくらいの声で
「私をAに入れてよ!パパの役たたず!!」
と桃花は叫んでいた。
桃花?早く食べないと新学期早々遅刻になるけどいいの?
まぁ私には関係無いんだけどね。
ஐ〰ฺ・:*:・✿ฺ ஐ〰ฺ・:*:・✿ฺ ஐ
「おはよう、百合。」
「おはよう、菜々。」
私と菜々子は揃ってAクラスへ入っていく。
去年と同じ顔触れが約半分。残りの半分は、下克上で下位クラスから上がってきた子達だ。
「結構ガラッと変わったな。」
私達の後から来た駿斗が、私の席まで来て当たりを見回しながら言った。
「「おはよう駿斗」」
「おはよ、りり菜々。りりは今日も地味子(仕様)だな。」
「えぇ。(敵を欺くには味方からですもん。)」
「良いのよ。これ(仕様)が百合なんだから。百合の事(本当の姿)をわかってる人間だけ傍にいたらいいんだしね?百合?」
私達が秘密の会話をしながら、クスクスと笑いあっていたその時!
「駿斗く~ん!」
「げっ!なんであの女がここまで来るんだよ!ごめん、りり菜々。また後でな。」
駿斗はそう言ってクラスを出ていった。
菜々子と2人でその方向を見ると、駿斗の後を、桃花とその取り巻き達が追いかけて行ったのだ。
「「お疲れ、駿斗」」
私と菜々子は、後からお互いの家のシェフが作った、美味しいお弁当のおかずを駿斗に分けてあげようね。と話していた。
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