貴方の駒になど真っ平御免です

Saeko

文字の大きさ
上 下
18 / 97
第二章 人々の思惑

第5話 京極利樹

しおりを挟む
俺の名前は京極 利樹きょうごく としき16歳。高等部の2年生だ。
親は医療機器メーカーの社長をやっている。
俺には8歳年上の兄貴の裕貴ゆうきがいるから、親の会社を継ぐことは出来ないが、何処かの社長令嬢と結婚したら社長になるなんて簡単じゃね?と思っている。兄貴みたいに1から下積みとか、絶対したくないし、俺の美学に反するもんな。

だから俺は、足繁あししげく『社会勉強と将来への顔繋ぎ』と称し、親父に着いていっては、パーティーに顔を出してコネ作りにはげんでいた。
ま、最悪どうにもならなかったら、不本意ではあるが、隣の白金の家に婿入りすりゃいいしな。

白金といえばだが、アイツ 百合香はなんでいきなりあんな不細工になったんだろうか。

幼稚舎の頃は、アイスブルーの瞳で綺麗な金髪、死んだアイツの母親によく似ている将来有望な見た目だったはずなのにな。
あのままでいてくれたら、将来社長になった俺の隣に置いておいても良かったんだが、今の百合香じゃ到底そうは思えない。

そんな事を考えていた矢先、百合香の親父さんが再婚すると聞いた。

あの人は公然の秘密で、百合香の母親とは金の為に結婚。本命は別にいて、その女と生活しているって事だったから、百合香の母親が死んじまった今、晴れて結婚する事になったんだろう。

まぁいい。俺が社長になる計画にブレはないからな。

俺は親父から、白金貴生氏が新しい奥さんの披露パーティーをする事を聞きつけ、会場に足を運んだ。

そして見つけた!

白金貴生の隣にいる女、あれが新しい奥さんで、その隣の女の子……

百合香とは違って、可愛いだけで頭が悪そうな扱いやすい女。
百合香は地味で陰キャだが、学年首席だ。
俺もそこそこ出来る方だとは思うが、百合香には絶対適わないだろう。
俺より出来る女だと、俺が思ったように会社を操れないからダメなんだ。

決めた!!あの子 桃花を取り込んで、『sirogane.co』を俺の・・にしてやる。

百合香は…俺に気がある素振りがあるから、俺の第1秘書にして、愛人にでもしてやれば喜ぶだろう。
陰キャだから、結婚とか無理だろうしな。

俺はそう考えながら、披露パーティーから帰る百合香に声をかけ、桃花との接触を試みる事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?

との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」 結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。 夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、 えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。 どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに? ーーーーーー 完結、予約投稿済みです。 R15は、今回も念の為

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~

紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。 ※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。 ※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。 ※なろうにも掲載しています。

処理中です...