4 / 97
第1章 新しい家族
第3話 これからの事
しおりを挟む
母の遺品整理中の母の部屋に現れた男性は柊伯父様の親友で、弁護士の連城 宏樹という弁護士の先生だった。
連城先生は、生前母から相談を受け、随分前から父の浮気調査をしていると言っていた。
「これですね?麗羅が集めた証拠というのは。」
連城先生は、柊伯父様から渡された日記帳を数ページほど読むと、今度は彌生伯母様からパソコンを見せられていた。
そしてフォルダを開いては黙って頷いていた。
「連城君。これから私達はどうしたら良いのかね。」
とお爺様が問うと連城先生は、
「兼近様。ここで話すのは控えましょう。誰が聞いているか分かりませんので。続きは、私の事務所で。」
と仰っしゃった。
私達は一先ず普通に遺品整理をし、父の浮気の証拠となる物をジェラルミンケースに入れた連城先生が私に向き合い腰を曲げ、私の目線に合わせながこう仰った。
「キミが百合香ちゃん。りりちゃんだね?僕はキミのお母様の友人で、弁護士をしている連城です。お母様からキミの事は聞いてるから、安心してくれるかな?悪い様にはしないよ。」
と。そして、私名義の通帳を手渡しながら、
「これはりりちゃんの物だ。だから誰にも言っちゃダメだよ。お父様にも、誰にもだ。でも心配だろうから、今からおじさんと一緒に銀行に行こう。そこに大事なお母様との思い出を隠して貰おうね。」
私は訳が分からなかったが、お母様のお友達の連城先生を信じる事にして、お母様のお部屋にあった大事な物達を鞄に入れ、屋敷を後にした。
連城先生の事務所に行く前に、連城先生立ち会いの元、私は貸金庫に通帳•母の形見の宝石(指輪やネックレス•ブレスレット)を入れた。
宝石類はいずれ父から『相続』の話が出てくるかもしれないと先生が仰ったので、それまでの一時的な保管としておく事にした。
弁護士事務所に入ると、先生の奥様の亜由美さんが迎えてくれた。
「貴女が百合香ちゃん、りりちゃんね。初めまして。私は、貴女のお母様 麗羅の親友の連城亜由美といいます。よろしくね。」
「亜由美さん。お母様の親友?」
「そうよ、りりちゃん。」
連城先生も奥様の亜由美さんも、母からしか呼ばれない『りり』という呼ばれ方を知っていた。
母はとても用心深い人だったから、きっと信用できる人にだけ、私の特別な愛称を教えたのだろう。
「連城君。私達はこれからどう動いたらいいのか教えて貰えるかな?」
お爺様の問いに対して先生は、私にこう仰った。
1.私はこれまでどおり屋敷で生活する事。
2.父の書斎での父の会話を録音した父の机の下のレコーダーと、録画した隠しカメラのテープを回収、入れ替えをする事。
3.父に呼ばれた時は、スマホの録音機能をONにしてから話す事。
その3つだった。
他の事で私が出来ない場合は、亜由美さんが父の会社に潜入し第2秘書をしているので、会社での会話は亜由美さんが録音してくれるし、それとは別に探偵を雇っているので、父の行動は亜由美さんが父のスケジュールを流して証拠写真を取ってくれていると言われた。
それから、お爺様と柊伯父様には後日別にお話をすると仰っていた。
連城先生は、生前母から相談を受け、随分前から父の浮気調査をしていると言っていた。
「これですね?麗羅が集めた証拠というのは。」
連城先生は、柊伯父様から渡された日記帳を数ページほど読むと、今度は彌生伯母様からパソコンを見せられていた。
そしてフォルダを開いては黙って頷いていた。
「連城君。これから私達はどうしたら良いのかね。」
とお爺様が問うと連城先生は、
「兼近様。ここで話すのは控えましょう。誰が聞いているか分かりませんので。続きは、私の事務所で。」
と仰っしゃった。
私達は一先ず普通に遺品整理をし、父の浮気の証拠となる物をジェラルミンケースに入れた連城先生が私に向き合い腰を曲げ、私の目線に合わせながこう仰った。
「キミが百合香ちゃん。りりちゃんだね?僕はキミのお母様の友人で、弁護士をしている連城です。お母様からキミの事は聞いてるから、安心してくれるかな?悪い様にはしないよ。」
と。そして、私名義の通帳を手渡しながら、
「これはりりちゃんの物だ。だから誰にも言っちゃダメだよ。お父様にも、誰にもだ。でも心配だろうから、今からおじさんと一緒に銀行に行こう。そこに大事なお母様との思い出を隠して貰おうね。」
私は訳が分からなかったが、お母様のお友達の連城先生を信じる事にして、お母様のお部屋にあった大事な物達を鞄に入れ、屋敷を後にした。
連城先生の事務所に行く前に、連城先生立ち会いの元、私は貸金庫に通帳•母の形見の宝石(指輪やネックレス•ブレスレット)を入れた。
宝石類はいずれ父から『相続』の話が出てくるかもしれないと先生が仰ったので、それまでの一時的な保管としておく事にした。
弁護士事務所に入ると、先生の奥様の亜由美さんが迎えてくれた。
「貴女が百合香ちゃん、りりちゃんね。初めまして。私は、貴女のお母様 麗羅の親友の連城亜由美といいます。よろしくね。」
「亜由美さん。お母様の親友?」
「そうよ、りりちゃん。」
連城先生も奥様の亜由美さんも、母からしか呼ばれない『りり』という呼ばれ方を知っていた。
母はとても用心深い人だったから、きっと信用できる人にだけ、私の特別な愛称を教えたのだろう。
「連城君。私達はこれからどう動いたらいいのか教えて貰えるかな?」
お爺様の問いに対して先生は、私にこう仰った。
1.私はこれまでどおり屋敷で生活する事。
2.父の書斎での父の会話を録音した父の机の下のレコーダーと、録画した隠しカメラのテープを回収、入れ替えをする事。
3.父に呼ばれた時は、スマホの録音機能をONにしてから話す事。
その3つだった。
他の事で私が出来ない場合は、亜由美さんが父の会社に潜入し第2秘書をしているので、会社での会話は亜由美さんが録音してくれるし、それとは別に探偵を雇っているので、父の行動は亜由美さんが父のスケジュールを流して証拠写真を取ってくれていると言われた。
それから、お爺様と柊伯父様には後日別にお話をすると仰っていた。
1
お気に入りに追加
4,033
あなたにおすすめの小説

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」


【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

元婚約者が愛おしい
碧桜 汐香
恋愛
いつも笑顔で支えてくれた婚約者アマリルがいるのに、相談もなく海外留学を決めたフラン王子。
留学先の隣国で、平民リーシャに惹かれていく。
フラン王子の親友であり、大国の王子であるステファン王子が止めるも、アマリルを捨て、リーシャと婚約する。
リーシャの本性や様々な者の策略を知ったフラン王子。アマリルのことを思い出して後悔するが、もう遅かったのだった。
フラン王子目線の物語です。


〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる