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第14章 ブス姉の幸せ
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「そんなあなた方からの仕打ちに辟易したからこそ、私は自ら殿下の婚約者から外れる為に動き、それが叶った事でマリヴェル公爵家から離籍し平民になったのです。やっとあなた方のくだらない自己愛主義に囚われる事が無くなったというのに…しかも本当の家族に巡り逢えたというのにまだ、"偽りの愛”、本当に私を愛しているわけではなく、ただ単にご自分達の体裁の為だけに【愛】という言葉を行って私を連れ戻そうとされるだなんて…。あなた方の神経を疑いますわ。」
と、とどめの言葉を投げつければ、マリヴェル公爵ご夫妻は項垂れ、ハワード殿下は漸く私の言葉の意味がお分かりになったのか、恥ずかしそうに私か目を背けられましたの。ですがリーナだけは相変わらず身体を震わせていたのね。よく見ると、何か言いたげな様子でしたので、
「あら?マリヴェル公爵令嬢リーナカレンデュナ様におかれましては、如何なさいましたの?ご体調がお悪いのでは?さっきからずっと震えていましてよ?」
と挑発してやると、
「な、なによ!体調だって悪くなるわ!!」
と淑女にあるまじき大声でそう叫んだかと思うと、
「アンタなんてアンタなんて!ただの地味で不細工女じゃない!!地味不細工の癖に生意気言ってんじゃないわよ!」
と、更に高位貴族令嬢の言葉とは思えない程の不躾な言葉が彼女の口から飛び出してきたの。
それには流石に言い過ぎだと思ったのでしょうね、今まで黙ってらしたマリヴェル公爵閣下が慌ててリーナの暴言を止めようお声をかけられようとなさったのだけれど、
「アンタが不細工だから、ハワード様は私を愛してくれたのよ!だって私はこーんなに可愛いのだもの。愛されて当然よね。だからって!ハワード様から愛されなかったからって僻むんじゃないわよ!」
と言ってしまったからさー大変。
ランドルフお義父様もウィンザード伯爵閣下も、腰に帯剣されていた剣を鞘から抜こうと柄に右手を添えられていらっしゃるし、ザック様は私を護ろうと私をご自身の背中に隠して下さったの。
もの凄い殺気が部屋の中に充満しているのにも気付かないリーナは尚も、
「なのに何なの?お父様もお母様もアンタを連れ戻したいって言ってくれてんのに断るだなんて有り得る?それにお母様なんてアンタが出てってからずっと寝台から起き上がれなかったのよ?そんな状態だったのに、無理してこんな辺境の地にまで迎えに来てやったっていうのに!なのに、アンタがそれを拒否するなんてどうしたっておかしいでしょう?しかも!しかもよ?アンタはマリヴェル公爵の血が一滴も流れていない正真正銘赤の他人だったって事でしょう?それなのに、お父様やお母様に"ここまで育ててもらってありがとうございます”って気持ちは無いわけ?不細工女は本当これだもの……。人の事羨ましがって僻むばっかりだから、人の心が分かんないのよ!」
と一気に捲し立てたリーナだったの。
だけれど……
バッシーンッ!!
「いッッ!?!?」
「いい加減にしないか!リーナ!」
と、とどめの言葉を投げつければ、マリヴェル公爵ご夫妻は項垂れ、ハワード殿下は漸く私の言葉の意味がお分かりになったのか、恥ずかしそうに私か目を背けられましたの。ですがリーナだけは相変わらず身体を震わせていたのね。よく見ると、何か言いたげな様子でしたので、
「あら?マリヴェル公爵令嬢リーナカレンデュナ様におかれましては、如何なさいましたの?ご体調がお悪いのでは?さっきからずっと震えていましてよ?」
と挑発してやると、
「な、なによ!体調だって悪くなるわ!!」
と淑女にあるまじき大声でそう叫んだかと思うと、
「アンタなんてアンタなんて!ただの地味で不細工女じゃない!!地味不細工の癖に生意気言ってんじゃないわよ!」
と、更に高位貴族令嬢の言葉とは思えない程の不躾な言葉が彼女の口から飛び出してきたの。
それには流石に言い過ぎだと思ったのでしょうね、今まで黙ってらしたマリヴェル公爵閣下が慌ててリーナの暴言を止めようお声をかけられようとなさったのだけれど、
「アンタが不細工だから、ハワード様は私を愛してくれたのよ!だって私はこーんなに可愛いのだもの。愛されて当然よね。だからって!ハワード様から愛されなかったからって僻むんじゃないわよ!」
と言ってしまったからさー大変。
ランドルフお義父様もウィンザード伯爵閣下も、腰に帯剣されていた剣を鞘から抜こうと柄に右手を添えられていらっしゃるし、ザック様は私を護ろうと私をご自身の背中に隠して下さったの。
もの凄い殺気が部屋の中に充満しているのにも気付かないリーナは尚も、
「なのに何なの?お父様もお母様もアンタを連れ戻したいって言ってくれてんのに断るだなんて有り得る?それにお母様なんてアンタが出てってからずっと寝台から起き上がれなかったのよ?そんな状態だったのに、無理してこんな辺境の地にまで迎えに来てやったっていうのに!なのに、アンタがそれを拒否するなんてどうしたっておかしいでしょう?しかも!しかもよ?アンタはマリヴェル公爵の血が一滴も流れていない正真正銘赤の他人だったって事でしょう?それなのに、お父様やお母様に"ここまで育ててもらってありがとうございます”って気持ちは無いわけ?不細工女は本当これだもの……。人の事羨ましがって僻むばっかりだから、人の心が分かんないのよ!」
と一気に捲し立てたリーナだったの。
だけれど……
バッシーンッ!!
「いッッ!?!?」
「いい加減にしないか!リーナ!」
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