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第14章 ブス姉の幸せ
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私は愛されている
ブスでも地味でも
私は愛されてるんだ
「ありがとう妖精達」
「ありがとうございます、ザック様」
「ウィンザード伯爵夫妻。それからランドルフ公爵夫妻。こんな私を愛して下さってありがとうございます。」
私の言葉に頷いてくれる皆の顔が輝いてたわ。誰も作り笑顔じゃなくて、本当の笑顔だったの。
嬉しくて嬉しくて
皆を抱き締めようと腕をのばしたその時
「な!何よ!!なんで幸せそうなのよ!」
と耳を劈く様な声が大広間に響き渡ったの。
全員が驚いてその声が聞こえた方を見ると、そこにはドレスのスカートをぎゅっと持って真っ赤な顔をしたリーナが立っていたわ。
「な、なんでそんなに幸せそうなのよ!あんたなんてハワード様から嫌われていたんだし、お父様お母様だってあんたよりリーナの方が可愛いっていつも言ってくれてたわ。なのになんで…なんでなのよ!皆から愛されているのはリーナだけでいいのっ!あんたみたいな地味女は、ずっと日陰で生きて……キャッ!!な、何よこれ!!」
リーナのわけのわからない屁理屈言葉を聞いたリリアン達が怒って、一斉にリーナに攻撃をしたの。
リリアンは曼珠沙華で軽い麻痺をおこさせリーナの体を動けなくし、グランツはリーナの足を土で固めてしまったの。そしてトゥーリスはグランツの土から蔦をはやしてリーナの手足を雁字搦めにすると、ファイヤードとウォルターとで作り出したお湯をウィンディの風に乗せてリーナの顔にバシャバシャと浴びせかけたの。
流石にこれには私も妖精達を止めなければと思ったのだけれど、
『僕達の大切なアンジーを虐めるな!』
(あらファイアード。ありがとう)
『そうだそうだ!』
(トゥーリスもありがと)
『貴女はずっと親に愛されてたんだから羨ましがる必要無いじゃない!』
(ウィンディってば)
『そうよ。貴女は自分に都合が悪くなったり、親の愛情が少しでも自分に向かなくなると、体調を崩したふりをして両親を自分の傍に置きたがったでしょ?』
(え?そうだったの?確かにリーナは小さい頃病弱だったと思ったけれど、それってようは仮病だったわけ?あとでリリアンに事の真相を聞いておかないといけないわね。)
それは兎も角、今はあの子達を止めるのが先決だわ。だって妖精が見えないマリヴェル公爵家、特にリーナからしたら、いきなり六つの光の球が集まってきたかと思えば、蔦やら土やらで身動き取れなくされるわ、体は麻痺するわ、お湯はかけられるわで散々な目にあってるわけだし?彼女の親達もリーナを助けてあげたいのだけれども、どうしたら良いのか分からずオロオロしてるし。
ましてハワード殿下に至っては、呆気に取られてその場に立ち尽くしてるだけだしね。
「皆!ありがと。もう十分よ」
とリリアン達にそう言えば、彼等はリーナへの攻撃を止めて私の周りに戻ってきたの。
『もういいの?』(リリアン)
『あの人には?しなくて良いのか?』(ファイアード)
「あの人達って?」
『あの子の親』
と言ってグランツは、その可愛らしい指で一人の人物を指し示したの。
その示された方向にいたのは、マリヴェル公爵だったわ。
『あの人が僕達をアンジーから遠ざけたんだ。だから許せないんだ!』(ウォルター)
『そうよ、そうよ!あの人が優しいアンジーの気持ちにつけ込んだのよ!』(トゥーリス)
『だからアンジーは、私達の事を忘れちゃったの』(ウィンディ)
と口々にそう訴える妖精達。
一時的とはいえ、彼等を忘れ(記憶の封印)をしていた罪悪感からか、何も言えなくなってしまった私。
そんな私を見たザック様が、
「君たちのジェーンを思う気持ちは良く分かった。だがあの女へのこれ以上の攻撃は止めておけ。」
『なんでだよ~』
とブスッとふくれっ面になって聞き返すファイアードに、
「それは、あの女の顔を見れば分かるさ」
と言ってリーナを指差すザック様につられる様に私もリーナを見たの。
するとそこにいたのは…
「え?貴女……誰?」
ブスでも地味でも
私は愛されてるんだ
「ありがとう妖精達」
「ありがとうございます、ザック様」
「ウィンザード伯爵夫妻。それからランドルフ公爵夫妻。こんな私を愛して下さってありがとうございます。」
私の言葉に頷いてくれる皆の顔が輝いてたわ。誰も作り笑顔じゃなくて、本当の笑顔だったの。
嬉しくて嬉しくて
皆を抱き締めようと腕をのばしたその時
「な!何よ!!なんで幸せそうなのよ!」
と耳を劈く様な声が大広間に響き渡ったの。
全員が驚いてその声が聞こえた方を見ると、そこにはドレスのスカートをぎゅっと持って真っ赤な顔をしたリーナが立っていたわ。
「な、なんでそんなに幸せそうなのよ!あんたなんてハワード様から嫌われていたんだし、お父様お母様だってあんたよりリーナの方が可愛いっていつも言ってくれてたわ。なのになんで…なんでなのよ!皆から愛されているのはリーナだけでいいのっ!あんたみたいな地味女は、ずっと日陰で生きて……キャッ!!な、何よこれ!!」
リーナのわけのわからない屁理屈言葉を聞いたリリアン達が怒って、一斉にリーナに攻撃をしたの。
リリアンは曼珠沙華で軽い麻痺をおこさせリーナの体を動けなくし、グランツはリーナの足を土で固めてしまったの。そしてトゥーリスはグランツの土から蔦をはやしてリーナの手足を雁字搦めにすると、ファイヤードとウォルターとで作り出したお湯をウィンディの風に乗せてリーナの顔にバシャバシャと浴びせかけたの。
流石にこれには私も妖精達を止めなければと思ったのだけれど、
『僕達の大切なアンジーを虐めるな!』
(あらファイアード。ありがとう)
『そうだそうだ!』
(トゥーリスもありがと)
『貴女はずっと親に愛されてたんだから羨ましがる必要無いじゃない!』
(ウィンディってば)
『そうよ。貴女は自分に都合が悪くなったり、親の愛情が少しでも自分に向かなくなると、体調を崩したふりをして両親を自分の傍に置きたがったでしょ?』
(え?そうだったの?確かにリーナは小さい頃病弱だったと思ったけれど、それってようは仮病だったわけ?あとでリリアンに事の真相を聞いておかないといけないわね。)
それは兎も角、今はあの子達を止めるのが先決だわ。だって妖精が見えないマリヴェル公爵家、特にリーナからしたら、いきなり六つの光の球が集まってきたかと思えば、蔦やら土やらで身動き取れなくされるわ、体は麻痺するわ、お湯はかけられるわで散々な目にあってるわけだし?彼女の親達もリーナを助けてあげたいのだけれども、どうしたら良いのか分からずオロオロしてるし。
ましてハワード殿下に至っては、呆気に取られてその場に立ち尽くしてるだけだしね。
「皆!ありがと。もう十分よ」
とリリアン達にそう言えば、彼等はリーナへの攻撃を止めて私の周りに戻ってきたの。
『もういいの?』(リリアン)
『あの人には?しなくて良いのか?』(ファイアード)
「あの人達って?」
『あの子の親』
と言ってグランツは、その可愛らしい指で一人の人物を指し示したの。
その示された方向にいたのは、マリヴェル公爵だったわ。
『あの人が僕達をアンジーから遠ざけたんだ。だから許せないんだ!』(ウォルター)
『そうよ、そうよ!あの人が優しいアンジーの気持ちにつけ込んだのよ!』(トゥーリス)
『だからアンジーは、私達の事を忘れちゃったの』(ウィンディ)
と口々にそう訴える妖精達。
一時的とはいえ、彼等を忘れ(記憶の封印)をしていた罪悪感からか、何も言えなくなってしまった私。
そんな私を見たザック様が、
「君たちのジェーンを思う気持ちは良く分かった。だがあの女へのこれ以上の攻撃は止めておけ。」
『なんでだよ~』
とブスッとふくれっ面になって聞き返すファイアードに、
「それは、あの女の顔を見れば分かるさ」
と言ってリーナを指差すザック様につられる様に私もリーナを見たの。
するとそこにいたのは…
「え?貴女……誰?」
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