163 / 179
第14章 ブス姉の幸せ
1
しおりを挟む
「どこぞの馬の骨とも分からぬ者に家督を継がせるのが惜しくなったのだろう?」
と、マリヴェル公爵閣下に冷たく言い放たれたオースティンお義父様。
「そんな事ある訳がないでしょう!私達はアンジェーヌを心から愛しております!!」
と、真っ直ぐお義父様を睨みつけそう仰ったマリヴェル公爵閣下。
お二人の攻防は正に、龍虎の戦いの様相を呈しているわね。
とはいえ少し驚いてしまったわ。
何故かって?
だって、実家……じゃないわね。だってマリヴェル公爵夫妻は私の親じゃないのだから。だから、マリヴェル公爵家住んでいた頃(これが正しい言い方ね)は、あれ程私に対して興味無さげにしていたマリヴェル公爵夫妻が、手のひらを返したかのように私に執着しているのだもの。
前世の父の様に、娘が居なくなった事で周りの人の目が気になって慌てて探し出して謝罪したくなった的なやつかしら。それとも、周りの人達に"良い親アピ”しときたい的な。
きっとそんな感じよね
まぁ今世は、マリヴェル公爵夫妻は本当の親じゃないのだし、私に固執する必要はなくない?
てことを思っていたら、
「確かに私達夫婦とアンジェーヌとは血の繋がりは無い!だが!私達はアンジェーヌを大切に育てたし、何処の馬の骨などと思った事は一度もない!!」
とマリヴェル公爵閣下はオースティンお義父様に食ってかかったの。それはそれは厳しい表情で、まるで相手を射殺さんばかりの勢いでもって。でも当然だけれども、お義父様も負けてはいないわ。
「ならば何故、アンジーの婚約者殿がそこの貴公の娘御と懇意にしている事に何も言わなかった?」
「そ、それは……」
「いくら相手が王子とはいえ、王命による婚約で、いずれは婿入りし義息となるのだから、貴公が王子を窘めたとしても不敬にはならぬだろう。」
「そ、それはそうだが……」
「なのに貴公達は、不敬を恐れ自分では何もせず、一切の責任をアンジーに押し付け追い詰めたのだ。違うか?」
お義父様の気迫の籠った言葉に追い込まれ何も言えなくなった公爵閣下。
「そ、そんな事はございませんわ!わたくしは…わたくし達は…」
と公爵夫人がそう髪を振り乱して何か仰ろうとされてるその時。
「えーーーーーー?お父様、お母様!お姉様はリーナのお姉様ではないの?マリヴェル公爵家の子じゃなかったの?」
と淑女らしからぬ大声でそう言い、夫人の言葉を遮ったリーナの言動にお倒れになりそうな夫人と、慌ててそれを支えられる公爵閣下がいらしたわ。
あらあらまぁまぁ
公爵夫人ともあろうお方が、こんなにあからさまに動揺見せちゃ駄目じゃないね~。腹芸のひとつも出来なくてどうするのかしら。これからのマリヴェル公爵家の先行きがちょっとだけ不安よね~。なんて思ってしまう私は、意地が悪いのかしらね。
と、マリヴェル公爵閣下に冷たく言い放たれたオースティンお義父様。
「そんな事ある訳がないでしょう!私達はアンジェーヌを心から愛しております!!」
と、真っ直ぐお義父様を睨みつけそう仰ったマリヴェル公爵閣下。
お二人の攻防は正に、龍虎の戦いの様相を呈しているわね。
とはいえ少し驚いてしまったわ。
何故かって?
だって、実家……じゃないわね。だってマリヴェル公爵夫妻は私の親じゃないのだから。だから、マリヴェル公爵家住んでいた頃(これが正しい言い方ね)は、あれ程私に対して興味無さげにしていたマリヴェル公爵夫妻が、手のひらを返したかのように私に執着しているのだもの。
前世の父の様に、娘が居なくなった事で周りの人の目が気になって慌てて探し出して謝罪したくなった的なやつかしら。それとも、周りの人達に"良い親アピ”しときたい的な。
きっとそんな感じよね
まぁ今世は、マリヴェル公爵夫妻は本当の親じゃないのだし、私に固執する必要はなくない?
てことを思っていたら、
「確かに私達夫婦とアンジェーヌとは血の繋がりは無い!だが!私達はアンジェーヌを大切に育てたし、何処の馬の骨などと思った事は一度もない!!」
とマリヴェル公爵閣下はオースティンお義父様に食ってかかったの。それはそれは厳しい表情で、まるで相手を射殺さんばかりの勢いでもって。でも当然だけれども、お義父様も負けてはいないわ。
「ならば何故、アンジーの婚約者殿がそこの貴公の娘御と懇意にしている事に何も言わなかった?」
「そ、それは……」
「いくら相手が王子とはいえ、王命による婚約で、いずれは婿入りし義息となるのだから、貴公が王子を窘めたとしても不敬にはならぬだろう。」
「そ、それはそうだが……」
「なのに貴公達は、不敬を恐れ自分では何もせず、一切の責任をアンジーに押し付け追い詰めたのだ。違うか?」
お義父様の気迫の籠った言葉に追い込まれ何も言えなくなった公爵閣下。
「そ、そんな事はございませんわ!わたくしは…わたくし達は…」
と公爵夫人がそう髪を振り乱して何か仰ろうとされてるその時。
「えーーーーーー?お父様、お母様!お姉様はリーナのお姉様ではないの?マリヴェル公爵家の子じゃなかったの?」
と淑女らしからぬ大声でそう言い、夫人の言葉を遮ったリーナの言動にお倒れになりそうな夫人と、慌ててそれを支えられる公爵閣下がいらしたわ。
あらあらまぁまぁ
公爵夫人ともあろうお方が、こんなにあからさまに動揺見せちゃ駄目じゃないね~。腹芸のひとつも出来なくてどうするのかしら。これからのマリヴェル公爵家の先行きがちょっとだけ不安よね~。なんて思ってしまう私は、意地が悪いのかしらね。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
3,418
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる