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第13章 ブス姉が幸せになる為に(明かされる真実)
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「アンジー!アンジー!!何処へ行ったのだアンジー!返事をしてくれアンジー!!」
教会の内外を出たり入ったり、建物の周りをグルグル回ったりしながら、半ば半狂乱になりながらも、義理の娘になった亡き兄夫婦の忘れ形見の名を叫ぶ様に呼んでいるオースティン。
そんな彼の姿をランカスターは、水鏡で見ていた。そして
『我が愛し子よ。こ度はそなたに会えて良かった。さぁ、そろそろそなたを元の世界に送り届けねばならぬな。そなたの父が心配している。』
と穏やかな口調で、水鏡を見るようにとアンジェリータに言った。
彼女は妖精王に言われた通り水鏡を覗き込む。とそこにはアンジェリータの名を叫びながら、彼女の姿を探し回っているオースティンが写っていた。
「オースティンお義父様!」
水鏡に映るオースティンを見たアンジェリータが水鏡に手を入れようとする。そんな彼女をランカスターと彼女の妖精達が慌ててそれを止めた。
彼等がアンジェリータの手を止めた理由は他でもない。水鏡の中と繋がっているのは異次元世界だからだ。
万が一誤って鏡の中に落ちてしまえば、
"永遠に元の世界には戻ってこられない。”
そう言われているのだ。
無論、未だかつて誰も落ちてはいない為真偽のほどは分からないのだが…。
それは兎も角
アンジェリータは、自分を心配し半狂乱になっているオースティンの元に帰り早く彼を安心させてやりたくて、水鏡に写る義父の名前を呼び続けている。
オースティンが心配するのも無理は無い。何せいきなり眩い光に包まれた娘が目の前から消えてしまったのだから。
だが、彼女の声はオースティンには届かない。
「妖精王様。私をお義父様の元にお返し下さるのですよね?」
と縋る様にそう言うアンジェリータに
『勿論だ。』
と深く頷くと
『誰か!オースティンに加護を与えている妖精を呼んで参れ!』
少しすると、そう言ったランカスターの元に、オースティンに加護を与えている妖精ファヤーとウェンドが現れた。
『お前達が我のアンジェリータの父親の妖精なのだな?』
と彼等に問えば、ランカスターの差し出された手の上でそれを肯定する二体の妖精達。
『ではお前達。それから、我の愛し子に加護を与えている者達よ!彼女を人の国へと送り届けよ』
と言ったランカスターの言葉に従ってリリアン達六体の妖精もアンジェリータの元に集まった。
アンジェリータは、ランカスターに対し、妖精王に会えた事への喜びと義父への気遣いに感謝の言葉を述べたのだ。そしてランカスターによって開かれた、妖精国とオースティンの待つ世界とが繋がる扉の様な空間に、妖精達に護られながら足を踏み入れたのだった。
教会の内外を出たり入ったり、建物の周りをグルグル回ったりしながら、半ば半狂乱になりながらも、義理の娘になった亡き兄夫婦の忘れ形見の名を叫ぶ様に呼んでいるオースティン。
そんな彼の姿をランカスターは、水鏡で見ていた。そして
『我が愛し子よ。こ度はそなたに会えて良かった。さぁ、そろそろそなたを元の世界に送り届けねばならぬな。そなたの父が心配している。』
と穏やかな口調で、水鏡を見るようにとアンジェリータに言った。
彼女は妖精王に言われた通り水鏡を覗き込む。とそこにはアンジェリータの名を叫びながら、彼女の姿を探し回っているオースティンが写っていた。
「オースティンお義父様!」
水鏡に映るオースティンを見たアンジェリータが水鏡に手を入れようとする。そんな彼女をランカスターと彼女の妖精達が慌ててそれを止めた。
彼等がアンジェリータの手を止めた理由は他でもない。水鏡の中と繋がっているのは異次元世界だからだ。
万が一誤って鏡の中に落ちてしまえば、
"永遠に元の世界には戻ってこられない。”
そう言われているのだ。
無論、未だかつて誰も落ちてはいない為真偽のほどは分からないのだが…。
それは兎も角
アンジェリータは、自分を心配し半狂乱になっているオースティンの元に帰り早く彼を安心させてやりたくて、水鏡に写る義父の名前を呼び続けている。
オースティンが心配するのも無理は無い。何せいきなり眩い光に包まれた娘が目の前から消えてしまったのだから。
だが、彼女の声はオースティンには届かない。
「妖精王様。私をお義父様の元にお返し下さるのですよね?」
と縋る様にそう言うアンジェリータに
『勿論だ。』
と深く頷くと
『誰か!オースティンに加護を与えている妖精を呼んで参れ!』
少しすると、そう言ったランカスターの元に、オースティンに加護を与えている妖精ファヤーとウェンドが現れた。
『お前達が我のアンジェリータの父親の妖精なのだな?』
と彼等に問えば、ランカスターの差し出された手の上でそれを肯定する二体の妖精達。
『ではお前達。それから、我の愛し子に加護を与えている者達よ!彼女を人の国へと送り届けよ』
と言ったランカスターの言葉に従ってリリアン達六体の妖精もアンジェリータの元に集まった。
アンジェリータは、ランカスターに対し、妖精王に会えた事への喜びと義父への気遣いに感謝の言葉を述べたのだ。そしてランカスターによって開かれた、妖精国とオースティンの待つ世界とが繋がる扉の様な空間に、妖精達に護られながら足を踏み入れたのだった。
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