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第13章 ブス姉が幸せになる為に(明かされる真実)
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時は少し遡って私がランドルフ公爵領に行った時の事。オースティンお義父様は、私に衝撃的な事実を話してくれたわ。
それは私がまだ幼子だった頃
帝国で激しい後継者争いが起きたそうなの。
現皇帝陛下のお父君である前皇帝陛下が病に倒れられ、次期皇帝陛下を早々に決めなければならなくなったのね。
当時継承権を持っていたのは、第一子の現皇帝陛下が第一位。ご次男が第二位。第三子であられせられる皇女様は既に他国へ嫁がれておられたので既に権利はなかったそうよ。
となれば当然の事ながら、当時第一子であった現皇帝陛下がそのまま即位されるのが通例なのだけれど、どこの国にもある、〖第一皇子派〗〖第二皇子派〗といった貴族の派閥があったの。
第二皇子様はとても穏やかな性格で、ご本人は皇帝になる気は全くなかったのだけれど、そんな彼を皇帝にすれば自分達の好きに出来ると考えた貴族達は、勝手に第二皇子派を作り第一皇子を蹴落とそうとしたの。そして、ありもしない罪をでっち上げ、先ずは従兄弟であり側近でもあったオースティンお義父様の兄君を陥れた。
身の危険を悟ったお義父様の兄君ご夫妻は、三人いらしたお子様達を、それぞれの従者や侍女、乳母達家族に預け屋敷から逃がしたそうなの。
だけどご長男とご長女を連れたそれぞれの従者達は追っ手に見つかりその場で殺害されて、ご長男とご長女もその時亡くなってしまったのだそう。だけどなんとか末の娘さんだけは隣国の王国に逃げ延びる事が出来たそうなのね。
兄君ご夫妻と甥御さん姪御さんを亡くされたオースティンお義父は、哀しみの中、直ぐにランドルフ公爵家を継ぎ、第一皇子の宰相になられたの。そして第二皇子派の不正行為の証拠を集め、王家に謀反を企てた者として一族全員を投獄した後、兄君を殺された広場で公開処刑したそうよ。
そして、無事皇帝陛下になられた第一皇子は、第二皇子を遠い国の王配として行かせたらしいの。元々皇帝になる気がなかった事と第二皇子派が勝手に行なった事を鑑みての、陛下のご判断だったそうよ。その処遇は、ある意味実弟に対しての温情とも言えるのかもしれないわね。
「そしてアンジー。君は私の兄上の忘れ形見なんだよ。」
「え?私が!?」
「そうだ。君を隣国に連れて行った乳母の名は、ルミエール=フォルミール」
「フォ、フォルミール?!フォルミールて…マーサの……」
「そうだよアンジー。君の侍女、サマンサの祖母にあたる女性だ。」
「そ、そんな…そんなことって……」
あまりの衝撃的な話に絶句してしまった私の頭をそっと撫でて下さりながら、
「驚かせてすまない、アンジー。でもこれは紛れもない事実なんだ。君は私の姪、亡き兄上 マーミリアン=ランドルフ公爵の実の娘だ。」
と優しく仰ってくださったの。それから私が、どうやってマリヴェル公爵家の子供になったのかを話して下さったの。
それは私がまだ幼子だった頃
帝国で激しい後継者争いが起きたそうなの。
現皇帝陛下のお父君である前皇帝陛下が病に倒れられ、次期皇帝陛下を早々に決めなければならなくなったのね。
当時継承権を持っていたのは、第一子の現皇帝陛下が第一位。ご次男が第二位。第三子であられせられる皇女様は既に他国へ嫁がれておられたので既に権利はなかったそうよ。
となれば当然の事ながら、当時第一子であった現皇帝陛下がそのまま即位されるのが通例なのだけれど、どこの国にもある、〖第一皇子派〗〖第二皇子派〗といった貴族の派閥があったの。
第二皇子様はとても穏やかな性格で、ご本人は皇帝になる気は全くなかったのだけれど、そんな彼を皇帝にすれば自分達の好きに出来ると考えた貴族達は、勝手に第二皇子派を作り第一皇子を蹴落とそうとしたの。そして、ありもしない罪をでっち上げ、先ずは従兄弟であり側近でもあったオースティンお義父様の兄君を陥れた。
身の危険を悟ったお義父様の兄君ご夫妻は、三人いらしたお子様達を、それぞれの従者や侍女、乳母達家族に預け屋敷から逃がしたそうなの。
だけどご長男とご長女を連れたそれぞれの従者達は追っ手に見つかりその場で殺害されて、ご長男とご長女もその時亡くなってしまったのだそう。だけどなんとか末の娘さんだけは隣国の王国に逃げ延びる事が出来たそうなのね。
兄君ご夫妻と甥御さん姪御さんを亡くされたオースティンお義父は、哀しみの中、直ぐにランドルフ公爵家を継ぎ、第一皇子の宰相になられたの。そして第二皇子派の不正行為の証拠を集め、王家に謀反を企てた者として一族全員を投獄した後、兄君を殺された広場で公開処刑したそうよ。
そして、無事皇帝陛下になられた第一皇子は、第二皇子を遠い国の王配として行かせたらしいの。元々皇帝になる気がなかった事と第二皇子派が勝手に行なった事を鑑みての、陛下のご判断だったそうよ。その処遇は、ある意味実弟に対しての温情とも言えるのかもしれないわね。
「そしてアンジー。君は私の兄上の忘れ形見なんだよ。」
「え?私が!?」
「そうだ。君を隣国に連れて行った乳母の名は、ルミエール=フォルミール」
「フォ、フォルミール?!フォルミールて…マーサの……」
「そうだよアンジー。君の侍女、サマンサの祖母にあたる女性だ。」
「そ、そんな…そんなことって……」
あまりの衝撃的な話に絶句してしまった私の頭をそっと撫でて下さりながら、
「驚かせてすまない、アンジー。でもこれは紛れもない事実なんだ。君は私の姪、亡き兄上 マーミリアン=ランドルフ公爵の実の娘だ。」
と優しく仰ってくださったの。それから私が、どうやってマリヴェル公爵家の子供になったのかを話して下さったの。
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