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第12章 ブス姉が幸せになる為に(ブス姉vs元家族)
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「御来席の皆様方に申し上げます。これより、ウィンザード伯爵家ご嫡子アイザックス=ウィンザード伯爵令息様、隣国の公爵家であらせられる、ランドルフ公爵家ご息女アンジェリータ=ユーリ=ランドルフ公爵令嬢様、お二人のご婚約式の儀を執り行います。」
ウィンザード伯爵家の執事長マハンドールがそう声を張ると、大広間に入る後方の扉から部屋の上座に作られた壇上迄を、同家の邸宅の敷地内の寮に住んでいる騎士達が向かい合って整列し、剣の上に掲げて刃(勿論勿論 殺さずの剣だけどね)を合わせて作ったアーチをくぐる様にして、ウィンザード伯爵ご夫妻の後にアイザックス様が進んで行く。その後ろを、ランドルフ公爵夫妻の後ろと私が続いたの。
剣のアーチの下を歩いている時に思い出したのは、前世で好んでよく観ていたとある映画のワンシーンだったわ。
確かあれは…
衣装合わせの時になんとか逃げ出したのに、その後狡猾で傲慢な伯爵に捕まってしまい、高い塔に幽閉されてしまったお姫様を救い出す世界的大泥棒の三代目だってキャラが出てくるお話だったわ。
ヒロインである幽閉されたお姫様がロリコン伯爵(ル〇ン3世曰く)の元に嫌々嫁ぐ時に、伯爵の怪しい部下達(?)が剣のアーチを作った後、その剣を十字架になるように掲げ持った状態でロリ伯爵とお姫様を結婚式場まで護衛してたっけ。
BGMこそ厳かな感じだったけれど、きっとあの時のヒロインであるお姫様は、もの凄く嫌な思いをしていたのと同時に諦めの境地にいたんだと思う。表情からしてそうだったものね。
だけど今の私は彼女とは違うわ。だって私は、嫌々ザック様の元に嫁ぐわけではないのだもの。
だからこの剣のアーチは、私が国境を護る辺境伯の妻になる為の祝福のアーチと言えるだろうて思ったの。
壇上に下手(舞台に向かって右が上手、左が下手)から上がった私達。
壇上に向かって左(下手)から、私アンジェリータ=ランドルフ、ランドルフ公爵夫人、ランドルフ公爵閣下。オースティンお義父様のお隣にウィンザード伯爵閣下、ウィンザード伯爵夫人、そしてアイザックス=ウィンザード伯爵令息様の順に一列横隊で並んで立ったの。
そこで私は、壇上の下にいらっしゃる面々をザラっと見渡したのね。
私とザック様の婚約式の立ち会いに足を運んで下さった方々は、下手のウィンザード側のテーブルにつかれていらっしゃる、伯爵家ご次男のジェフリー様と、多分だけれど先代のウィンザード伯爵閣下と奥方だったわ。"多分”と言った理由は、先代閣下のお顔立ちと現伯爵閣下のお顔立ちはとても良く似ていたからなの。
そして上手の、私達ランドルフ公爵側のテーブルには、公爵家から私達と一緒にこちらに来られたランドルフ公爵家の二番目のお義兄様とそのご婚約者様。
そして壇から一番離れた場所に、マリヴェル公爵家の面々が、じっと私達を見ていたのが見えたの。
マリヴェル公爵家の人達からは私の顔迄は見えないのか?ただ単に、婚約式という儀式が珍しかっただけなのか?
静かにそこに座っていたわ。
そんな彼等を見た私が思った事は、これが嵐の前の静けさにならなければ良いのに事。
でもきっとリーナの事だからきっと何もやらかさないで終わることは無いわね。なんて事を思っていたら、案の定しっかりやってくれたのだけれどもね。
ウィンザード伯爵家の執事長マハンドールがそう声を張ると、大広間に入る後方の扉から部屋の上座に作られた壇上迄を、同家の邸宅の敷地内の寮に住んでいる騎士達が向かい合って整列し、剣の上に掲げて刃(勿論勿論 殺さずの剣だけどね)を合わせて作ったアーチをくぐる様にして、ウィンザード伯爵ご夫妻の後にアイザックス様が進んで行く。その後ろを、ランドルフ公爵夫妻の後ろと私が続いたの。
剣のアーチの下を歩いている時に思い出したのは、前世で好んでよく観ていたとある映画のワンシーンだったわ。
確かあれは…
衣装合わせの時になんとか逃げ出したのに、その後狡猾で傲慢な伯爵に捕まってしまい、高い塔に幽閉されてしまったお姫様を救い出す世界的大泥棒の三代目だってキャラが出てくるお話だったわ。
ヒロインである幽閉されたお姫様がロリコン伯爵(ル〇ン3世曰く)の元に嫌々嫁ぐ時に、伯爵の怪しい部下達(?)が剣のアーチを作った後、その剣を十字架になるように掲げ持った状態でロリ伯爵とお姫様を結婚式場まで護衛してたっけ。
BGMこそ厳かな感じだったけれど、きっとあの時のヒロインであるお姫様は、もの凄く嫌な思いをしていたのと同時に諦めの境地にいたんだと思う。表情からしてそうだったものね。
だけど今の私は彼女とは違うわ。だって私は、嫌々ザック様の元に嫁ぐわけではないのだもの。
だからこの剣のアーチは、私が国境を護る辺境伯の妻になる為の祝福のアーチと言えるだろうて思ったの。
壇上に下手(舞台に向かって右が上手、左が下手)から上がった私達。
壇上に向かって左(下手)から、私アンジェリータ=ランドルフ、ランドルフ公爵夫人、ランドルフ公爵閣下。オースティンお義父様のお隣にウィンザード伯爵閣下、ウィンザード伯爵夫人、そしてアイザックス=ウィンザード伯爵令息様の順に一列横隊で並んで立ったの。
そこで私は、壇上の下にいらっしゃる面々をザラっと見渡したのね。
私とザック様の婚約式の立ち会いに足を運んで下さった方々は、下手のウィンザード側のテーブルにつかれていらっしゃる、伯爵家ご次男のジェフリー様と、多分だけれど先代のウィンザード伯爵閣下と奥方だったわ。"多分”と言った理由は、先代閣下のお顔立ちと現伯爵閣下のお顔立ちはとても良く似ていたからなの。
そして上手の、私達ランドルフ公爵側のテーブルには、公爵家から私達と一緒にこちらに来られたランドルフ公爵家の二番目のお義兄様とそのご婚約者様。
そして壇から一番離れた場所に、マリヴェル公爵家の面々が、じっと私達を見ていたのが見えたの。
マリヴェル公爵家の人達からは私の顔迄は見えないのか?ただ単に、婚約式という儀式が珍しかっただけなのか?
静かにそこに座っていたわ。
そんな彼等を見た私が思った事は、これが嵐の前の静けさにならなければ良いのに事。
でもきっとリーナの事だからきっと何もやらかさないで終わることは無いわね。なんて事を思っていたら、案の定しっかりやってくれたのだけれどもね。
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