妹よりブスな姉の幸せ

第六章 本格的な始動

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ウィンザード伯爵邸に到着すると、先触れもなかった私達を伯爵邸の従者の皆さんが温かく向かい入れてくれ、マーサを伯爵邸の豪華な客間の寝台に寝かせてくれたの。

「良かったわね、マーサ。ザック様が今、お医者様と薬師くすしを呼んで下さったそうよ。マリヴェル公爵家あそこを出てから今まで、ずっと頑張って来たのだもの。こちらで少しゆっくりさせて頂くといいわ。」
と寝台の上で恐縮しながら寝ているマーサの手を握ってそう言うと、
「勿論お嬢様も一緒にいて下さいますよね？」
と、離さない！とばかりに私の手をギュッと握り返しながら、マーサは懇願するかのように私にそう言ったの。

マーサをお医者様に頼んだら自宅に帰るつもりだった私の考えを見透かされ動揺していたら、
「ジェーン。君も是非来てここに欲しい。良い機会だから、父上と母上に君の事を紹介したいんだ。両親達も、君にとても会いたがっているからな。」
とザック様まで宣のたまう始末。
「え？伯爵ご夫妻がですの？」
「そうそう。兄上が好いている…「おい！ジェフ！」おっと！そんなご令嬢にお二人も……「止めろと言ってる！」とても興味があるって。ね？兄上？」
と言いながら、話を止めようとするザック様から逃げ回るジェフェリー様。

その様子が可笑しかった様で、寝台の上で笑っているマーサ。
いや笑ってる場合じゃないからね？マーサさん。

「ちょっとそこの仲良し兄弟さん？いつまでもじゃれていらっしゃらないで、私のお願いを聞いて頂けます？」
と、少々イラッとしているオーラを醸し出しながらそう言うと、
「「はい！」」
とお二人はその場に立ち止まり、騎士らしく敬礼をなさいましたの。
流石騎士様だわ

「レムズ先生が来られるまでの間マーサを少し寝かせてあげたいんですの。ですので殿方はご退室くださいませんこと？」
と必殺リーナ戦法上目遣い(本来私はやりません！)でそうお願いすると、伯爵令息のお二人は一瞬固まった後、ギクシャクと手足を動かして部屋から出ていったわ。

え？何？何なの？アレは
そんなに私の上目遣いは壊滅的だったの？

やっぱり不細工な私がやっちゃダメなやつだったのね……
分かってはいたけど…
めちゃくちゃショックだわ………