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第三章 旅立ち
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夜空に舞い上がりました私は、その場所で何度か慎重に、くるりくるりと旋回してみましたの。
すると
『アンジェーヌ、上手よ~。』
『うんうん!飛べてるね。』
『僕達と同じだぁ!』
と言って、妖精達も嬉しそうに私の周りを飛び回りましたわ。
その後、しっかりと飛べます事を確認致しました私は、空中で講堂の方を向き直りましたの。
バルコニーを見遣りますと、そこには大勢の方が何事か?と出て来られておりましたわね。
「国王陛下、王妃殿下!高い所から失礼しますわ。殿下より婚約破棄、確かに承りましてございます。それから、今後両陛下の家臣となられます殿下を、法律違反の罪人にさせとうございませんので、私はこれよりとある地にございます修道院へと参る所存にございます。ですので、陛下。これからもマリヴェル公爵家を宜しくお願い申し上げますわ。きっと王家の忠実な家臣として国を盛り上げて下さると思いますわ。それから、お父様 お母様。ここまで私をお育て下さりありがとうございました。公爵家の醜聞となりました私は、今この瞬間娘ではなくなります。が、遠い地の修道院で公爵家の幸せをお祈りしておりますわね。そして、ハワード殿下!リーナとどうぞお幸せに!領地経営のお勉強頑張って下さいましね。」
と空中でカーテシーを致しましたの。
浮いたままではバランスが取りにくいかしら?と思われましたが、綺麗に決める事が出来ましたわ。
なんとか出来ちゃうものなのですわね。
カーテシーを終え頭を上げますと、
「「アンジー!お手紙書くわね~!」」
ミーナとサリーナが淑女に有るまじき大声で、しかもバルコニーの手摺りから身を乗り出して私に手を振って下さいましたの。
ですので私も
「分かりましたわ~。私からも書かせて頂くわね!!」
と申しまして、手を振り返しましたのよ。
さて
円もたけなわ?
いえ
この断罪……いえ
このハワード殿下によります婚約破棄という演目も幕引きの刻限となりましたわ。
「では皆様、引き続き卒業舞踏会をお楽しみ下さいまし!只今をもちまして平民となります私にとって最後の舞踏会ではございましたが、とても楽しゅうございました。それでは皆様。ご機嫌よう!」
また私は再度空中で綺麗にカーテシーを致しますと、一路市井にございますマーサの待つアパルトマンへと飛び急いだのでございます。
お父様とお母様、それにハワード殿下が、私の名前を大声で呼んでおられる様でしたが、勿論ガン無視させて頂きましたわ。
あ~、そうでしたわ。
面倒臭い人の存在を失念しておりましたわ。
その、先程までの硬直が解かれた様子の面倒臭い人物でございますが、
「お嬢様~!!お姉様は狡いですわ!私も飛びたいのに~!!」
と、言っていた様でしたわね。
当然、この言葉もガン無視ですわ。
てか、あんたには妖精が見えないでしょう?
それに魔法使いでもなきゃ、飛べるわけないじゃない?
流石、お馬さんと鹿さんが頭の中のお花畑で走り回っている脳内の人の発言よね。
あぁそうですわ。
お父様?リーナへの公爵家教育と、殿下への領地経営教育を押し付けてごめんあそばせ。
そしてどうぞ苦労なさって下さいな。
ずっとリーナの我儘と、殿下の横暴を放置しておられたツケをこれからひしひしと感じるかと思いますけども。
ですが公爵家から離れる事に致しました私は、知らぬ存ぜぬを決めさせて頂きますわね。
ま、この私の声もこの思いも、もうあの人達に届くとこは無いのですけれどもね。
「では皆様、ご機嫌よう。」
私は一瞬だけ後ろを振り向きそう呟きますと、一路目的の場所へと飛び急ぎましたのよ。
すると
『アンジェーヌ、上手よ~。』
『うんうん!飛べてるね。』
『僕達と同じだぁ!』
と言って、妖精達も嬉しそうに私の周りを飛び回りましたわ。
その後、しっかりと飛べます事を確認致しました私は、空中で講堂の方を向き直りましたの。
バルコニーを見遣りますと、そこには大勢の方が何事か?と出て来られておりましたわね。
「国王陛下、王妃殿下!高い所から失礼しますわ。殿下より婚約破棄、確かに承りましてございます。それから、今後両陛下の家臣となられます殿下を、法律違反の罪人にさせとうございませんので、私はこれよりとある地にございます修道院へと参る所存にございます。ですので、陛下。これからもマリヴェル公爵家を宜しくお願い申し上げますわ。きっと王家の忠実な家臣として国を盛り上げて下さると思いますわ。それから、お父様 お母様。ここまで私をお育て下さりありがとうございました。公爵家の醜聞となりました私は、今この瞬間娘ではなくなります。が、遠い地の修道院で公爵家の幸せをお祈りしておりますわね。そして、ハワード殿下!リーナとどうぞお幸せに!領地経営のお勉強頑張って下さいましね。」
と空中でカーテシーを致しましたの。
浮いたままではバランスが取りにくいかしら?と思われましたが、綺麗に決める事が出来ましたわ。
なんとか出来ちゃうものなのですわね。
カーテシーを終え頭を上げますと、
「「アンジー!お手紙書くわね~!」」
ミーナとサリーナが淑女に有るまじき大声で、しかもバルコニーの手摺りから身を乗り出して私に手を振って下さいましたの。
ですので私も
「分かりましたわ~。私からも書かせて頂くわね!!」
と申しまして、手を振り返しましたのよ。
さて
円もたけなわ?
いえ
この断罪……いえ
このハワード殿下によります婚約破棄という演目も幕引きの刻限となりましたわ。
「では皆様、引き続き卒業舞踏会をお楽しみ下さいまし!只今をもちまして平民となります私にとって最後の舞踏会ではございましたが、とても楽しゅうございました。それでは皆様。ご機嫌よう!」
また私は再度空中で綺麗にカーテシーを致しますと、一路市井にございますマーサの待つアパルトマンへと飛び急いだのでございます。
お父様とお母様、それにハワード殿下が、私の名前を大声で呼んでおられる様でしたが、勿論ガン無視させて頂きましたわ。
あ~、そうでしたわ。
面倒臭い人の存在を失念しておりましたわ。
その、先程までの硬直が解かれた様子の面倒臭い人物でございますが、
「お嬢様~!!お姉様は狡いですわ!私も飛びたいのに~!!」
と、言っていた様でしたわね。
当然、この言葉もガン無視ですわ。
てか、あんたには妖精が見えないでしょう?
それに魔法使いでもなきゃ、飛べるわけないじゃない?
流石、お馬さんと鹿さんが頭の中のお花畑で走り回っている脳内の人の発言よね。
あぁそうですわ。
お父様?リーナへの公爵家教育と、殿下への領地経営教育を押し付けてごめんあそばせ。
そしてどうぞ苦労なさって下さいな。
ずっとリーナの我儘と、殿下の横暴を放置しておられたツケをこれからひしひしと感じるかと思いますけども。
ですが公爵家から離れる事に致しました私は、知らぬ存ぜぬを決めさせて頂きますわね。
ま、この私の声もこの思いも、もうあの人達に届くとこは無いのですけれどもね。
「では皆様、ご機嫌よう。」
私は一瞬だけ後ろを振り向きそう呟きますと、一路目的の場所へと飛び急ぎましたのよ。
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追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
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