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第8章 学園生活で見聞した事は(ジェフェリー目線)
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リーナカレンデュナ様が出した手配書をお見せした途端、ミーナリンド様もサリーナヴェルテ様も、またご令嬢達のご婚約者様達も声を荒げられた。
「なんて酷い事を!」
「本当だな、ミーナ。リーナカレンデュナ様は、ご自身の行ないを棚に上げて、姉君であるマリヴェル公爵令嬢が一方的に悪い事の様に書かれている。」
「確かにそうですね、ルービック卿。アンジェーヌ様…いや、アンジェリータ様は、ご在学中、ハワード第二王子殿下様がどんなに不貞行為をなさっておられたとしても、何も仰らず、ただ黙って耐えておられたというのに。」
「マイク様が仰るとおりですわ。アンジーは殿下やリーナカレンデュナ様に苦言を呈す事はあっても、それ以外は何もなさらなかったわ。それに、婚約を破棄なさったのはハワード殿下の有責ですし。それにより、陛下が要再教育と判断されただけの事ですわ。なのに何故、アンジーに責があるという見解になるのかしら?」
「サリーナの仰るとおりですわ。公爵夫人がお倒れになられたのはお気の毒とは思いますけれども、それもアンジーよりも妹君を優遇された結果故の事。公爵ご夫妻の云わば自業自得でしょうに。」
「えぇえぇ。ミーナが仰るとおりですわ。リーナカレンデュナ様の淑女教育が厳しくなられたのも、自業自得でしょうし。」
と、四名の子息令嬢は、さっきからリーナカレンデュナ様の手配書の内容について非難轟々だ。
だがそれも当然の事
義姉上は本当に素晴らしいお方だし、今回の事について彼女に非は全くないのだから。
そう思って彼等の言葉に頷いていると、
「それで?私達がアンジーの為に何をしたら宜しいんですの?」
とミーナリンド様にそう聞かれた俺は、
「この手配書でございますが、配られたのは学園内のみにございます。私独自の伝手にて調べましたところ、外部に撒かれた様子は無いようです。然しながら、学園に通う高位貴族の子息令嬢が自身の屋敷に持ち帰り、家族や婚約者、または屋敷で働く者達に見せたり、また、下級貴族の生徒達や平民の生徒達が情報提供による報奨金欲しさに動く可能性がございます。勿論、我が領地にアンジェリータ様がおられる事が外部に漏れ出ない様、両親や兄上、それに領地の騎士団も動いております。また領民達の中に、アンジェリータ様が元マリヴェル公爵令嬢であらせられる事を知っている者はおりません。ですので、我が領地の領民達は、まさか、アンジェリータ様が殿下や公爵閣下に探されている高位貴族の令嬢だったとは思ってはおらないでしょう。」
「そう。それなら辺境伯様の領民の方達から、アンジーの情報が漏れる事は無いのね。」
とミーナリンド様が安堵の表情をうかべたが、サリーナヴェルテ様は、
「ですが、私達がアンジーに手紙を出したいとなったらどうしたら良いのかしら。」
と不安そうに瞳を揺らされた。
「その点に関しましては、妙案がございます故、ご安心下さい。」
と言って、サリーナヴェルテ様を安心させるかの様に、俺は皆様に向かって微笑みを浮かべたんだ。
「なんて酷い事を!」
「本当だな、ミーナ。リーナカレンデュナ様は、ご自身の行ないを棚に上げて、姉君であるマリヴェル公爵令嬢が一方的に悪い事の様に書かれている。」
「確かにそうですね、ルービック卿。アンジェーヌ様…いや、アンジェリータ様は、ご在学中、ハワード第二王子殿下様がどんなに不貞行為をなさっておられたとしても、何も仰らず、ただ黙って耐えておられたというのに。」
「マイク様が仰るとおりですわ。アンジーは殿下やリーナカレンデュナ様に苦言を呈す事はあっても、それ以外は何もなさらなかったわ。それに、婚約を破棄なさったのはハワード殿下の有責ですし。それにより、陛下が要再教育と判断されただけの事ですわ。なのに何故、アンジーに責があるという見解になるのかしら?」
「サリーナの仰るとおりですわ。公爵夫人がお倒れになられたのはお気の毒とは思いますけれども、それもアンジーよりも妹君を優遇された結果故の事。公爵ご夫妻の云わば自業自得でしょうに。」
「えぇえぇ。ミーナが仰るとおりですわ。リーナカレンデュナ様の淑女教育が厳しくなられたのも、自業自得でしょうし。」
と、四名の子息令嬢は、さっきからリーナカレンデュナ様の手配書の内容について非難轟々だ。
だがそれも当然の事
義姉上は本当に素晴らしいお方だし、今回の事について彼女に非は全くないのだから。
そう思って彼等の言葉に頷いていると、
「それで?私達がアンジーの為に何をしたら宜しいんですの?」
とミーナリンド様にそう聞かれた俺は、
「この手配書でございますが、配られたのは学園内のみにございます。私独自の伝手にて調べましたところ、外部に撒かれた様子は無いようです。然しながら、学園に通う高位貴族の子息令嬢が自身の屋敷に持ち帰り、家族や婚約者、または屋敷で働く者達に見せたり、また、下級貴族の生徒達や平民の生徒達が情報提供による報奨金欲しさに動く可能性がございます。勿論、我が領地にアンジェリータ様がおられる事が外部に漏れ出ない様、両親や兄上、それに領地の騎士団も動いております。また領民達の中に、アンジェリータ様が元マリヴェル公爵令嬢であらせられる事を知っている者はおりません。ですので、我が領地の領民達は、まさか、アンジェリータ様が殿下や公爵閣下に探されている高位貴族の令嬢だったとは思ってはおらないでしょう。」
「そう。それなら辺境伯様の領民の方達から、アンジーの情報が漏れる事は無いのね。」
とミーナリンド様が安堵の表情をうかべたが、サリーナヴェルテ様は、
「ですが、私達がアンジーに手紙を出したいとなったらどうしたら良いのかしら。」
と不安そうに瞳を揺らされた。
「その点に関しましては、妙案がございます故、ご安心下さい。」
と言って、サリーナヴェルテ様を安心させるかの様に、俺は皆様に向かって微笑みを浮かべたんだ。
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