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第六章 本格的な始動
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「この度は当家の愚息が。申し訳ありませんでした。」
客間の扉をコンコンとノックする音に、お医者様と薬師の方がみえたと思い入室を許可する言葉を言うと、入ってこられたのは、この家の主であり領主のウィンザード閣下だったの。
入室するやいなや、閣下は、ご子息がマーサに怪我をさせてしまった事を頭を深く下げて謝罪してくださったの。
閣下の謝罪に恐縮してしまったマーサが寝台から起き上がろうすると、
「いえ、どうぞそのままで。」
とにこやかに微笑まれる閣下。
とても穏やかでお優しく紳士という印象なのに、これが一度戦ともなれば、冷酷無慈悲の刄の狼になるお方とは、今のこのご様子では、到底想像も出来ないわね。
「いえ!とんでもございません、ウィンザード閣下。私がご子息アイザックス様の勢いに耐えられなかっただけにございます。」
とマーサが恐縮すれば、
「いや。それでも愚息は、女性に怪我を負わせました。それは許されない事です。その償いと言うわけではないが、どうかマーサ嬢の傷が完治するまで、此方にいてはくれまいか。」
と、マーサに対して誠心誠意対処しようとしてくれている閣下には、非常に好感が持てたわ。
「マーサ。閣下がここまで仰って下さっているんですもの。お言葉に甘えさせて貰いなさいな。ウィンザード閣下、マーサを宜しくお願い申し上げますわ。」
と、前半はマーサに、後半は閣下に言ったの。すると閣下は、
「あい分かった。この後医師と薬師が来てくれる。怪我が治るまでは動くこともままならないであろう。故に食事も此処に運ばせる事にしよう。宜しいかな?」
「宜しいも何も……。こんなに良くして頂いては……。」
と閣下の至れり尽くせりのご厚意に、アワアワしているマーサがちょっと可愛らしい。
そんなやり取りを見ていた私の方をご覧になった閣下は、
「マリヴェル公爵令嬢もどうだろうか。マーサ嬢とこの邸で過ごされては?」
と仰ったの。
だけど……
「お心遣い痛み入りますわ、ウィンザード閣下。折角のお言葉ではございますが、私にはしなくてはならない仕事がございますの。ですので、此方への滞在は、遠慮させて「嫌です!お嬢様も一緒に居てください!私1人此方でだなんて…」マーサ。」
さっきマーサに懇願された時は一応了承したのだけれど、実はマーサが寝た頃そっと家に帰ろうと思ってたのよね。
だから閣下からのお話も、丁重にお断りさせて頂こうと思っていたのに、マーサに「心細いから一人は嫌だ。さっきは一緒にいてくれると約束してくれた。」とまで言われてしまえば、断るにも断れなくなってしまったの。
「マーサ嬢も、知らない邸に一人残されるのは心細いであろう。どうかな?侍女を安心させてやるのも主としての務めと思うぞ。」
と、閣下にここまで言われてしまえば、引き下がらずを得ないでしょうに。
「分かりましたわ。ウィンザード閣下の仰るとおり、わたくしも滞在させて頂く御無礼をお許し下さいませ。」
と、閣下にカーテシーをしてお礼を申しましたの。
「許すも何もない。私がそうして欲しいと願ったのだからね。おや?どうやら医師達が到着したようだ。私は席を外す事にしよう。」
と、閣下はそう仰って客間から出て行かれましたの。
なんだか先の展開が分からなくなって来た気がするけど…
ま、Let it be
なんとかなるわよね~
客間の扉をコンコンとノックする音に、お医者様と薬師の方がみえたと思い入室を許可する言葉を言うと、入ってこられたのは、この家の主であり領主のウィンザード閣下だったの。
入室するやいなや、閣下は、ご子息がマーサに怪我をさせてしまった事を頭を深く下げて謝罪してくださったの。
閣下の謝罪に恐縮してしまったマーサが寝台から起き上がろうすると、
「いえ、どうぞそのままで。」
とにこやかに微笑まれる閣下。
とても穏やかでお優しく紳士という印象なのに、これが一度戦ともなれば、冷酷無慈悲の刄の狼になるお方とは、今のこのご様子では、到底想像も出来ないわね。
「いえ!とんでもございません、ウィンザード閣下。私がご子息アイザックス様の勢いに耐えられなかっただけにございます。」
とマーサが恐縮すれば、
「いや。それでも愚息は、女性に怪我を負わせました。それは許されない事です。その償いと言うわけではないが、どうかマーサ嬢の傷が完治するまで、此方にいてはくれまいか。」
と、マーサに対して誠心誠意対処しようとしてくれている閣下には、非常に好感が持てたわ。
「マーサ。閣下がここまで仰って下さっているんですもの。お言葉に甘えさせて貰いなさいな。ウィンザード閣下、マーサを宜しくお願い申し上げますわ。」
と、前半はマーサに、後半は閣下に言ったの。すると閣下は、
「あい分かった。この後医師と薬師が来てくれる。怪我が治るまでは動くこともままならないであろう。故に食事も此処に運ばせる事にしよう。宜しいかな?」
「宜しいも何も……。こんなに良くして頂いては……。」
と閣下の至れり尽くせりのご厚意に、アワアワしているマーサがちょっと可愛らしい。
そんなやり取りを見ていた私の方をご覧になった閣下は、
「マリヴェル公爵令嬢もどうだろうか。マーサ嬢とこの邸で過ごされては?」
と仰ったの。
だけど……
「お心遣い痛み入りますわ、ウィンザード閣下。折角のお言葉ではございますが、私にはしなくてはならない仕事がございますの。ですので、此方への滞在は、遠慮させて「嫌です!お嬢様も一緒に居てください!私1人此方でだなんて…」マーサ。」
さっきマーサに懇願された時は一応了承したのだけれど、実はマーサが寝た頃そっと家に帰ろうと思ってたのよね。
だから閣下からのお話も、丁重にお断りさせて頂こうと思っていたのに、マーサに「心細いから一人は嫌だ。さっきは一緒にいてくれると約束してくれた。」とまで言われてしまえば、断るにも断れなくなってしまったの。
「マーサ嬢も、知らない邸に一人残されるのは心細いであろう。どうかな?侍女を安心させてやるのも主としての務めと思うぞ。」
と、閣下にここまで言われてしまえば、引き下がらずを得ないでしょうに。
「分かりましたわ。ウィンザード閣下の仰るとおり、わたくしも滞在させて頂く御無礼をお許し下さいませ。」
と、閣下にカーテシーをしてお礼を申しましたの。
「許すも何もない。私がそうして欲しいと願ったのだからね。おや?どうやら医師達が到着したようだ。私は席を外す事にしよう。」
と、閣下はそう仰って客間から出て行かれましたの。
なんだか先の展開が分からなくなって来た気がするけど…
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なんとかなるわよね~
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