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第六章 本格的な始動
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腰に手を当て、痛そうに顔を顰めるマーサを一先ず男性二人に任せ、私は馬小屋のテッドの所へ急いだの。
「テッド。マーサが怪我をしたの。疲れてるところ悪いんだけど、幌馬車引いてウィンザード伯爵邸迄走ってくれる?」
と聞くと、テッドは分かったと言わんばかりに「ヒヒ~ン」と鳴いてくれたわ。
先程のジェフェリー様の
「マーサ嬢を伯爵邸にお連れしましょう。」
というご提案に
「え?伯爵様のお宅に?そんな滅相もございません。」
と恐縮至極のマーサだったけど、
「そうだな。それがいい!直ぐに馬車を連れて来るから待っていて欲しい。」
とザック様がそう仰った為、私は
「でしたらマーサは私の幌馬車に乗せますわ。」
と言って馬小屋へ向かって前述に至るってわけ。
テッドに幌馬車を着けて家の前の道まで連れて行き自宅に入ろうとすると、
「マーサ嬢。本当に申し訳なかった。貴女を驚かせただけで無く怪我まで負わせてしまった。お詫びと言ってはなんだが、怪我が治るまでどうか邸で過ごしては貰えないだろうか?」
とザック様が平身低頭でマーサにそう言ってる最中だったの。
マーサは彼の申し出に対してどうするのかしら?と玄関扉の前で見ていたら、
「ウィンザード伯爵令息様、どうぞ頭をお上げ下さいませ。私は大丈夫でございます。寧ろご令息のお屋敷でお世話にならせて下さいます事。誠にありがとう存じます。お言葉に甘えさせて頂きます。」
と答えていたの。
マーサが承諾したのなら話は早いわね。
「ザック様、ジェフェリー様。お待たせ致しましたわ。幌馬車の用意が出来ましたわ。申し訳ございませんが、マーサを幌馬車の荷台まで連れてきて頂けますこと?私はこの布団を荷台に敷いて参りますわね。」
と言って、さっき二階から下ろした布団を持つと、
「幌馬車の荷台ではマーサ嬢のお身体に負担が…。」
と心配そうに仰るジェフェリー様に、私には策があるから大丈夫とお伝えし、マーサをどちらかの殿方に背負って連れて来て頂くようお願いすると、急いで布団を幌馬車の荷台に敷きに走ったの。そして、
「ウィンディ?来てちょうだい!」
と風の妖精ウィンディを呼ぶと、事情を話して幌馬車に道路の振動が荷台に伝わり難い様に力を加えて貰い、荷台に敷布団を敷いてマーサを待ったの。
布団の上に横たわったマーサの周りに家中のクッションを置いた状態でウィンザード伯爵邸迄走る幌馬車の前後を、まるで護衛をして下さっているかのようにザック様とジェフェリー様が騎乗れてる馬が走る。
道中、私達とすれ違う人達と目が合ったんだけど、それぞれびっくりした顔をしていたわ。
ま、確かにちょっとシュールな絵面よね。だってそうじゃない?
古びた幌馬車を引く老いた馬の前後に、立派な馬に騎乗って走る貴族令息が二人ってシチュエーションなんだもの。
それはそれは珍しい情景だったと思うわね。
「テッド。マーサが怪我をしたの。疲れてるところ悪いんだけど、幌馬車引いてウィンザード伯爵邸迄走ってくれる?」
と聞くと、テッドは分かったと言わんばかりに「ヒヒ~ン」と鳴いてくれたわ。
先程のジェフェリー様の
「マーサ嬢を伯爵邸にお連れしましょう。」
というご提案に
「え?伯爵様のお宅に?そんな滅相もございません。」
と恐縮至極のマーサだったけど、
「そうだな。それがいい!直ぐに馬車を連れて来るから待っていて欲しい。」
とザック様がそう仰った為、私は
「でしたらマーサは私の幌馬車に乗せますわ。」
と言って馬小屋へ向かって前述に至るってわけ。
テッドに幌馬車を着けて家の前の道まで連れて行き自宅に入ろうとすると、
「マーサ嬢。本当に申し訳なかった。貴女を驚かせただけで無く怪我まで負わせてしまった。お詫びと言ってはなんだが、怪我が治るまでどうか邸で過ごしては貰えないだろうか?」
とザック様が平身低頭でマーサにそう言ってる最中だったの。
マーサは彼の申し出に対してどうするのかしら?と玄関扉の前で見ていたら、
「ウィンザード伯爵令息様、どうぞ頭をお上げ下さいませ。私は大丈夫でございます。寧ろご令息のお屋敷でお世話にならせて下さいます事。誠にありがとう存じます。お言葉に甘えさせて頂きます。」
と答えていたの。
マーサが承諾したのなら話は早いわね。
「ザック様、ジェフェリー様。お待たせ致しましたわ。幌馬車の用意が出来ましたわ。申し訳ございませんが、マーサを幌馬車の荷台まで連れてきて頂けますこと?私はこの布団を荷台に敷いて参りますわね。」
と言って、さっき二階から下ろした布団を持つと、
「幌馬車の荷台ではマーサ嬢のお身体に負担が…。」
と心配そうに仰るジェフェリー様に、私には策があるから大丈夫とお伝えし、マーサをどちらかの殿方に背負って連れて来て頂くようお願いすると、急いで布団を幌馬車の荷台に敷きに走ったの。そして、
「ウィンディ?来てちょうだい!」
と風の妖精ウィンディを呼ぶと、事情を話して幌馬車に道路の振動が荷台に伝わり難い様に力を加えて貰い、荷台に敷布団を敷いてマーサを待ったの。
布団の上に横たわったマーサの周りに家中のクッションを置いた状態でウィンザード伯爵邸迄走る幌馬車の前後を、まるで護衛をして下さっているかのようにザック様とジェフェリー様が騎乗れてる馬が走る。
道中、私達とすれ違う人達と目が合ったんだけど、それぞれびっくりした顔をしていたわ。
ま、確かにちょっとシュールな絵面よね。だってそうじゃない?
古びた幌馬車を引く老いた馬の前後に、立派な馬に騎乗って走る貴族令息が二人ってシチュエーションなんだもの。
それはそれは珍しい情景だったと思うわね。
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追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
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