妹よりブスな姉の幸せ

Saeko

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第六章 本格的な始動

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話が脱線しちゃったから元に戻すわね。

前世時間の午前6:30頃
私の起床時刻は毎朝だいたいこれくらいなの。て、なかなか早起きだよね。

私が早起きなのには理由があるの。

1つ目の理由は農業の為
前述したとおり、自給自足をする為に家庭菜園があるんだけど、その菜園では、無農薬野菜を育ててるの。
だから虫の駆除であったり雑草の撤去であったりと、お世話がめちゃくちゃ忙しい。あ!勿論水やりもだしカーターさんにご指導を頂いての肥料やり等、毎日やる事が山のようにあるのよね。

2つ目の理由は酪農ね
愛馬のテッドを小屋から放牧して、最近近くの酪農家の方から雌鳥めんどり3羽と雄鶏おんどり1羽を頂いたから、彼等がいる鳥小屋へ行って新鮮な産みたて鶏卵たまごを頂くのも日課になってるの。

前世時間の午前8:00頃
「おはようございます、お嬢様。今朝も良い匂いが致しますね。」
「おはようマーサ。今日も良い朝ね。」
朝の仕事を終えた私は、キッチンで朝食作り。
マーサはいつもこれくらいの時刻に起床するの。

本日の朝食のメニューは、トーストとベーコンエッグ。なんだけど、この世界にはトースターもレンジも無いから、パンを焼くのはフライパン。
でもね
フライパンでトースト作るって…火加減がめちゃくちゃ難しいの。
そりゃもう、何度も何度も失敗致したわ。
パンの炭を何回作った事か……
で、最近漸く…ホントやっと、良い感じにきつね色に焼くことが出来るようになったの。
トーストの次はベーコンエッグね。
我が家のベーコンはお手製なのよ!
凄くない?
前世時代、キャンプが大好きな後輩教諭に随分と仕込まれたその知識と経験がモノをいったわ。

「さぁ召し上がれ。」
と、皿に乗せたトーストとベーコンエッグ、それに昨晩大量に作っておいたチキンスープと、キャベツとトマトと玉ねぎのサラダを見たマーサは、
「朝から豪華ですね、お嬢様。」
と嬉しそう。
「栄養バランスも…多分良いと思いますわよ。」
と言うと
「バランス?」
と言って首を傾げたの。
あら?バランスって言葉……この世界には無かったかしら?
「ご覧なさい、マーサ。とても均衡きんこうがとれた食事でしょう?肉 野菜 卵にパン。色々な食材が程よく食べられる。そういう事を"バランス”というのよ(かなりゴリ押しだけどね)。」
「はぁ……。よく分かりかねますが、そういうものなんですね?ですが!お嬢様がお作りになられる食事は全部美味しいですし、私はいつも大満足です。」
と言って、ガツガツと食べ始めたマーサの食べっぷりに、マナーはどうした?と思いつつ苦笑いをこぼしつつ、
「いただきます。」
と手を合わせて、私も朝食を食べ始めたの。
うん。我ながら今朝も上出来上出来。

前世の時刻の午前9:00頃
私とマーサは孤児院へ

「アン先生~!マーサ先生~!」
と言って、私達を見つけた子供達が駆け寄って来るの。
うん!子供は可愛い
あ、そうだ!何故、子供達が私達の事を"先生”と呼ぶか?なんだけどね。これまた前述したんだけど、私達は孤児院で読み書き算術を教えてるの。
だから"先生”なのね

読み書き算術に関しては、ここにいらっしゃるシスター方も教えられないわけではないの。何故って、シスターの中には色んな理由で、孤児院に併設されてる教会に身を寄せている元貴族令嬢がいらっしゃるからね。
だけど、彼女達は彼女達で他にも色んな仕事があるわけ。
そういった理由で、私とマーサの二人で、午前中の三時間という短い時間にはなるけども、シッターっていうか児童クラブの先生というか……。ともかく"ボランティア”で教師をしてるのよ。

「アン先生!これで合ってますか?」
「はい。満点です。よく頑張りましたね。」
「マーサ先生!ここが分かりません!」
「分かったわ、今其方へ行くから待っていてね。」
「はーい。」
とまぁ、子供達はとても意欲的に学習してくれるの。

この孤児院では、十八の年になると独り立ちをしないといけないんだけど、読み書きが出来ずのままでの独り立ちになる子が大半を占めてて、大概が下働きで一生を終える者が多いそうなのよね。
その為、シスターの方々もいつも悲しい思いをなさっていらしたそう。
だから私達のボランティアは、孤児院でとても歓迎されているのよね。

私も密かに計画してる事を実現する為にはこの子達が必要なわけだから、子供達が意欲的なのは願ったり叶ったりなわけ。

優秀な子をガンガン育てる!を目標に、今日も私は孤児院に足を運ぶのよ。
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