妹よりブスな姉の幸せ

Saeko

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第三章 旅立ち

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リーナと殿下に向き合った私は、
「いくら殿下に愛されているとはいえ、公爵家の家紋に泥を塗る様な行為はお止めなさい!貴女の品位が落ちれば、お父様やお母様の品位も同時に落ちるのです。貴女はデビュタントを済ませた大人でしてよ。」
とリーナに少しキツイ口調で申しましたわ。
それには流石にリーナも響いた様で、俯いてしまいましたの。

私は続け様に、
「殿下も殿下ですわ。いくらリーナの方が可愛いからといっても、甘やかしてばかりでは、リーナの為になりませんわ。しかも、殿下の婚約者はこの私なのです。公爵家の嫡子である私と婚姻しないのであれば、殿下は公爵にはなれませんのよ。」
「……なっ!そのような事はお前に言われなくても分かっている!」
「そうでしょうか?殿下は、公爵にいらしても、領地の事は私に任せきりで少しも学ぼうとはなさらない。我が家のサロンでリーナと話をなさってばかりではないですか。私の両親も何度かお話しているはずですわよ?『少しは公爵家の事を学んで頂きたい。』と。」

あらあら。図星されて殿下も俯いてしまわれましたわね。
では、もう一押ししてみましょうか?
「殿下?」
「なッ!なんだ?アンジェーヌ。」
「私が婚約者では公爵家の事を学ぶ気になれないとお思いならば、やる気になれるように私とは婚約破棄。新たにリーナと婚約をなさったら如何です?」
「え?お、お姉様?」
「あら、リーナ?何を驚く事があるのです?貴女も満更では無いのでしょう?」
「そ、そんな事は…「無いと言えますの?その様に殿下の腕にしがみついている状況ですのに。」!!」
リーナは私の言葉に、慌てて殿下から離れましたわ。

そんなリーナ達を一瞥致しますと、
「さ!皆様。参りましょうか。」
とミーナ達に退室を促す言葉を、
「皆様、お騒がせ致しまして、申し訳ございませんでしたわ。」
と、その場にいらした生徒達に、サロンを騒がせてしまった事をお詫び致しましたの。
「では皆様。失礼致しますわ。」
とサロンの出入口で綺麗なカーテシーを致しますと、ミーナ達とまた楽しいお話をしながら学園を後に致しましたわ。

さぁ殿下!
賽は投げられましたわ。
これからどうなさいますの?
せいぜいその色呆けなさったお花が咲き乱れておられるオツムでお考え遊ばせ。

私は他の方々に見られないように、真っ黒い笑みを浮かべておりましたの。

でも、まさかその顔をジェフェリー様に見られているとは思いませんでしたけどもね。








§そんなアンジェーヌを見ていたジェフェリーは……§

フフッ。本当に良い顔なさいますね、アンジェーヌ様は。
貴女に相応しいのはハワード殿下では無く、私の兄上ですよ。
あぁ。早くウィンザード領にいらして下ださい。
兄上の首がこれ以上伸びてしまう前に……。
(おまけのジェフェリーside)
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