聲は琵琶の音の如く〜川路利良仄聞手記〜

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8-3 生魂(2)

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「利良殿ッ! 水をひと口でも……!」
 晋祐が水を満たした柄杓ひしゃくを、そっと利良の前に差し出した。
「……いかん、ど! こけ、来たら……いかん」
 一瞬一瞬が、非常に長く感じる。
 心配を通り越し悲痛をも含む晋祐の声に、利良は荒い息を殺して拒絶する。そして、歯を食いしばって顔を背けた。
 私学校の端にある小屋の中、晋祐と利良は、身に降りかかった現状を打ち破ることもできずにいた。
 西郷隆盛が設立した私学校。それは旧鹿児島城(鶴丸城)のうまや跡に作られていた。
 鹿児島に帰郷した大勢の士族たちも仕事がなく。徴兵令や廃刀令などによって特権も奪われ。新政府への不満を胸中に燻らせる士族が集まる私学校。
 その片隅にある小屋の中に、川路利良の姿はあった。
 両手を拘束され上半身を露わにした利良は、まるで罪人のように半宙吊りにされている。
 拘束している縄を解こうともせず、ぐったりと項垂うなだれる利良の背中には、何百回、何千回と強く鞭を打たれ痕が浮かび上がった。真っ赤に腫れ上がり、皮膚が裂けた箇所からは、赤い筋が無数に肌を伝う。
 利良の拘束を解こうと、晋祐は何度も荒縄に手をかけた。
 しかしその度に「触っくいやんな! 晋祐殿に、密偵の嫌疑がかかっしもっ! おいに構ってくいやんな!」と。利良は、身を捩らせて拘束を解くことを全力で拒否するのだ。
 どうすることもできない。
 苦しむ親友を前に、助けることもできない。
 己の無力さを、改めて思い知らされる。
 晋祐は堪らず目を背けた。
(どうして……! どうして、こんなことに!!)
 それは本当に突然の出来事だった。
 ほんの数時間前に、がらりと変わってしまった日常。何もできず、ただ見ているだけしかしなかった自分と。同郷の利良をこんな事を目に合わす私学生に無性に腹が立った。後悔と遺憾に苛まられ、晋祐は爪の跡が掌に残るほど、強く拳を握りしめたのだ。

晋祐殿しんすけどん、今日は磯に行たっみろかい」
 昨夜、かなり焼酎を煽ったにも拘らず。久しぶりの帰郷で上機嫌の利良は、朝餉あさげを頬張り屈託のない笑顔で言った。
「……利良殿は、元気だな」
「ん? こいが普通じゃいもす」
「あれだけ飲んでおいて?」
「晋祐殿と飲む、久ん方(※ 久しぶり)の焼酎そつは、本当ほんのこっ美味うめかったなぁ」
「……頭は、痛くないか?」
「いいや」
「……そうか」
美味んまか蒲鉾もたし、久ん方〝黍魚子きびなご(※ ニシン科の海魚・きびなご)も食たでなぁ! なんちゅあならん!!」
「……」
 鬱陶うっとうしいほどに明るく元気な利良とは反対に。つい飲み過ぎた晋祐はため息をついて、茶節ちゃぶし(※ 鰹節と味噌、熱い緑茶または熱湯を注ぐだけの郷土料理)の椀に口をつけた。
 久しぶりの帰郷を満喫する利良が、若二才わかにせの頃の利良と重なる。晋祐は小さく笑うと、茶節を一気に飲み干した。
「こっちには、あとどれくらいいるんだ?」
「あぁ、大久保様が明日到着する予定じゃっでなぁ。あと三日は鹿児島にいれもんそ」
「そうか。なら、まだ時間は沢山あるな!」
「え?」
「明日は重富(現・鹿児島県姶良市)まで行ってみようか」
重富しげとんな?」
「大きな若布わかめが、採れるらしいんだ」
「若布な!?」
「洗ってお湯に潜らせれて、酢醤油で食べたら止まらないぞ」
本当ほんのこつな! そいは行ってみらんないかん!」
「そのかわり、日が昇る前に出発しなければならないからなぁ」
「早起っは、任せっくいやんせ! にわといよっか早よ起きっど!」
 他愛の無い会話をしながら。ゆっくりと朝餉を平らげた二人は、キヨがこしらえた握り飯を携えて錦江湾の海岸線を北へ向かって歩き出した。
 海水温と接する空気の温度差により、錦江湾一面に霧が立ち込める。目の前に聳える桜島の山頂は薄らと冠雪していた。桜島を正面に、尽きぬ話に花を咲かせながら歩く二人の息は、白く軽やかに浮かびあがる。
 晋祐の屋敷がある新屋敷から上町の方へ向かって、晋祐と利良がのんびりと歩いていたその時。少し先から大勢の怒号がし、人だかりができているのが見えた。二人は顔を見合わせると、歩みを早めて人だかりに割って入る。
貴様わいは、何をしぃっちょったか!?」
「何も……! 何もしぃちょらん!!」
「義を言な(※ 御託を並べるな)! 貴様が政府の密偵っちゅうこっは! 分かっちょっが!!」
ちごッ!! おいはそげんこっはしぃちょらん!!」
「聞いたはなっじゃ、政府は南洲翁(※西郷)の暗殺ば企だてっちゅうが!!」
「違ッ!! そいは誤解じゃいもんそ!! 俺が話っば聞いてくいやんせ!!」
「黙らんか!! 政府んいん犬が!!」
「……ッ!」
だいの首謀じゃ!! 早よ言わんか!!」
 優に六十人はいるであろう、人だかりの中。何人もの私学校生に、一人の男が腕を捻りあげられていた。男は殺気立った大勢の学生を前に、必死に弁明をしている。
「中原……!」
 利良は、思わず声を上げた。
 拘束された男こそ、共に帰郷した密偵の訓練を受けた邏卒・中原尚雄だったのだ。
 利良の全身から、一気に血の気が引いた。
「利良殿!? 大丈夫か!?」
「まさか……本当ほんのこちな!!」
 利良の記憶が、鮮明にあの晩の出来事を甦らせる。
 帰郷する前、大久保と話をしたあの時の。胸中に沸いた一瞬の違和感が、胸の中で暴れ出した。
 拘束された中原と、記憶に刻まれた鋭い大久保の眼差しが、頭の中を圧迫し始める。外気ではなく、内側からこめかみが冷えるような感覚。
「利良殿ッ!?」
 晋祐の声を背中で聞いた利良は、一歩前へ踏み出した。そして、咄嗟に中原と私学校生の間に体を滑り込ませる。
「中原は、本当ほんのこて何も知らん! 離してくいやはんどかい!」
「あぁん!? おはんだいな!! 邪魔立てすんな!!」
 真っ赤な顔をして利良の胸倉を掴む私学校生に、利良は一歩もひかず私学校生を鋭く見下ろした。
「川路、川路利良じゃ」
「か……川路!?」
 私学校生は、酷く狼狽し、掴んだ胸倉から手を離すと、一、二歩後退する。利良は、更に一歩前へ進むと力のこもった声で大きく叫んだ。
「大警視・川路利良がこけおっど。尋問すっなら中原と川路、どっちが有益かかんげでん分かっどが!」
「何んちな……!」
「そいとも、私学校生はそげん事が分からん凡才しかおらんとか?」
「……ッ!!」
「利良殿……ッ!!」
 利良はひるまず真っ直ぐに立ち、大勢の私学校生を挑発する。完全に煽られた私学校生は、顔を更に赤くして肩を震わせた。
--一触即発!!
 堪らず晋祐が、利良の名前を叫んだ途端。人だかりが一斉に動き出した。
 動揺し足が止まってしまった晋祐の方に、拘束されていた中原の体が、物のように飛んでくる。思わず晋祐は、中原の体を受け止めた。
「川路利良を私学校に、連れっじけっ!!」
 怒気を含んだ怒鳴り声に、晋祐の四肢が一気に冷たくなる。
(一体何が……何が、どうなってるのだ!?)
 中原を抱える晋祐の目の前を。人だかりが束になり鶴丸城のある城山の方へと動き出した、騒然とする人と人の隙間から、何人もの私学生に押さえつけられた利良。その姿が、無理矢理に引き摺られていくのが見えた。
「利良ッ!! 利良殿ーッ!!」
 晋祐の声に反応した利良と、ほんの一瞬、目があった。
〝来たらいかんど! 屋敷やしっに戻っやんせ〟
 微かに利良の声が聞こえ、晋祐はその言葉に足が凍りついたように、瞬く間に動かなくなってしまった。
 あっという間に、人の塊が小さくなっていく。背の高い利良が、人の隙間から見え隠れした。そして、その姿は。晋祐からあっという間に遠ざかっていった。
「……大久保様に、報告をば!」
 拘束を解かれた中原は、港の方へと転がるように走り出す。晋祐はその場に一人、置き去りにされてしまった。
 突然の出来事に、身も心もついていかない。心臓が煩いくらい鼓動しているにも拘らず、全身が冷たく震え、落ち着きを失っている。
 力の入らない四肢がまるで自分のものではないかのように。晋祐はよろよろと一歩踏み出すと、小さくなった利良の姿を追いかけ始めたのだ。

「南洲翁の暗殺を指示したたぁ、貴様わいか!!」
 狭い小屋にこだまする怒号。睨み見下ろす眼光に、利良は荒くなる呼吸を押し殺し睨み返した。
何度言なんどゆてん、同じこっじゃ……。そげん事は、考えちおらん……」
「まだ言うか!!」
「同郷なら分かっどが……! いがみ合うこと自体、間違っちょ!!」
「義をな!!」
「互いの良い道を……話し合い、模索する……。そいば求めんこて!」
「ッ!!」
 瞬間、空気が唸り震えた。利良が歯を食いしばると同時に、鞭が傷だらけの背中に振り下ろされる。
 バシン、バシン、と。
 皮膚や肉が弾ける音が、耳に小屋にこだまする。
「ん”っ……!! うっ……」
 その度に遠のく意識と叫びそうになる声を、利良は必死に抑え込んだ。
 小屋の隙間から差し込む光が、次第に暖色を帯び始め小屋の影を濃くしていく。
 どれくらい経過したのか、
 正確な時間は分からないが。半宙吊りにされ鞭打たれる利良の気力や体力の全ては、限界に達していた。
(ここで、折れてはいかん……! 薩摩ん生魂いっだましいにかけっせぇも……! 話を聞いてもろわんな! 話を聞いてもろっまでは……折れたらいかん!)
 何度詰問されても。何度鞭打たれても。
 利良は、同じ答えを繰り返す。利良の口を割ろうとする私学校生等も、あまりの進歩のなさに疲れの表情が現れ始めた。
「おい! 今日はもう止めにせんか。村田隊長がお呼びじゃっど」
 その時、小屋の向こう側から辿々しい郷言葉が響いた。
 混濁する意識下において、その言葉を甚だ疑問に思いながらも。利良の周りから離れていく足音に、少し安堵し気が抜ける。
 瞬間、ガクッと膝が崩れ、体が地面に昏倒しそうになった。しかし、縛り吊るされた利良の両腕がそれを邪魔する。縛られた手首に全体重が集中した。負荷のかかった手首は、相当な痛みを走らせたが、体の感覚が既に麻痺しており。利良自身、痛みはさほど感じない。利良はゆっくりと意識を手放そうとした。
「利良殿! 今、縄を解くからな!」
 その時、よく知った声が利良の耳に突き刺さる。靄のかかる意識が、一気に表へ引き戻された。
(あぁ……! 先刻さっきん声は、やはり晋祐殿じゃったか……)
 ゆっくりと目を開け、利良は狭い視界を凝らして晋祐の姿を見つけた。
 よもすれば心が折れそうな、きつい責めを受けていた利良にとって。危険を顧みず、慣れない郷言葉まで利良を連れ出そうとする晋祐の行動に、利良は深く心を揺さぶられる。
 しかしそれに頼っては--己を許してはいけない!!
 利良は晋祐から離れるように、身を捩らせて叫んだ。
「触っ……くいやんな!」
「利良殿!? 何を!?」
 荒縄に手をかけようとした晋祐が、思わず目を見開いて利良の顔を覗き込む。拘束を解こうとする自分の行為を、何故拒むのか? 焦り戸惑いの色を含んだ晋祐の目が提燈ランタンの光を反射して揺れた。
(晋祐殿の、その手を……。差し伸べられた手を、容易に握り返してはいかん!!)
 利良は唇を噛み締め、晋祐から目を逸らし叫んだ。
「触っくいやんな! 晋祐殿に、密偵の嫌疑がかかっしもっ! おいに構ってくいやんな!」
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