79 / 97
78,チャーム。
しおりを挟む
ごろつきとムッサを縛り上げて、村長の部屋に座らせていた。
ことの経緯はガブリエル、ユリ、村長には説明してある。さすがに観念したのか、目の前でムッサにされたことをガブリエルたちに話しても、ムッサはなにも弁解はしなかった。
「しかしムッサたちが口止めの為にこの村に来ていたにしても、裏で手を引いているのは誰なんだろうな」
ガブリエルがそう言い、首を捻る。
「……実はあのあと、湖でこんなものを見つけました」
それは商会の紋様の入ったエンブレムだった。
「恐らくは馬車についていたものと思われます。証拠隠滅の為に馬車を破壊して、このエンブレムだけが残ったのかもしれません」
「どこの商会のエンブレムなのでしょうか」とユリが言うと、村長が「ちょっと見せてください」と立ち上がった。
「これは、私たちが数か月前に湖で見かけた馬車についていたものと、同じものです。間違いありません」
「私も見て良いだろうか」と、ガブリエルが立ち上がる。
村長の手からガブリエルのもとへとエンブレムが渡り、しばしの静寂が流れる。
「フレッシャー商会のものだな。街で見かけたことがある」
ガブリエルがそう言うと、それまで微動だにしなかったムッサが、ぴくりと身体を震わせた。
「……ということは、フレッシャー商会が今回の黒幕、ということですか……?」
蒼ざめた顔をしたユリが、そう呟く。
「そうなるな」とガブリエル。「湖の汚染、村民に病を振り撒くという所業、さらには口止めの為にごろつきを差し向けた……。とてつもない汚職だ。裁判は免れんだろう」
「フレッシャー商会と言えば、かなりの大企業ですよ。こんなことが発覚したら、とてつもない大騒ぎになるんじゃないですかね……」
事態の大きさが怖くなったのか、ユリがそう声を震わせる。
「国全体を揺るがすほどの騒ぎになるのは間違いないだろう。フレッシャー商会は倒産は免れない。それに、商会長や役員たちは、投獄されるかもしれない。だが……」
と、ガブリエルはそのとき、思いがけないことを言った。
「さらに騒ぎになりそうなのは、この事件を解決に導いたのが、ここにいる第四階級の涼くんだということだ」
自分の名前が急に上がったことで、つい、反応も出来ずに息を飲む。
「確かに……」と呟いたのは、ユリだ。「“沈黙の呪縛”を治癒したのも、湖の水質を浄化したのも、ごろつきを倒したのも、すべて涼さんですよね……。第四階級のひとは冒険すら出られないと言うのがみんなの思い込みですから、この活躍を知ったら、きっと、大騒ぎになります……」
「本来はB級へ昇格するための試験だったのだがな……。涼くんの活躍次第では私も強く推そうと思っていたが、もはや合格どころの話ではない。A級冒険者のあいだでもかなりの騒ぎになるだろう」
「しかも、美味しいお酒まで私たちに振る舞ってくれましたよ。あのお酒も、人生で飲んだなかで一番美味しかったです……!」
「私もあの酒はかなり美味しいと感じた。いずれにせよ、今回のことで涼くんが世間の注目を集めるのは間違いないだろう」
そのときのことだ。
部屋の端から静かな笑い声が響き、それは次第に、大きな高笑いと変わった。
笑い声の主は、ムッサだ。
「……くくく。仮にそうだったとして、お前ら、証拠はあるのか? 誰がどう話そうが、私たちは決して口を割らない。フレッシャー商会という超大手企業と、第四階級の下賤な冒険者。世間がどちらの言うことを信じるかは目に見えている。お前らがいくら愉快な未来を空想しようが、それは所詮、絵にかいた餅だ」
なにかしら厳しい契約でも交わしているのか、それとも、弱みでも握られているのか、ムッサの後ろにいるごろつきたちも唇をきつく噛みしめ、絶対に口を割らないという風を表現している。
ガブリエルやユリが証言してくれるから、ムッサに襲われたことは証明できるだろうが、この村の病にフレッシャー商会が関わっているというところは、どうやっても証明が難しい。今のところは、これといったはっきりとした証拠がない。
「どうしても、自白はしてくれませんか」
と、俺はムッサに尋ねる。
「口を割る気はない」
ムッサは断固、そう返す。
「では、無理やり口を開かせるしかありませんね」
「……拷問する気か?」
空気が冷ややかになり、ガブリエルが思わず、腰を上げた。
「いえ、そんなことはしません。代わりに“チャーム”を使います」
「……チャーム?」
と、全員が口を揃えてそう言った。
「以前、リリス・ナイトシェイドと関わったことがあって、その関係で俺は”チャーム“が使えるんです。裁判があったとして、全員の前でムッサにこう言えば簡単です。”真実を話せ“と。あとはムッサが自分からフレッシャー商会の悪事を話してくれるでしょう」
「ちょっと待て、なぜ”チャーム“が使えるんだ……?」
と、声を荒らげてそう問うたのは、ガブリエルだ。
「ええと……、なぜ使えるかは言えないのですが、とにかく使えるんです……」
「君はあまりにも多くのスキルが使えるな。いったい、なにがどうなって、そんなことが出来るんだ……?」
「それについては、いずれどこかで詳しくお教えします。……とにかく、今はムッサの件を片づけましょう」
俺は立ち上がってムッサの目の前まで行く。全員が見守る中、ムッサの前に膝をつき、その顔の前に手を翳す。
「はったりだ。お前が“チャーム”を使えるはずがない」
さすがに恐怖はあるのか、そう言ったムッサの声はかすかに震えている。
「使えるかどうか、すぐにわかりますよ」
「あり得ないな。いくらなんでもそれほど多様なスキルを使えるなんて、あり得ない」
「……”チャーム“」
かすかな光が掌から溢れ、それがムッサの顔の奥へと浸透してゆく。
「……これから俺のする質問に対して、お前は”本当のこと“を話さなくてはならない。わかったか?」
じっと一点を見据えたムッサは、口を半開きにしたまま、頷く。
「お前はフレッシャー商会の差し金でこの村にやってきた。イエスか?」
「……イエス」
「この村の湖を毒素で汚染させたのは、フレッシャー商会か?」
「……イエス」
「これらの話を、裁判のときにも同じように証言出来るな?」
「……はい」
俺がチャームを解くと、ムッサは糸の切れた人形のように、頭を胸の前に投げ出した。
一連の流れを見ていたガブリエルが俺の肩をぽんと叩き、
「もはや君がなにをしても驚かんな」と言った。「……ここからは私が引き継ごう。今から国の上層部に掛け合ってムッサを連行させる。……お手柄だ。B級試験は必ず私が合格にさせる」
ことの経緯はガブリエル、ユリ、村長には説明してある。さすがに観念したのか、目の前でムッサにされたことをガブリエルたちに話しても、ムッサはなにも弁解はしなかった。
「しかしムッサたちが口止めの為にこの村に来ていたにしても、裏で手を引いているのは誰なんだろうな」
ガブリエルがそう言い、首を捻る。
「……実はあのあと、湖でこんなものを見つけました」
それは商会の紋様の入ったエンブレムだった。
「恐らくは馬車についていたものと思われます。証拠隠滅の為に馬車を破壊して、このエンブレムだけが残ったのかもしれません」
「どこの商会のエンブレムなのでしょうか」とユリが言うと、村長が「ちょっと見せてください」と立ち上がった。
「これは、私たちが数か月前に湖で見かけた馬車についていたものと、同じものです。間違いありません」
「私も見て良いだろうか」と、ガブリエルが立ち上がる。
村長の手からガブリエルのもとへとエンブレムが渡り、しばしの静寂が流れる。
「フレッシャー商会のものだな。街で見かけたことがある」
ガブリエルがそう言うと、それまで微動だにしなかったムッサが、ぴくりと身体を震わせた。
「……ということは、フレッシャー商会が今回の黒幕、ということですか……?」
蒼ざめた顔をしたユリが、そう呟く。
「そうなるな」とガブリエル。「湖の汚染、村民に病を振り撒くという所業、さらには口止めの為にごろつきを差し向けた……。とてつもない汚職だ。裁判は免れんだろう」
「フレッシャー商会と言えば、かなりの大企業ですよ。こんなことが発覚したら、とてつもない大騒ぎになるんじゃないですかね……」
事態の大きさが怖くなったのか、ユリがそう声を震わせる。
「国全体を揺るがすほどの騒ぎになるのは間違いないだろう。フレッシャー商会は倒産は免れない。それに、商会長や役員たちは、投獄されるかもしれない。だが……」
と、ガブリエルはそのとき、思いがけないことを言った。
「さらに騒ぎになりそうなのは、この事件を解決に導いたのが、ここにいる第四階級の涼くんだということだ」
自分の名前が急に上がったことで、つい、反応も出来ずに息を飲む。
「確かに……」と呟いたのは、ユリだ。「“沈黙の呪縛”を治癒したのも、湖の水質を浄化したのも、ごろつきを倒したのも、すべて涼さんですよね……。第四階級のひとは冒険すら出られないと言うのがみんなの思い込みですから、この活躍を知ったら、きっと、大騒ぎになります……」
「本来はB級へ昇格するための試験だったのだがな……。涼くんの活躍次第では私も強く推そうと思っていたが、もはや合格どころの話ではない。A級冒険者のあいだでもかなりの騒ぎになるだろう」
「しかも、美味しいお酒まで私たちに振る舞ってくれましたよ。あのお酒も、人生で飲んだなかで一番美味しかったです……!」
「私もあの酒はかなり美味しいと感じた。いずれにせよ、今回のことで涼くんが世間の注目を集めるのは間違いないだろう」
そのときのことだ。
部屋の端から静かな笑い声が響き、それは次第に、大きな高笑いと変わった。
笑い声の主は、ムッサだ。
「……くくく。仮にそうだったとして、お前ら、証拠はあるのか? 誰がどう話そうが、私たちは決して口を割らない。フレッシャー商会という超大手企業と、第四階級の下賤な冒険者。世間がどちらの言うことを信じるかは目に見えている。お前らがいくら愉快な未来を空想しようが、それは所詮、絵にかいた餅だ」
なにかしら厳しい契約でも交わしているのか、それとも、弱みでも握られているのか、ムッサの後ろにいるごろつきたちも唇をきつく噛みしめ、絶対に口を割らないという風を表現している。
ガブリエルやユリが証言してくれるから、ムッサに襲われたことは証明できるだろうが、この村の病にフレッシャー商会が関わっているというところは、どうやっても証明が難しい。今のところは、これといったはっきりとした証拠がない。
「どうしても、自白はしてくれませんか」
と、俺はムッサに尋ねる。
「口を割る気はない」
ムッサは断固、そう返す。
「では、無理やり口を開かせるしかありませんね」
「……拷問する気か?」
空気が冷ややかになり、ガブリエルが思わず、腰を上げた。
「いえ、そんなことはしません。代わりに“チャーム”を使います」
「……チャーム?」
と、全員が口を揃えてそう言った。
「以前、リリス・ナイトシェイドと関わったことがあって、その関係で俺は”チャーム“が使えるんです。裁判があったとして、全員の前でムッサにこう言えば簡単です。”真実を話せ“と。あとはムッサが自分からフレッシャー商会の悪事を話してくれるでしょう」
「ちょっと待て、なぜ”チャーム“が使えるんだ……?」
と、声を荒らげてそう問うたのは、ガブリエルだ。
「ええと……、なぜ使えるかは言えないのですが、とにかく使えるんです……」
「君はあまりにも多くのスキルが使えるな。いったい、なにがどうなって、そんなことが出来るんだ……?」
「それについては、いずれどこかで詳しくお教えします。……とにかく、今はムッサの件を片づけましょう」
俺は立ち上がってムッサの目の前まで行く。全員が見守る中、ムッサの前に膝をつき、その顔の前に手を翳す。
「はったりだ。お前が“チャーム”を使えるはずがない」
さすがに恐怖はあるのか、そう言ったムッサの声はかすかに震えている。
「使えるかどうか、すぐにわかりますよ」
「あり得ないな。いくらなんでもそれほど多様なスキルを使えるなんて、あり得ない」
「……”チャーム“」
かすかな光が掌から溢れ、それがムッサの顔の奥へと浸透してゆく。
「……これから俺のする質問に対して、お前は”本当のこと“を話さなくてはならない。わかったか?」
じっと一点を見据えたムッサは、口を半開きにしたまま、頷く。
「お前はフレッシャー商会の差し金でこの村にやってきた。イエスか?」
「……イエス」
「この村の湖を毒素で汚染させたのは、フレッシャー商会か?」
「……イエス」
「これらの話を、裁判のときにも同じように証言出来るな?」
「……はい」
俺がチャームを解くと、ムッサは糸の切れた人形のように、頭を胸の前に投げ出した。
一連の流れを見ていたガブリエルが俺の肩をぽんと叩き、
「もはや君がなにをしても驚かんな」と言った。「……ここからは私が引き継ごう。今から国の上層部に掛け合ってムッサを連行させる。……お手柄だ。B級試験は必ず私が合格にさせる」
10
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる