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42,希望の光。
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※今回はセシリア目線の話です。
両親が亡くなる前、ふたりが商会のことで悩んでいたことを、私は知っている。
当時、ローゼ商会はそれほど上手く行っておらず、商会の規模は縮小し、そのうえ、周囲の商会から嫌がらせのようなものを受けていた。
当時の私はまだ幼く、両親の直面していた問題がなんだったのか、いまいち把握することは出来なかった。
でも、あの当時、「私の両親に冷たくした人々」の顔だけは、今でもはっきりと覚えている。
◇◇
自分の屋敷を出て街中を歩いているだけで、同業者たちや貴族仲間たちが次々と声を掛けて来る。
彼らの話題は大抵は儲け話が多いが、最近は、とある冒険者のことが話題に上ることが多い。
「セシリア。君は例の涼という冒険者と仲が良いんだろう? ……羨ましいよ。彼はきっと出世するだろうね」
またこうも言われることもある。
「聞いたよ、涼という冒険者。あっという間にCランクに上がったらしいじゃないか。いくら”翡翠の魔女“と組んでいるからと言って、この出世速度は異常だよ。ヒュデル以来の快挙なんじゃないか? 」
また、こんなふうに質問を重ねられることもある。
「なあ、セシリア。君はいったいどうやってあの涼という男と仲良くなったんだ? なんでもこないだロジャー商会から発売された化粧品は彼が造ったというじゃないか。……私の妻もあの化粧品を欲しがってね。けれど、どうやっても手に入らないんだ。もし伝手があるなら、次に発売されるときはぜひ頼むよ……」
涼はますますこの街で話題になっていき、彼の有能さが、少しずつ大勢の人に知られてきている。
彼と早いうちに知り合えたことは、私にとって幸運だったに違いない。
涼がどこまで出世するかはわからないが、この世界で重要なポジションに就くことはもはや目に見えているのだ。
「……遅くなりました。ローゼ商会のセシリアと申します」
部屋のドアをくぐり、私がそう頭を下げると、今日の相手――ブラッディ商会の会長、ブラッディ・メジロ――は私をさっと見て、軽く頭を下げた。
その視線を見るに、この男は私のことを露ほども覚えていないらしい。
まあ……、無理もないことだ。この男と私が会ったのは、私がまだ十四歳のときのことだったのだから。
「どうぞ、遠慮なさらず席に着いてください」
「では、失礼しますわ。ブラッディさんも、どうぞ腰掛けてください」
「では、失礼します……」
ブラッディは席に着くなりぎらりとした目を私に向け、厳しい口調でこう切り出す。
「単刀直入に言いますが、涼殿との契約を独占しないでいただきたい」
髪には白髪が混ざり、顔にはいくつもの皺が出来ていたが、その厳しい口調も、冷たい目も、当時となにも変わっていない。この男の目が、私の記憶の深くにははっきりと刻み込まれている。
「独占とは、どういうことでしょう? そんなことをしているつもりはありませんが」
「先日、うちの者が涼殿に契約の話を持って行ったのですが、まったく相手にはしてくれませんでした」
「それは、条件が悪かったからじゃありません? 」
「条件? 条件で言えば、うちほど高額を支払う商会はないと思われますが? 」
「あらそうなの? それで? 涼くんはなんて答えたのです? 」
「……セシリア・デ・ラ・ローゼの口利きがなければ、どことも契約するつもりはありません、と」
「あら、そう」と、私は思わず、ほくそ笑んでしまう。「では、諦めるほかないのでは? 」
「あくまでも、涼殿との契約を独占するおつもり、というわけですか」
と、ブラッディは声を一段低く落とし、再び私を睨みつける。
「独占しようなどと考えているわけではありませんよ。あくまでも、妙な虫が寄り付かないよう注意しているだけです。ご存じの通り、彼は有能ですから」
「まるであなたは、私がその“妙な虫”なのだとでも、言いたげですね」
「そうは言っていません。でも、敢えてあなたを推薦しようとも、思っていませんけれどね」
さすがに、部屋の空気がぴりりと冷たくなる。
両親が死ぬ前日、この男が実家の応接間にやってきて両親と話す姿を、私は偶然目にしていた。
男は今と同じような冷たい目をして、私の両親にこう言い聞かせていたのだ。
“言うことを聞かないようでしたら、仲間の商会総出で、あなたとの取引を停止させていただく”。
それは、幼い私から見ても明確な脅し文句だった。
その言葉が、両親の死とどのように関りを持っているかはわからない。
だが、この男が私の両親にひどいことをしているのだということは、幼少の私の目にもはっきりと感じられたのだ。
「あくまでも折れないおつもりですね」
と、ブラッディに言われたことで、私はハッとなり、意識が「今」へと揺れ戻される。
「だとしたら、どうだというのです? 」
と、私はこの男の目をきっと睨み返し、こう続ける。
「仲間の商会みんなで、私の商会を潰しに掛かりますか? 」
その言葉をきっかけに、部屋の空気はさらに冷たく、ひりついたものになる。
そして、ブラッディは探るような目を私に向け、こう問いただしてくる。
「なにが言いたいのです? 」
「いえ、別に? ただの世間話です」
「……私たちと、徹底的にやり合おうというのですね」
「まさか。私はただ普通にこの会話を楽しんでいるだけですよ? 」
ブラッディは私の真意が掴みかねるのか、眉間に深い皺を寄せて私を凝視しているものの、それ以上は踏み込んで来る姿勢を見せようとはしない。
やがて……、
「ふん、まあ良い」と、ブラッディは背筋を伸ばしてそう口にした。「やりようはいくらでもある。あなたが私たちを妨害しようと言うのなら、そのときはそのときだ。……今後どう立ち振る舞うか、そのへんのことはあなたも良く考えておいた方が良い」
「ええ、もちろん、良く考えておきますわ」
私がそう返答をすると、ブラッディは不服そうに鼻を鳴らし、この部屋を出て行った。
ブラッディがいなくなったあと、私はテーブルの上の紅茶に口をつけ、しばらくのあいだ、じっと瞑目した。
以前の私なら、この国の有力貴族であるブラッディと対立する道は選ばなかっただろう。
あの男はずる賢く、陰湿で、そしてこの国の多くの有力貴族と太いパイプを持っている。敵に回すのは、普通に言って、得策ではない。
だが、今の私は、そんな強敵を前にして、一歩も引かない心づもりでいる。
それがなぜなのか。自分の胸に問いかけてみてやっと、答えが分かった。
「涼。あなたがいてくれれば、負ける気がしないわ。私は本当に、あなたと知り合えて良かった……」
彼が仲間なのだと想像するだけで、不思議なことだが、なにか希望の光が温かさとなって、私の胸の裡にとめどなく湧いてくるのだ。
両親が亡くなる前、ふたりが商会のことで悩んでいたことを、私は知っている。
当時、ローゼ商会はそれほど上手く行っておらず、商会の規模は縮小し、そのうえ、周囲の商会から嫌がらせのようなものを受けていた。
当時の私はまだ幼く、両親の直面していた問題がなんだったのか、いまいち把握することは出来なかった。
でも、あの当時、「私の両親に冷たくした人々」の顔だけは、今でもはっきりと覚えている。
◇◇
自分の屋敷を出て街中を歩いているだけで、同業者たちや貴族仲間たちが次々と声を掛けて来る。
彼らの話題は大抵は儲け話が多いが、最近は、とある冒険者のことが話題に上ることが多い。
「セシリア。君は例の涼という冒険者と仲が良いんだろう? ……羨ましいよ。彼はきっと出世するだろうね」
またこうも言われることもある。
「聞いたよ、涼という冒険者。あっという間にCランクに上がったらしいじゃないか。いくら”翡翠の魔女“と組んでいるからと言って、この出世速度は異常だよ。ヒュデル以来の快挙なんじゃないか? 」
また、こんなふうに質問を重ねられることもある。
「なあ、セシリア。君はいったいどうやってあの涼という男と仲良くなったんだ? なんでもこないだロジャー商会から発売された化粧品は彼が造ったというじゃないか。……私の妻もあの化粧品を欲しがってね。けれど、どうやっても手に入らないんだ。もし伝手があるなら、次に発売されるときはぜひ頼むよ……」
涼はますますこの街で話題になっていき、彼の有能さが、少しずつ大勢の人に知られてきている。
彼と早いうちに知り合えたことは、私にとって幸運だったに違いない。
涼がどこまで出世するかはわからないが、この世界で重要なポジションに就くことはもはや目に見えているのだ。
「……遅くなりました。ローゼ商会のセシリアと申します」
部屋のドアをくぐり、私がそう頭を下げると、今日の相手――ブラッディ商会の会長、ブラッディ・メジロ――は私をさっと見て、軽く頭を下げた。
その視線を見るに、この男は私のことを露ほども覚えていないらしい。
まあ……、無理もないことだ。この男と私が会ったのは、私がまだ十四歳のときのことだったのだから。
「どうぞ、遠慮なさらず席に着いてください」
「では、失礼しますわ。ブラッディさんも、どうぞ腰掛けてください」
「では、失礼します……」
ブラッディは席に着くなりぎらりとした目を私に向け、厳しい口調でこう切り出す。
「単刀直入に言いますが、涼殿との契約を独占しないでいただきたい」
髪には白髪が混ざり、顔にはいくつもの皺が出来ていたが、その厳しい口調も、冷たい目も、当時となにも変わっていない。この男の目が、私の記憶の深くにははっきりと刻み込まれている。
「独占とは、どういうことでしょう? そんなことをしているつもりはありませんが」
「先日、うちの者が涼殿に契約の話を持って行ったのですが、まったく相手にはしてくれませんでした」
「それは、条件が悪かったからじゃありません? 」
「条件? 条件で言えば、うちほど高額を支払う商会はないと思われますが? 」
「あらそうなの? それで? 涼くんはなんて答えたのです? 」
「……セシリア・デ・ラ・ローゼの口利きがなければ、どことも契約するつもりはありません、と」
「あら、そう」と、私は思わず、ほくそ笑んでしまう。「では、諦めるほかないのでは? 」
「あくまでも、涼殿との契約を独占するおつもり、というわけですか」
と、ブラッディは声を一段低く落とし、再び私を睨みつける。
「独占しようなどと考えているわけではありませんよ。あくまでも、妙な虫が寄り付かないよう注意しているだけです。ご存じの通り、彼は有能ですから」
「まるであなたは、私がその“妙な虫”なのだとでも、言いたげですね」
「そうは言っていません。でも、敢えてあなたを推薦しようとも、思っていませんけれどね」
さすがに、部屋の空気がぴりりと冷たくなる。
両親が死ぬ前日、この男が実家の応接間にやってきて両親と話す姿を、私は偶然目にしていた。
男は今と同じような冷たい目をして、私の両親にこう言い聞かせていたのだ。
“言うことを聞かないようでしたら、仲間の商会総出で、あなたとの取引を停止させていただく”。
それは、幼い私から見ても明確な脅し文句だった。
その言葉が、両親の死とどのように関りを持っているかはわからない。
だが、この男が私の両親にひどいことをしているのだということは、幼少の私の目にもはっきりと感じられたのだ。
「あくまでも折れないおつもりですね」
と、ブラッディに言われたことで、私はハッとなり、意識が「今」へと揺れ戻される。
「だとしたら、どうだというのです? 」
と、私はこの男の目をきっと睨み返し、こう続ける。
「仲間の商会みんなで、私の商会を潰しに掛かりますか? 」
その言葉をきっかけに、部屋の空気はさらに冷たく、ひりついたものになる。
そして、ブラッディは探るような目を私に向け、こう問いただしてくる。
「なにが言いたいのです? 」
「いえ、別に? ただの世間話です」
「……私たちと、徹底的にやり合おうというのですね」
「まさか。私はただ普通にこの会話を楽しんでいるだけですよ? 」
ブラッディは私の真意が掴みかねるのか、眉間に深い皺を寄せて私を凝視しているものの、それ以上は踏み込んで来る姿勢を見せようとはしない。
やがて……、
「ふん、まあ良い」と、ブラッディは背筋を伸ばしてそう口にした。「やりようはいくらでもある。あなたが私たちを妨害しようと言うのなら、そのときはそのときだ。……今後どう立ち振る舞うか、そのへんのことはあなたも良く考えておいた方が良い」
「ええ、もちろん、良く考えておきますわ」
私がそう返答をすると、ブラッディは不服そうに鼻を鳴らし、この部屋を出て行った。
ブラッディがいなくなったあと、私はテーブルの上の紅茶に口をつけ、しばらくのあいだ、じっと瞑目した。
以前の私なら、この国の有力貴族であるブラッディと対立する道は選ばなかっただろう。
あの男はずる賢く、陰湿で、そしてこの国の多くの有力貴族と太いパイプを持っている。敵に回すのは、普通に言って、得策ではない。
だが、今の私は、そんな強敵を前にして、一歩も引かない心づもりでいる。
それがなぜなのか。自分の胸に問いかけてみてやっと、答えが分かった。
「涼。あなたがいてくれれば、負ける気がしないわ。私は本当に、あなたと知り合えて良かった……」
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