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世界の異変
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「…やっと全部終わった…」
俺は冷泉 勇希(れいぜい ゆうき)。苗字の通り冷たい性格であり、恋愛にも興味がない。でも悲しいとか寂しいとかの感情はない。逆に一人で気が楽だ。だけど、そんな俺でもハマっているものがある。それは、“人と魔物を共存させ世界を救う”というタイトルのゲームだ。このゲームはいきなり世界に魔物が現れ、人間を襲うのだがそこである案内人が現れてクエストを出され、期限内にクリアしないとペナルティとしてほとんどが“死亡”となってしまう。最終的にこのゲームは魔物の魔物を従えている主人を探し出し仲間と共に戦い勝利することで説得ができる仕組みになっている。そして、魔物たちとも和解し共存を可能にさせ世界を平和にすることがこのゲームの終盤である。ただ…このゲームは珍しい上に問題がある…
それは…
「あ~また死んだよー」
「俺も昨日また死んだから最初からなんだぜ?」
「主人公を死なせずにその仲間を守れてって…どうすんだよ~」
「だよな~」
「この主人公かっこいいけどメンタルが弱い…」
「そりゃ~何回も死んでまた最初からやり直しなんて酷すぎるよ!」
「そうだね~。仲間も目の前で死なれちゃったら精神的に来るよ~」
「そうだよ~」
…今、通り過ぎた人たちの言葉通り自分自身が主人公ではなく、ましてや主人公の仲間でもない。いわゆるモブ…というべきなのか…しかしクエストもみんなほぼ一緒であるため指定された場所に毎回同じキャラクター…そして主人公たちに会うため必ず接触する。そのため、このゲームではリアル差がすごく今のゲームの中で一番だ。もちろん漫画によくあるカプセルに入ってログインする。なんてものは今の時代にない。スマホのみで可能でゴークル式のいわゆるVRで行うこともできる。とにかく難しすぎてネットやいろんなところのコメント欄には…
“難しすぎ!“
”誰かクリアした人いたら教えて!“
”四回目の時、主人公がまた新たに仲間が増えていたけど親密だったな…あれ誰?“
”!!美人!!“
”え!?彼女!?“
”狙ってたのに!“
”そんなことより攻略法誰か教えてくれ!“
という内容が山ほどくる。
え?俺がなんでここまで詳しくて終盤まで知っているかって?冒頭でも言っただろう?”やっと全部終わった“って…そう…俺はリアルで刺激的なゲームが欲しくて、最近人気のこのゲームの存在を偶然聞き、プレイしたら見事ハマったのである。確かに難しかったが、主人公とその仲間たちを守るためにはスキルとアイテム、称号などなどを用いれば難しくはない。しかし、これを成し遂げるためには相当な時間を要した。アイテムを探している最中やスキルを獲得した瞬間など、守れる力を手に入れたと思ったら主人公が死んじゃうから、強制的に自分も最初からやり直になってしまう…
…お願いだから諦めないで戦ってくれよ…とか思っていた瞬間もあった。だが、そんな状況でも俺はめげずに頑張り、やっとクリアしたのだ。
「終わった…すごく楽しめたな。また同じようなの出ないかな…」
俺は今家に向かっている最中だ。
ブーブー
(ん?なんだ?)
[おめでとうございます。あなたは最後まで諦めず世界を救いました。この世界でも諦めない心とその勇気で世界を救ってください]
(この世界でも?そういう意味だ?)
[五分後、この世界が危機に陥ります。この世界を救ってください」
「…え?」
5分後
「きゃあーー!」
「!?なんだ!?」
”キエ!“
「あ、あれは!」
「な、なんだ!こいつ!」
「え?ゴブリン?」
「バカ!それはゲームでの世界でだろ!」
「で、でもよ、ほっぺつまんでもいてぇーしよ…」
「なんなのよ、これ!」
「ねぇ!この先進めないんだけど、なんで!!」
「なにか見えない壁に囲まれてる!」
「なんなんだよ!!」
みんな、この状況に混乱しているようだ。俺も顔には出ていないが混乱している。
(…まさか、世界を救えって…)
手元には何も映し出されていない自分のスマホ…
「はーい!みなさん!こちらに注目してくださーい!」
『!!』
声が和る方をみんな一斉に振り向いた。
「あいつは!」
(俺は心底驚いた。なぜならあいつは…)
「初めまして!人間の諸君!私はこの地域を担当させていただきます!私は…」
(鱗のような身体に蛇のように鋭い目…こいつは…)
「私の名前はシャルぺと申します。以後お見知りおきを…」
ペコ
(やっぱり…じゃあ、あの最後のメッセージは…)
「おい!ふざけんなよ!なんなんだよ、これは!」
「それを今から説明するので少しお静かに」
「静かになんかできるか!はやくここから出せ!」
「…最後の忠告です。お静かに…」
「うるせ!はやく…」
パンッ!!
「!!きゃあぁぁぁ!!」
(くっ)
「だから言ったじゃないですか…お静かに…と」
ニッ
「ひっく。ひっく」
この状況の中で泣いている人たち…無理もない。目の前で男の頭が吹っ飛ばされたんだから…
「さて、今からみなさんにはこの世界を救ってもらいます!」
(…これは…)
「ルールは簡単!クエストを進行してクリアをし続けてください!時と場合ではある人物を守りながら進行しなくてはいけませんが、強制はしません!ただ…この世界を守るためには必ず守らないと厳しくなるだけですけどね…ニヒッ!」
「お、おい…それって…」
「あ、あぁ…あのゲーム…だよな?」
「え?何?何の話?」
今のシャペルの話からゲームをやってきた人たちは勘づいたらしい…
「あ、でもそのある人物は精神が少し崩れやすくなってきているので下手なことをして自殺に追い込まないでくださいよ?」
…ということは何回目だ…?俺にはそんな記憶はない…まぁ、俺は主人公でもないし、俺が回帰してる訳じゃないから記憶になくて当然なんだが…
「それでは、手始めにこのクエストをやっていただきましょう!」
ピロン
[資格を手に入れろ]
時間内にゴブリンの群れから生き残れ!
分類:メイン
難易度:F
制限時間:一時間
報酬:500コイン
失敗した場合:死亡
「あなたたちはこれからこの世界で生き残るための手始めとして資格を手に入れなければいけません。これはその第一歩です。ゴブリンは倒してもよし。逃げるのもよし。それは自分次第…それでは健闘を祈ります」
シャルぺが消えると同時に結界のようなものが消えてゴブリンが迫り来る。
「きゃあぁぁぁ!」
「うわぁぁぁぁ!」
一斉に逃げ出す人たち。
(とにかく俺も今は武器もないし逃げた方が良さそうだな)
「はぁ…はぁ…時間は…」
[残り時間:50分]
(まだ十分しかたっていないのか…)
「うわぁ!」
え?
“キエエ!”
「危ない!」
ドン!ズシャーー!
「大丈夫か!」
「う、うん」
「走れるか?」
「うん!」
「よし、逃げるぞ!」
タタタッ…
“キエエ!”
「くそっ!邪魔だな…」
(ん?ガラス?…よし、これで…)
「少し離れてろ」
「う、うん」
パリーーーン!
「よし、これが一番いい」
ガシ
「!くっ…」
「!お兄さん!」
(やっぱり素手だと傷つくか…仕方ない、とりあえずあいつらをどかさないと)
「よし…ふんっ!」
シュ!グサ!
“キエエ!”
バタン!
「よし!」
(やっぱり魔物の中でもゴブリンが一番弱いからな…)
「行くぞ!他のゴブリンが来る前に!」
「う、うん!」
タタ…
「はぁ…はぁ…着いた…俺の家が近くで助かった…」
ガチャ バタン!
「はぁ…はぁ…」
ゴブリンたちの声が通り過ぎるのが聞こえる…
「ふぅ~大丈夫か?」
「う、うん…ありがとう…」
「いや…怪我はないか?」
「うん…でもお兄ちゃんの手が…」
「え?あぁ…大丈夫だ…すぐ治るさ…確かここに救急箱が…あった」
「あの…」
「お前も少し休んどけ、ここがいつまでも安全だとは思えないからな」
「は、はい…ありがとうございます」
勇希は手当てをし男の子は言われた通り座って休んでいる。
「…君の名前は?」
「樹 日向(いつき ひなた)です」
「そっか。樹…俺は冷泉 勇希だ」
「勇希お兄ちゃん…」
「ん」
沈黙が走る。
「あの…さっきはすごかったです」
「え?何が?」
「あの…ガラスの破片だけであの…生き物?を倒しちゃって…」
「あぁ…あれは弱点をついたからなのもある」
「弱点?」
「樹は人と魔物を共存させ世界を救うっていうゲーム知ってるか?」
「え、はい…話を聞いただけなら…僕は子供だからまだゲームさせてもらえなくて…」
「…そっか。あのゲームに出てくるその魔物っていうのがあのゴブリンってやつだ。ただ…あのゴブリンは魔物の中でも最弱なんだが…生命力が高くすぐに仲間も集まってくるから一発で仕留めないと長期戦になるんだ」
「…それでさっき頭にガラスを?」
「そうだ。人間も頭をやられれば一発だからな。ゴブリンも同じで頭が弱点ってことだ」
「…僕たちはどうなるんでしょうか…」
「…さぁな。ただあのシャルぺの言った通り最後までクリアするしか選択はないようだ…」
「…」
「きゃー!」
「「!!」」
窓を見るとゴブリン2体に囲まれた女性がいた。
「誰か助けて!」
「お兄ちゃんどうしよ!」
「…ここで待ってろ」
「!お兄ちゃん!」
勇希は包丁を持って玄関まで行く。
バンッ!
“”キエエエ!“
「きゃあ!!」
ゴブリン2匹が女性を襲い掛かろうとしていた。
「くっ!!」
グサ!グサ!
“”キエ!?“”
よし、腕だけど怯ませられたぞ。
「おい。大丈夫か」
「は、はい…」
「よし。こいつら倒したら俺の家に隠れるぞ」
「え?」
“”キエ!!“”
スッ グサ
サッ グサ
…バタン
…やっぱりゲームとは少し違うな。動きはVRのおかげでなんとなく掴めているが…現実だからか動きが重いな…
「行くぞ」
「は、はい…」
ガチャ
「お兄ちゃん!」
ドスッ
「おっと…」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「あぁ…大丈夫だ」
「あの…」
「あぁ。大丈夫か?」
「は、はい。ありがとうございます」
「いや、いい」
「あ、私は朝宮 岬(あさみや みさき)っていいます」
「俺は冷泉 勇希だ。この子は樹 日向だ」
「よ、よろしく…」
(…とりあえず今のところ問題はないが…時間は…」
[残り時間:10分]
(十分か…なんだかんだやってたら結構時間が進んだな…)
「ふむ…ここのエリアは意外としぶとい方々が多いですね~」
ピッピッ…
「ん?ほぉ~これは興味深い…こんな人間様もいたんですね~面白くなりそうですね」
[残り時間1分]
「残り時間一分か…よし。外に出よう」
「え?大丈夫なんですか?」
「このままここにいてもあの案内人…シャルぺがまたなにかしてくるかもしれませんし、そもそもずっとここにはいられないでしょう」
「そ、そうですね!」
「僕はお兄ちゃんに着いて行く」
「大丈夫だ。もう残り時間も少ないし、襲ってきても逃げ切れるはずだ。でも、念のため慎重にいこう」
「えぇ。わかりました」
「わかったよ」
「…よし行くぞ」
「はい」
「うん」
タタ…
(ゴブリンは弱いが意外と頭がいい。少しでも音がすると気づかれる可能性がある…)
パキッ!
「あっ!」
“””キエ!!“””
「ごめんなさい!」
「走るぞ!」
タタタタッ
「うわ!」
ドサッ!
「!!」
「樹くん!!」
“"“キエエ!!““”
「ちっ」
ドゴッドゴッドスッ
「はぁ…はぁ…」
「「……」」
「全く…ゲームでもそうだったが現実でもしつこいな」
「お兄ちゃん…」
「冷泉さん…すごいですね…」
「え?あぁ…何でだろうね?ハハ…」
…言われてみれば俺なんで普通に倒せたり普通に殴ってんだろう…
“““キエエ!!“““
「!とりあえず逃げるぞ!」
「うん!」
「はい!」
「「「はぁ…はぁ…」」」
[残り時間:5…4…3…2…1…0]
ピッピー!
シュン!
「!ゴブリンが…消えた?」
「はぁ…はぁ…終わった…んですか?はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
「はい…そのようです」
「お疲れ様です!みなさん!えーっと…ここのエリアの生き残りは…九人!素晴らしい!」
(…意外と生き残りが多いな…)
ピロン
【[ゴブリンの群れから生き残れ]クリア達成 報酬:500コイン】
「さて…ここで生き残った方達にご褒美です!実は今のあなたたちの行動をある偉大な方達が見ておられました!」
「え?」
「どういうこと?」
「ゲームでそんな設定あったか?」
「いや…なかったと思うんだけど…」
(…そんな設定は確かにない…)
「さて、これからあなたたちのことを気に入った神様たちや悪魔たちまたは神獣たちがあなたたちを助けるため契約を行いスキルを伝授してくれます。その使い道はあなたたち次第です!」
「…ちょっといいですか?」
「あなたは…いいでしょう。なんですか?」
「それは、複数の選択ができるんでしょうか?」
「ほぉ~いい質問ですね。そうですね…それはあなたたち次第…と言ったところでしょう」
「…俺たち次第?」
「はい。もちろん、様々な神様たちや悪魔様方、それに加え神獣様たちから気に入られればなるほど生き残る確率は格段と上がります。しかし、そのためにはあなたたちがその誠意を見せなければ誰もあなたたちなんか気にしません」
「つまり…何もしない人たちには興味はないが、功績や活躍…とにかく興味を持たせられなければ一人どころか誰も手を貸してくれない…より多くのスキルや加護を受けたければ自分自身でなるべく多く行動しなければならない…」
「…あなた頭の回転がはやいですね。そうです!神様たちや悪魔さまたち、神獣様たちは常にあなたたちのことを見ています!もし、契約された場合でもそれに相応しい活躍が見られなければ神と悪魔と神獣の名の下に強制的に契約が解除されてしまいます!」
「あの…その、神様たちや悪魔たちと神獣たちって何人でも契約ができて加護とか…スキルというのは平等にもらえるんですか?」
「…君もいいところに気づきますね…はい!可能です!ただし!皆さんがそれぞれ同じスキルをもらえると思ったら大間違いです!人間に価値というものがあるように私たちにも価値というものがあります!気に入られてもあなたたちには順位がつきます!順位が高い人ほどいいスキルを伝授されますよ!価値が低くなり順位も下がるとスキルのランクが低くなったり最悪失ってしまいます!」
「え?どういうことだよ!」
「おい!どういうことだよ!」
「…はぁ…やはり人間は頭が悪いですね。つまり…」
「つまり、いいスキルを伝授されたかったら寵愛を受けられるぐらいの価値を見せればいい」
「…ほぉ~」
「その神様たちや悪魔様たち、さらには神獣様たちに気に入れられればなるほどいいスキルを伝授されるが、価値が低くなれば新しいいいスキルはもらえずそもそも加護も失う可能性もある…その状態で生き残らなければいけないが確率はゼロにちかい…つまり自身の行動により生き残れるかが決まる」
「やはりあなたはそこらの人間とは違うようですね。あなたのこと気に入りそうですよ。ニヒッ!あ、ついでにいうとあなたたちが魔物または他の方達と戦って死ぬようなことがあっても神様たち悪魔様たち、神獣様たちは介入はしません。つまり蘇らせるようなことはしないということです。…まぁ、あなたたちの誰かがそのようなスキルを持っているのならば話は違いますが…神様たちや悪魔たち、神獣たちの間にもそのような契約がるので…」
『……』
「安心してください、みなさん!この最初の時点で見放すようなそんな無責任な方達はいません!あ、そういえば人間の皆様は悪魔様たちのことを恐れられているんでしたね?ご心配無用です!皆さんに取り憑こうなんてできませんから!システミ上そのようになっているので!平等に見てくれます!ただ…好き嫌いはありますからね。自身にあった契約者を見つけてくれることでしょう!」
(随分とまぁ~だいたい予想はつくが悪魔たちの好きな人間っていったら悪い性格の人間だろう…よくていい性格で悪知恵が効くやつ…ヤンデレ…厨二病…絶対俺とは縁のない輩だな)
「ちなみに神獣様と契約するのは難しいと聞いておりますよ~。神様たちも悪魔様たちももちろん上位の方達は難しいですけど、その方達からの情報だとそもそも神獣たちは人間に興味をあまり抱かないそうですから~」
(…まぁ…そうだろうな、この世界の動物たちもそう簡単に懐かないんだからな)
「あ!言い忘れるところでした!気にいる…とまではいきませんが興味のある方を見つけたら度々メッセージを送ってくれてコインも送ってくれます!あ、その前に自身のステータスをご覧になってみては?他の人にはない自分のスキルがあると思いますよ?」
「…とりあえず…シャルぺのいう通りに見てみるか…」
「そうですね」
「うん…」
「ステータスオープン」
ピロン!
〈人物情報〉
名前:冷泉 勇希
年齢:20歳
加護:なし
専用特性:冷静沈着
世界を知るもの(幻級)
専用スキル:[通暁Lv1][リサーチLv1]
[適応Lv1][精神の壁LvMAX]
[瞬間移動Lv1][シークレットLv.MAX]
総合能力値:[体力Lv5][筋力Lv5]
[機敏Lv10][魔力Lv9]
総合評価:唯一、この世界の攻略を知っているもの。そのため知識が
豊富で登場人物のことなら何でも知っている。知らない情報
があってもすぐに理解し優れた記憶力ですぐに覚えてしまう
しかも、相手のスキルを理解すれば習得することができる。
これはレベルが上がるたびに難易度が高いスキルを習得する
ことができる。冷静なためか余程のことがない限り精神攻撃
も効果がない。自身の情報は最も信頼しているものにしか
知られることはない。体力や筋力は今の時点では低いが、
行動力や対応力、反応が一番優れている。魔力は通常の者と
比べるとレベルは高い。
(ふむ…意外だがいいスキルがあるな…さて特性とスキルの説明でも見るか…)
ポチ
【冷静沈着】
どんな状況でも冷静に判断することができる。ただし、予想外なことが大きすぎると冷静に対応できなくことがある。
(ふむ…)
【世界を知るもの(幻級)】
この世界の魔獣やアイテム、特定の登場人物を知っている。貴方についていけば周りの人たちも助かる率が上がる可能性がある。
(…まさか…な…)
【通暁】
この世界にあるアイテムやスキルなど詳しく知っているため何でも答えられる。また知らないとことが起きても徹夜してでも理解しようとする。
(これはあのゲームのおかげか…次は…)
ポチ
【リサーチ】
あなたが知っている人物そうでない人物や魔物であればステータスを見ることができる。能力値などが自身より遥かに高い者については制限がかけられるが、努力すれば名前までは知ることができるだろう。
(これはいいスキルだな。使えそうだな)
ポチ
【適応】
レベルが上がるほど毒や麻痺など身体が適応していき免疫・抗体が強くなる。ただし、レベル上げは状態異常にならないと上がらない。
(いいスキルだが、レベル上げの難易度が地味に高いな…できなことはないが…)
ポチ
【精神の壁】
精神攻撃が感知された時発動する。精神を安定させるため自身も相手にも見えない壁を張る。レベルがMAXであるためその壁は厚いがあなたに与える影響が大きく感情が揺れたりすると発動しにくいことがある。
(俺に影響?…心当たりはあるが今はもう…あってもすぐに立て直せるだろう…次)
ポチ
【瞬間記憶】
見たものや聞いたことなどをそのまま記憶に焼き付ける。たった一回で済むので何度も見る必要ない。レベルが上がるほど記憶に収める情報が増える。レベルが上がる方法は本などを読むことである。
(これもいいスキルだな。何度も見直さなくていいのは楽だ。最後のこれもいいスキルっぽいな)
ポチ
【シークレット】
あなたは自身の情報を絶対に流出しない。レベルがMAXのためどんな相手にも知られることはない。ただし、信頼し認めた者は自身が許したところまで見せることができる。
(これは助かる。俺みたいなスキルがあるやつに知られたくないからな)
「うわ~すごい!」
「こんなスキルが…」
(…二人のステータスを見てみるか)
[専用スキル【リサーチ】を発動します]
ピロン
ピロン
〈人物情報〉
名前:樹 日向
年齢:10歳
加護:なし
専用スキル:虫博士(レア)
▶︎詳細
専用スキル:虫使い[Lv1][図鑑Lv10]
意思疎通(虫限定)[Lv1]
▶︎詳細
総合能力値:[体力Lv10][筋力:Lv1]
[機敏Lv2][魔力:Lv3]
▶︎詳細
総合評価:現地点で見ることをお勧めしません。安全地帯で観覧できま
す。
〈人物情報〉
名前:朝宮 岬
年齢:24歳
加護:なし
専用特性:医療知識(レア)
▶︎詳細
専用スキル:[自己回復Lv1][治療Lv1]
▶︎詳細
総合能力値:[体力:Lv5][筋力:Lv2]
[機敏:Lv10][魔力:Lv7]
▶︎詳細
総合評価:現地点で見ることをお勧めしません。安全地帯で観覧できま
す。
(…詳しい詳細は今の場所で見れないみたいだな…)
「さて、みなさん!だいたい自分の情報は見れましたかね?それではいよいよ、あなたたちを助けてくれる方達と契約してください!契約は複数可能ですが、それは日々の積み重ねによって可能です!一度の契約につきお一人だけ選べます!」
ピロン
ピロン
ピロン
至る所から何かが表示される音がする。
[契約を完了せよ]
ーあなたの最初の契約者を選択してくださいー
ー功績や活躍度が高ければ高いほど複数の契約ができますー
1.一本角の馬
2.翼をもち大空を駆け回る馬
3.曲がったくちばし
4.海の中歌で人を惑わせる者
(…曲がったくちばし?どうやら無闇に名前は明かさないか…)
一本角の馬…ユニコーンか何かか?どんなスキルがもらえるか想像つかないな…
翼をもち大空を駆け回る馬…うーん…ペガサスしか思い浮かばないが…翼とあるから風属性のスキルか?
曲がったくちばし…これはくちばしとあるから鳥類か…?だとするとこれももらえるスキルは風属性か…
海の中歌で人を惑わせる者…これは…おそらく水属性のスキルであることは確かだな。
(そのうちまた契約できるとはいえ最初が肝心だからな…慎重に選ばないとな…またいつ俺に興味を示してくれるかわからないからな)
「ん~…」
(よし。それじゃあこの神獣に…ん?そういえば神獣は滅多に人に興味を持たないって言ってなかったか?…まぁ今は考えてもしょうがないか)
ピッ!
【契約が完了しました】
【神獣:ユニコーンと契約しました】
【ユニコーンからスキルを授かりました】
【スキル:浄化(D)を伝授されました】
【これよりあなたに興味を抱いている者たちからメッセージが送られます】
ピロン
ピロン
ピロン
ピロン
[《ユニコーン》が選ばれた喜びを駆け回ることで表しています]
[《翼をもち大空を駆け回る馬》が選ばれなかった悔しさを翼でバサバサして表しています]
[《曲がったくちばし》が悔しがっていますが貴方の成長を見守りながら再度契約を申し込もうと考えています]
[《海の中歌で人を惑わせる者》が拗ねて海の中に潜りました]
(…意外とフレンドリーなんだけど…シャルぺのやつ情報間違ってないか?)
「さて!契約が無事できましたね!どれどれ…ほぉ~やはりこの方は面白い…ニヒッ!契約は功績や活躍度で契約が申し込まれますので頑張ってください!それでは、詳しい説明はここまで!クエストを頑張ってクリアしてくださいね!また後ほど!]
シュン!
「「「……」」」
「お兄ちゃん…」
「ん?どうした?」
「大丈夫かな?僕…生きられるかな?」
「…大丈夫だ。俺と一緒にいれば必ず生きられる。樹…俺を信じてついてくるか?」
「…うん!お兄ちゃんは僕を助けてくれた!お兄ちゃんを信じるよ!」
ピロン
[《曲がったくちばし》が貴方の行動を見て感動しています。〔ポイントを1支援しました〕]
(ポイント?)
[神獣はコインを支援できない代わりに能力値を上昇させるポイントを支援できます]
(ポイント…助かるな)
ピロン
[天使《普段から人間の傍にいる天使》が貴方の言葉に感動しました〔100コイン支援しました〕]
ピロン
[《曲がったくちばし》がなぜか対抗心を見せました〔さらに1ポイント支援しました〕]
ピロン
[天使《普段から人間の傍にいる天使》が苦笑しています]
ピロン
[《曲がったくちばし》の機嫌が良くなっています]
ピロン
[《ユニコーン》が自分よりも先に契約者に支援を送ったことを怒っています]
ピロン
[《翼をもち大空を駆け回る馬》が《ユニコーン》を鼻を鳴らして笑いました]
ピロン
[《ユニコーン》が《翼をもち大空を駆け回る馬》に対し怒り追いかけています]
(…本当に神獣かってくらい人馴れしてないか?それに天使が俺に興味を持ってくれてるなら契約の候補に入ってくれればよかったのに…なんでだ?)
ピロン
[指定された場所に避難しろ]
期間内に指定された場所まで辿り着き避難してください。
分類:メイン
難易度:E
制限時間:一ヶ月
報酬:600コイン
失敗した場合:死亡
シューーー
「!今度はなんだ!」
「なんですか、これ?…少し吸っただけなのに頭がクラクラする…」
「これは毒ガスです。ハンカチでもなんでもいいので抑えて」
(場所は…ここからだと地味に遠いな…しばらくは歩き続けないと毒ガスに追いつかれるな…)
「場所は確認しましたか?」
「うん」
「はい」
「それでは行きましょう。この霧の毒はしばらくすると範囲が少しずつ広がっていきます。場所も近いとはいえませんしなるべく休まず歩きましょう。しばらく歩き毒ガスが見えない安全な場所を確認したら一旦そこで休憩しましょう」
「そうですね」
まだ俺たちのゲームは始まったばかりだ…
俺は冷泉 勇希(れいぜい ゆうき)。苗字の通り冷たい性格であり、恋愛にも興味がない。でも悲しいとか寂しいとかの感情はない。逆に一人で気が楽だ。だけど、そんな俺でもハマっているものがある。それは、“人と魔物を共存させ世界を救う”というタイトルのゲームだ。このゲームはいきなり世界に魔物が現れ、人間を襲うのだがそこである案内人が現れてクエストを出され、期限内にクリアしないとペナルティとしてほとんどが“死亡”となってしまう。最終的にこのゲームは魔物の魔物を従えている主人を探し出し仲間と共に戦い勝利することで説得ができる仕組みになっている。そして、魔物たちとも和解し共存を可能にさせ世界を平和にすることがこのゲームの終盤である。ただ…このゲームは珍しい上に問題がある…
それは…
「あ~また死んだよー」
「俺も昨日また死んだから最初からなんだぜ?」
「主人公を死なせずにその仲間を守れてって…どうすんだよ~」
「だよな~」
「この主人公かっこいいけどメンタルが弱い…」
「そりゃ~何回も死んでまた最初からやり直しなんて酷すぎるよ!」
「そうだね~。仲間も目の前で死なれちゃったら精神的に来るよ~」
「そうだよ~」
…今、通り過ぎた人たちの言葉通り自分自身が主人公ではなく、ましてや主人公の仲間でもない。いわゆるモブ…というべきなのか…しかしクエストもみんなほぼ一緒であるため指定された場所に毎回同じキャラクター…そして主人公たちに会うため必ず接触する。そのため、このゲームではリアル差がすごく今のゲームの中で一番だ。もちろん漫画によくあるカプセルに入ってログインする。なんてものは今の時代にない。スマホのみで可能でゴークル式のいわゆるVRで行うこともできる。とにかく難しすぎてネットやいろんなところのコメント欄には…
“難しすぎ!“
”誰かクリアした人いたら教えて!“
”四回目の時、主人公がまた新たに仲間が増えていたけど親密だったな…あれ誰?“
”!!美人!!“
”え!?彼女!?“
”狙ってたのに!“
”そんなことより攻略法誰か教えてくれ!“
という内容が山ほどくる。
え?俺がなんでここまで詳しくて終盤まで知っているかって?冒頭でも言っただろう?”やっと全部終わった“って…そう…俺はリアルで刺激的なゲームが欲しくて、最近人気のこのゲームの存在を偶然聞き、プレイしたら見事ハマったのである。確かに難しかったが、主人公とその仲間たちを守るためにはスキルとアイテム、称号などなどを用いれば難しくはない。しかし、これを成し遂げるためには相当な時間を要した。アイテムを探している最中やスキルを獲得した瞬間など、守れる力を手に入れたと思ったら主人公が死んじゃうから、強制的に自分も最初からやり直になってしまう…
…お願いだから諦めないで戦ってくれよ…とか思っていた瞬間もあった。だが、そんな状況でも俺はめげずに頑張り、やっとクリアしたのだ。
「終わった…すごく楽しめたな。また同じようなの出ないかな…」
俺は今家に向かっている最中だ。
ブーブー
(ん?なんだ?)
[おめでとうございます。あなたは最後まで諦めず世界を救いました。この世界でも諦めない心とその勇気で世界を救ってください]
(この世界でも?そういう意味だ?)
[五分後、この世界が危機に陥ります。この世界を救ってください」
「…え?」
5分後
「きゃあーー!」
「!?なんだ!?」
”キエ!“
「あ、あれは!」
「な、なんだ!こいつ!」
「え?ゴブリン?」
「バカ!それはゲームでの世界でだろ!」
「で、でもよ、ほっぺつまんでもいてぇーしよ…」
「なんなのよ、これ!」
「ねぇ!この先進めないんだけど、なんで!!」
「なにか見えない壁に囲まれてる!」
「なんなんだよ!!」
みんな、この状況に混乱しているようだ。俺も顔には出ていないが混乱している。
(…まさか、世界を救えって…)
手元には何も映し出されていない自分のスマホ…
「はーい!みなさん!こちらに注目してくださーい!」
『!!』
声が和る方をみんな一斉に振り向いた。
「あいつは!」
(俺は心底驚いた。なぜならあいつは…)
「初めまして!人間の諸君!私はこの地域を担当させていただきます!私は…」
(鱗のような身体に蛇のように鋭い目…こいつは…)
「私の名前はシャルぺと申します。以後お見知りおきを…」
ペコ
(やっぱり…じゃあ、あの最後のメッセージは…)
「おい!ふざけんなよ!なんなんだよ、これは!」
「それを今から説明するので少しお静かに」
「静かになんかできるか!はやくここから出せ!」
「…最後の忠告です。お静かに…」
「うるせ!はやく…」
パンッ!!
「!!きゃあぁぁぁ!!」
(くっ)
「だから言ったじゃないですか…お静かに…と」
ニッ
「ひっく。ひっく」
この状況の中で泣いている人たち…無理もない。目の前で男の頭が吹っ飛ばされたんだから…
「さて、今からみなさんにはこの世界を救ってもらいます!」
(…これは…)
「ルールは簡単!クエストを進行してクリアをし続けてください!時と場合ではある人物を守りながら進行しなくてはいけませんが、強制はしません!ただ…この世界を守るためには必ず守らないと厳しくなるだけですけどね…ニヒッ!」
「お、おい…それって…」
「あ、あぁ…あのゲーム…だよな?」
「え?何?何の話?」
今のシャペルの話からゲームをやってきた人たちは勘づいたらしい…
「あ、でもそのある人物は精神が少し崩れやすくなってきているので下手なことをして自殺に追い込まないでくださいよ?」
…ということは何回目だ…?俺にはそんな記憶はない…まぁ、俺は主人公でもないし、俺が回帰してる訳じゃないから記憶になくて当然なんだが…
「それでは、手始めにこのクエストをやっていただきましょう!」
ピロン
[資格を手に入れろ]
時間内にゴブリンの群れから生き残れ!
分類:メイン
難易度:F
制限時間:一時間
報酬:500コイン
失敗した場合:死亡
「あなたたちはこれからこの世界で生き残るための手始めとして資格を手に入れなければいけません。これはその第一歩です。ゴブリンは倒してもよし。逃げるのもよし。それは自分次第…それでは健闘を祈ります」
シャルぺが消えると同時に結界のようなものが消えてゴブリンが迫り来る。
「きゃあぁぁぁ!」
「うわぁぁぁぁ!」
一斉に逃げ出す人たち。
(とにかく俺も今は武器もないし逃げた方が良さそうだな)
「はぁ…はぁ…時間は…」
[残り時間:50分]
(まだ十分しかたっていないのか…)
「うわぁ!」
え?
“キエエ!”
「危ない!」
ドン!ズシャーー!
「大丈夫か!」
「う、うん」
「走れるか?」
「うん!」
「よし、逃げるぞ!」
タタタッ…
“キエエ!”
「くそっ!邪魔だな…」
(ん?ガラス?…よし、これで…)
「少し離れてろ」
「う、うん」
パリーーーン!
「よし、これが一番いい」
ガシ
「!くっ…」
「!お兄さん!」
(やっぱり素手だと傷つくか…仕方ない、とりあえずあいつらをどかさないと)
「よし…ふんっ!」
シュ!グサ!
“キエエ!”
バタン!
「よし!」
(やっぱり魔物の中でもゴブリンが一番弱いからな…)
「行くぞ!他のゴブリンが来る前に!」
「う、うん!」
タタ…
「はぁ…はぁ…着いた…俺の家が近くで助かった…」
ガチャ バタン!
「はぁ…はぁ…」
ゴブリンたちの声が通り過ぎるのが聞こえる…
「ふぅ~大丈夫か?」
「う、うん…ありがとう…」
「いや…怪我はないか?」
「うん…でもお兄ちゃんの手が…」
「え?あぁ…大丈夫だ…すぐ治るさ…確かここに救急箱が…あった」
「あの…」
「お前も少し休んどけ、ここがいつまでも安全だとは思えないからな」
「は、はい…ありがとうございます」
勇希は手当てをし男の子は言われた通り座って休んでいる。
「…君の名前は?」
「樹 日向(いつき ひなた)です」
「そっか。樹…俺は冷泉 勇希だ」
「勇希お兄ちゃん…」
「ん」
沈黙が走る。
「あの…さっきはすごかったです」
「え?何が?」
「あの…ガラスの破片だけであの…生き物?を倒しちゃって…」
「あぁ…あれは弱点をついたからなのもある」
「弱点?」
「樹は人と魔物を共存させ世界を救うっていうゲーム知ってるか?」
「え、はい…話を聞いただけなら…僕は子供だからまだゲームさせてもらえなくて…」
「…そっか。あのゲームに出てくるその魔物っていうのがあのゴブリンってやつだ。ただ…あのゴブリンは魔物の中でも最弱なんだが…生命力が高くすぐに仲間も集まってくるから一発で仕留めないと長期戦になるんだ」
「…それでさっき頭にガラスを?」
「そうだ。人間も頭をやられれば一発だからな。ゴブリンも同じで頭が弱点ってことだ」
「…僕たちはどうなるんでしょうか…」
「…さぁな。ただあのシャルぺの言った通り最後までクリアするしか選択はないようだ…」
「…」
「きゃー!」
「「!!」」
窓を見るとゴブリン2体に囲まれた女性がいた。
「誰か助けて!」
「お兄ちゃんどうしよ!」
「…ここで待ってろ」
「!お兄ちゃん!」
勇希は包丁を持って玄関まで行く。
バンッ!
“”キエエエ!“
「きゃあ!!」
ゴブリン2匹が女性を襲い掛かろうとしていた。
「くっ!!」
グサ!グサ!
“”キエ!?“”
よし、腕だけど怯ませられたぞ。
「おい。大丈夫か」
「は、はい…」
「よし。こいつら倒したら俺の家に隠れるぞ」
「え?」
“”キエ!!“”
スッ グサ
サッ グサ
…バタン
…やっぱりゲームとは少し違うな。動きはVRのおかげでなんとなく掴めているが…現実だからか動きが重いな…
「行くぞ」
「は、はい…」
ガチャ
「お兄ちゃん!」
ドスッ
「おっと…」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「あぁ…大丈夫だ」
「あの…」
「あぁ。大丈夫か?」
「は、はい。ありがとうございます」
「いや、いい」
「あ、私は朝宮 岬(あさみや みさき)っていいます」
「俺は冷泉 勇希だ。この子は樹 日向だ」
「よ、よろしく…」
(…とりあえず今のところ問題はないが…時間は…」
[残り時間:10分]
(十分か…なんだかんだやってたら結構時間が進んだな…)
「ふむ…ここのエリアは意外としぶとい方々が多いですね~」
ピッピッ…
「ん?ほぉ~これは興味深い…こんな人間様もいたんですね~面白くなりそうですね」
[残り時間1分]
「残り時間一分か…よし。外に出よう」
「え?大丈夫なんですか?」
「このままここにいてもあの案内人…シャルぺがまたなにかしてくるかもしれませんし、そもそもずっとここにはいられないでしょう」
「そ、そうですね!」
「僕はお兄ちゃんに着いて行く」
「大丈夫だ。もう残り時間も少ないし、襲ってきても逃げ切れるはずだ。でも、念のため慎重にいこう」
「えぇ。わかりました」
「わかったよ」
「…よし行くぞ」
「はい」
「うん」
タタ…
(ゴブリンは弱いが意外と頭がいい。少しでも音がすると気づかれる可能性がある…)
パキッ!
「あっ!」
“””キエ!!“””
「ごめんなさい!」
「走るぞ!」
タタタタッ
「うわ!」
ドサッ!
「!!」
「樹くん!!」
“"“キエエ!!““”
「ちっ」
ドゴッドゴッドスッ
「はぁ…はぁ…」
「「……」」
「全く…ゲームでもそうだったが現実でもしつこいな」
「お兄ちゃん…」
「冷泉さん…すごいですね…」
「え?あぁ…何でだろうね?ハハ…」
…言われてみれば俺なんで普通に倒せたり普通に殴ってんだろう…
“““キエエ!!“““
「!とりあえず逃げるぞ!」
「うん!」
「はい!」
「「「はぁ…はぁ…」」」
[残り時間:5…4…3…2…1…0]
ピッピー!
シュン!
「!ゴブリンが…消えた?」
「はぁ…はぁ…終わった…んですか?はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
「はい…そのようです」
「お疲れ様です!みなさん!えーっと…ここのエリアの生き残りは…九人!素晴らしい!」
(…意外と生き残りが多いな…)
ピロン
【[ゴブリンの群れから生き残れ]クリア達成 報酬:500コイン】
「さて…ここで生き残った方達にご褒美です!実は今のあなたたちの行動をある偉大な方達が見ておられました!」
「え?」
「どういうこと?」
「ゲームでそんな設定あったか?」
「いや…なかったと思うんだけど…」
(…そんな設定は確かにない…)
「さて、これからあなたたちのことを気に入った神様たちや悪魔たちまたは神獣たちがあなたたちを助けるため契約を行いスキルを伝授してくれます。その使い道はあなたたち次第です!」
「…ちょっといいですか?」
「あなたは…いいでしょう。なんですか?」
「それは、複数の選択ができるんでしょうか?」
「ほぉ~いい質問ですね。そうですね…それはあなたたち次第…と言ったところでしょう」
「…俺たち次第?」
「はい。もちろん、様々な神様たちや悪魔様方、それに加え神獣様たちから気に入られればなるほど生き残る確率は格段と上がります。しかし、そのためにはあなたたちがその誠意を見せなければ誰もあなたたちなんか気にしません」
「つまり…何もしない人たちには興味はないが、功績や活躍…とにかく興味を持たせられなければ一人どころか誰も手を貸してくれない…より多くのスキルや加護を受けたければ自分自身でなるべく多く行動しなければならない…」
「…あなた頭の回転がはやいですね。そうです!神様たちや悪魔さまたち、神獣様たちは常にあなたたちのことを見ています!もし、契約された場合でもそれに相応しい活躍が見られなければ神と悪魔と神獣の名の下に強制的に契約が解除されてしまいます!」
「あの…その、神様たちや悪魔たちと神獣たちって何人でも契約ができて加護とか…スキルというのは平等にもらえるんですか?」
「…君もいいところに気づきますね…はい!可能です!ただし!皆さんがそれぞれ同じスキルをもらえると思ったら大間違いです!人間に価値というものがあるように私たちにも価値というものがあります!気に入られてもあなたたちには順位がつきます!順位が高い人ほどいいスキルを伝授されますよ!価値が低くなり順位も下がるとスキルのランクが低くなったり最悪失ってしまいます!」
「え?どういうことだよ!」
「おい!どういうことだよ!」
「…はぁ…やはり人間は頭が悪いですね。つまり…」
「つまり、いいスキルを伝授されたかったら寵愛を受けられるぐらいの価値を見せればいい」
「…ほぉ~」
「その神様たちや悪魔様たち、さらには神獣様たちに気に入れられればなるほどいいスキルを伝授されるが、価値が低くなれば新しいいいスキルはもらえずそもそも加護も失う可能性もある…その状態で生き残らなければいけないが確率はゼロにちかい…つまり自身の行動により生き残れるかが決まる」
「やはりあなたはそこらの人間とは違うようですね。あなたのこと気に入りそうですよ。ニヒッ!あ、ついでにいうとあなたたちが魔物または他の方達と戦って死ぬようなことがあっても神様たち悪魔様たち、神獣様たちは介入はしません。つまり蘇らせるようなことはしないということです。…まぁ、あなたたちの誰かがそのようなスキルを持っているのならば話は違いますが…神様たちや悪魔たち、神獣たちの間にもそのような契約がるので…」
『……』
「安心してください、みなさん!この最初の時点で見放すようなそんな無責任な方達はいません!あ、そういえば人間の皆様は悪魔様たちのことを恐れられているんでしたね?ご心配無用です!皆さんに取り憑こうなんてできませんから!システミ上そのようになっているので!平等に見てくれます!ただ…好き嫌いはありますからね。自身にあった契約者を見つけてくれることでしょう!」
(随分とまぁ~だいたい予想はつくが悪魔たちの好きな人間っていったら悪い性格の人間だろう…よくていい性格で悪知恵が効くやつ…ヤンデレ…厨二病…絶対俺とは縁のない輩だな)
「ちなみに神獣様と契約するのは難しいと聞いておりますよ~。神様たちも悪魔様たちももちろん上位の方達は難しいですけど、その方達からの情報だとそもそも神獣たちは人間に興味をあまり抱かないそうですから~」
(…まぁ…そうだろうな、この世界の動物たちもそう簡単に懐かないんだからな)
「あ!言い忘れるところでした!気にいる…とまではいきませんが興味のある方を見つけたら度々メッセージを送ってくれてコインも送ってくれます!あ、その前に自身のステータスをご覧になってみては?他の人にはない自分のスキルがあると思いますよ?」
「…とりあえず…シャルぺのいう通りに見てみるか…」
「そうですね」
「うん…」
「ステータスオープン」
ピロン!
〈人物情報〉
名前:冷泉 勇希
年齢:20歳
加護:なし
専用特性:冷静沈着
世界を知るもの(幻級)
専用スキル:[通暁Lv1][リサーチLv1]
[適応Lv1][精神の壁LvMAX]
[瞬間移動Lv1][シークレットLv.MAX]
総合能力値:[体力Lv5][筋力Lv5]
[機敏Lv10][魔力Lv9]
総合評価:唯一、この世界の攻略を知っているもの。そのため知識が
豊富で登場人物のことなら何でも知っている。知らない情報
があってもすぐに理解し優れた記憶力ですぐに覚えてしまう
しかも、相手のスキルを理解すれば習得することができる。
これはレベルが上がるたびに難易度が高いスキルを習得する
ことができる。冷静なためか余程のことがない限り精神攻撃
も効果がない。自身の情報は最も信頼しているものにしか
知られることはない。体力や筋力は今の時点では低いが、
行動力や対応力、反応が一番優れている。魔力は通常の者と
比べるとレベルは高い。
(ふむ…意外だがいいスキルがあるな…さて特性とスキルの説明でも見るか…)
ポチ
【冷静沈着】
どんな状況でも冷静に判断することができる。ただし、予想外なことが大きすぎると冷静に対応できなくことがある。
(ふむ…)
【世界を知るもの(幻級)】
この世界の魔獣やアイテム、特定の登場人物を知っている。貴方についていけば周りの人たちも助かる率が上がる可能性がある。
(…まさか…な…)
【通暁】
この世界にあるアイテムやスキルなど詳しく知っているため何でも答えられる。また知らないとことが起きても徹夜してでも理解しようとする。
(これはあのゲームのおかげか…次は…)
ポチ
【リサーチ】
あなたが知っている人物そうでない人物や魔物であればステータスを見ることができる。能力値などが自身より遥かに高い者については制限がかけられるが、努力すれば名前までは知ることができるだろう。
(これはいいスキルだな。使えそうだな)
ポチ
【適応】
レベルが上がるほど毒や麻痺など身体が適応していき免疫・抗体が強くなる。ただし、レベル上げは状態異常にならないと上がらない。
(いいスキルだが、レベル上げの難易度が地味に高いな…できなことはないが…)
ポチ
【精神の壁】
精神攻撃が感知された時発動する。精神を安定させるため自身も相手にも見えない壁を張る。レベルがMAXであるためその壁は厚いがあなたに与える影響が大きく感情が揺れたりすると発動しにくいことがある。
(俺に影響?…心当たりはあるが今はもう…あってもすぐに立て直せるだろう…次)
ポチ
【瞬間記憶】
見たものや聞いたことなどをそのまま記憶に焼き付ける。たった一回で済むので何度も見る必要ない。レベルが上がるほど記憶に収める情報が増える。レベルが上がる方法は本などを読むことである。
(これもいいスキルだな。何度も見直さなくていいのは楽だ。最後のこれもいいスキルっぽいな)
ポチ
【シークレット】
あなたは自身の情報を絶対に流出しない。レベルがMAXのためどんな相手にも知られることはない。ただし、信頼し認めた者は自身が許したところまで見せることができる。
(これは助かる。俺みたいなスキルがあるやつに知られたくないからな)
「うわ~すごい!」
「こんなスキルが…」
(…二人のステータスを見てみるか)
[専用スキル【リサーチ】を発動します]
ピロン
ピロン
〈人物情報〉
名前:樹 日向
年齢:10歳
加護:なし
専用スキル:虫博士(レア)
▶︎詳細
専用スキル:虫使い[Lv1][図鑑Lv10]
意思疎通(虫限定)[Lv1]
▶︎詳細
総合能力値:[体力Lv10][筋力:Lv1]
[機敏Lv2][魔力:Lv3]
▶︎詳細
総合評価:現地点で見ることをお勧めしません。安全地帯で観覧できま
す。
〈人物情報〉
名前:朝宮 岬
年齢:24歳
加護:なし
専用特性:医療知識(レア)
▶︎詳細
専用スキル:[自己回復Lv1][治療Lv1]
▶︎詳細
総合能力値:[体力:Lv5][筋力:Lv2]
[機敏:Lv10][魔力:Lv7]
▶︎詳細
総合評価:現地点で見ることをお勧めしません。安全地帯で観覧できま
す。
(…詳しい詳細は今の場所で見れないみたいだな…)
「さて、みなさん!だいたい自分の情報は見れましたかね?それではいよいよ、あなたたちを助けてくれる方達と契約してください!契約は複数可能ですが、それは日々の積み重ねによって可能です!一度の契約につきお一人だけ選べます!」
ピロン
ピロン
ピロン
至る所から何かが表示される音がする。
[契約を完了せよ]
ーあなたの最初の契約者を選択してくださいー
ー功績や活躍度が高ければ高いほど複数の契約ができますー
1.一本角の馬
2.翼をもち大空を駆け回る馬
3.曲がったくちばし
4.海の中歌で人を惑わせる者
(…曲がったくちばし?どうやら無闇に名前は明かさないか…)
一本角の馬…ユニコーンか何かか?どんなスキルがもらえるか想像つかないな…
翼をもち大空を駆け回る馬…うーん…ペガサスしか思い浮かばないが…翼とあるから風属性のスキルか?
曲がったくちばし…これはくちばしとあるから鳥類か…?だとするとこれももらえるスキルは風属性か…
海の中歌で人を惑わせる者…これは…おそらく水属性のスキルであることは確かだな。
(そのうちまた契約できるとはいえ最初が肝心だからな…慎重に選ばないとな…またいつ俺に興味を示してくれるかわからないからな)
「ん~…」
(よし。それじゃあこの神獣に…ん?そういえば神獣は滅多に人に興味を持たないって言ってなかったか?…まぁ今は考えてもしょうがないか)
ピッ!
【契約が完了しました】
【神獣:ユニコーンと契約しました】
【ユニコーンからスキルを授かりました】
【スキル:浄化(D)を伝授されました】
【これよりあなたに興味を抱いている者たちからメッセージが送られます】
ピロン
ピロン
ピロン
ピロン
[《ユニコーン》が選ばれた喜びを駆け回ることで表しています]
[《翼をもち大空を駆け回る馬》が選ばれなかった悔しさを翼でバサバサして表しています]
[《曲がったくちばし》が悔しがっていますが貴方の成長を見守りながら再度契約を申し込もうと考えています]
[《海の中歌で人を惑わせる者》が拗ねて海の中に潜りました]
(…意外とフレンドリーなんだけど…シャルぺのやつ情報間違ってないか?)
「さて!契約が無事できましたね!どれどれ…ほぉ~やはりこの方は面白い…ニヒッ!契約は功績や活躍度で契約が申し込まれますので頑張ってください!それでは、詳しい説明はここまで!クエストを頑張ってクリアしてくださいね!また後ほど!]
シュン!
「「「……」」」
「お兄ちゃん…」
「ん?どうした?」
「大丈夫かな?僕…生きられるかな?」
「…大丈夫だ。俺と一緒にいれば必ず生きられる。樹…俺を信じてついてくるか?」
「…うん!お兄ちゃんは僕を助けてくれた!お兄ちゃんを信じるよ!」
ピロン
[《曲がったくちばし》が貴方の行動を見て感動しています。〔ポイントを1支援しました〕]
(ポイント?)
[神獣はコインを支援できない代わりに能力値を上昇させるポイントを支援できます]
(ポイント…助かるな)
ピロン
[天使《普段から人間の傍にいる天使》が貴方の言葉に感動しました〔100コイン支援しました〕]
ピロン
[《曲がったくちばし》がなぜか対抗心を見せました〔さらに1ポイント支援しました〕]
ピロン
[天使《普段から人間の傍にいる天使》が苦笑しています]
ピロン
[《曲がったくちばし》の機嫌が良くなっています]
ピロン
[《ユニコーン》が自分よりも先に契約者に支援を送ったことを怒っています]
ピロン
[《翼をもち大空を駆け回る馬》が《ユニコーン》を鼻を鳴らして笑いました]
ピロン
[《ユニコーン》が《翼をもち大空を駆け回る馬》に対し怒り追いかけています]
(…本当に神獣かってくらい人馴れしてないか?それに天使が俺に興味を持ってくれてるなら契約の候補に入ってくれればよかったのに…なんでだ?)
ピロン
[指定された場所に避難しろ]
期間内に指定された場所まで辿り着き避難してください。
分類:メイン
難易度:E
制限時間:一ヶ月
報酬:600コイン
失敗した場合:死亡
シューーー
「!今度はなんだ!」
「なんですか、これ?…少し吸っただけなのに頭がクラクラする…」
「これは毒ガスです。ハンカチでもなんでもいいので抑えて」
(場所は…ここからだと地味に遠いな…しばらくは歩き続けないと毒ガスに追いつかれるな…)
「場所は確認しましたか?」
「うん」
「はい」
「それでは行きましょう。この霧の毒はしばらくすると範囲が少しずつ広がっていきます。場所も近いとはいえませんしなるべく休まず歩きましょう。しばらく歩き毒ガスが見えない安全な場所を確認したら一旦そこで休憩しましょう」
「そうですね」
まだ俺たちのゲームは始まったばかりだ…
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