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番外編
エマ①
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私の名前は、エマ。三歳。私には、ひとつ上のお姉ちゃんがいる。名前は、テッサお姉ちゃん。お姉ちゃんは、同じ青色の瞳だけど、栗色のクルクルの髪の毛で、まるで「異国のプリンセス様」のように美しい。
そんなお姉ちゃんは、私の憧れの存在だ。
今日は、お姉ちゃんと近くの広場で、かくれんぼをしている。私が、隠れる人でお姉ちゃんがオニだ。
私は、茂みの中に隠れてお姉ちゃんの様子を眺める。
「テッサ~ エマ~」
あ、ママだ。ママのアンナは、ブロンドのクルクルとした髪の毛に青い瞳で、お姉ちゃんによく似ていて、綺麗。そして、ものすごく優しい。私も、お姉ちゃんもママが大好きだ。
「テッサ、エマはどこ? 」
「かくれんぼしていたの。一緒に探そう」
ママとお姉ちゃんが、こっちに来る! と思い私は、身をかがめた。
「エマみ~つけた!」
あちゃ~。見つかっちゃった。
ママが迎えに来るまでここで遊ぶという約束だったので、三人でおうちへと帰った。
おうちに着き、ニ人で遊んでいるとき、私はある面白そうな提案を、お姉ちゃんにした。
今日こそは、お姉ちゃんに勝つ!
「ねぇねぇ、おねえちゃん。今日のおやつが何か当てっこしない? 」
おねえちゃんは、即答で答えた。
「いいよ」
クンクンと匂いを嗅いでいるお姉ちゃんを見て、やばい! とおもったが、答えを聞くまでは大丈夫! とも思っていた。
「分かった。今日のおやつは、私の好きなバウムクーヘンだ」
「え~ バウムクーヘンは、昨日食べたじゃない。それって、おねえちゃんが食べたいおやつじゃないの? 」
「えっへへ。ばれた?」
お母さんのおやつは、1週間のうちに被ることは無い。それなのに、お姉ちゃんはそれを分からないほど天然で、いつも適当に食べたいおやつを答えている。
「んもぉ~」
私は、すごく不服そうな顔をしてほっぺを、ぷくーっとふくらませた。
でも、そんなお姉ちゃんも、本当に可愛い。
しばらくして、お母さんに呼ばれて私たちは、リビングへと向かった。
「今日のおやつは、スコーンよ」
「やったぁ」
スコーンは、二人とも大好きなおやつだ。
私たちは、幸せそうにスコーンをほおばり、楽しく会話をしていた。
そして、そこにお父さんが帰ってきた。
お父さんは、家に入ると同時に暴れだし、部屋をめちゃめちゃにした。スコーンが置いてあったテーブルも、私たちの写真が置いてあったキャビネットも、ぼろぼろになってしまった。
「あなた?! どうしたのですかこんなに荒れて」
「あ?」
お父さんは、お母さんの胸ぐらをつかみ、何度も何度も殴った。
「お父さん辞めて。お父さん」
お姉ちゃんの決死の制御も虚しくお母さんが気を失うまで、殴り続けた。
それは、昔のお父さんではありえないことだった。この日からお父さんは、人が変わってしまった。リストラされたのだ。
その時、私は、泣き叫ぶことしかできなかった。
それは、お姉ちゃんも同じだった。天然で優しくて、いつも私を笑わせてくれるお姉ちゃんは、この日から自分の身を守ることで、せいいっぱいで、そんなお姉ちゃんを見るのが辛くて、私も笑えなくなった。
笑顔が消え、酒に溺れ、家族を殴るお父さんを見ていると、悲しくなって、ずっと泣いていた。
泣けば泣くほど、お父さんから、殴られる生活を強いられて、辛かった。
お姉ちゃんは、殴られないように、いい子の仮面を被って、一度も泣いたことは無かった。しかし、お父さんは、私やお母さんで満足出来なくなると、お姉ちゃんのことも殴っていた。
私たちの家族は、完全に壊れてしまった。
そんなお姉ちゃんは、私の憧れの存在だ。
今日は、お姉ちゃんと近くの広場で、かくれんぼをしている。私が、隠れる人でお姉ちゃんがオニだ。
私は、茂みの中に隠れてお姉ちゃんの様子を眺める。
「テッサ~ エマ~」
あ、ママだ。ママのアンナは、ブロンドのクルクルとした髪の毛に青い瞳で、お姉ちゃんによく似ていて、綺麗。そして、ものすごく優しい。私も、お姉ちゃんもママが大好きだ。
「テッサ、エマはどこ? 」
「かくれんぼしていたの。一緒に探そう」
ママとお姉ちゃんが、こっちに来る! と思い私は、身をかがめた。
「エマみ~つけた!」
あちゃ~。見つかっちゃった。
ママが迎えに来るまでここで遊ぶという約束だったので、三人でおうちへと帰った。
おうちに着き、ニ人で遊んでいるとき、私はある面白そうな提案を、お姉ちゃんにした。
今日こそは、お姉ちゃんに勝つ!
「ねぇねぇ、おねえちゃん。今日のおやつが何か当てっこしない? 」
おねえちゃんは、即答で答えた。
「いいよ」
クンクンと匂いを嗅いでいるお姉ちゃんを見て、やばい! とおもったが、答えを聞くまでは大丈夫! とも思っていた。
「分かった。今日のおやつは、私の好きなバウムクーヘンだ」
「え~ バウムクーヘンは、昨日食べたじゃない。それって、おねえちゃんが食べたいおやつじゃないの? 」
「えっへへ。ばれた?」
お母さんのおやつは、1週間のうちに被ることは無い。それなのに、お姉ちゃんはそれを分からないほど天然で、いつも適当に食べたいおやつを答えている。
「んもぉ~」
私は、すごく不服そうな顔をしてほっぺを、ぷくーっとふくらませた。
でも、そんなお姉ちゃんも、本当に可愛い。
しばらくして、お母さんに呼ばれて私たちは、リビングへと向かった。
「今日のおやつは、スコーンよ」
「やったぁ」
スコーンは、二人とも大好きなおやつだ。
私たちは、幸せそうにスコーンをほおばり、楽しく会話をしていた。
そして、そこにお父さんが帰ってきた。
お父さんは、家に入ると同時に暴れだし、部屋をめちゃめちゃにした。スコーンが置いてあったテーブルも、私たちの写真が置いてあったキャビネットも、ぼろぼろになってしまった。
「あなた?! どうしたのですかこんなに荒れて」
「あ?」
お父さんは、お母さんの胸ぐらをつかみ、何度も何度も殴った。
「お父さん辞めて。お父さん」
お姉ちゃんの決死の制御も虚しくお母さんが気を失うまで、殴り続けた。
それは、昔のお父さんではありえないことだった。この日からお父さんは、人が変わってしまった。リストラされたのだ。
その時、私は、泣き叫ぶことしかできなかった。
それは、お姉ちゃんも同じだった。天然で優しくて、いつも私を笑わせてくれるお姉ちゃんは、この日から自分の身を守ることで、せいいっぱいで、そんなお姉ちゃんを見るのが辛くて、私も笑えなくなった。
笑顔が消え、酒に溺れ、家族を殴るお父さんを見ていると、悲しくなって、ずっと泣いていた。
泣けば泣くほど、お父さんから、殴られる生活を強いられて、辛かった。
お姉ちゃんは、殴られないように、いい子の仮面を被って、一度も泣いたことは無かった。しかし、お父さんは、私やお母さんで満足出来なくなると、お姉ちゃんのことも殴っていた。
私たちの家族は、完全に壊れてしまった。
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