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トルコ編〜イスタンブールの遊郭「ミラーボール」での日々〜
夜十時の来客
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しかし、ハルさんは八月になっても店に現れなかった。
そして、月日が流れ翌年の十二月。一月に誕生日を迎える私は、生誕祭の準備で大忙し。朝から晩まで、客引きと並行してプランを練っている。
そして、今日は、休日なので、客引きになると与えられる、自室に籠り、誕生日会の準備をしていた。
お店自体は、営業中のため音楽が聞こえるがそれも気にならないほどに集中をしていると、自室のドアをノックする音が聞こえ、私は何事かと思いながらも、ドアを開けた。そこには、息を切らしたアメリアさんが立っていた。
言い忘れていたが、アメリアさんは年季が明けて、一時帰国したのだが今は、年季奉公ではなく、希望してミラーボールで働いている。
そして、妹のエマは、十六歳になった。さすがに、まだヘルプだが楽しくやっているようだ。
エマと、アメリアさんには、客引きがなにをやるのかきちんと教えていて、二人とも理解している。
「アメリアさん! どうしたの?」
私は、驚きながらもアメリアさんを部屋に入れ、お水を渡し、話を聞こうとした。しかし、アメリアさんは、部屋に入らずに、私に要件を伝えた。
「支配人が、テッサさんを呼んでいて、すぐに来て」
実は、支配人は滅多に人を呼ばないもの。私は、素行についての指示等について、昔はよく呼ばれていたが、最近は、そういったことも無くなって安心していた。
また、昔みたいに怒られるのかなと少し怖かったが、それは違うということが、すぐに分かった。
「お休み中に呼び出して、ごめんなさいね。実は、あなたに会いたいという人が来ていて」
前も言ったが、ミラーボールは完全予約制。お休みの日は、客が指名しても出ることはない。客引きの家族が面会に来ることは良くあるが、今は夜中の十時。こんな時間に来ているのは、見たことがない。それに私の家族は、あのような感じなので、一度も来たことがない。
いったい、誰なんだろう……。
支配人は、来客者が待つ部屋へ私を案内した。来客室に入り、一礼をすると懐かしい声が聞こえた。
「テッサちゃん。久しぶり」
私は、驚いたように顔を上げる。そこには、一年前の五月。私に約束をして、とんずらしたハルさんと、後ろに三人の女性がいた。
「ハルさん!? あれ? 後ろにいるのは……」
ハルさんの後ろから顔を出した三人の女性に、すごく驚いた。
だって、ハルさんの後ろには綺麗な服を着た私のお母さんと、妹二人がいたから。
「おかあさん!」
私は、お母さんに抱き着いた。そして、後から来客室に入ってきたエマも、支配人の配慮で、早退をさせていただいて、私たち六人は、私のお部屋で話をすることにした。
そして、月日が流れ翌年の十二月。一月に誕生日を迎える私は、生誕祭の準備で大忙し。朝から晩まで、客引きと並行してプランを練っている。
そして、今日は、休日なので、客引きになると与えられる、自室に籠り、誕生日会の準備をしていた。
お店自体は、営業中のため音楽が聞こえるがそれも気にならないほどに集中をしていると、自室のドアをノックする音が聞こえ、私は何事かと思いながらも、ドアを開けた。そこには、息を切らしたアメリアさんが立っていた。
言い忘れていたが、アメリアさんは年季が明けて、一時帰国したのだが今は、年季奉公ではなく、希望してミラーボールで働いている。
そして、妹のエマは、十六歳になった。さすがに、まだヘルプだが楽しくやっているようだ。
エマと、アメリアさんには、客引きがなにをやるのかきちんと教えていて、二人とも理解している。
「アメリアさん! どうしたの?」
私は、驚きながらもアメリアさんを部屋に入れ、お水を渡し、話を聞こうとした。しかし、アメリアさんは、部屋に入らずに、私に要件を伝えた。
「支配人が、テッサさんを呼んでいて、すぐに来て」
実は、支配人は滅多に人を呼ばないもの。私は、素行についての指示等について、昔はよく呼ばれていたが、最近は、そういったことも無くなって安心していた。
また、昔みたいに怒られるのかなと少し怖かったが、それは違うということが、すぐに分かった。
「お休み中に呼び出して、ごめんなさいね。実は、あなたに会いたいという人が来ていて」
前も言ったが、ミラーボールは完全予約制。お休みの日は、客が指名しても出ることはない。客引きの家族が面会に来ることは良くあるが、今は夜中の十時。こんな時間に来ているのは、見たことがない。それに私の家族は、あのような感じなので、一度も来たことがない。
いったい、誰なんだろう……。
支配人は、来客者が待つ部屋へ私を案内した。来客室に入り、一礼をすると懐かしい声が聞こえた。
「テッサちゃん。久しぶり」
私は、驚いたように顔を上げる。そこには、一年前の五月。私に約束をして、とんずらしたハルさんと、後ろに三人の女性がいた。
「ハルさん!? あれ? 後ろにいるのは……」
ハルさんの後ろから顔を出した三人の女性に、すごく驚いた。
だって、ハルさんの後ろには綺麗な服を着た私のお母さんと、妹二人がいたから。
「おかあさん!」
私は、お母さんに抱き着いた。そして、後から来客室に入ってきたエマも、支配人の配慮で、早退をさせていただいて、私たち六人は、私のお部屋で話をすることにした。
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