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フランス編~お父さんに売られた日~

テッサとエマ①―1

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それから四年後。

「テッサ~ エマ~」
「あ、ママの声だ! ママ~」

私は、ママのもとへと走って駆け寄り、足に抱き着く。

「テッサ、エマはどこ? 」
「かくれんぼしていたの。一緒に探そう」

 エマというのは、私の一つ下にできた妹で、天真爛漫でとても可愛い。顔の特徴は、私と同じ栗色の髪の毛で、私の髪の毛とは違いストレートの、癖のない髪をしている。目は、私と同じ青色だ。とてもクリクリとしていて、フリルのついたドレスが、すごく似合う。

 今日は、家の近くの広場でかくれんぼをして遊んでいた。お母さんが迎えに来るまでという約束なので、もう帰らなくてはならない。

「エマみ~つけた!」

 茂みの中で、エマを見つけ、私たちはおうちへと帰っていった。

   おうちに着き、ニ人で遊んでいると、エマが面白そうな提案をしてきた。

「ねぇねぇ、おねえちゃん。今日のおやつが何か当てっこしない? 」
「いいよ」

(クンクン)

    私は、絶対負けたくなかったので匂いを嗅ぐことにした。

  いけない。匂いがしない……。もう適当に言おう!

「分かった。今日のおやつは、私の好きなバウムクーヘンだ」
「え~ バウムクーヘンは、昨日食べたじゃない。それって、おねえちゃんが食べたいおやつじゃないの? 」

 そうだった。昨日食べたんだった! 私は、開き直るようにして、エマの方を見てニコッと笑った。

「えっへへ。ばれた?」
「んもぉ~」

    エマは、すごく不服そうな顔をしてほっぺを、ぷくーっとふくらませた。

     本当に可愛い。


 しばらくして、お母さんに呼ばれて私たちは、リビングへと向かった。
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