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1章 はじまり

10話想い

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今週中って言ったって、なんで今なの? 家族のみんなと、離れるなんて嫌だよ。それに、坂東さんともやっと再会できたのに。でも、断れば、おそらくセドリックは、殺されてしまう。私は、セドリックがこの日に来た時から、セドリックの姉だ。最後までお姉ちゃんとして守らないとだめだよね。でも……。坂東さんと、離れたくないよ。って、あれ? なんで私、さっきから坂東さんのことばかり考えているんだろう。前世でたった一度会っただけで、今も家庭教師と言う立場の人なのに。やっぱり坂東さんのことが……。離れることになりそうになってから知るなんて、どうしたら良いかわからないじゃない。

一晩悩んだ末、私は父に気持ちを打ち明けに行くことにした。

「フランソアです」

「フランソアか、入りなさい」
昨日とは、打って変わって穏やかそうな父の声が聞こえてきたので、安心しながら父の部屋に入った。

「お父様、昨日の件なのですが今からお話しよろしいですか?」
私がそういうと、父は待っていましたというかのように、うなずいた。

私は、ぽつりぽつりと話を始わめた。
「私は、してはいけない恋をしてしまいました」
私が、そういうとこちらをギロリと怖い目で見つめてきた。
「それはセドリックのことか」
そういう父の声は、恐ろしいものだった。
「いいえ、違います」
私が、そういうと父は、穏やかな顔に戻った。
「それでは誰かね?」
「セバスチャン先生です」
私がそういうと、父は笑い出した。
「よく決断してくれたね。フランソアは、知らないかもしれないけれど、セバスチャンはおまえの許嫁なんだ。けれど、いろいろあって、その話はなくなってな。あと、この機会だ。フランソアの出生の秘密も話さなくてはな」
状況がつかめない私に、父は事細やかに説明をしてくれた。
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