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野生に生きる
夢の...現実のマイホームらしい
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柔らかい兎肉を堪能したところで、元々の目的であった巣作りに最適な場所探しを再開する。
俺の今世の親は、崖の横穴に藁を敷いて巣を作ってたが、此処は城が見えるほど町に近い場所、そんな崖なんてあるわけない。
俺の生まれたところは、ある種の秘境だったのかもしれない。多分。
住む場所の定番と言えば洞窟だが、洞窟も周囲には無さそうだ。
仕方ないから取り合えず土魔法で雨風を凌げる所を作ろうか。
だが、俺は土魔法のレベルが高くはない。取り合えず土を操り、集めて盛り上げていく。
イメージとしては大地を引っ張って伸ばす感じ、かな。昔のゲームで巨人が不思議パワーで地面を盛り上がらせたり、へこませるのを思い出した、懐かしい。懐かしすぎる。
俺が入れそうな大きめの馬小屋サイズにするまでに数10分使ってしまった。
魔力も体感的に結構消費した様に感じられる。自身を鑑定して調べた結果、魔力を100近く消費してた。
ぶっちゃけてしまうと俺は、魔法を使いこなすというか、魔力でゴリ押してるところがあるのでかなり無駄に消費していると思われる。
後は穴を掘らなくてはいけないのだが、得意な風魔法で削ってみる。
...削れたが、一転に集中させるのが難しいし、結局削りカスの土は自力で取り除かないとダメだなこれは。
しかも削る感じなので深く掘るには効率が悪い...仕方ない、楽しようとせず自分の鳥の前足で掻き出そうか。
掘ったり土が崩れたり直したりと悪戦苦闘の末に、何とか俺でも入れそうな穴の空いた土の山が出来た。
かまくらの土バージョンだな、早速中に入り地面にお腹を付け寛いでみる。
...なんと言うか...あれだ、入る前から予想はしてたが...形は犬小屋だなこれは。サイズは馬小屋、いやグリ小屋だが。
まぁ、雨風凌げるし...しかし、お腹が湿気った土に直接くっついて、少し冷たいのが気になる。
折角だから毛皮を敷くくらいはするか、さっきのウサギの皮では足りないので、少し狩りに出掛けよう。
狩りに出掛けてみたは良いものの...物足りない。
いや、まぁ食料としては問題ないのだが、出会った途端に逃げ出す奴らばかりである。
寧ろ立ち向かってきたあの兎の方が可笑しいだけだったのだろうとは思うが。
今日狩った獲物は以下の通りだ。
ラビー×2(角の無い後ろ足が発達した兎)
角ウサギ×1(小さめの角が生えた兎)
シッカー×1(只の鹿にしか見えない)
狩り方としては、まず俺が大きいから獲物に気がつかれる→獲物が逃げる→足音とかで気がついた俺が後ろから走って追いかける→追い付いて前足で引き裂く(時々〈羽矢〉や〈眠羽〉で足元を狙う。)→狩れた。
我が身ながら、鹿に追い付けるグリフォンの脚力は恐ろしいと思う。
因みに...狩りの際に飛ぶと、翼が木に引っ掛かったりして、羽ばたく力で木が折れたり、根っこから抜けてしまったりしたので、翼は折り畳み純粋な脚力で狩りをしている。
折れたりした木は、無駄にすることなくスタッフ(俺)が前足で縦に引き裂き割って半円状にした後、巣の外側に立て掛ける様にして置いたりして、家の強度と見た目を強化する為に活用してみた。
だが、俺のセンスはよろしくないようで、家の屋根っぽくはなったが、犬小屋感が増した...ぴゃんぴゃん(グリフォンの声帯でわんわん言おうとするとこうなる)
最後に、今日狩ってきた兎と鹿の皮を敷いてみる。直接お腹が土に付き難くなった分、割りと暖かくなった。
鹿を狩ってなければ、面積が足りないところだった...
皮を鞣す方法は知らないから、皮から油や肉を徹底的に啄んで剥がし、肉の付いてた側を火魔法で軽く炙って硬くして、腐りにくい様にした。
これで取り敢えず巣作りは終わりにしよう。今日は疲れたし、早めに寝ることにする。
適当な木材で入り口を塞ぎ、俺は眠ることにした。
どうやら完成した俺のマイホームは犬小屋、らしい。
夢のマイホームと言うよりかは、現実的なマイホーム、だな...
______________________
○ラビー
少し大きいウサギ。後ろ足の筋肉が発達して、少し筋肉質。自慢の脚力を生かした逃走術に、大半の生き物は少し驚き置き去りにされてしまう。
蹴りの威力は少し強く、少し鍛えただけの冒険者では少し痛い目に遭う。
肉の量は少ししかないが(グリフォン基準では)、後ろ足の肉は少し固く食べ応えがある。その他の体の肉は少ししかないが柔らかい。少し。
○角ウサギ
角の生えた大きめのウサギ。イルビーの進化前。
角を使った突進攻撃をメインとし、捕食者に立ち向かう習性がある。集団で襲われると地獄をみる。
肉はイルビーほどじゃないが美味しい。少し獣臭さは増すが柔らかめの肉質。
○シッカー
ほぼただの鹿。雄は枝分かれした鋭い角を持ち、雌にも頭部を守るように、短く太い角が生えている。
基本的に捕食者からは逃走するが、繁殖期の雄雌のカップルは雌が角で盾になり、雄が角で武器となるコンビネーションを見せてくれる。
そうなると、下級冒険者だと4人位いないと勝つのは厳しい。
野生の肉なのに獣臭さがあまり無く、肉の量も多いため大満足。冒険者ギルドでも、そこそこの値段で買い取って貰える美味しいお肉。
俺の今世の親は、崖の横穴に藁を敷いて巣を作ってたが、此処は城が見えるほど町に近い場所、そんな崖なんてあるわけない。
俺の生まれたところは、ある種の秘境だったのかもしれない。多分。
住む場所の定番と言えば洞窟だが、洞窟も周囲には無さそうだ。
仕方ないから取り合えず土魔法で雨風を凌げる所を作ろうか。
だが、俺は土魔法のレベルが高くはない。取り合えず土を操り、集めて盛り上げていく。
イメージとしては大地を引っ張って伸ばす感じ、かな。昔のゲームで巨人が不思議パワーで地面を盛り上がらせたり、へこませるのを思い出した、懐かしい。懐かしすぎる。
俺が入れそうな大きめの馬小屋サイズにするまでに数10分使ってしまった。
魔力も体感的に結構消費した様に感じられる。自身を鑑定して調べた結果、魔力を100近く消費してた。
ぶっちゃけてしまうと俺は、魔法を使いこなすというか、魔力でゴリ押してるところがあるのでかなり無駄に消費していると思われる。
後は穴を掘らなくてはいけないのだが、得意な風魔法で削ってみる。
...削れたが、一転に集中させるのが難しいし、結局削りカスの土は自力で取り除かないとダメだなこれは。
しかも削る感じなので深く掘るには効率が悪い...仕方ない、楽しようとせず自分の鳥の前足で掻き出そうか。
掘ったり土が崩れたり直したりと悪戦苦闘の末に、何とか俺でも入れそうな穴の空いた土の山が出来た。
かまくらの土バージョンだな、早速中に入り地面にお腹を付け寛いでみる。
...なんと言うか...あれだ、入る前から予想はしてたが...形は犬小屋だなこれは。サイズは馬小屋、いやグリ小屋だが。
まぁ、雨風凌げるし...しかし、お腹が湿気った土に直接くっついて、少し冷たいのが気になる。
折角だから毛皮を敷くくらいはするか、さっきのウサギの皮では足りないので、少し狩りに出掛けよう。
狩りに出掛けてみたは良いものの...物足りない。
いや、まぁ食料としては問題ないのだが、出会った途端に逃げ出す奴らばかりである。
寧ろ立ち向かってきたあの兎の方が可笑しいだけだったのだろうとは思うが。
今日狩った獲物は以下の通りだ。
ラビー×2(角の無い後ろ足が発達した兎)
角ウサギ×1(小さめの角が生えた兎)
シッカー×1(只の鹿にしか見えない)
狩り方としては、まず俺が大きいから獲物に気がつかれる→獲物が逃げる→足音とかで気がついた俺が後ろから走って追いかける→追い付いて前足で引き裂く(時々〈羽矢〉や〈眠羽〉で足元を狙う。)→狩れた。
我が身ながら、鹿に追い付けるグリフォンの脚力は恐ろしいと思う。
因みに...狩りの際に飛ぶと、翼が木に引っ掛かったりして、羽ばたく力で木が折れたり、根っこから抜けてしまったりしたので、翼は折り畳み純粋な脚力で狩りをしている。
折れたりした木は、無駄にすることなくスタッフ(俺)が前足で縦に引き裂き割って半円状にした後、巣の外側に立て掛ける様にして置いたりして、家の強度と見た目を強化する為に活用してみた。
だが、俺のセンスはよろしくないようで、家の屋根っぽくはなったが、犬小屋感が増した...ぴゃんぴゃん(グリフォンの声帯でわんわん言おうとするとこうなる)
最後に、今日狩ってきた兎と鹿の皮を敷いてみる。直接お腹が土に付き難くなった分、割りと暖かくなった。
鹿を狩ってなければ、面積が足りないところだった...
皮を鞣す方法は知らないから、皮から油や肉を徹底的に啄んで剥がし、肉の付いてた側を火魔法で軽く炙って硬くして、腐りにくい様にした。
これで取り敢えず巣作りは終わりにしよう。今日は疲れたし、早めに寝ることにする。
適当な木材で入り口を塞ぎ、俺は眠ることにした。
どうやら完成した俺のマイホームは犬小屋、らしい。
夢のマイホームと言うよりかは、現実的なマイホーム、だな...
______________________
○ラビー
少し大きいウサギ。後ろ足の筋肉が発達して、少し筋肉質。自慢の脚力を生かした逃走術に、大半の生き物は少し驚き置き去りにされてしまう。
蹴りの威力は少し強く、少し鍛えただけの冒険者では少し痛い目に遭う。
肉の量は少ししかないが(グリフォン基準では)、後ろ足の肉は少し固く食べ応えがある。その他の体の肉は少ししかないが柔らかい。少し。
○角ウサギ
角の生えた大きめのウサギ。イルビーの進化前。
角を使った突進攻撃をメインとし、捕食者に立ち向かう習性がある。集団で襲われると地獄をみる。
肉はイルビーほどじゃないが美味しい。少し獣臭さは増すが柔らかめの肉質。
○シッカー
ほぼただの鹿。雄は枝分かれした鋭い角を持ち、雌にも頭部を守るように、短く太い角が生えている。
基本的に捕食者からは逃走するが、繁殖期の雄雌のカップルは雌が角で盾になり、雄が角で武器となるコンビネーションを見せてくれる。
そうなると、下級冒険者だと4人位いないと勝つのは厳しい。
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