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88話 リエルの気持ち
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「遅い時間にごめんね。でも、報告したいことがいくつかあって」
「ああ、うん。座って」
この屋敷で一番豪華な部屋を渡されたおかげで、俺の部屋にはベッド以外のソファーと長いテーブルも揃ってある。
俺は椅子から立ち上がって、リエルが座ったソファーの向こう側に座った。リエルはふふっ、と笑いながら言う。
「先ずは、ブリエンさんからの頼み事。皇室や敵陣の偵察が必要な時には、自分を行かせて欲しいってね」
「そういえば、ブリエンの傷はもう治ったんだよね?」
「うん。アルウィンさんが付きっ切りで看病してたから、そのおかげじゃないかな。元々はエルフの村に帰るつもりだったけど、今の状況はさすがに放っておけないらしくて」
「そっか……うん。分かった。次に皇室に行くときはブリエンにも声をかけるね」
リエルは頷きながら、真面目な声で話を続ける。
「それから、レジスタンスの件なんだけど……一般の兵士たちにまで精神操作がかかっているのを聞いて、だいぶパニックを受けたみたい。それでも、カイとニアが活躍してくれたから、彼らの士気はそこそこ高いよ」
「なるほど。他にレジスタンスたちの不満はないの?」
「うん。さっさと皇室に突撃しようと言ってた人たちも、さすがに声を上げられないみたい。自分たちの指導者が黒魔法使いだったなんて、知らなかっただろうし」
「……………まあ、それはそうだね」
あの時、すぐにでも倒れそうなほど痩せぼそっていた皇子の姿を思い出す。痩せぼそっていて、目は血走っていて、髪の毛も白く染まっていて。
すぐにでも倒れてもおかしくない、いわゆる呪いにかけられたような状態に見えた。
……たぶん、ヤツは自分が言っていたその悪魔と、契約をしたのだろう。
そりゃ、普通の人たちも驚くことだ。教会の件もあるし、権力を握っている者たちへの信頼が丸ごと消されたとしても過言ではない。
「あと、エリクサーの販売はいつも通り、私たちの商会で取り仕切ってやっているよ。もう地方に住んでいる人たちにも広まっているから、かなり利益を出しているの。本当に……ありがとう」
「うん?なんで急に?」
「なんでって……そのエリクサーを作ったのは、カイでしょ?」
「それはそうだけど、流通や販売は全部リエルがしてくれてるでじゃん?販売戦略を上手く練ったのはすべて君の功績だよ。俺にそこまで感謝する必要は――――」
「カイじゃなきゃ、なんにもならなかった」
そこで、リエルは珍しく俺の言葉を遮りながら言う。
「教皇を殺したのも、破産しかけた商会を立て直せたのも、すべて君のおかげだよ。君が救ってくれたんだよ?なのに、どうしてそこで謙遜をするのかな」
「……まぁ、確かにその通りかもだけど」
「本当に、カイは悪魔じゃないよね」
リエルはそう言いながら、ちょっと寂しそうな笑みを浮かべる。
「仲間想いだし、いつも優しいし、人の上に立とうとしないでいつも対等に相手してくれる。本当に、全然悪魔だとは思えないよ」
「ううん~~さては貴様、俺を褒め殺しに来たか!!」
「ふふっ……知ってる?市民たちの中には、もうあなたを新しい王にしようとする動きもあるんだよ?」
「え?」
「一緒に情報集めに行ったレジスタンスの人たちの意見もあったし、なにより教会やら皇室やら、みんな上から色々やられてたじゃない?だから、カイを王にしようと声が上がっているわけ」
「うわぁ……………」
俺は直ちに呆れ顔になって、何度も首を振った。
いやいや、王はちょっとアレだろ。純粋にめんどくさそうだけどな……。
「いや、俺はちょつとお断りかな~~俺はさぁ、普通に幸せに暮らせばそれでいいんだよ。今みたいにニアと、クロエと、リエルと4人でじゃれ合いながら暮らせば、それで全然満足だけど」
「………………………え?」
「うん?なんで驚いてるの?」
「……………………………今、なんて」
「……うん?ニアと、クロエと、君と俺で4人で暮らせばいいって言ったけど」
信じられないことを聞いたとばかりに、リエルは目を見開きながら俺を数秒間見つめる。
えっ、なんだ?俺なんか変なこと言ったのか……?さっきの言葉を頭の中で反芻してみたけど、どうにもミスした点が見つからなかった。
だって、俺にとってはあまりにも普通で、当たり前な願望なのだ。4人で一緒に、幸せに暮らすことは。
「………私も、いいの?」
「うん?」
「ニアと、クロエがいるのに……なんで私?」
「…………………」
それを聞いて、俺はようやくリエルが言いたいことを察する。
リエルは相変わらずショックを受けた顔で、初めて会った時に見せた小動物みたいな表情で―――俺を見つめてきた。
「……私、戦闘面ではなんの役にも立ってないもん」
「……リエル」
「ニアやクロエより会うのもずっと遅かったし、カイには助けられてばかりだし、私は二人ほど可愛くもないし……だから、私が仲間入りさせてもらえるとは思ってな――――」
「一つだけ言っておくけどね、リエル」
少しムッとなって、俺は眉根をひそめながら断言する。
「君も、影だよ?」
「……え?」
「君も仲間ってわけ。あのさ……どうして自分の重要さが分からないのかな?君は戦闘面以外のすべてをサポートしてくれてるじゃん!リエルに会う前までは俺たち、普通に古い旅館とか道端とかで寝てたんだよ?」
「そ、それは当たり前なことをしただけで―――」
「レジスタンスへの連絡は?俺たちの生活にかかるお金の調達は?エリクサーの販売は?」
「か、カイ……お、怒ってる!?」
「そりゃね、ちょっと」
なんでここまで卑屈なのか、俺には理解できなかった。前々から何度もリエルを仲間扱いしてきたのに。
彼女とはニアやクロエほどの時間を重ねたわけじゃないが、俺はリエルをちゃんと大切な存在だと思っている。失いたくない人々の中に、彼女もちゃんと入る。
「……あ、うっ」
しかし、それがリエルにとっては当たり前なことではなかったのか。
彼女は俯いて、急に泣き出し始めた。
「えっ、ちょっ……!?リエル?」
「ご、ごめん!でも……うぅ、っ……こ、これは違うの。これは…………」
「………リエル」
「やっ、見ないで……泣き顔、見られたくない……」
「……………」
……そっか。
この子も、それなりに悩んでたのか。俺も反省すべきかもしれない。
ニアとクロエに気を使い過ぎたせいで、リエルに寂しい思いをさせてしまったから。
「リエル、こっち見て」
「ううぅ、うっ………や、やだぁ。こんな顔、見ないで………」
「リエル」
立ち上がってから彼女の前に膝立ちになると、リエルはすぐに顔を逸らそうとした。
しかし、俺はそんな彼女の頬を両手で包んで、優しく正面を向くようにする。
リエルの顔は既に、涙で滲んでいた。
「カイ………わた、わたしは……」
「うん」
「………わた、しは……」
「……………」
あまりにも色んな感情が混ざっているのか、リエルの言葉は最後まで紡がれなかった。
でも、俺は知っている。リエルが俺に向けてくれる感情がなんなのかを、ある程度は理解しているつもりだった。
親愛以上の感情は、俺も抱いたことがあるから。
「リエル」
「………うん」
「これからもずっと、俺と一緒にいてくれる?」
「……………ふ、ふえぇ!?!?」
「うわっ!?びっくりした……な、なんでそんな反応!?」
「え、え!?!?だって、だって……!」
「え……?」
あぁ、ずっと一緒にいてくれって言葉は……そっか。プロポーズみたいな感じにも捉えられるのか……。
………仲間、という意味で言った言葉ではあるけど。まぁ、でも……。
「……まぁ、どっちも間違ってはいないけど」
「……ふぇ?」
「と、とにかく!!君は俺たちにとってちゃんと大切な人だから、勝手に卑屈になるんじゃないよ~?次またそんなこと言ったら、ガチで怒るから」
「うぅ…………わ、分かった……」
「うん、よろしい」
けっこう恥ずかしい言葉を口にした反動で、顔に熱が上がっている気がする。
だから、そそくさと立ち上がって顔を背けようとした、その瞬間。
「……あの、カイ」
「うん?」
「お願い、一つだけしてもいい?」
「お願い……?うん、なんでもいいよ。言ってみて」
「………じゃ」
リエルも俺に倣うように立ち上がって、急に俺をぎゅっと抱きしめてきた。
俺は一瞬びっくりしたけど、次に聞こえてくるリエルの言葉を聞いて、緊張をほぐす。
「しばらく、このままでいさせて………」
「……………うん、分かった」
そのまま、俺はリエルをぎゅっと抱き返す。なるべく、自分が抱いている大切さが彼女に上手く伝わりやすいように。
俺の体温に安心したのか、リエルは俺の懐で何度か頬をスリスリしながら、言ってくる。
「……あの、カイ」
「うん、なに?」
「……すごく、めんどくさいこと言ってもいい?」
「…………うん、いいよ」
「すごく、すごくめんどくさいことなのに、本当に言っていいの?」
「いいよ。俺、めんどくさい女の子大好きだから」
ふふふっ、とリエルは嬉しそうに笑う。そして、その後―――
「……好きだよ」
すぐにでも消え入りそうな声で。
でも、確かに俺を抱きしめている状態で、彼女はもう一度言う。
「大好きだよ……カイ」
「ああ、うん。座って」
この屋敷で一番豪華な部屋を渡されたおかげで、俺の部屋にはベッド以外のソファーと長いテーブルも揃ってある。
俺は椅子から立ち上がって、リエルが座ったソファーの向こう側に座った。リエルはふふっ、と笑いながら言う。
「先ずは、ブリエンさんからの頼み事。皇室や敵陣の偵察が必要な時には、自分を行かせて欲しいってね」
「そういえば、ブリエンの傷はもう治ったんだよね?」
「うん。アルウィンさんが付きっ切りで看病してたから、そのおかげじゃないかな。元々はエルフの村に帰るつもりだったけど、今の状況はさすがに放っておけないらしくて」
「そっか……うん。分かった。次に皇室に行くときはブリエンにも声をかけるね」
リエルは頷きながら、真面目な声で話を続ける。
「それから、レジスタンスの件なんだけど……一般の兵士たちにまで精神操作がかかっているのを聞いて、だいぶパニックを受けたみたい。それでも、カイとニアが活躍してくれたから、彼らの士気はそこそこ高いよ」
「なるほど。他にレジスタンスたちの不満はないの?」
「うん。さっさと皇室に突撃しようと言ってた人たちも、さすがに声を上げられないみたい。自分たちの指導者が黒魔法使いだったなんて、知らなかっただろうし」
「……………まあ、それはそうだね」
あの時、すぐにでも倒れそうなほど痩せぼそっていた皇子の姿を思い出す。痩せぼそっていて、目は血走っていて、髪の毛も白く染まっていて。
すぐにでも倒れてもおかしくない、いわゆる呪いにかけられたような状態に見えた。
……たぶん、ヤツは自分が言っていたその悪魔と、契約をしたのだろう。
そりゃ、普通の人たちも驚くことだ。教会の件もあるし、権力を握っている者たちへの信頼が丸ごと消されたとしても過言ではない。
「あと、エリクサーの販売はいつも通り、私たちの商会で取り仕切ってやっているよ。もう地方に住んでいる人たちにも広まっているから、かなり利益を出しているの。本当に……ありがとう」
「うん?なんで急に?」
「なんでって……そのエリクサーを作ったのは、カイでしょ?」
「それはそうだけど、流通や販売は全部リエルがしてくれてるでじゃん?販売戦略を上手く練ったのはすべて君の功績だよ。俺にそこまで感謝する必要は――――」
「カイじゃなきゃ、なんにもならなかった」
そこで、リエルは珍しく俺の言葉を遮りながら言う。
「教皇を殺したのも、破産しかけた商会を立て直せたのも、すべて君のおかげだよ。君が救ってくれたんだよ?なのに、どうしてそこで謙遜をするのかな」
「……まぁ、確かにその通りかもだけど」
「本当に、カイは悪魔じゃないよね」
リエルはそう言いながら、ちょっと寂しそうな笑みを浮かべる。
「仲間想いだし、いつも優しいし、人の上に立とうとしないでいつも対等に相手してくれる。本当に、全然悪魔だとは思えないよ」
「ううん~~さては貴様、俺を褒め殺しに来たか!!」
「ふふっ……知ってる?市民たちの中には、もうあなたを新しい王にしようとする動きもあるんだよ?」
「え?」
「一緒に情報集めに行ったレジスタンスの人たちの意見もあったし、なにより教会やら皇室やら、みんな上から色々やられてたじゃない?だから、カイを王にしようと声が上がっているわけ」
「うわぁ……………」
俺は直ちに呆れ顔になって、何度も首を振った。
いやいや、王はちょっとアレだろ。純粋にめんどくさそうだけどな……。
「いや、俺はちょつとお断りかな~~俺はさぁ、普通に幸せに暮らせばそれでいいんだよ。今みたいにニアと、クロエと、リエルと4人でじゃれ合いながら暮らせば、それで全然満足だけど」
「………………………え?」
「うん?なんで驚いてるの?」
「……………………………今、なんて」
「……うん?ニアと、クロエと、君と俺で4人で暮らせばいいって言ったけど」
信じられないことを聞いたとばかりに、リエルは目を見開きながら俺を数秒間見つめる。
えっ、なんだ?俺なんか変なこと言ったのか……?さっきの言葉を頭の中で反芻してみたけど、どうにもミスした点が見つからなかった。
だって、俺にとってはあまりにも普通で、当たり前な願望なのだ。4人で一緒に、幸せに暮らすことは。
「………私も、いいの?」
「うん?」
「ニアと、クロエがいるのに……なんで私?」
「…………………」
それを聞いて、俺はようやくリエルが言いたいことを察する。
リエルは相変わらずショックを受けた顔で、初めて会った時に見せた小動物みたいな表情で―――俺を見つめてきた。
「……私、戦闘面ではなんの役にも立ってないもん」
「……リエル」
「ニアやクロエより会うのもずっと遅かったし、カイには助けられてばかりだし、私は二人ほど可愛くもないし……だから、私が仲間入りさせてもらえるとは思ってな――――」
「一つだけ言っておくけどね、リエル」
少しムッとなって、俺は眉根をひそめながら断言する。
「君も、影だよ?」
「……え?」
「君も仲間ってわけ。あのさ……どうして自分の重要さが分からないのかな?君は戦闘面以外のすべてをサポートしてくれてるじゃん!リエルに会う前までは俺たち、普通に古い旅館とか道端とかで寝てたんだよ?」
「そ、それは当たり前なことをしただけで―――」
「レジスタンスへの連絡は?俺たちの生活にかかるお金の調達は?エリクサーの販売は?」
「か、カイ……お、怒ってる!?」
「そりゃね、ちょっと」
なんでここまで卑屈なのか、俺には理解できなかった。前々から何度もリエルを仲間扱いしてきたのに。
彼女とはニアやクロエほどの時間を重ねたわけじゃないが、俺はリエルをちゃんと大切な存在だと思っている。失いたくない人々の中に、彼女もちゃんと入る。
「……あ、うっ」
しかし、それがリエルにとっては当たり前なことではなかったのか。
彼女は俯いて、急に泣き出し始めた。
「えっ、ちょっ……!?リエル?」
「ご、ごめん!でも……うぅ、っ……こ、これは違うの。これは…………」
「………リエル」
「やっ、見ないで……泣き顔、見られたくない……」
「……………」
……そっか。
この子も、それなりに悩んでたのか。俺も反省すべきかもしれない。
ニアとクロエに気を使い過ぎたせいで、リエルに寂しい思いをさせてしまったから。
「リエル、こっち見て」
「ううぅ、うっ………や、やだぁ。こんな顔、見ないで………」
「リエル」
立ち上がってから彼女の前に膝立ちになると、リエルはすぐに顔を逸らそうとした。
しかし、俺はそんな彼女の頬を両手で包んで、優しく正面を向くようにする。
リエルの顔は既に、涙で滲んでいた。
「カイ………わた、わたしは……」
「うん」
「………わた、しは……」
「……………」
あまりにも色んな感情が混ざっているのか、リエルの言葉は最後まで紡がれなかった。
でも、俺は知っている。リエルが俺に向けてくれる感情がなんなのかを、ある程度は理解しているつもりだった。
親愛以上の感情は、俺も抱いたことがあるから。
「リエル」
「………うん」
「これからもずっと、俺と一緒にいてくれる?」
「……………ふ、ふえぇ!?!?」
「うわっ!?びっくりした……な、なんでそんな反応!?」
「え、え!?!?だって、だって……!」
「え……?」
あぁ、ずっと一緒にいてくれって言葉は……そっか。プロポーズみたいな感じにも捉えられるのか……。
………仲間、という意味で言った言葉ではあるけど。まぁ、でも……。
「……まぁ、どっちも間違ってはいないけど」
「……ふぇ?」
「と、とにかく!!君は俺たちにとってちゃんと大切な人だから、勝手に卑屈になるんじゃないよ~?次またそんなこと言ったら、ガチで怒るから」
「うぅ…………わ、分かった……」
「うん、よろしい」
けっこう恥ずかしい言葉を口にした反動で、顔に熱が上がっている気がする。
だから、そそくさと立ち上がって顔を背けようとした、その瞬間。
「……あの、カイ」
「うん?」
「お願い、一つだけしてもいい?」
「お願い……?うん、なんでもいいよ。言ってみて」
「………じゃ」
リエルも俺に倣うように立ち上がって、急に俺をぎゅっと抱きしめてきた。
俺は一瞬びっくりしたけど、次に聞こえてくるリエルの言葉を聞いて、緊張をほぐす。
「しばらく、このままでいさせて………」
「……………うん、分かった」
そのまま、俺はリエルをぎゅっと抱き返す。なるべく、自分が抱いている大切さが彼女に上手く伝わりやすいように。
俺の体温に安心したのか、リエルは俺の懐で何度か頬をスリスリしながら、言ってくる。
「……あの、カイ」
「うん、なに?」
「……すごく、めんどくさいこと言ってもいい?」
「…………うん、いいよ」
「すごく、すごくめんどくさいことなのに、本当に言っていいの?」
「いいよ。俺、めんどくさい女の子大好きだから」
ふふふっ、とリエルは嬉しそうに笑う。そして、その後―――
「……好きだよ」
すぐにでも消え入りそうな声で。
でも、確かに俺を抱きしめている状態で、彼女はもう一度言う。
「大好きだよ……カイ」
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