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74話 支配者の堕落
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彼は幼い頃から美術が好きだった。
絵を通して自分が見たい世界を描いて行く。絵の中には現実にない楽園、幸せ、繊細な瞬間があった。すべてを笑顔につなげてくれる彩りがあった。
それは、彼の一種の逃避行動かもしれなかった。皇帝の私生児という身分と母親が毎晩のように虐待される声は、幼い彼の魂を汚すには十分だったから。
暴君である父は何故か、酷く母をいじめたのだ。
『やめ、やめてくだ……きゃあぁあああああああああああ!!』
『…………え?』
『………………』
『……なん、で、動かないんだ……?』
そして、父がうっかりと母を殺したのを聞いて。自分をくだらない妄想家だと言っている貴族たちを見て。
母の葬式の日、何故か得意げな笑みを浮かべる兄を見て。
彼の世界は急激に、動き出し始めたのである。
世界は弱者を許さない。人間性ってのは宗教的なでたらめだ。慈悲とはすなわち、罪だ。弱者に慈悲を施すのは自然の摂理に逆らうことだ。
この世は弱肉強食だ。殺されたくなければ先に殺さなきゃいけない。
日差しと笑顔で彩られていたキャンバスは、影と血で塗られてしまって。
彼は綿密に考えたのだ。どうすれば最大限の苦痛を与えられるか。どうすれば生き残られるか。
どうすれば、すべてを一から塗り替えることができるのか。
「お父様、兄上」
そして、ある日。父と兄の死を描いていた時に訪れた悪魔によって、彼の運命は変わった。
選ばれし者となって、圧倒的な強者になったのだ。その過程で魂を少し奪われたけど、弱者という立場からの解放がすべてをよしとしてくれた。
「昨晩はよく、お眠りになられましたか?」
そして今、彼の前には、黒い瞳孔から血の涙を流している二匹の家族がいる。
毎晩のように棺桶に横たわって、悪夢にもがきながら血の涙を流し続けるだけの人間たち。動くことのない人形たち。
笑顔で挨拶をしながらも、第2皇子は二人の瞼をめくってなにかを確認し始める。
それから彼はため息をついて、顔をしかめた。
「またお二方とも目の血管を切らしたのですか……ふふっ、どれほど苦しまれているのやら」
細胞を再生させるためにも、また生命力を打ち込まなきゃいけないのか。面倒だと思いつつも、彼は割とこの作業が好きだった。
24時間、自分が作った幻覚の中で二人を閉じ込めて、人間が耐えきれないくらいの苦痛を味わい続けているのだ。
血の涙が出てもおかしくないくらい。毎日のように目の血管が切れて、光彩の色が真っ赤になるくらい。
「復讐……でしょうか?もはやなんのための復讐なのかも分かりませんな。母の記憶はとっくに色褪せてしまった。魂が薄まると、記憶もなくなって刺激の閾値も上がるのですよ。今はあなたたちの血涙を見るだけで満足していますが、これからは……ふふっ、どうなるか分かりませんな」
最近作り出した偉大な結果物、マーキュリアルキューブを手に取りながら、皇子は言い続ける。
「でも、まあ。弱肉強食。弱者は許されない。人間性ってのはでたらめであり、慈悲は原罪ですので……まあ、悪魔になれなかった自分たちの運命を嘆いてくださいませ。お二方とも」
両手で同時にキューブを体の中に刺し込むと、次第に彼らの目から血しぶきが上がって血が飛ぶ。皇子の頬に届く。
この国の第2皇子、アドルフは親指で頬を拭ってから、父の血を舐めた。
「うん、悪くないですな」
嘲笑うように言った後、彼は振り返って室内に集まった兵士たちを見下ろした。
皇子と彼らを隔てる長い階段が、君臣の関係をこれ以上ないほど表していた。
中央で跪いている一人の騎士と、列を並べて跪いている数十人の兵士たち。その後ろにはまた数百がいるだろう。
今日、アドルフはこのからくりたちを使って首都オデールを攻撃するつもりなのだ。
「このままじゃ軍団の量産に必要な生命力が足りない。キューブを使って新鮮な生命力を補充しなければ。そして、今回の攻撃は彼らに対しての宣戦布告にもなる……」
予言の悪魔は、自分だと。
そんな偽物の悪魔に騙されないで、早く自分の手下になれと。自分に選ばれた者になれと。
「効果的だとは思わないか?ゲーリング」
「は!皇子様のおっしゃる通りかと!」
一番前にいる百戦錬磨の騎士、ゲーリングが野太い声で返事をしてくれる。
かつて茶色だった彼の虹彩―――瞳は、今となっては完全な赤になっていた。それだけじゃない。
「偉大なる帝国のため、命を落とす覚悟はできてるか?」
「「「は!!」」」
かつて黄色の目をしていた兵士も、黒い目をしていた兵士も、翠眼も、青眼も。
すべの目が完璧に統一され、赤になっていた。
みんなからくりだから。みんな……自分の精神操作で操られているから。
「……ふぅ」
アドルフは長いため息を吐きながら、天井を見上げる。長い道のりだった。
最初は母の復讐のために、悪魔に魂を売ったような気がする。強者になるために、選ばれし者になってすべてを支配する夢を見ていた気がする。
でも、今の彼にとって復讐はもう、どうでもいいことになった。
彼はただ、世界が燃え落ちるのを見たいのだ。
強者としての力を振りかざし、すべての個人を国家のピエロにする。そのピエロが無様に動く姿が見たかった。
「お、皇子様!」
そして、その時。
「偽物の悪魔たちが今、こちらに向かっているという情報が……!!」
「………………ほぉ」
ちょうど、今の自分に必要な刺激を与えてくれる報告を聞いて。
アドルフ皇子は口角を上げながら、拍手を打ち始めた。
「いいだろう、偽物の悪魔」
誰が真の悪魔なのかを、決めようじゃないか。
絵を通して自分が見たい世界を描いて行く。絵の中には現実にない楽園、幸せ、繊細な瞬間があった。すべてを笑顔につなげてくれる彩りがあった。
それは、彼の一種の逃避行動かもしれなかった。皇帝の私生児という身分と母親が毎晩のように虐待される声は、幼い彼の魂を汚すには十分だったから。
暴君である父は何故か、酷く母をいじめたのだ。
『やめ、やめてくだ……きゃあぁあああああああああああ!!』
『…………え?』
『………………』
『……なん、で、動かないんだ……?』
そして、父がうっかりと母を殺したのを聞いて。自分をくだらない妄想家だと言っている貴族たちを見て。
母の葬式の日、何故か得意げな笑みを浮かべる兄を見て。
彼の世界は急激に、動き出し始めたのである。
世界は弱者を許さない。人間性ってのは宗教的なでたらめだ。慈悲とはすなわち、罪だ。弱者に慈悲を施すのは自然の摂理に逆らうことだ。
この世は弱肉強食だ。殺されたくなければ先に殺さなきゃいけない。
日差しと笑顔で彩られていたキャンバスは、影と血で塗られてしまって。
彼は綿密に考えたのだ。どうすれば最大限の苦痛を与えられるか。どうすれば生き残られるか。
どうすれば、すべてを一から塗り替えることができるのか。
「お父様、兄上」
そして、ある日。父と兄の死を描いていた時に訪れた悪魔によって、彼の運命は変わった。
選ばれし者となって、圧倒的な強者になったのだ。その過程で魂を少し奪われたけど、弱者という立場からの解放がすべてをよしとしてくれた。
「昨晩はよく、お眠りになられましたか?」
そして今、彼の前には、黒い瞳孔から血の涙を流している二匹の家族がいる。
毎晩のように棺桶に横たわって、悪夢にもがきながら血の涙を流し続けるだけの人間たち。動くことのない人形たち。
笑顔で挨拶をしながらも、第2皇子は二人の瞼をめくってなにかを確認し始める。
それから彼はため息をついて、顔をしかめた。
「またお二方とも目の血管を切らしたのですか……ふふっ、どれほど苦しまれているのやら」
細胞を再生させるためにも、また生命力を打ち込まなきゃいけないのか。面倒だと思いつつも、彼は割とこの作業が好きだった。
24時間、自分が作った幻覚の中で二人を閉じ込めて、人間が耐えきれないくらいの苦痛を味わい続けているのだ。
血の涙が出てもおかしくないくらい。毎日のように目の血管が切れて、光彩の色が真っ赤になるくらい。
「復讐……でしょうか?もはやなんのための復讐なのかも分かりませんな。母の記憶はとっくに色褪せてしまった。魂が薄まると、記憶もなくなって刺激の閾値も上がるのですよ。今はあなたたちの血涙を見るだけで満足していますが、これからは……ふふっ、どうなるか分かりませんな」
最近作り出した偉大な結果物、マーキュリアルキューブを手に取りながら、皇子は言い続ける。
「でも、まあ。弱肉強食。弱者は許されない。人間性ってのはでたらめであり、慈悲は原罪ですので……まあ、悪魔になれなかった自分たちの運命を嘆いてくださいませ。お二方とも」
両手で同時にキューブを体の中に刺し込むと、次第に彼らの目から血しぶきが上がって血が飛ぶ。皇子の頬に届く。
この国の第2皇子、アドルフは親指で頬を拭ってから、父の血を舐めた。
「うん、悪くないですな」
嘲笑うように言った後、彼は振り返って室内に集まった兵士たちを見下ろした。
皇子と彼らを隔てる長い階段が、君臣の関係をこれ以上ないほど表していた。
中央で跪いている一人の騎士と、列を並べて跪いている数十人の兵士たち。その後ろにはまた数百がいるだろう。
今日、アドルフはこのからくりたちを使って首都オデールを攻撃するつもりなのだ。
「このままじゃ軍団の量産に必要な生命力が足りない。キューブを使って新鮮な生命力を補充しなければ。そして、今回の攻撃は彼らに対しての宣戦布告にもなる……」
予言の悪魔は、自分だと。
そんな偽物の悪魔に騙されないで、早く自分の手下になれと。自分に選ばれた者になれと。
「効果的だとは思わないか?ゲーリング」
「は!皇子様のおっしゃる通りかと!」
一番前にいる百戦錬磨の騎士、ゲーリングが野太い声で返事をしてくれる。
かつて茶色だった彼の虹彩―――瞳は、今となっては完全な赤になっていた。それだけじゃない。
「偉大なる帝国のため、命を落とす覚悟はできてるか?」
「「「は!!」」」
かつて黄色の目をしていた兵士も、黒い目をしていた兵士も、翠眼も、青眼も。
すべの目が完璧に統一され、赤になっていた。
みんなからくりだから。みんな……自分の精神操作で操られているから。
「……ふぅ」
アドルフは長いため息を吐きながら、天井を見上げる。長い道のりだった。
最初は母の復讐のために、悪魔に魂を売ったような気がする。強者になるために、選ばれし者になってすべてを支配する夢を見ていた気がする。
でも、今の彼にとって復讐はもう、どうでもいいことになった。
彼はただ、世界が燃え落ちるのを見たいのだ。
強者としての力を振りかざし、すべての個人を国家のピエロにする。そのピエロが無様に動く姿が見たかった。
「お、皇子様!」
そして、その時。
「偽物の悪魔たちが今、こちらに向かっているという情報が……!!」
「………………ほぉ」
ちょうど、今の自分に必要な刺激を与えてくれる報告を聞いて。
アドルフ皇子は口角を上げながら、拍手を打ち始めた。
「いいだろう、偽物の悪魔」
誰が真の悪魔なのかを、決めようじゃないか。
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