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お出かけ(2)
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便箋を買って、ちょうど隣にあった服屋に寄る。
「レオンは背高いからなんでも似合いそうだよな」
「羨ましい」
「シュカ身長は低いけどそのスタイルなら割となんでも似合うんじゃねえの」
「そうか?」
「あぁ、女物も余裕で着れそう」
「あぁ…」
着るよ、客の要望でたまに。それを言ったらバカにされそうな気がしたので言わないでおく。
「…私服買うの?」
「いや、仕事着」
「最近1着破れたんだよ」
「ふぅん」
選ぶのを手伝ってやろうかと店内を見て回っていたら、もう選んだと言われた。
コーディさんが選んだ服を着回してる俺とは違ってファッションセンスがいい。
「会計すませてくるから」
「じゃあ俺外眺めてる」
店の外にでて、歩いてる人を眺める。
職業柄、人間観察が癖になってしまった。
1台の馬車が店の前を通り過ぎようとしている。
領主の屋敷の方向からくるその馬車の家紋には、少し見覚えがあった。
ふと馬車の中を見ると、アレクらしき人と目が合う。
遠目ながらも、少しだけ彼の目が見開かれたのが見えた気がした。
気づいたのだろうか、面をしてないし服も違うというのに。
「ね、君」
あれこれ考えて立っていたら、正面に人が来て、声をかけられた。
「なんです?」
「ちょっと道教えてよ」
値踏みするようにしたから上まで舐め回すような視点、顎を触りながらニタニタしている表情。明らかにナンパだ。地方の貴族だろうか。
「…俺、男娼なんです」
「だから…ね?」
少しだけ首を傾けて、上目遣いで言う。
「いやぁ、ちょっと道教えてくれるだけでいいからさ」
「ほら、お願い」
この様子ならどけるつもりはないのだろう。人目も集まりつつあるし、貴族相手に断ったら面倒なことになりかねない。適当にどこかで相手をして早くすまそう。
「…いーよ。どこ?」
ちらっと店内を見ると、まだまだ後ろの方にいた。
少し言ってから行こうかとも思ったが、すぐに手を捕まれ連れて行かれてしまった。
連れて行かれた路地に入る時、アレクを遠くに見た気がしたが、きっと気のせいだろう。
路地の奥に入ってすぐ、スボンにてをかけられた。
体を売るこの仕事が嫌いな訳ではない。
欲の発散はできるし、ただ抱かれるだけで金を稼げる。Ωにとっては天職だ。
今まではそう思っていた。
アレクと出会ってから、この仕事が少しだけ嫌になった。彼にこんなことをしているのを知られたくない、軽蔑されたくない。
「ぅぐ、」
色々考え込んでいると、それを察したのか前戯もなしに男はモノを後ろに入れてこようとした。
「いっ…た」
「っおい暴れんじゃねえ!」
体を地面に押さえつけられてしまった。
相手は鍛えている令息。俺はただのΩ。力でかなうはずもなく、ただされるがままにしていた。
地面にある石が皮膚に食い込む。
顔を必死に横に向かせると、視線の先にはアレクがいた。こちらに向かってきているのだ。
それがわかった瞬間、何故かほっとした。
「レオンは背高いからなんでも似合いそうだよな」
「羨ましい」
「シュカ身長は低いけどそのスタイルなら割となんでも似合うんじゃねえの」
「そうか?」
「あぁ、女物も余裕で着れそう」
「あぁ…」
着るよ、客の要望でたまに。それを言ったらバカにされそうな気がしたので言わないでおく。
「…私服買うの?」
「いや、仕事着」
「最近1着破れたんだよ」
「ふぅん」
選ぶのを手伝ってやろうかと店内を見て回っていたら、もう選んだと言われた。
コーディさんが選んだ服を着回してる俺とは違ってファッションセンスがいい。
「会計すませてくるから」
「じゃあ俺外眺めてる」
店の外にでて、歩いてる人を眺める。
職業柄、人間観察が癖になってしまった。
1台の馬車が店の前を通り過ぎようとしている。
領主の屋敷の方向からくるその馬車の家紋には、少し見覚えがあった。
ふと馬車の中を見ると、アレクらしき人と目が合う。
遠目ながらも、少しだけ彼の目が見開かれたのが見えた気がした。
気づいたのだろうか、面をしてないし服も違うというのに。
「ね、君」
あれこれ考えて立っていたら、正面に人が来て、声をかけられた。
「なんです?」
「ちょっと道教えてよ」
値踏みするようにしたから上まで舐め回すような視点、顎を触りながらニタニタしている表情。明らかにナンパだ。地方の貴族だろうか。
「…俺、男娼なんです」
「だから…ね?」
少しだけ首を傾けて、上目遣いで言う。
「いやぁ、ちょっと道教えてくれるだけでいいからさ」
「ほら、お願い」
この様子ならどけるつもりはないのだろう。人目も集まりつつあるし、貴族相手に断ったら面倒なことになりかねない。適当にどこかで相手をして早くすまそう。
「…いーよ。どこ?」
ちらっと店内を見ると、まだまだ後ろの方にいた。
少し言ってから行こうかとも思ったが、すぐに手を捕まれ連れて行かれてしまった。
連れて行かれた路地に入る時、アレクを遠くに見た気がしたが、きっと気のせいだろう。
路地の奥に入ってすぐ、スボンにてをかけられた。
体を売るこの仕事が嫌いな訳ではない。
欲の発散はできるし、ただ抱かれるだけで金を稼げる。Ωにとっては天職だ。
今まではそう思っていた。
アレクと出会ってから、この仕事が少しだけ嫌になった。彼にこんなことをしているのを知られたくない、軽蔑されたくない。
「ぅぐ、」
色々考え込んでいると、それを察したのか前戯もなしに男はモノを後ろに入れてこようとした。
「いっ…た」
「っおい暴れんじゃねえ!」
体を地面に押さえつけられてしまった。
相手は鍛えている令息。俺はただのΩ。力でかなうはずもなく、ただされるがままにしていた。
地面にある石が皮膚に食い込む。
顔を必死に横に向かせると、視線の先にはアレクがいた。こちらに向かってきているのだ。
それがわかった瞬間、何故かほっとした。
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