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彼とは大学時代にサークルで知り合った。2個上の先輩だった。
飲み会の席でまだお酒を飲めない私に「どうせバレないから」と無理やり飲ませようとする先輩方を止めて、代わりに自分が飲むといい見事に酔いつぶれていた。
他の先輩方は「ダサイ」「情けない奴」などと言っていたけれど、私にとっては守ってくれるすごく優しい人だった。
サークルの活動中でも私を気にかけてくれて、話しかけてくれる。
少しずつ惹かれていった私はクリスマスに彼が「彼女がいないから予定が無い」と周囲に漏らしていたのを聞いて、クリスマスに告白しようと考えた。
クリスマスに買い物にでも行きませんか?と誘うと彼は少し驚きながらも、微笑み「僕でいいなら」と了承してくれた。
彼氏持ちの友人にオススメを聞いてプレゼントを買い、もしかしたらを考えて下着も新しく可愛い物を買った。
男受けする、とテレビで紹介されていた服装に身を包み、集合場所に赴く。
彼は既に集合場所におり、白い息を吐きながら待っている姿はとても恰好よかった。
そこから数時間、買い物をしたり、ペットショップを覗いてみたり彼が知っているリーズナブルなレストランで食事を楽しんで―――。
クリスマスイルミネーションが夜を彩る広場で私はプレゼントを差し出しながら「好きです。付き合ってください」と告白した。
彼は顔を赤くしながら頬をかき「先越されちゃったな…」と彼もプレゼントを用意してくれていたみたいでそれを私に渡しながら「僕も君が好き。付き合ってほしい」と言ってくれた。
想いが叶って、思わず涙が零れる私を彼は抱きしめて周囲から見えないようにしてくれた。
この優しさが彼を好きになった一番のきっかけ。
手を繋いで帰り、私が住んでいるアパートまで送ってくれた彼は帰ろうとする。
経験が無い私に対する気遣いだったのだろうが、私だって大学生。
普通はこの後何をするのかぐらい知っている。
私は彼の首に手を回して、自分から唇を彼に押し付け「先輩、私の部屋に来ませんか」と恥ずかしさのあまりに声が小さくなりながらも告げた。
その日初めて私はそういう事をした。
男性の大きくなったモノなんて初めてみたし、ほぼ彼任せだった。
自分でもほとんど弄った事の無いソコは彼の指に溶かされたけれど、流石に初めてなせいか痛かった。でもそれよりも好きの気持ちの方が大きかった。
それから私と彼はサークル内でも付き合っていると公表した。
彼は今までより私を見てくれるし、私も彼から目を離せない。
講義の無い日や午後が空いている日はデートに行き、水族館や遊園地にも行ったし映画館にも行った。
そういう事をする事をする時もあればしない時もあった。
彼は私の体の負担にならないように労わってくれた。
彼の部屋にも行ったし、そういうホテルにも行った。
彼が大学を卒業する時は、気軽に会えないのが悲しくて人前で大泣きしてしまった。
彼が就職してから、会える時間が少なくなった。
連絡をしても返信が帰ってこない日も多くなった。
悲しかったけど、これが学生と社会人の違いなのだろうと思った。
彼の休日に彼が住んでいる場所まで行って、料理を作り、そういう事をした。
外に出る機会は減ったけれど、彼と一緒にいれるだけで幸せだった。
更に年月が経ち、私が大学を卒業する時は彼が卒業旅行に連れて行ってくれた。
久しぶりに数日間ずっと彼と一緒にいれて嬉しかった。
私が社会人になってからは尚更会える機会が減った。
学生の頃会えなくて寂しいと思ったけれど、あの当時はまだ甘かったんだと思う。
仕事も忙しいし、お互いに連絡を気づけば返すようなぐらい、学生の頃のように頻繁に連絡を取る事は無くなってしまった。
それでも私は彼の事が好きだったし、彼も同じ気持ちだと思っていた。
でも彼は、更に先に進みたかったみたい。それは私にとっても喜ばしい事。
今までに比べて少ない日数ではあったが、逢瀬を重ね、私が社会人2年目になったクリスマス。
始めて結ばれた思い出の日に彼はプロポーズをしてくれた。
勿論返事は「はい、お願いします」
そしてその後二人で住むアパートを探し、両家に挨拶に行き、結婚式は出来なかったけれど婚姻届けを提出し私達は夫婦になった。
そして今日も私は彼のためにお弁当を作る。
幸せな日々。
まだ子供はいないけれど、いつかは欲しいと思っている。
大学生の頃はいつまでも続いて欲しいと思っていたが、実際結婚するまで彼と続くとは思っていなかった。
いつまでも彼と。
一緒に歩んで行きたい。
A Tale of Mundane Love.
飲み会の席でまだお酒を飲めない私に「どうせバレないから」と無理やり飲ませようとする先輩方を止めて、代わりに自分が飲むといい見事に酔いつぶれていた。
他の先輩方は「ダサイ」「情けない奴」などと言っていたけれど、私にとっては守ってくれるすごく優しい人だった。
サークルの活動中でも私を気にかけてくれて、話しかけてくれる。
少しずつ惹かれていった私はクリスマスに彼が「彼女がいないから予定が無い」と周囲に漏らしていたのを聞いて、クリスマスに告白しようと考えた。
クリスマスに買い物にでも行きませんか?と誘うと彼は少し驚きながらも、微笑み「僕でいいなら」と了承してくれた。
彼氏持ちの友人にオススメを聞いてプレゼントを買い、もしかしたらを考えて下着も新しく可愛い物を買った。
男受けする、とテレビで紹介されていた服装に身を包み、集合場所に赴く。
彼は既に集合場所におり、白い息を吐きながら待っている姿はとても恰好よかった。
そこから数時間、買い物をしたり、ペットショップを覗いてみたり彼が知っているリーズナブルなレストランで食事を楽しんで―――。
クリスマスイルミネーションが夜を彩る広場で私はプレゼントを差し出しながら「好きです。付き合ってください」と告白した。
彼は顔を赤くしながら頬をかき「先越されちゃったな…」と彼もプレゼントを用意してくれていたみたいでそれを私に渡しながら「僕も君が好き。付き合ってほしい」と言ってくれた。
想いが叶って、思わず涙が零れる私を彼は抱きしめて周囲から見えないようにしてくれた。
この優しさが彼を好きになった一番のきっかけ。
手を繋いで帰り、私が住んでいるアパートまで送ってくれた彼は帰ろうとする。
経験が無い私に対する気遣いだったのだろうが、私だって大学生。
普通はこの後何をするのかぐらい知っている。
私は彼の首に手を回して、自分から唇を彼に押し付け「先輩、私の部屋に来ませんか」と恥ずかしさのあまりに声が小さくなりながらも告げた。
その日初めて私はそういう事をした。
男性の大きくなったモノなんて初めてみたし、ほぼ彼任せだった。
自分でもほとんど弄った事の無いソコは彼の指に溶かされたけれど、流石に初めてなせいか痛かった。でもそれよりも好きの気持ちの方が大きかった。
それから私と彼はサークル内でも付き合っていると公表した。
彼は今までより私を見てくれるし、私も彼から目を離せない。
講義の無い日や午後が空いている日はデートに行き、水族館や遊園地にも行ったし映画館にも行った。
そういう事をする事をする時もあればしない時もあった。
彼は私の体の負担にならないように労わってくれた。
彼の部屋にも行ったし、そういうホテルにも行った。
彼が大学を卒業する時は、気軽に会えないのが悲しくて人前で大泣きしてしまった。
彼が就職してから、会える時間が少なくなった。
連絡をしても返信が帰ってこない日も多くなった。
悲しかったけど、これが学生と社会人の違いなのだろうと思った。
彼の休日に彼が住んでいる場所まで行って、料理を作り、そういう事をした。
外に出る機会は減ったけれど、彼と一緒にいれるだけで幸せだった。
更に年月が経ち、私が大学を卒業する時は彼が卒業旅行に連れて行ってくれた。
久しぶりに数日間ずっと彼と一緒にいれて嬉しかった。
私が社会人になってからは尚更会える機会が減った。
学生の頃会えなくて寂しいと思ったけれど、あの当時はまだ甘かったんだと思う。
仕事も忙しいし、お互いに連絡を気づけば返すようなぐらい、学生の頃のように頻繁に連絡を取る事は無くなってしまった。
それでも私は彼の事が好きだったし、彼も同じ気持ちだと思っていた。
でも彼は、更に先に進みたかったみたい。それは私にとっても喜ばしい事。
今までに比べて少ない日数ではあったが、逢瀬を重ね、私が社会人2年目になったクリスマス。
始めて結ばれた思い出の日に彼はプロポーズをしてくれた。
勿論返事は「はい、お願いします」
そしてその後二人で住むアパートを探し、両家に挨拶に行き、結婚式は出来なかったけれど婚姻届けを提出し私達は夫婦になった。
そして今日も私は彼のためにお弁当を作る。
幸せな日々。
まだ子供はいないけれど、いつかは欲しいと思っている。
大学生の頃はいつまでも続いて欲しいと思っていたが、実際結婚するまで彼と続くとは思っていなかった。
いつまでも彼と。
一緒に歩んで行きたい。
A Tale of Mundane Love.
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