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当時の僕は、毎日のようにおじいちゃんの家に遊びに行っていました。
おじいちゃんは、いつもぼくに近くのパン屋さんであんパンを買ってくれました。
それをおやつに食べるのが楽しみだったんだけど、ある日パン屋は閉店してしまってあんパンが食べられなくなってしまった。
僕はどうしてもあんパンが食べたかったから「おじいちゃん、一緒にあんパンを作ろうよ!」と提案しました。
初めは戸惑っていたおじいちゃんでしたが、僕の熱意に負けて、あんこを煮たり、生地をこねたりと一緒に作り始めてくれました。
おじいちゃんは意外と料理が得意なようで初めてあんパンを作るにも関わらず、料理本だけを片手に淀みなく作業をして、僕はその光景を目の当たりにし、すごいなーって素直に思ったのを覚えています。
お互いの手伝いをしながら、熱心に取り組んでいると、いい感じの形になってもう焼くだけになったところでおじいちゃんが、急に倒れてしまったのです。
僕はお母さんを大声で呼んで救急車を手配してもらいました。
その後、
病院に運ばれたおじいちゃんは、数日後に亡くなってしまいました。
おじいちゃんとの最後の思い出になったあんパンはおじいちゃんが入院した次の日にお母さんに焼いてもらって、泣きながら食べました。
それからというもの、おじいちゃんと作ったあのあんパンの味がこの世で一番美味しいあんパンになってしまいました。
たまに自分で作ったあんパンを食べますが、その時はおじいちゃんが側にいてくれているような感覚になります。
これが、僕にとってのおじいちゃんとの思い出なんです。
おじいちゃんは、いつもぼくに近くのパン屋さんであんパンを買ってくれました。
それをおやつに食べるのが楽しみだったんだけど、ある日パン屋は閉店してしまってあんパンが食べられなくなってしまった。
僕はどうしてもあんパンが食べたかったから「おじいちゃん、一緒にあんパンを作ろうよ!」と提案しました。
初めは戸惑っていたおじいちゃんでしたが、僕の熱意に負けて、あんこを煮たり、生地をこねたりと一緒に作り始めてくれました。
おじいちゃんは意外と料理が得意なようで初めてあんパンを作るにも関わらず、料理本だけを片手に淀みなく作業をして、僕はその光景を目の当たりにし、すごいなーって素直に思ったのを覚えています。
お互いの手伝いをしながら、熱心に取り組んでいると、いい感じの形になってもう焼くだけになったところでおじいちゃんが、急に倒れてしまったのです。
僕はお母さんを大声で呼んで救急車を手配してもらいました。
その後、
病院に運ばれたおじいちゃんは、数日後に亡くなってしまいました。
おじいちゃんとの最後の思い出になったあんパンはおじいちゃんが入院した次の日にお母さんに焼いてもらって、泣きながら食べました。
それからというもの、おじいちゃんと作ったあのあんパンの味がこの世で一番美味しいあんパンになってしまいました。
たまに自分で作ったあんパンを食べますが、その時はおじいちゃんが側にいてくれているような感覚になります。
これが、僕にとってのおじいちゃんとの思い出なんです。
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