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邪教団編
戦乙女リリーナ 1
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教団「闇の意志」
人間の宗教団体でありながら魔王軍側として数々の裏工作を行ってきた邪教である。
ある時は子供を浚い、ある時は要人を暗殺し、ある時は町中に魔物を放ってきた。
その邪教のトップである司祭エズリは次の一手を考えていた。
勇者パーティが魔王城に特攻を仕掛けた上に敗北したという話はほぼ全ての人間に伝わっている。
魔王軍の手に落ちていない国や遠方の地であっても、魔王により勇者や聖女が奴隷にされ蹂躙されて快楽に喘ぐ姿が魔法によって放送された為である。
それにより人間の抵抗が少し弱くなった今、闇の意志が次に行うべきは人間の国の内部から毒を忍ばせるように腐らせ、更なる絶望の世界を作り上げる事である。
ほとんどの戦闘力の無い人民は兎も角、各国の英雄と呼ばれるに値する将軍や冒険者、傭兵などはまだまだ魔王軍の脅威ではある。神の意志によって力を授けられでもすれば第二、第三の勇者となってしまう可能性があるからだ。
エズリは、とりあえずこの国有数の武人の一人でもある戦乙女リリーナへと標的を定めた。
戦乙女リリーナ。
勇者や聖女と共に戦い魔王軍の砦を落とした事もあるという豪傑。
その槍捌きと氷魔法は騎士団の中でも有数の腕前であり、青い瞳は使う魔法である氷のように鋭く、素早い動きで馬を駆り敵を屠るが平時は温厚で優しく、孤児院の手伝い等も行っている。
特筆すべきはそのスレンダーな上半身に比べて肉付きが良い尻と太もも。
平和に操を立てた騎士の鏡。
エズリはその姫騎士が度々訪れる孤児院に攻略の糸口を見つけた。
教団員に指示を出すと、準備にとりかかるエズリ。
ここには様々な物がある。
拷問器具や薬物、魔王軍から与えられた魔物や機材まで。
これらを使ってリリーナを堕とす。
エズリの口元には醜悪な笑みが広がっていた。
その日もリリーナは孤児院へ訪れていた。
気休めだという事はわかっている。救世の希望であった勇者や聖女は既に負けており、いつこの国も魔王軍の標的になるかわからない現状。
リリーナは自分の命をかけても国を守る意志はあれど、あのような痴態を見せつけられては、魔王軍に攻め入る事も出来ず国の方針に従って守りに徹する事しか出来ていなかった。
そのストレスを解消するかのごとくここ最近は休みのたびに孤児院へと足を運び、何もしらない孤児の子供達に癒されていた。
しかし今日は孤児院の中の様子がおかしい。
中に入ってみると院長を含め全員が猿轡を付けられ、縄で縛られていた。
そして周りには荒くれ者風の者が数人。強盗か、もしくは人浚いであるかと思われた。
リリーナはその現場を見るや否や先手必勝とばかりに二人程、悪人であるだろう男を打ち倒したが、他にいた男達がナイフを孤児院の子供達に向かって突き刺すと、痛みによって叫ぶ子供達を見て動きが遅れてしまう。
その間にもナイフで切りつけられ泣き叫び血が流れる子供達や院長を見て、リリーナはこれから益々酷くなっていく世界を見せるよりは全て魔法で凍らせてしまって終わらせたほうがいいのではないかと脳内でそんな考えがチラつくが、結局は抵抗を止め子供達をこれ以上傷つける事を止めるように懇願する事になる。
傷つけるのをやめた男達には目もくれず、子供達や院長にポーションを渡していくリリーナ。少なくともこの場で命を落とすような者はいないようでホッと息をつく。
そして子供達を背に、荒くれ者と対峙した所で背中にナイフが突きつけられた。
助けた筈の子供に背中から襲われるという事実を受け入れられないままに、刃に塗られていた薬物によって気を失う戦乙女を見ながら、男達は下卑た笑い声をあげていた。
人間の宗教団体でありながら魔王軍側として数々の裏工作を行ってきた邪教である。
ある時は子供を浚い、ある時は要人を暗殺し、ある時は町中に魔物を放ってきた。
その邪教のトップである司祭エズリは次の一手を考えていた。
勇者パーティが魔王城に特攻を仕掛けた上に敗北したという話はほぼ全ての人間に伝わっている。
魔王軍の手に落ちていない国や遠方の地であっても、魔王により勇者や聖女が奴隷にされ蹂躙されて快楽に喘ぐ姿が魔法によって放送された為である。
それにより人間の抵抗が少し弱くなった今、闇の意志が次に行うべきは人間の国の内部から毒を忍ばせるように腐らせ、更なる絶望の世界を作り上げる事である。
ほとんどの戦闘力の無い人民は兎も角、各国の英雄と呼ばれるに値する将軍や冒険者、傭兵などはまだまだ魔王軍の脅威ではある。神の意志によって力を授けられでもすれば第二、第三の勇者となってしまう可能性があるからだ。
エズリは、とりあえずこの国有数の武人の一人でもある戦乙女リリーナへと標的を定めた。
戦乙女リリーナ。
勇者や聖女と共に戦い魔王軍の砦を落とした事もあるという豪傑。
その槍捌きと氷魔法は騎士団の中でも有数の腕前であり、青い瞳は使う魔法である氷のように鋭く、素早い動きで馬を駆り敵を屠るが平時は温厚で優しく、孤児院の手伝い等も行っている。
特筆すべきはそのスレンダーな上半身に比べて肉付きが良い尻と太もも。
平和に操を立てた騎士の鏡。
エズリはその姫騎士が度々訪れる孤児院に攻略の糸口を見つけた。
教団員に指示を出すと、準備にとりかかるエズリ。
ここには様々な物がある。
拷問器具や薬物、魔王軍から与えられた魔物や機材まで。
これらを使ってリリーナを堕とす。
エズリの口元には醜悪な笑みが広がっていた。
その日もリリーナは孤児院へ訪れていた。
気休めだという事はわかっている。救世の希望であった勇者や聖女は既に負けており、いつこの国も魔王軍の標的になるかわからない現状。
リリーナは自分の命をかけても国を守る意志はあれど、あのような痴態を見せつけられては、魔王軍に攻め入る事も出来ず国の方針に従って守りに徹する事しか出来ていなかった。
そのストレスを解消するかのごとくここ最近は休みのたびに孤児院へと足を運び、何もしらない孤児の子供達に癒されていた。
しかし今日は孤児院の中の様子がおかしい。
中に入ってみると院長を含め全員が猿轡を付けられ、縄で縛られていた。
そして周りには荒くれ者風の者が数人。強盗か、もしくは人浚いであるかと思われた。
リリーナはその現場を見るや否や先手必勝とばかりに二人程、悪人であるだろう男を打ち倒したが、他にいた男達がナイフを孤児院の子供達に向かって突き刺すと、痛みによって叫ぶ子供達を見て動きが遅れてしまう。
その間にもナイフで切りつけられ泣き叫び血が流れる子供達や院長を見て、リリーナはこれから益々酷くなっていく世界を見せるよりは全て魔法で凍らせてしまって終わらせたほうがいいのではないかと脳内でそんな考えがチラつくが、結局は抵抗を止め子供達をこれ以上傷つける事を止めるように懇願する事になる。
傷つけるのをやめた男達には目もくれず、子供達や院長にポーションを渡していくリリーナ。少なくともこの場で命を落とすような者はいないようでホッと息をつく。
そして子供達を背に、荒くれ者と対峙した所で背中にナイフが突きつけられた。
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