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小佐古明宏

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1章 始まりの街

12話 集落へ

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 リサ
 種族:人間
 職業:ゴーレムクリエイター
 LV:15
 HP:650/650
 MP:30/930
 STR:85
 VIT:170
 AGI:160
 DEX:70
 INT:310
 LUK:30

 ステータスポイント:0【695】

 共通スキル
 HPアップ:LV3…+300【25】
 MPアップ:LV3…+300【25】
 STRアップ:LV2…+20【15】
 VITアップ:LV2…+20【15】
 AGIアップ:LV2…+20【15】
 DEXアップ:LV2…+20【15】
 INTアップ:LV3…+30【25】
 LUKアップ:LV2…+20【15】
 全異常耐性:LV2【15】
 全属性耐性:LV2【15】

 専用スキル
 MPゴーレム作成:LV2【60】
 HP自動回復:LV1【50】
 MP自動回復:LV1【50】
 共有スキル:LV3【80】
 ゴーレムクリエイト:LV1【50】
 魔改造強化:LV1【50】
 パーツ作成:LV1【50】
 ゴーレム格納庫:LV1【50】
 ゴーレムBOT:LV4【70】※プレゼントスキル

 スキルポイント:5【695】

 称号:ゴブリンハンター

 スキルポイントは足らないので5ポイントだけ残り、ステータスは全て振り分けた。共通スキルで底上げした事で、もうすぐMPが1000を超える。このまま順調にいけば、今日中に達成できると思う。

「リサお姉ちゃん、これに乗るの?」

「そうだけど?」

 消費するMPによってMPゴーレムのカスタマイズが可能となる。1体だけに集中して作成すると、現段階ではアリサでも勝てないゴーレムが出来た。アリサに作成したトウジョウ君のスペックを話すと、呆れられた。

 トウジョウ君
 種族:ストーンゴーレム
 HP:2459/2450
 MP:2730/2730
 STR:1005
 VIT:1070
 AGI:1080
 DEX:970
 INT:1210
 LUK:930

 共有スキル
 全属性耐性:LV2
 AGIアップ:LV2…+20
 STRアップ:LV2…+20

 弱点:風
 
 オプションスキル:弾岩砲…消費MP×10のダメージを与える岩石の弾丸を飛ばす。連射が可能。

 初めてゴーレムに飛び道具が追加された。これで無駄に多いMPの有効活用が出来る。昼間の時と違い、今のトウジョウ君は、右肩が大きく膨れており、筒状の物を身に着けている。

「リサお姉ちゃん、チートだよ。チート過ぎるよゴーレムクリエイター!」

「自分でもそう思う」

 ジト目で見られ、苦笑いを浮かべて答える。アリサは羨ましそうに、トウジョウ君を見上げていた。

「乗っていい?」

「いいよ。トウジョウ君、しゃがんで」

 リサの命令を受けてトウジョウ君がしゃがむと、背中の箱に乗り込む。アリサの手を引き彼女を中に入れると、立ち上がるように命じた。昼間にゴーレムBOTを使用した為、今は命令しないと動かない。

「取り合えず、どうする?」

「ん~リサお姉ちゃん、ゴブリンキングの討伐クエストって受けてる?」

「受けてるけど。居場所知ってるの?」

「うん! だから、倒しに行こう!」

 今回は、座らずに立ったままトウジョウ君を操作する。アリサの示す方角へ向かって歩くように命じると、地響きを立てて走っていく。心なしか、昼間より速いような気がした。

「凄い、凄く速い!」

 アリサが箱の淵に手を乗せて興奮した様子で声を上げた。風を切り彼女の金髪ツインテールが大きく揺れている。

「あ…またか」

 出会い頭にゴブリンや、ウルフ系のモンスターに遭遇するが、トウジョウ君の体当たりや、踏みつけにより、ポリゴン化して割れて消えてしまった。

「PT、組んだ方がいいか?」

「ん? いいよ。リサお姉ちゃんには早く強くなってほしいし、私が経験値を奪うのは良くないよ」

 姉思いのアリサである。リサは、PTを組まずにこのまま、進めていく。倒したモンスターのドロップアイテムが凄い勢いで、インベントリへと入っていく。魔石の数も増えていき、思わず笑みがこぼれる。

                     ▽

 目的の場所は、始まりの街の北西であり、周辺にはプレイヤーが全くいなかった。右上のマップも、赤い印が多く、何やら包囲されてきている。

「この周辺な、適正レベルが30~40ぐらいで、ボスモンスターが出没する場所だよ」

「……ボスモンスターか。強いのか?」

「……トウジョウ君の方が強いけど?」

 何言ってるの? みたいな顔で言われる。なら、もしもボスモンスターと遭遇しても倒せるという事だ。リサは特に心配する事無く、トウジョウ君を進める。

「そろそろ、試すか」

 今までトウジョウ君のオプションスキル、弾岩砲を試していない。威力の事を考えて周辺にプレイヤーがいる場所では撃たなかった。この場所は、モンスターしか存在せず、気にせずに撃てる。

「トウジョウ君、弾岩砲発射用意。MP100消費、前方の敵に撃て」

 トウジョウ君のMPが100減ると、右肩の筒状の大砲から、50㎝程の石が撃ち出された。物凄い速さで飛ぶと、目の前に見えていたゴブリンを倒した。ログにはホブゴブリンと記されており、普通のゴブリンじゃなかった。

「うわ、グロ」

 アリサが顔をしかめる。50㎝程の石が、ホブゴブリンの頭に命中し爆散した。飛び散る肉片にモザイク処理がかかる。割れるような音と共にホブゴブリンを倒した。

「そうそう、ゴブリンキングの住んで居る場所は、多種多様なゴブリンが住んで居て、クエストの討伐報酬がたくさん手に入るんだよ」

 ホブゴブリンの魔石とホブゴブリンの左耳が、ドロップアイテムとしてインベントリに入っていた。ホブゴブリンのクエストは、Eランクから受けるクエストらしい。今のうちに討伐部位を集めておく。

「アリサの実力も見てみたいけど、いいか?」

「うん、手ごろなのが後ろから来てるね」

 殺気と共に、トウジョウ君を追いかけてくる何かがいた。マップ上には大きな赤い印で表示されており、その正体が木々をなぎ倒して現れた。

「始まりの街のフィールドボス、ジャイアントオークだよ」

 トウジョウ君の2倍の高さ、4mになる巨体を持つオークが現れた。上半身に鎧を身に着け、剣を握りしめている。トウジョウ君を追いかけてくるが、距離が縮まない。

「確か、AGIが800ぐらいかな? 普通は追い付かれて、あの大剣で切り払われて即死だね」

 トウジョウ君はAGIが1080ある。追いつけないのは良い事だが、リサは内心焦っていた。

(生身だと死んでるな)

 ゴーレムに守られていなければ死んでいた。ゴーレムクリエイターの強さが改めて実感する。

「それじゃ、私の実力を見せるよ」

 アリサは背中に背負う杖を握りしめる。先端をジャイアントオークへ向けると、呪文も唱えず、レーザー砲の様な攻撃を行った。無数の光の筋がジャイアントオークに命中し、

「止め!」

 最後に特大のビーム砲の様な攻撃を放つと、ジャイアントオークは下半身を残し上半身が消滅した。周りの地形をえぐり取った威力に、リサは唖然とする。残された下半身はポリゴン化されて割れるように消えた。

「どう? 魔砲少女って凄いでしょ!」

「ああ…凄く強いな」

 声が震えていた。

「でも、リサお姉ちゃんのゴーレムには勝てないよ。㏋が高いし、VITとINTも高いから、私の魔砲にも耐えるよ」

「マジか? そんなにトウジョウ君は強いのか」

「うん、スキルの構成にもよるけど、レベル100ぐらいのプレイヤーじゃないと倒せないよ」

「そうか…これから、もっと強くなるけどな」

 リサ自身のレベルが上がり、スキルを振り分けると、トウジョウ君は化け物じみた強さになっていく。それに、リサには切り札がまだある。ゴーレムクリエイトで生み出すゴブリンゴーレムだ。

(そういえば…)

 ゴブリンゴーレムには、ゴブリンの魔石を使用するが、ホブゴブリンの魔石は使用できないか検討してみた。結果、スキルを確認すると、ホブゴブリンの魔石でも可能らしい。ゴブリンの魔石が1ポイントに対し、ホブゴブリンの魔石は5ポイント、1つの魔石からポイントが得られる。

「アリサ、ゴブリンキングは良く倒すの?」

「ん? 時々倒しに行くよ。この討伐場所まで行くの大変だから、往復で1日かけての移動だけど。それがどうしたの?」

「ゴブリンキングも魔石を落とすのか気になってな」

「モンスターは全て魔石を落とすよ。只、LUKが低いと手に入らないけど…」

 アリサとリサは見つめ合い、トウジョウ君を見上げる。背中の箱から頭を見つめる。

「トウジョウ君、LUKが高いよね」

「ああ、だから今まで倒したモンスターは、全て魔石をドロップしている」

「……もしかして、私が倒したジャイアントオークも魔石をドロップしたかも?」

「しただろうな」

 気まずい空気が流れる。トウジョウ君は、目的の場所を目指して今も走っている。揺られながら、アリサがリサの手を握った。

「リサお姉ちゃん! ドロップアイテムを集めるの手伝って!」

「いいけど、私も欲しいアイテムがあるから手伝ってもらうぞ」

「うん、互いに協力し合おうね!」

 こうして、ゴブリンキングが住んで居る場所まで、2人は互いの欲しい物が何か話しながら進み、23時頃にゴブリンキングが住む集落へと辿り着いた。
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