45 / 51
第45話 仲睦まじいようで
しおりを挟む
女主人がひとしきり部下を愛で終え、ひとまずの賢者タイムに入った彼女は2人を庵に招き入れた。
「今日はもう遅くなっちゃったし、ボスもお酒を飲んだのだから泊まっていきなさいな。」
女主人の提案を快諾する2人。女主人は2人を和室まで案内する。真ん中に囲炉裏を据えたその部屋は見る物を興奮させる。
「やはり、いつ来てもいいな。」
ボスの関心に、部下も首を縦に振る。ちょっと待ってて。という女主人の声が聞こえて、2人は囲炉裏の前に座った。
囲炉裏のパチパチという音に静かに聴き入る2人。その音と暖かさに、いつもなら暇さえあればボスにセクハラをする部下もただじっとしている。
こんなひと時も良いなと、隣に座るボスを見つめる部下。ボスも部下の視線に気づく。ボスは微笑を浮かべ、あったかいな。と部下になんて事ないことを言う。
その仕草に少しムラッとしてしまう部下。しかし、部下もムードは崩したくない。そのまま、ボスにもたれかかる。
「おいおい、どうした?」
ボスは部下の髪を撫でながら問いかける。部下は気持ちよさそうに目を瞑る。
「今日は色々あって疲れちゃいました。」
そのまま、頭の位置をさげ、ボスの膝枕を楽しむ部下。そこへ女主人が現れた。
「あらあら、仲睦まじいようで。」
うふふふ。と笑う女主人。部下は、んー。と言いながらボスの首に抱きついて起き上がる。
「さ、ご飯ができましたよ。」
女主人が料理の入った皿を、ボス達の前に並べてゆく。
その湯気からは、筆舌に尽くし難いような美味しい香りが漂っていた。
ギュルルル。と部下のお腹が鳴った。少し恥ずかしそうにしながら箸を持ち、いただきます。と言う部下。
ボスもいただきます。と言い、味噌汁を啜る。濃厚な出汁に、程よい塩加減。彼の疲労した体に染み込んでいく。
一方、部下は塩焼きの鮎にかぶりつく。さっぱりとした身に旨みがぎっしりと詰まっている。
ん~。と言い自分を抱きしめながら、その旨みを存分に堪能する部下。そこへ、悪そうな笑顔を浮かべたボスがやってくる。
ボスは、部下の鮎にレモンをさっと絞る。その行為に思わず部下も悪い笑顔を浮かべる。
「おやおやおやおや。」
そう言うが早いが、部下はレモンを絞った鮎にかぶりつく。気づけば部下の目には涙が溜まっていた。
文句のつけようがない。レモンの酸味と新鮮な鮎の身が織りなすハーモニー。部下は感動していた。
「2人とも喜んでくれたようで何よりだわ。」
女主人はニコニコしながら2人の食べっぷりを優しく見つめる。どの食材もこの山で取れた物なのよ。そう言って、女主人も炊き込みご飯を口に運ぶ。
美味しい料理に舌鼓を打ちながら、会話も弾み順調に夜が更けていった。
「今日はもう遅くなっちゃったし、ボスもお酒を飲んだのだから泊まっていきなさいな。」
女主人の提案を快諾する2人。女主人は2人を和室まで案内する。真ん中に囲炉裏を据えたその部屋は見る物を興奮させる。
「やはり、いつ来てもいいな。」
ボスの関心に、部下も首を縦に振る。ちょっと待ってて。という女主人の声が聞こえて、2人は囲炉裏の前に座った。
囲炉裏のパチパチという音に静かに聴き入る2人。その音と暖かさに、いつもなら暇さえあればボスにセクハラをする部下もただじっとしている。
こんなひと時も良いなと、隣に座るボスを見つめる部下。ボスも部下の視線に気づく。ボスは微笑を浮かべ、あったかいな。と部下になんて事ないことを言う。
その仕草に少しムラッとしてしまう部下。しかし、部下もムードは崩したくない。そのまま、ボスにもたれかかる。
「おいおい、どうした?」
ボスは部下の髪を撫でながら問いかける。部下は気持ちよさそうに目を瞑る。
「今日は色々あって疲れちゃいました。」
そのまま、頭の位置をさげ、ボスの膝枕を楽しむ部下。そこへ女主人が現れた。
「あらあら、仲睦まじいようで。」
うふふふ。と笑う女主人。部下は、んー。と言いながらボスの首に抱きついて起き上がる。
「さ、ご飯ができましたよ。」
女主人が料理の入った皿を、ボス達の前に並べてゆく。
その湯気からは、筆舌に尽くし難いような美味しい香りが漂っていた。
ギュルルル。と部下のお腹が鳴った。少し恥ずかしそうにしながら箸を持ち、いただきます。と言う部下。
ボスもいただきます。と言い、味噌汁を啜る。濃厚な出汁に、程よい塩加減。彼の疲労した体に染み込んでいく。
一方、部下は塩焼きの鮎にかぶりつく。さっぱりとした身に旨みがぎっしりと詰まっている。
ん~。と言い自分を抱きしめながら、その旨みを存分に堪能する部下。そこへ、悪そうな笑顔を浮かべたボスがやってくる。
ボスは、部下の鮎にレモンをさっと絞る。その行為に思わず部下も悪い笑顔を浮かべる。
「おやおやおやおや。」
そう言うが早いが、部下はレモンを絞った鮎にかぶりつく。気づけば部下の目には涙が溜まっていた。
文句のつけようがない。レモンの酸味と新鮮な鮎の身が織りなすハーモニー。部下は感動していた。
「2人とも喜んでくれたようで何よりだわ。」
女主人はニコニコしながら2人の食べっぷりを優しく見つめる。どの食材もこの山で取れた物なのよ。そう言って、女主人も炊き込みご飯を口に運ぶ。
美味しい料理に舌鼓を打ちながら、会話も弾み順調に夜が更けていった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる