頼むから俺の前にいる女は泣き叫ばないでください〜ヤンデレ部下と3馬鹿魔法少女は俺の邪魔をするな〜

スパイスマン

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第45話 仲睦まじいようで

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女主人がひとしきり部下を愛で終え、ひとまずの賢者タイムに入った彼女は2人を庵に招き入れた。

「今日はもう遅くなっちゃったし、ボスもお酒を飲んだのだから泊まっていきなさいな。」

 女主人の提案を快諾する2人。女主人は2人を和室まで案内する。真ん中に囲炉裏を据えたその部屋は見る物を興奮させる。

「やはり、いつ来てもいいな。」

 ボスの関心に、部下も首を縦に振る。ちょっと待ってて。という女主人の声が聞こえて、2人は囲炉裏の前に座った。

 囲炉裏のパチパチという音に静かに聴き入る2人。その音と暖かさに、いつもなら暇さえあればボスにセクハラをする部下もただじっとしている。

 こんなひと時も良いなと、隣に座るボスを見つめる部下。ボスも部下の視線に気づく。ボスは微笑を浮かべ、あったかいな。と部下になんて事ないことを言う。

 その仕草に少しムラッとしてしまう部下。しかし、部下もムードは崩したくない。そのまま、ボスにもたれかかる。

「おいおい、どうした?」

 ボスは部下の髪を撫でながら問いかける。部下は気持ちよさそうに目を瞑る。

「今日は色々あって疲れちゃいました。」

 そのまま、頭の位置をさげ、ボスの膝枕を楽しむ部下。そこへ女主人が現れた。

「あらあら、仲睦まじいようで。」

 うふふふ。と笑う女主人。部下は、んー。と言いながらボスの首に抱きついて起き上がる。

「さ、ご飯ができましたよ。」

 女主人が料理の入った皿を、ボス達の前に並べてゆく。

 その湯気からは、筆舌に尽くし難いような美味しい香りが漂っていた。

 ギュルルル。と部下のお腹が鳴った。少し恥ずかしそうにしながら箸を持ち、いただきます。と言う部下。

 ボスもいただきます。と言い、味噌汁を啜る。濃厚な出汁に、程よい塩加減。彼の疲労した体に染み込んでいく。

 一方、部下は塩焼きの鮎にかぶりつく。さっぱりとした身に旨みがぎっしりと詰まっている。

 ん~。と言い自分を抱きしめながら、その旨みを存分に堪能する部下。そこへ、悪そうな笑顔を浮かべたボスがやってくる。

 ボスは、部下の鮎にレモンをさっと絞る。その行為に思わず部下も悪い笑顔を浮かべる。

「おやおやおやおや。」

 そう言うが早いが、部下はレモンを絞った鮎にかぶりつく。気づけば部下の目には涙が溜まっていた。

 文句のつけようがない。レモンの酸味と新鮮な鮎の身が織りなすハーモニー。部下は感動していた。

「2人とも喜んでくれたようで何よりだわ。」

 女主人はニコニコしながら2人の食べっぷりを優しく見つめる。どの食材もこの山で取れた物なのよ。そう言って、女主人も炊き込みご飯を口に運ぶ。

 美味しい料理に舌鼓を打ちながら、会話も弾み順調に夜が更けていった。
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