32 / 51
第32話 宇宙人の略奪
しおりを挟む
魔法少女達との戦闘は、宇宙人の超能力による圧勝で幕を閉じようとしていた。
しかし、ボスがなんでも好きな物を与えるというボーナスに、宇宙人はボスを指定する。
それによって、渦巻く光と闇。半壊の洗濯室はカオスに包まれる。
「それは、聞き捨てならないなぁ。」
部下はゆっくりと、殺意にたぎった瞳を宇宙人の方に向ける。
宇宙人は、ゾクゾクとした様子で嬉しそうにボスに語りかける。
「でも、もうボスは私の物だもんね?」
ボスは、乾いた笑いを出す事しか出来なかった。
もうどうにでもなれと思い、宇宙人の問いに首を縦に振る。
そんな状況下でも、ボスの悪の組織の長たる頭脳は、いかに幼馴染を守るか考えていた。
しかし、そんな思考をかき消すかのように、激しく氷の砕け散る音がする。
「絶対に渡さないんだから...。」
赤の魔法少女が光の魔法少女に変貌を遂げる。
青の魔法少女も緑の魔法少女も歓声をあげた。
いよいよ八方塞がりになったボスが頼れるのはアイズだけだった。
とにかくアイズに近寄ろうとするボス。
その動きを見て、宇宙人はボスの袖を引っ張った。
そして、自身の顔をボスに近づける。
「大丈夫だよ、ボス。アイズと幼馴染ちゃんには私がテレパシーで伝えてある。幼馴染ちゃんは無事に家に帰れるよ。」
耳元で優しく囁かれた宇宙人の言葉に一安心するボス。
まぁでも、と宇宙人は笑いを堪えて言葉を紡ぐ。
「君が無事に帰れるかはわからないけどね。」
宇宙人の言葉に、一瞬で現実に引き戻されるボス。しかも、はたから見て、今の宇宙人とボスはどう見えているだろう?
さっきよりも格段に闇と光が強くなった洗濯室を眺めながら、ボスは視界の端でアイズと幼馴染が部屋から出ていくのを確認した。
幼馴染は、別れ際も可愛らしく手を振っていた。
また、会うかもわからないが、こんな偶然も悪くはないなと思いを馳せる間はボスには与えられなかった。
すぐさまボスとの距離を詰める部下。
宇宙人は、その部下の動きを抑制しようと、能力を行使する。
「おいおいおいおい!!強すぎるだろ!!」
宇宙人は楽しそうに部下の抵抗力について感想を述べる。
明らかにこの世の色ではない極彩色が部下が近づくたびに発されていく。
「私の事も忘れないでよ。」
光の魔法少女も、ボスの方に一歩一歩近付く。
「こんな力を2人分も受けなきゃダメなのかい!?」
宇宙人は最高潮のテンションで叫ぶ。
こんなにも楽しんでいる宇宙人を前にして、なんだか自分も楽しくなってしまうボス。
「安心しろよ、宇宙人。俺が側にいてやるからさ。」
ボスが宇宙人にウィンクした瞬間、光の魔法少女と部下のエネルギーが最高潮に達し、ボスが気づいた時には辺りが真っ白に包み込まれた。
しかし、ボスがなんでも好きな物を与えるというボーナスに、宇宙人はボスを指定する。
それによって、渦巻く光と闇。半壊の洗濯室はカオスに包まれる。
「それは、聞き捨てならないなぁ。」
部下はゆっくりと、殺意にたぎった瞳を宇宙人の方に向ける。
宇宙人は、ゾクゾクとした様子で嬉しそうにボスに語りかける。
「でも、もうボスは私の物だもんね?」
ボスは、乾いた笑いを出す事しか出来なかった。
もうどうにでもなれと思い、宇宙人の問いに首を縦に振る。
そんな状況下でも、ボスの悪の組織の長たる頭脳は、いかに幼馴染を守るか考えていた。
しかし、そんな思考をかき消すかのように、激しく氷の砕け散る音がする。
「絶対に渡さないんだから...。」
赤の魔法少女が光の魔法少女に変貌を遂げる。
青の魔法少女も緑の魔法少女も歓声をあげた。
いよいよ八方塞がりになったボスが頼れるのはアイズだけだった。
とにかくアイズに近寄ろうとするボス。
その動きを見て、宇宙人はボスの袖を引っ張った。
そして、自身の顔をボスに近づける。
「大丈夫だよ、ボス。アイズと幼馴染ちゃんには私がテレパシーで伝えてある。幼馴染ちゃんは無事に家に帰れるよ。」
耳元で優しく囁かれた宇宙人の言葉に一安心するボス。
まぁでも、と宇宙人は笑いを堪えて言葉を紡ぐ。
「君が無事に帰れるかはわからないけどね。」
宇宙人の言葉に、一瞬で現実に引き戻されるボス。しかも、はたから見て、今の宇宙人とボスはどう見えているだろう?
さっきよりも格段に闇と光が強くなった洗濯室を眺めながら、ボスは視界の端でアイズと幼馴染が部屋から出ていくのを確認した。
幼馴染は、別れ際も可愛らしく手を振っていた。
また、会うかもわからないが、こんな偶然も悪くはないなと思いを馳せる間はボスには与えられなかった。
すぐさまボスとの距離を詰める部下。
宇宙人は、その部下の動きを抑制しようと、能力を行使する。
「おいおいおいおい!!強すぎるだろ!!」
宇宙人は楽しそうに部下の抵抗力について感想を述べる。
明らかにこの世の色ではない極彩色が部下が近づくたびに発されていく。
「私の事も忘れないでよ。」
光の魔法少女も、ボスの方に一歩一歩近付く。
「こんな力を2人分も受けなきゃダメなのかい!?」
宇宙人は最高潮のテンションで叫ぶ。
こんなにも楽しんでいる宇宙人を前にして、なんだか自分も楽しくなってしまうボス。
「安心しろよ、宇宙人。俺が側にいてやるからさ。」
ボスが宇宙人にウィンクした瞬間、光の魔法少女と部下のエネルギーが最高潮に達し、ボスが気づいた時には辺りが真っ白に包み込まれた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる