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第4話 射殺
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部下との主従関係が決まった日、それは悪の組織のボスとなってから、あまり時間が経過していないある日のことだった。
その日も、彼の元に人質が運ばれてきた。
人質は色気のあるお姉さんだった。
いいですねぇ。とボスは思いながらも慎重に周りを確認した。
全ての項目を確認した後、ボスは人質の方に向き直った。
人質のお姉さんは、不思議と落ち着いていて、今までの人質とはどこか違った雰囲気を醸し出していた。
これは、ボスがいじめられたいと思うにふさわしい価値であった。
これまで通りボスは、全ての事情を話し、お姉さんの身の安全を確保する旨を伝えた。
すると、お姉さんはしばらく考えた素振りを見せた後、ツカツカとボスに近づいてきた。
わぁ。とボスが驚いたのも束の間、お姉さんはボスの耳元でこう囁いた。
「それじゃあ、私がいじめてあげよっか?」
お姉さんは好き物であった。
今まで千載一遇のチャンスを物にして成り上がったボスが、このチャンスを逃すはずがない。
ボスは二つ返事でよろしくお願いしますと言い、
そこからお姉さんによる"責め"が始まった。
心技体、全てが合わさった責めのコンビネーションにボスは夢中であった。
お姉さんのテクニックによって、もはやボスの感覚は消え去り、魂だけになってしまったようだった。
そして、その魂をけたたましく揺さぶる、その責め。
2人は、その場で溶け合うような濃密な時間を過ごしていた。
しかし、それが全ての引き金だった。
ボスはあろうことかあまりにも夢中になりすぎ、ノックの音を聞き逃していた。
ボスを正気に引き戻したのは、グラスの割れた音だった。
その音が聞こえた瞬間、ボスはまず見ている人間がいることを悟った。
そして、次の瞬間には、「見た人間」をこの世から抹消しなければいけないと考えた。
視線を素早く「見た人間」の方へ向け、同時に手を拳銃の方に伸ばす。
しかし、ここでボスは拳銃に向かう手を止めてしまった。
そこにいたのは、部下の女の子。
彼が孤児だった子どもを組織に引き抜き、ボスを実の親のように慕ってくれる部下の女の子だった。
この子にこんな姿を、という感情もあったが、手を止めた理由は別のところにあった。
殺意と興奮に溢れた彼女の目だ。
全ての色が消え去り、こちらをじっと見つめている。
ボスは石のように固まってしまったが、同時にこの目に屈したいと思ってしまった。
部下はそのまま自身の拳銃を掴んだ。
それをゆっくりと対象に向け、放った。
ボスの上にどさりと倒れ込むお姉さん。
息はしていない。
言ってくれればよかったのに...。部下はつまらなそうに言った。
そして、部下はボスに近づき、足でお姉さんだった物を退け、ボスにこう言った。
「ボス。これからは私がご主人様になってあげますから。もう、こんな事をしちゃダメですよ?」
「はい!!!!!」
ボスは冷静に叫んだ。
ここから、ボスと部下の関係は始まった。
「ワンワーン」
ボスはバカにじゃれつく。
「まったくもー。」
そう言いながらも嬉しそうに、部下はボスを撫でる。
少女はボスの部屋にあったナンバープレートを必死で解いている。
部下が部屋に入ってきてから、ゆうに3時間は経過していた。
犬の真似をしながらもボスは部下が遊び疲れて眠るまでの算段を立てていた。
各々の時間は続き、ボスが勝利を確信したその時、窓の外に光が見えた。
まずい、ボスは思った。
奴らが来る。
いくら計算高いボスでも、制御しきれないような未知数がやってくる。
その日も、彼の元に人質が運ばれてきた。
人質は色気のあるお姉さんだった。
いいですねぇ。とボスは思いながらも慎重に周りを確認した。
全ての項目を確認した後、ボスは人質の方に向き直った。
人質のお姉さんは、不思議と落ち着いていて、今までの人質とはどこか違った雰囲気を醸し出していた。
これは、ボスがいじめられたいと思うにふさわしい価値であった。
これまで通りボスは、全ての事情を話し、お姉さんの身の安全を確保する旨を伝えた。
すると、お姉さんはしばらく考えた素振りを見せた後、ツカツカとボスに近づいてきた。
わぁ。とボスが驚いたのも束の間、お姉さんはボスの耳元でこう囁いた。
「それじゃあ、私がいじめてあげよっか?」
お姉さんは好き物であった。
今まで千載一遇のチャンスを物にして成り上がったボスが、このチャンスを逃すはずがない。
ボスは二つ返事でよろしくお願いしますと言い、
そこからお姉さんによる"責め"が始まった。
心技体、全てが合わさった責めのコンビネーションにボスは夢中であった。
お姉さんのテクニックによって、もはやボスの感覚は消え去り、魂だけになってしまったようだった。
そして、その魂をけたたましく揺さぶる、その責め。
2人は、その場で溶け合うような濃密な時間を過ごしていた。
しかし、それが全ての引き金だった。
ボスはあろうことかあまりにも夢中になりすぎ、ノックの音を聞き逃していた。
ボスを正気に引き戻したのは、グラスの割れた音だった。
その音が聞こえた瞬間、ボスはまず見ている人間がいることを悟った。
そして、次の瞬間には、「見た人間」をこの世から抹消しなければいけないと考えた。
視線を素早く「見た人間」の方へ向け、同時に手を拳銃の方に伸ばす。
しかし、ここでボスは拳銃に向かう手を止めてしまった。
そこにいたのは、部下の女の子。
彼が孤児だった子どもを組織に引き抜き、ボスを実の親のように慕ってくれる部下の女の子だった。
この子にこんな姿を、という感情もあったが、手を止めた理由は別のところにあった。
殺意と興奮に溢れた彼女の目だ。
全ての色が消え去り、こちらをじっと見つめている。
ボスは石のように固まってしまったが、同時にこの目に屈したいと思ってしまった。
部下はそのまま自身の拳銃を掴んだ。
それをゆっくりと対象に向け、放った。
ボスの上にどさりと倒れ込むお姉さん。
息はしていない。
言ってくれればよかったのに...。部下はつまらなそうに言った。
そして、部下はボスに近づき、足でお姉さんだった物を退け、ボスにこう言った。
「ボス。これからは私がご主人様になってあげますから。もう、こんな事をしちゃダメですよ?」
「はい!!!!!」
ボスは冷静に叫んだ。
ここから、ボスと部下の関係は始まった。
「ワンワーン」
ボスはバカにじゃれつく。
「まったくもー。」
そう言いながらも嬉しそうに、部下はボスを撫でる。
少女はボスの部屋にあったナンバープレートを必死で解いている。
部下が部屋に入ってきてから、ゆうに3時間は経過していた。
犬の真似をしながらもボスは部下が遊び疲れて眠るまでの算段を立てていた。
各々の時間は続き、ボスが勝利を確信したその時、窓の外に光が見えた。
まずい、ボスは思った。
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