16 / 19
第16話 マッサージ
しおりを挟む
有はびしょびしょになってしまったパンツとズボンを明理に渡す。そして、その代わりに明理が生成したパンツとズボンを受け取る。明理は、有のズボンとパンツを綺麗に畳んだ後、ジップロックに入れてそれらを押収した。
有は、気絶している冬葉のポケットに、先に帰ります。という書き置きを残して屋上を後にする。歩きながらぐっと伸びをする有。この日は様々な出来事があり疲れが溜まっていた。
夕陽の差す帰り道を明理と歩く有。明理と話しながらも、どこか有の心のうちには寂しさのようなものがあった。
家に着くなり、ソファにどさりと倒れ込む有。ふわぁ~。と大きなあくびをする。そんな有の隣に座る明理。
「有くん。ここで寝ちゃダメだよ~。」
横になっている有の頭を愛おしそうに撫でる明理に有は、でも僕もう疲れちゃった。とうつ伏せの体勢を取る。どうしても立てない?そんな明理の問いを受けて、なんとか体を揺らして反応する有。明理の目の前で有のお尻が揺れる。バイソンを襲う肉食獣のような目になる明理。
「そ、それじゃあ、お姉ちゃんが有くんの疲れを取るためにマッサージしてあげよっか。」
明理はそう言うと、有の服を脱がせた。下着の状態になる有。ハァハァ、と息が荒くなり顔も好調していく明理。明理は魔術で本来、未成年に使用してはならないマッサージオイルを出す。そのオイルを惜しげもなく有の背中に垂らす。マッサージオイルの冷たさに反応する有。
「お姉ちゃん、冷たいよぉ。」
そんな有に、すぐ熱くなるから、大丈夫よ。と完全に据わった目で答える明理。様子のおかしい明理に有は不信感を抱いた。姉は自分に何かをしようとしている。大体、マッサージにオイルを使うなんてやりすぎている。だって、オイルを使用するマッサージなんて全部...。
有が思考する間に、明理は興奮した様子で有の背中をほぐし続ける。そして、有の体がびくんと跳ねた。突然の反応に驚くが、すぐさま舌舐めずりをする明理。完全に計算通りね。と時計を見る。
すると、次の瞬間、有の体は蒸気を発し、有の顔色がみるみる良くなっていく。有は、体中の筋肉が超回復を起こし、細胞に力がみなぎっていくのがわかった。
そんな有の様子に焦り出す明理。確かにマッサージの役割は回復である事は間違いないが、今回はそんな事を求めていない。
慌ててしまった自分の心を落ち着かせ、もう一度有の背中と対峙する。リンパに集中するんだ。そう自分に言い聞かせ、有の体を揉み込んでゆく。
今度は抜かりなく誘うような手つきでマッサージを行う。またもや、有の体がビクンと跳ねる。これこれ。と舌舐めずりをする明理。すると、有は上腕のみでソファから跳ね上がり、フローリングに直立する。目を丸くして驚く明理。
自身の肉体に触れる有。さっきまでの疲れが嘘のように吹き飛び、活力に溢れている。有は姉のマッサージに不信感を抱いた自分を恥じた。
「お姉ちゃん、ありがとう。」
そう言うと、普段の何倍も凛々しい表情になった有は次々と日課をこなしていく、夕食作り、洗濯、お風呂。夜の日課を明理と共に凄まじい勢いでこなす。
そして、お風呂で上がった体温が下がった頃、有は健全に眠気を感じる。ここまでサポートできるほど、明理のマッサージは完璧だった。
月が2人を照らす頃、有は明理の前で拳を掌に合わせてお辞儀をする。
「姉さん。感謝します。」
もはや別人のように彫りの深くなった有は、そのままベッドに入り、すやすやと寝息を立ててしまった。ポカンとする明理。とにかく有と一緒のベッドに入る。
自身のマッサージの腕を憎らしくも思ったが、可愛い弟の寝顔が見れるならそれでいいか。と有の頭を撫でる明理。有との1日を思い出しながら明理も眠りについた。
有は、気絶している冬葉のポケットに、先に帰ります。という書き置きを残して屋上を後にする。歩きながらぐっと伸びをする有。この日は様々な出来事があり疲れが溜まっていた。
夕陽の差す帰り道を明理と歩く有。明理と話しながらも、どこか有の心のうちには寂しさのようなものがあった。
家に着くなり、ソファにどさりと倒れ込む有。ふわぁ~。と大きなあくびをする。そんな有の隣に座る明理。
「有くん。ここで寝ちゃダメだよ~。」
横になっている有の頭を愛おしそうに撫でる明理に有は、でも僕もう疲れちゃった。とうつ伏せの体勢を取る。どうしても立てない?そんな明理の問いを受けて、なんとか体を揺らして反応する有。明理の目の前で有のお尻が揺れる。バイソンを襲う肉食獣のような目になる明理。
「そ、それじゃあ、お姉ちゃんが有くんの疲れを取るためにマッサージしてあげよっか。」
明理はそう言うと、有の服を脱がせた。下着の状態になる有。ハァハァ、と息が荒くなり顔も好調していく明理。明理は魔術で本来、未成年に使用してはならないマッサージオイルを出す。そのオイルを惜しげもなく有の背中に垂らす。マッサージオイルの冷たさに反応する有。
「お姉ちゃん、冷たいよぉ。」
そんな有に、すぐ熱くなるから、大丈夫よ。と完全に据わった目で答える明理。様子のおかしい明理に有は不信感を抱いた。姉は自分に何かをしようとしている。大体、マッサージにオイルを使うなんてやりすぎている。だって、オイルを使用するマッサージなんて全部...。
有が思考する間に、明理は興奮した様子で有の背中をほぐし続ける。そして、有の体がびくんと跳ねた。突然の反応に驚くが、すぐさま舌舐めずりをする明理。完全に計算通りね。と時計を見る。
すると、次の瞬間、有の体は蒸気を発し、有の顔色がみるみる良くなっていく。有は、体中の筋肉が超回復を起こし、細胞に力がみなぎっていくのがわかった。
そんな有の様子に焦り出す明理。確かにマッサージの役割は回復である事は間違いないが、今回はそんな事を求めていない。
慌ててしまった自分の心を落ち着かせ、もう一度有の背中と対峙する。リンパに集中するんだ。そう自分に言い聞かせ、有の体を揉み込んでゆく。
今度は抜かりなく誘うような手つきでマッサージを行う。またもや、有の体がビクンと跳ねる。これこれ。と舌舐めずりをする明理。すると、有は上腕のみでソファから跳ね上がり、フローリングに直立する。目を丸くして驚く明理。
自身の肉体に触れる有。さっきまでの疲れが嘘のように吹き飛び、活力に溢れている。有は姉のマッサージに不信感を抱いた自分を恥じた。
「お姉ちゃん、ありがとう。」
そう言うと、普段の何倍も凛々しい表情になった有は次々と日課をこなしていく、夕食作り、洗濯、お風呂。夜の日課を明理と共に凄まじい勢いでこなす。
そして、お風呂で上がった体温が下がった頃、有は健全に眠気を感じる。ここまでサポートできるほど、明理のマッサージは完璧だった。
月が2人を照らす頃、有は明理の前で拳を掌に合わせてお辞儀をする。
「姉さん。感謝します。」
もはや別人のように彫りの深くなった有は、そのままベッドに入り、すやすやと寝息を立ててしまった。ポカンとする明理。とにかく有と一緒のベッドに入る。
自身のマッサージの腕を憎らしくも思ったが、可愛い弟の寝顔が見れるならそれでいいか。と有の頭を撫でる明理。有との1日を思い出しながら明理も眠りについた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
見知らぬ男に監禁されています
月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。
――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。
メリバ風味のバッドエンドです。
2023.3.31 ifストーリー追加
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる