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1章 忘却して、目覚めて、そこは
4話 記憶喪失
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「正式に探索者となられた以上、あなたには規約を遵守していただく事になります」
唯一の希望であるエミリアさんから遠回しにダンジョン進められた以上、他に選択肢は有って無いようなものである。
免許証の発行は既に終わっているためダンジョンに潜る資格はあるものの、伝えなければいけない事が数点あるらしく俺たちは受付へと戻っていた。もちろん俺は外でエミリアさんは内側だ。
「規約……ですか」
「そうです。例外はありますが、基本的に我々人類の目標は魂の昇華<レベルアップ>であり、神に至る事です。……ここで問題です。探索者は魔物を倒す事でレベルアップをする事が出来ますが、私たちギルドの職員のような、非戦闘員はどうやってレベルアップをするでしょう」
非戦闘員のレベルアップ……? ゲームと混同するのはよくないと思うが、やはり思い付くのは一つしかない。
「パーティーを組んで、経験値の共有とかですか?」
「思ったほど馬鹿ではありませんね。しかし少し違います。……非戦闘員はその行いが神に評価され、レベルアップする事が出来ます。つまり私の場合、担当する探索者が活躍をすればするほど、経験値が得られるようになっています」
「つまり……」
「そう。あなたが私に対して遵守しなければならない規約とは、魂を磨く事。可能な限りダンジョンに潜り、レベルアップを果たす事です」
なるほど。だからエミリアさんはここまで丁寧に説明をしてくれているのか。俺はロストした未熟者ではあるが、少なくともロストしてしまうような敵が居る階層までは潜っていた事になるのだから、完全に駆け出しの人間よりも期待は出来る。
恐らく今の俺はただのレベル1の人間だが、少なくとも探索者の素養はある……と考えられる。
「言っていませんでしたが、ロストした人間の記憶はレベルが上がれば戻ります。大半はダンジョンに吸収されて戻って来る事はありませんが、それでもあなたがレベル2になった時、一般的なレベル2の人間よりも強い事は確かです」
「……そう、ですか」
記憶が完全に戻らないのは少しショックだが、それでも何故俺がここに居るのか。その一端は知る事が出来る。せめて自分が何者かくらいは知っておきたいところだ。
「まあそこまで気負わないで下さい。あくまでも約束事で、あなた個人の行動を強制させる権利はありません。互いの利となるように頑張りましょう、程度のものですから」
「はあ……それならまあ、ほどほどに頑張ってみます」
「ありがとうございます。もしかしたら気付かれているかも知れませんが、わざわざロストの相手をさせられる私のレベルはかなり低いです。ですので数少ない私の担当探索者として、期待していますよ?」
そう言うとエミリアさんは微笑み、軽くウィンクした。
……ずるいな。今まで面倒くさそうに接していたくせに、こういう時に限って笑顔をみせるなんて……未だに現状を把握しているとは言い難い俺でも、頑張ろうって気になってしまう。
ただ、今はまだエミリアさんはレベルが低い……つまり新人でも、きっとすぐにレベルアップを果たすだろう。可愛いし、何よりもこんな俺にも最後まで付き合ってくれたのだ。人気爆発まで秒読み、ってところか。
「……ロストしない程度には、頑張ります」
結局俺にはそう言うしかなかった。
「あ、忘れるところでした。こちらの免許証はダンジョンに潜る際に、入り口付近に居る職員に提示する必要があります」
はい、と渡された免許証を受け取る。そしてそこに書かれている俺の情報に、思わず絶句する。
名前:ソータ・ナナセ
出身:日本
Lv:1
攻撃:9
耐久:7
俊敏:10
知識:27
階層:0
担当:エミリア・バイルシュミット
え……平均値が分からないから何とも言えないが、確実に低い事は分かった。あと一応刀を持っているのに、何で知識の方が高いのだろうか。魔法使いになれと?
「ちなみに平均は、一般成人男性で10です。エルフだと俊敏や知識がまだ高かったりしますが、人間は10ですね」
「えーと……魔法使いの素養があるって事ですか?」
「いえ、魔法使いとして一人でダンジョンに潜るには、最低でも50は無いと厳しいです。ソータさんは何とも中途半端な数値ですね」
「ぐは」
心無い言葉が心に突き刺さる。この人は血も涙も無い鬼なのか?
こんな事なら何も知らなければ良かった。
「大丈夫ですよ、きっと。先ほども言いましたが、レベルが2になってからが本番です!」
何とか励まそうとしてくれているのが痛いほど伝わって来る。一般成人男性という事は、探索者の値はまだ上なのだろう。……本当に俺でもやっていけるのだろうか不安になってきた。
「あのー、路銀確保のために今からダンジョンに潜ろうかなって思ったんですけど、俺のレベルでも大丈夫なんですか……?」
せめて今日の宿と飯代くらいは稼ぎたいのだが、ロストしてしまったら話にならない。一度のロストであれだけ笑われたのに、二度目となればどうなる事やら。少なくともエミリアさんは面倒を見てくれないだろうし、他の職員も担当してくれないかも知れない。最悪、記憶をなくしたまま捨てられ、過去の記憶に縋ったまま野垂れ死ぬ……何て事も考えられる。
一応ロストしても免許証は残るらしいから、ダンジョンに潜る事は可能だけど、その知識も失われるのだからどうしようも無い。それとも、ダンジョン内で得た知識じゃないから残るのだろうか? だけどそれなら俺のこの現状を説明出来ないし、そんな危険な賭けには出たくない。
だが俺のそんな考えは杞憂に過ぎず、エミリアさんはけろりとした表情を浮かべ、口を開いた。
「恐らく問題ないと思われます。推奨階層はレベルに5を足した数字ですので、ソータさんのレベルでも十分に戦えるでしょう。それに、5層からは少し難易度が上がりますが、4層までなら子供でもお小遣い稼ぎくらい出来ますので、安心して下さって結構です」
「あ、そんなもんなんですね」
安堵する。どうやら俺のステータスでも十分通用するようだ。5層から難易度が変わるみたいだし、その直前の階まででテキトーに路銀稼ぎでもしますか!
「じゃあお腹が空いて動けなくなる前に、ダンジョンに潜ってみますね」
「分かりました、と言いたいところですが、帰還魔法を覚えずに行く気なんですか?」
「帰還魔法?」
帰還する魔法……生きてダンジョンから帰還さえすれば、どんな傷も病気も地上に戻り次第即座に回復するって言ってたし、つまりはそう言うわけだ。死にかけでもこれを唱えれば即座に全快。だから基本的にロストする人間は居ない。
……つまり、俺でも大丈夫というのはこの帰還魔法ありきの話で、危うく俺は同じ道を辿るところだったわけか。
「ああ、魔法の存在自体を忘れていたんでしたね……ロストって言うより、記憶喪失に近いんじゃないのでしょうか?」
「……否定出来ないですね」
免許証に出身が日本と書いてあったからには、俺はよくあるアニメのように異世界ここへと召還されたのだろう。しかしそんな事を言ってもどうせ信じてもらえない……というのがお約束なはずだ。そうだと知ってわざわざ言う必要は無い。
「死亡のショックで記憶が飛んでしまったと考えれば、確かに今までの辻褄は合いますね。……免許証が無い事を除けば」
じろり、とこちらを睨め付けるエミリアさん。上手く記憶喪失で通せれば、何て思ったがそんなに甘くは無いらしい。何とかこの疑いが解ければいいのだが、取り敢えずはこのままで行くしかない。
唯一の希望であるエミリアさんから遠回しにダンジョン進められた以上、他に選択肢は有って無いようなものである。
免許証の発行は既に終わっているためダンジョンに潜る資格はあるものの、伝えなければいけない事が数点あるらしく俺たちは受付へと戻っていた。もちろん俺は外でエミリアさんは内側だ。
「規約……ですか」
「そうです。例外はありますが、基本的に我々人類の目標は魂の昇華<レベルアップ>であり、神に至る事です。……ここで問題です。探索者は魔物を倒す事でレベルアップをする事が出来ますが、私たちギルドの職員のような、非戦闘員はどうやってレベルアップをするでしょう」
非戦闘員のレベルアップ……? ゲームと混同するのはよくないと思うが、やはり思い付くのは一つしかない。
「パーティーを組んで、経験値の共有とかですか?」
「思ったほど馬鹿ではありませんね。しかし少し違います。……非戦闘員はその行いが神に評価され、レベルアップする事が出来ます。つまり私の場合、担当する探索者が活躍をすればするほど、経験値が得られるようになっています」
「つまり……」
「そう。あなたが私に対して遵守しなければならない規約とは、魂を磨く事。可能な限りダンジョンに潜り、レベルアップを果たす事です」
なるほど。だからエミリアさんはここまで丁寧に説明をしてくれているのか。俺はロストした未熟者ではあるが、少なくともロストしてしまうような敵が居る階層までは潜っていた事になるのだから、完全に駆け出しの人間よりも期待は出来る。
恐らく今の俺はただのレベル1の人間だが、少なくとも探索者の素養はある……と考えられる。
「言っていませんでしたが、ロストした人間の記憶はレベルが上がれば戻ります。大半はダンジョンに吸収されて戻って来る事はありませんが、それでもあなたがレベル2になった時、一般的なレベル2の人間よりも強い事は確かです」
「……そう、ですか」
記憶が完全に戻らないのは少しショックだが、それでも何故俺がここに居るのか。その一端は知る事が出来る。せめて自分が何者かくらいは知っておきたいところだ。
「まあそこまで気負わないで下さい。あくまでも約束事で、あなた個人の行動を強制させる権利はありません。互いの利となるように頑張りましょう、程度のものですから」
「はあ……それならまあ、ほどほどに頑張ってみます」
「ありがとうございます。もしかしたら気付かれているかも知れませんが、わざわざロストの相手をさせられる私のレベルはかなり低いです。ですので数少ない私の担当探索者として、期待していますよ?」
そう言うとエミリアさんは微笑み、軽くウィンクした。
……ずるいな。今まで面倒くさそうに接していたくせに、こういう時に限って笑顔をみせるなんて……未だに現状を把握しているとは言い難い俺でも、頑張ろうって気になってしまう。
ただ、今はまだエミリアさんはレベルが低い……つまり新人でも、きっとすぐにレベルアップを果たすだろう。可愛いし、何よりもこんな俺にも最後まで付き合ってくれたのだ。人気爆発まで秒読み、ってところか。
「……ロストしない程度には、頑張ります」
結局俺にはそう言うしかなかった。
「あ、忘れるところでした。こちらの免許証はダンジョンに潜る際に、入り口付近に居る職員に提示する必要があります」
はい、と渡された免許証を受け取る。そしてそこに書かれている俺の情報に、思わず絶句する。
名前:ソータ・ナナセ
出身:日本
Lv:1
攻撃:9
耐久:7
俊敏:10
知識:27
階層:0
担当:エミリア・バイルシュミット
え……平均値が分からないから何とも言えないが、確実に低い事は分かった。あと一応刀を持っているのに、何で知識の方が高いのだろうか。魔法使いになれと?
「ちなみに平均は、一般成人男性で10です。エルフだと俊敏や知識がまだ高かったりしますが、人間は10ですね」
「えーと……魔法使いの素養があるって事ですか?」
「いえ、魔法使いとして一人でダンジョンに潜るには、最低でも50は無いと厳しいです。ソータさんは何とも中途半端な数値ですね」
「ぐは」
心無い言葉が心に突き刺さる。この人は血も涙も無い鬼なのか?
こんな事なら何も知らなければ良かった。
「大丈夫ですよ、きっと。先ほども言いましたが、レベルが2になってからが本番です!」
何とか励まそうとしてくれているのが痛いほど伝わって来る。一般成人男性という事は、探索者の値はまだ上なのだろう。……本当に俺でもやっていけるのだろうか不安になってきた。
「あのー、路銀確保のために今からダンジョンに潜ろうかなって思ったんですけど、俺のレベルでも大丈夫なんですか……?」
せめて今日の宿と飯代くらいは稼ぎたいのだが、ロストしてしまったら話にならない。一度のロストであれだけ笑われたのに、二度目となればどうなる事やら。少なくともエミリアさんは面倒を見てくれないだろうし、他の職員も担当してくれないかも知れない。最悪、記憶をなくしたまま捨てられ、過去の記憶に縋ったまま野垂れ死ぬ……何て事も考えられる。
一応ロストしても免許証は残るらしいから、ダンジョンに潜る事は可能だけど、その知識も失われるのだからどうしようも無い。それとも、ダンジョン内で得た知識じゃないから残るのだろうか? だけどそれなら俺のこの現状を説明出来ないし、そんな危険な賭けには出たくない。
だが俺のそんな考えは杞憂に過ぎず、エミリアさんはけろりとした表情を浮かべ、口を開いた。
「恐らく問題ないと思われます。推奨階層はレベルに5を足した数字ですので、ソータさんのレベルでも十分に戦えるでしょう。それに、5層からは少し難易度が上がりますが、4層までなら子供でもお小遣い稼ぎくらい出来ますので、安心して下さって結構です」
「あ、そんなもんなんですね」
安堵する。どうやら俺のステータスでも十分通用するようだ。5層から難易度が変わるみたいだし、その直前の階まででテキトーに路銀稼ぎでもしますか!
「じゃあお腹が空いて動けなくなる前に、ダンジョンに潜ってみますね」
「分かりました、と言いたいところですが、帰還魔法を覚えずに行く気なんですか?」
「帰還魔法?」
帰還する魔法……生きてダンジョンから帰還さえすれば、どんな傷も病気も地上に戻り次第即座に回復するって言ってたし、つまりはそう言うわけだ。死にかけでもこれを唱えれば即座に全快。だから基本的にロストする人間は居ない。
……つまり、俺でも大丈夫というのはこの帰還魔法ありきの話で、危うく俺は同じ道を辿るところだったわけか。
「ああ、魔法の存在自体を忘れていたんでしたね……ロストって言うより、記憶喪失に近いんじゃないのでしょうか?」
「……否定出来ないですね」
免許証に出身が日本と書いてあったからには、俺はよくあるアニメのように異世界ここへと召還されたのだろう。しかしそんな事を言ってもどうせ信じてもらえない……というのがお約束なはずだ。そうだと知ってわざわざ言う必要は無い。
「死亡のショックで記憶が飛んでしまったと考えれば、確かに今までの辻褄は合いますね。……免許証が無い事を除けば」
じろり、とこちらを睨め付けるエミリアさん。上手く記憶喪失で通せれば、何て思ったがそんなに甘くは無いらしい。何とかこの疑いが解ければいいのだが、取り敢えずはこのままで行くしかない。
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