太陽の剣士さん~ライファンの冒険

緑川らあず

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6.出発

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  ライファンは、あの夜の後もとくに変わらず、普段通りにレアリーに話しかけた。不自然に照れたり、口ごもったり、顔を赤くしたりするのは、だいたいがレアリーの方だった。
 彼女の方は、あれ以来、稽古の最中でもときどきぼんやりしたり、騎士たちの間でライファンの姿を見つけるとあわてて顔をそむけたりすることもあった。また、剣を振りながらなんとなく彼の姿を探したり、また目が合うとあわててそむけたりと、奇妙に落ちつかぬ様子だった。
  それでも、ライファンの方はいたって普通にレアリーに接し、相変わらずにこにこと屈託のない様子で、彼女をつかまえて剣の手合わせを頼んだりもした。変わらぬ彼の様子に、レアリーは内心では少しばかりふくれたものだったが、十日もたつころには、二人はまたもとのように自然に会話して、笑い、剣の試合をするようになっていた。
  ライファンはすこしばかり以前より元気に見えた。王女の見合い話が騎士隊の中でも噂になると、複雑な顔をすることもあったが、それでもおおむね彼は穏やかで、笑顔をたやすことなく楽しそうに騎士の稽古に励んでいた。
  レアリーの方は、ときどきはあの夜のことを思い返したように、ライファンの前で赤面したり、照れて視線をはずすこともあったが、しかし以前よりは、彼に対してやたらと突っかかったり、怒ったりすることはなくなっていた。稽古の後で、二人は楽しそうに話をしながら庭園を歩いたし、剣の試合では、相手を正面に見ながら、何かが通じ合っているかのように、はつらつとした動きで互いに剣を合わせた。
  そうして、祭りの夜からひと月がたったある日、
  ライファンは、朝稽古の後で隊長に呼ばれた。
「今日はこれより、宮廷会議が開かれる。ライファンお前もそれに出るんだ」
「え?僕が、ですか」
「そうだ。これは王女様よりのご下命だぞ」
「王女様の……」
  王女、という言葉にライファンの胸がうずいた。あの祭りの後以来、彼は王女とはほとんど顔を合わせていなかった。彼がいつもの中庭で剣を振っているときも、王女は一度も会いには来なかった。またライファンの方もあの誕生祝いの華やかな王女の姿を見てから、なんとなく自分から王宮に会いに行くこともできず、ただ何度か回廊を横切る王女の姿を目にするだけだった。
「では、のちほどまた」
「わかりました」
 隊長にうなずくと、少し離れたところから、こちらを見ていたレアリーに気づいて、ライファンは笑いかけた。
  六月。王女クシュルカ姫の見合いはこの月に行われる。
 王城の会議室には、円卓を囲んで、大臣や、侍従長、騎士隊長が座っていた。上座には国王のケンディス二世、その隣に、クシュルカ王女の姿もあった。
「そうですな。それでは念のために護衛騎士を六名付けるということで」
「うむ。バルサゴ王国を刺激せん程度の人数ですな」
 扉が開いて入ってきたライファンに、王女はちらりと顔を向けた。彼は軽く王女に会釈して、そのまま扉の前に立っていた。
「それにしても、急ですな。お話があってから二ヵ月でもう見合いをしたいというのは」
「まったくだ。ところでサコース王子とはどのような男なのじゃ?」
  銀の略王冠に、緋色のマントを肩に掛けた国王ケンディス二世は、あまりこの見合いには気が進まないとばかりに、たくわえたあごひげをいじりながら大臣に尋ねた、
「は、私も実際にお目に掛かったことはございませんが。……しかしあまりよい噂は聞きませんな。バルサゴ王国から戻ってきた商人の話では、国内では絶大な人気があり、肖像画を見るかぎり非常に美男子の偉丈夫という印象らしいですが、国政や外交にはとかく厳しいやり方をするようで」
「ふむ。気に入らんな……」
  国王は娘である王女の方をちらりと見た。
「しかし、バルサゴ王国の力は大きく、かの国と友好関係を保てないでは安心して砂漠も通行できんからのう」
「御意」
  大臣たちが頭を下げる。
「王女よ。そういうわけだ。本来なら国内にてそなたの婿をもらい、そなたには王妃としてこの国を継いでもらいたいのだが。しかしむろん、これはただの見合いなのだから、会うだけ会って断るのもよし。ただ、見合いそのものまでも断るのは難しいのでな。すまぬが行ってくれるか」
「承知しておりますわ。お父様。いえ、国王陛下。私もこの国の王家の娘としての責務は果たすつもりでおります。この国のため、アダラーマの平和のために、私がお役にたてるのであれば喜んでまいりましょう」
  王女はそうよどみなく答えた。
「うむ。そなたがそういってくれてわしも嬉しい。お前は出来た娘よ。王女としてもな。バルサゴの小僧っこなどにやるのは勿体ないわい」
  そういって王は笑った。
「さて、それで……そちらの者か。騎士隊一の腕前と聞く」
  扉の前に立つ少年に目を向け、
「ライファンと申したな」
「はい」
  ライファンは臆する様子もなく、王の前に進み出てひざまずいた。
「顔を上げよ」
「はい」
  空の色をしたライファンの瞳を、王は覗き込むように見た。
「……なるほど。よい面構えをしておる。クシュルカ」
「はい。お父様」
「これがお前の申した騎士か。聞けばお前が町で見つけてきたとか」
「はい。このライファンは、この宮廷にて騎士として立派に暮らしております」
  その声が多少弾んでいるのを、父である国王は聞き逃さなかった。
  王は大きくうなずき、
「侍従長はどうか」
「は。私の聞きますところによると、こちらの騎士ライファンは、騎士隊の中でも最も優れた剣の使い手で、馬に乗らせてもよく、性格も温厚にして沈着と、騎士隊長ラガルドも太鼓判を押してございます」
「なるほど」
  王はまたうなずいて、面白そうにライファンを見た。
「ライファンとやら。お前はそれほどに剣が達者なのか?」
「いいえ。それほどでもないと思いますが」
  王に対する話し方など知らないライファンは、普段のようになんの緊張もない声で答えた。
「砂漠を旅して、見知らぬ国まで護衛として赴くことは恐ろしいか?」
「いえ。とくには。砂漠は嫌いではないです。それに他の国も楽しそうです」
  にこにこと答えるライファンを、王は探るように目をそばめて観察した。
「面白い奴だ。まだ子供のような顔をして。……しかし気に入った」
「よかろう、この騎士ライファンを王女一行の護衛役につける。異存はないな」
  王女の顔がぱっと輝いた。
  こうしてライファンは、王女クシュルカとともにバルサゴ王国へ向かうこととなった。
  
 十数頭のラダックが列をなして、これから宮廷の門を出ようとしていた。
  ラダックの背にはそれぞれ護衛の騎士たちが乗り、王女の世話役をつとめる女官たちを乗せた籠をひく。それに伴う従者たちは荷物を積んだラダックを徒歩で引き、騎士たちの使う武器や食料を運んでゆく。
  ラダックは二本足で歩行する動物で、その大きな足から砂漠や丘陵地帯においての物資や人の運行に適している。このシンフォニア大陸においては馬と同様に多く使用され、生活の一部となっている動物だ。
  隊列をしてゆくラダックには、相手国への献上品をたっぷりと積んだものや、砂漠の旅に不可欠な大量の水壺を乗せたものもあった。王女の見合いとともに、色とりどりの敷物や、金銀細工、宝石などがバルサゴ王国の宮廷に贈られる。当然旅にはそれらの宝物や王女を狙う盗賊の危険もあり、隊列の前後には武装した六名の騎士が護衛につく。
  王女が乗るのは周りを四頭のラダックに支えられた立派な籠であった。日差しを避ける天蓋のついた豪華な籠にはビロードが張られた窓があり、淡い緑色のドレスに大きな日除け帽子をかぶった王女の姿がそこにあった。
  城門の両側で見送る騎士たちは、王女の籠の横をゆくラダックにライファンの姿を見つけると、皆手を振って声を掛けた。仲間の姿を見つけたのかライファンもこちらに手を振り返す。
  これから宮廷の門を出てゆく一行を、レアリーは騎士たちのあいだでじっと見守っていた。
「どうした?心配か?」
  そばにいた隊長が声をかけてきた。
「いいえ。大丈夫です。あいつならちゃんと王女様をお守りするでしょう」
「いや、そうじゃなくて。ライファンの方が心配なのではないかな、と」
「な……」
  レアリーは真っ赤になった。
「なに言ってんです。あいつの何を心配するっていうんですか。まったくもう……。別に私はあいつが王女様とどうなろうとも……」
「いや、そこまでは言ってないんだが」
  にやにやとする隊長。レアリーは口を引き結んだ。
「さ、さあ……稽古の時間です。さあさあ」
  そういって女騎士は一人さっさと戻ってゆく。最後にちらと門を抜けるライファンのラダックにに目をやって。
  空は雲一つなく晴れ渡り、砂漠を渡る一行は順調に進んでいった。
  アダラーマ王国から西に砂漠を渡り、渓谷を一つ越えたところがバルサゴ王国の入り口である。バルサゴは古くからアダラーマ王国との友好関係にある。地形的にも内陸の山岳に面したこの国は、かつての戦乱期においても他国から狙われることもなく、静謐な時間を過ごしてきた。アダラーマ王国とは交易も行われているものの、砂漠を越えて行き来する商隊の数はそれほど多くはなく、やってくるのは小さな商隊が年に数度ほど。したがってアダラーマの人々からすると、バルサゴ王国に対しては「謎めいた古国」というイメージが強い。また、そこからやってくる商人もどこか怪しげで、来たと思ったらいつの間にかいなくなっているというのも、最近では人々の噂の種になっている。
  今回の王女の見合いについても、市民たちは表面的には何も言わないが、密かに祝福しきれぬ部分があったり、中には見合い話が決裂することを願う者すらいた。それは逆を返せば、それだけ人々にとってはクシュルカ姫こそが王国の希望であり、いずれはこの国を統治していってほしいという願いが秘められているということでもあった。
  また国王ケンディス二世にとってもそれは同じであった。ただこれは先方のサコース王子からじきじきの指名であるし、長年の友国であるバルサゴ王国を無下に怒らせることもできない。仕方なく姫を行かせることになったが、その腹のうちは国民同様密かに破談になることを願ってさえいたのかもしれない。
  さて一方の、王女自身の気持ちはどうであろう。十六歳の誕生日を迎えて早々に他国の王子との見合いを言い渡され、砂漠を越えてまでの長旅を強いられることに。クシュルカ王女は何も言わない。
  ラダックのひく籠は、ただ粛々と進んでゆく。
  出立のとき以来、王女は全く窓から顔を出さなかった。もちろん日差しの強い砂漠の太陽にあたることを恐れてでもあろうが、籠の中は静まりかえり、同乗する二人の女官がときおり従者から水瓶を受け取る以外はひそとも声がしない。
  ライファンは、そんな王女の乗った籠に寄り添うようにしてついていった。ラダックの手綱を取る手も実に慣れたもの。他のベテラン騎士たちになんの遜色もない。彼自身それまでラダックに乗った経験はないはずだったが、いざ乗ってみるとむしろ馬よりも従順で操りやすかった。出立前の数日の練習のみで、彼はほぼ完璧に手綱さばきを覚えていた。かえって籠をひく速度に合わせてゆっくりと進むのに苦労したほどだ。
  ライファンはどこか楽しそうだった。旅の間うきうきとしながら四方の広大な砂漠を眺めたり、降り注ぐ日差しをものともせず真っ青な空を見上げたりしながら、彼は時折隊の周りをぐるりと回り、異常がないかの確認を軽やかに行った。
  彼にとってみれば、この旅は王女の護衛であると同時に知らない土地への冒険のような心境なのだった。檻に入れられ、奴隷として売られていたころには考えもつかなかった自由だ。見渡すかぎりの白い砂漠と地平線。雲一つないどこまでも続いてゆく空が、彼に果てし無い世界への憧憬を与えていた。
  王女の見合いという話を聞いたときには、ひどく寂しいような、悲しいような気持ちになったものだが、それは彼にはどうしようもない。そうした王女への相反する複雑な思いもまだ残ってはいたが、この目の前に広がる巨大な世界、空と砂漠のなかをゆく小さな自分の存在。この広い世界を前にした沸き立つような渇望は、若い彼にとって一時の悩みなどはどこかへ吹き飛んでしまうほどのものだった。
  時に護衛役の他の騎士のラダックが近くに寄ってきて、日除けもなしで空を見上げている彼を見て、あまり日に当たると熱射病になるぞと脅したり、そんなに砂漠が珍しいのかと笑ったりした。しかしライファンはいっこうに強烈な砂漠の日差しに参ることもなく、それどころか相変わらずにこにことして楽しそうに太陽を全身に浴びるのだった。
  他の騎士たちが驚いたことに、ライファンはこの熱砂の旅においてほとんど水も口にせず、日除けをかぶることもせずに過ごしつづけた。空を見上げ、陽光を浴びるほどに彼は元気になりさえするようだった。彼の腰に光る愛用の大剣も、太陽をいっぱいに吸い込んで輝いていた。

  王女の一行は昼過ぎにオアシスの町で休息をとった。
 ここからは徐々に岩場や灌木が増え、砂漠地帯もあと少しで終わる。オアシスで水の補給をし、バルサゴ王国への案内人を雇って、一行は西を目指した。
  旅はまったく順調だった。一度だけ大きな岩場の影から現れた盗賊らしき輩が襲ってきたが、訓練された騎士たちの敵ではなくそれをあっさりと打ち倒した。盗賊は逃げていった。ライファンは相手を斬るまでもなくラダックの上から数人を叩きのめした。王女は籠ごしに「ご苦労様でした」と礼をいった。顔も見せず、まるで他人行儀な王女の言葉にライファンはがっかりしたが、それも他の騎士や侍女たちがいるからだと思うことにした。 
  隊列はそれ以上は何の妨害にも出会うことなく、夕暮れ前には砂漠を抜け、丘陵地帯に差しかかっていた。
(もう少し砂漠が続いてもいいのにな)とライファンは思ったが、他の騎士たち従者たちはほっとしたように額の汗をぬぐい、休憩の間にがぶがぶと水を飲んでいた。
  一行は出発した、今夜のうちにバルサゴ王国の国境の町ノークトにたどり着かなくてはならない。砂漠を越えると道はごつごつした岩場となり、丘陵を登ってゆくかっこうになる。ラダックは馬よりもさらに健脚であるから人が半日かかる岩場でもあっと言う間に踏破できる。すいすいと勾配を上り、一行は日が落ちる前に渓谷を渡る橋の前までたどり着いた。この先にある谷にかかる橋を渡れば、国境の町ノークトであった。
   辺りは岩山に覆われ、目の前に大きく口を開ける渓谷は黒々として底が見えない。
  ここからはラダックを降りて、徒歩で橋を渡らなくてはならない。橋が狭いのだ。
  まず案内人が一人で橋を渡り、谷の向こう岸まで行って橋の安全を確かめた。案内人の手が上がると、騎士を先頭に数人づつ橋を渡りはじめる。
「さ、王女様。お早く」
「ええ……」
  籠から降りた王女は恐ろしそうに谷を見下ろし、女官に支えられながら橋の欄干に近づいた。
「ライファン、私の前を歩いて。お願い」
「はい」
  女官の後につこうとしていたライファンは、王女の前に進み出た。その背中に王女がぴったりと体を寄せる。
「では渡ります」
  背中に王女のぬくもりを感じつつ、ライファンはどきどきしながら橋を渡った。両側は狭い。渓谷に風が吹くたび吊り橋のロープが揺れ、足元の板がかがたがたと鳴る。王女は恐ろしそうに目を閉じ、ライファンの背中を頼りに橋を渡っていった。
  橋の真ん中あたりにきたとき、ライファンは不意に奇妙な気配を感じた。
(なんだろう?……)
  谷から吹き上がる風がひゅうひゅうと不気味な音を立てる。冷たく頬を撫でるのは、たしかに風だけのはずだが。
(おかしいな……)
  ライファンは眉をひそめた。しかし何がおかしいのかは説明ができない。首の後ろがそそけ立つような、遠く耳鳴りが聞こえるような、そんなただ感覚的なものだ。
(王女様……)
  肩越しに見ると、王女は恐怖のためかライファンの胴に手を回し、目をつぶっている。
(僕が守ります。なにがあっても……)
 己を奮い立たせるように、ライファンは唇を結んだ。
 橋を渡りおえる頃には、さっきまで感じたいやな気配はいつのまにか消えていた。それとなく他の騎士たちに聞いてみたが、誰も特に異常は感じなかったという。
(さっきのは、なんだったんだろう)
  自分の剣に手をおいてみる。砂漠でたくさん太陽を浴びたせいか、鞘を通して温かさを感じる。この愛剣だけが頼りである気がした。
  橋を渡りおえた一行が出発しようとすると、
「待ってください」
 ライファンが申し出た。騎士たちや王女が見る前で、彼ははたった今渡ってきた橋を一人で引き返していった。そして従者に預けてきたラダックのうち、もっとも小さなものを連れて狭い橋を渡ってきた。
  ぎしぎしといやな音を立てる橋桁ときしむロープをものともせず、ライファンはこちら側に一頭のラダックを連れてくると、橋の側にある大木につないだ。
「どういうことだ?」
  今回の一行の隊長役を務める騎士が尋ねると、ライファンはにこりとして、「いえ。念のためです」と答えた。
  桶に水を入れてやり、ラダックの前に置く。この動物は数日間何も食べずとも水だけで過ごせるのだ。嬉しそうに水を飲むラダックを撫でてから、ライファンは顔を上げた。
「では行きましょう」
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