太陽の剣士さん~ライファンの冒険

緑川らあず

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4.五月祭

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 ・・・・・・
「殿下」
  闇のなかで声がした。
  まったく動くものもない、静寂と濃密な漆黒のなか。
  空気さえもつめたく、血の通った生命の気配すらない、真の暗黒。
「殿下」
  再び声がした。
  今度はいらえがあった。
  ぐるるる、という喉を震わすような響きが、少しずつ大きくなる。
  そしてしだいにそれは人の声のような響きに変わっていった。
「……。……どう……した」
  抑揚のない、無機質な声だった。
  闇のなかでゆっくりと起き上がったそれは
「お気づきかと思われますが、殿下。波動が大きくなっております」
「そうだな」
  ぎろりと目が開いた。
「この一年ほど、気をつけて観察しておりましたが、この波動……。間違いはございませぬ」
「うむ。確かに……。我も眠りのなかで幾たびも感じたわ。……いまいましい光を」
  ぐるるる、という唸り声がそれの口から漏れる。
  闇のなか、人の形をしていた影が一瞬不気味な変貌をとげた。影の背中から大きな翼のような影がのび、その首のあたりからごつごつとした長いものが天に向かって突き出していた。
「殿下。お姿が……」
「ああ……。すまぬな。……気をつけていないとすぐに元に戻ってしまう」
  ぐぐぐ、という音が響いた。それは笑い声のようにも聞こえた。
「それで、いかがいたしましょうか」
「知れたこと。かねての計画を進めよ」
「と、申されますと。アダラーマ王国の……」
「うむ。実行はそなたに任せる。なんとしても、太陽神のかけらを手に入れよ。あの王女はその手段にはなるだろう」
「は。ではさっそく」
「我は眠る。……力をたくわえてな……」
  影はうずくまるように姿を消した。不気味な唸声をのこして。
  闇は、再び静寂に包まれた。
 ・・・・
                             
「ああ……、今日も勝てなかった!」
  女騎士レアリーは悔しそうにひざをつき、がっくりとうなだれた。
  騎士隊の稽古場である庭園の広場に、新緑がまぶしい季節がめぐってきた。
  咲き始めた色とりどりの花々が、庭園のポーチや回廊の円柱の周囲を彩る。この宮廷の美しさは、ライファンにとっても他の騎士たちにとっても、それはうきうきと心踊るものだったにちがいない。
「お疲れさま」
  いつものように、にこにこしながら疲れた様子も見せず、ライファンが言った。しゃがみこんだレアリーに手を差し出す。
  女騎士はその手を取りながら、相手を見上げた。
「あんた……、また強くなってる」
「そうかな?」
  ライファンは頭をかいた。
「そうよ」
  恒例の二人の試合も終わり、他の騎士たちはわらわらと稽古のかたずけを始めていた。
「あたしもけっこう強くなったつもりなのに……」
  兜を脱いで汗をぬぐい、乱れた黒髪かき上げて、女騎士は相手をじっと見た。
  この一年で、ライファンはすっかり逞しく成長していた。
  以前の少年めいた面影はそのままに、ほっそりとしていた体格は厳しい稽古と鍛練により、今では「すらりとしたしなやかな体つき」という形容が似合うようになっていた。腕や足にはしっかりと筋肉がつき、もはや愛用の大剣を振る姿は、まぎれもなく剣士そのものだった。
「あたしが強くなっても、またあんたも強くなる。……これじゃいつまでたっても勝てやしないわ。まったく」  
 まんざら悔しいだけでもないというような様子で、彼女はため息をついた。
「はあ。すみません」
「なにあやまってんの」
  少年の性格にはすっかり慣れていたので、いまさら腹を立てることもなく、ふっと笑う。そうすると気の強いキツネのような女騎士の顔が、とても綺麗に見えることをライファンは最近になって気付いていた。
  長い黒髪を頭の両側で束ねなおすレアリーは、たった今剣を振って戦っていたことが信じられぬくらいに女性らしく見えた。本人は気づかずとも稽古のあとで、その上気した頬にうっすらと汗をにじませた横顔は、ときどきはっとするほどに美しかった。
「べつに、あんたがどうこう、ってことじゃなくてさ。なんかこう……不思議っていうか」
「不思議……ですか」
  剣を鞘に戻すと、レアリーは言った。
「そう。だって、いつまでたっても勝負が決まらない。この一年。あたしも稽古して強くなって、あんたも稽古して同じだけ強くなって。結局、どっちが勝つのかなんて、ぜんぜんわからないじゃない」
「はあ……」
  美しく染まった夕焼けを背に、騎士たちは稽古場を後にする。レアリーとライファンも皆の後について歩きはじめた。
「なんかさ、気持ちわるいな。そういうのって」
「そう……かな?」
「だって、どっちも勝てないんだよ?そんなのおかしいじゃない」
「ははあ……」
  少年は首をかしげた。
「でも……」
「なに?」
  少年から何かを言おうとすることは珍しい。レアリーはすかさず聞き返した。
「でも……どうしてどっちかが勝たないといけないんだろう?」
「なにを……」
  意外なことを言われて、女騎士は口ごもった。
「だって、べつにいいじゃない。勝てなくても。負けなくても。引き分けでも」
「なに、言ってんの、あんた」
  レアリーは心底奇妙なものを見る目つきで相手を見た。この一年でライファンのことはずいぶん分かったつもりでいたのだが、それでもときどき、まったく自分とはかけはなれた考え方に面食らうときがあった。
「よくないでしょ」
「なんで?」
  素直に疑問を口にする少年に、彼女はむきになったように言い返した。
「だって剣の試合よ。勝つために戦うんだから、勝てなかったら悔しいでしょ」
「はあ……そういうもんか」
「騎士なのよ。国を守るために敵と戦うのよ。それが我等の務め。敵を打ち倒すために毎日稽古をしているのだから。勝つために」
「ははあ」
「あんたは私に勝てなくても悔しくないの?」
  久しぶりにいらいらとして、思わず強い口調で尋ねたが、彼女はすぐに後悔した。
「うん。それほどは……」
  少年の答えなど知っていた。いつだって試合に勝てなくて悔しがり、怒っていたのは自分の方だった。そんなことはいやというほど分かっていたのに。それでもライファンの答えに腹が立った。あれほど真剣に、熱く剣を交え、互いの間合いに息づかいを感じ、最高の自分を出して本気で戦ったというのに。
  この一年でいったい何度試合をしたことか。死ぬほど悔しがり、時には涙をにじませ、次の日の稽古に必死に取り組んだ自分。騎士の誇りに頬を熱くし、手に血がにじむまで剣を振りつづけた自分。それらをすべて笑い飛ばされたような気がした。
「あっそ」
  女騎士は唇をかんだ。少年に悪気がないことは分かっている。彼は素直に思ったことを口にしているだけで、それに勝手に腹を立てているのは自分の方なのだと、心では分かっていたが。
「やっぱりあんたは……ほんとうの騎士ではない。私の気持ちなどは分からない」
  レアリーは静かにつぶやいた。
「ごめん」
「……」
  レアリーにはその言葉が、「僕にはあなたの気持ちは分からない」と言っているように聞こえていた。
  夕暮れの空に浮かぶ、王城といくつもの尖塔の影。それにぼんやりと目をやりながら、彼女には自分が何をこんなに怒っているのかも分からなかった。それ以上は言葉を交わさぬまま、レアリーは少年から離れた。

 五月祭の季節がやってきた。
  この時期になると、人々はみなうきうきとしはじめ、宮廷内はもちろん町中がいっせいに慌ただしくなる。毎年のイベント。デッラ・ルーナの神を祝う緑の祭り。そしてもう一つあった。クシュルカ王女の誕生日祝いである。
  市民にとってこれはめでたくも楽しい行事だった。王国随一の美姫、国民の間で絶大な人気をもつクシュルカ姫の誕生日は、五月祭の期間中ということもあいまって、毎年盛大に行われるのが常だった。今年は姫の十六歳の誕生日ということで、その特別な日を祝おうと、国中の街道、大通りから小路地にいたるまで、アダラーマ王国の青地に白い鳥を描いた国旗が所狭しとはためいた。街路の店先には、色とりどりの花々とともに王女の美しい肖像画が飾られ、大通りや広場には数多くの露店が立てられた。いたるところでごちそうの煙が上がった。楽隊が祝福の曲を奏で、リュートの音色や吟遊詩人の歌声が町のそこかしこで響いていた。
 王宮の正門前には祝いに集まった人々による花や供物が山のように積まれ、人々は口々に国王万歳、王女殿下万歳を唱え合った。ときおり城壁の上に国王と王女の姿が現れて手を振ると、人々は熱狂し手を叩き、声を枯らして祝辞を述べるのだった。
  そして、王城内の大広間では、盛大な祝典の準備がすっかり整えられていた。
  侍女や下男たちはひっきりなしに料理を運び、花瓶を動かし山のような花を飾りつけ、赤い絨毯を敷き直し、ワインの樽を運びと忙しそうに動き回っている。広間にはすでに何百人もの着飾った貴族や貴婦人たちがグラスを片手に談笑し合っていた。
  特別にしつらえられた前面の席には、国王ケンディス二世と王妃が座り、その横には国の重鎮たちがずらりと正装して居並んでいる。普段は厳しい顔つきの国王も、今日ばかりは柔和な笑顔を浮かべて皆にうなずきかけていた。
  巨大なホールの全てのテーブルに料理とワインがゆきとどき、姫のために用意された席の前に青と白のアイリスが飾られた大きな花瓶が置かれると、演奏係が生誕の祝い曲をおごそかに奏ではじめた。
  シャンデリアに灯された数百本のろうそくが煌々と光り、人々は祝福の歌を唱和した。
  広間の扉が開かれた。
  まず二人の白い衣装を着た可愛らしい少年少女が現れ、その後ろから、クシュルカ姫が入ってくるや、人々は一斉に「おお」と感嘆の声をもらした。
  花をあしらった見事な飾りのついた純白のドレスに身を包み、そのプラチナの髪を結い上げたクシュルカ姫が、しずしずと広間の中央に進み出た。
  それを待つように演奏がやむと、姫はまず父である国王に向かい両手を組み合わせた。続いて王妃へと。そして人々に向き直り、みやびやかな貴婦人の礼をした。
「王女殿下万歳!」
「お誕生日おめでとうございます!」
  人々から口々に祝いの言葉が飛んだ。
  姫が顔を上げた。微笑みを浮かべ、少しはにかんでそのバラ色の頬に手を当てて。
「ありがとう。皆様。私のためにお集まりいただいて」
  クシュルカ姫は眩しいほどに美しかった。
  この日、彼女は十六歳になり、少女から本当に大人の女性へと、大輪の花が開くように、その扉をゆっくりと開いたようだった。ほっそりとしていた体は自然と女性らしい丸みをおび、うっすらと化粧をしたその顔は、もはや背伸びした少女のものではなかった。大人っぽく結われた髪も、唇に塗られた紅も違和感はなく、もともとあった彼女の気品と高貴で凛然とした顔つきをいっそう引き立たせていた。
  人々に向けられた笑顔はまさに女神の微笑みで、どんな相手をも魅了せずにはおかない自然体でやさしさに満ちたものだった。少女のころからすでにこうした人の上に立つ者の資質を備えていた彼女は、大人の女性となった今、それを完璧な形で身につけていた。
  集まった人々、大臣たち、貴族たちは皆、彼女の表情、微笑み一つに胸をどきどきとさせ、その言葉に聞き入り、その視線の先に入りたいと願っていたことだろう。
「本日は五月祭の最終日。そのついでにこうして私の記念を祝っていただけて、心よりお礼申し上げます。ささやかな御馳走ですけれど、今日は心ゆくまで宴をお楽しみくださいませ」
  盛大な拍手。乾杯が交わされた。楽隊が再び曲を奏ではじめる。
  人々は立ち上がって客席へ降りてきた姫を取り囲み、それぞれに祝辞を述べ立て、花を送り、ダンスを申し込んだ。優雅で盛大な宴は今宵いっぱい続くのだろう。
  ライファンは一人、広間を抜けて外へ出た。
  黒を基調にしたかしこまった騎士服に正装した彼は、今日は広間の給仕を手伝い、姫の登場にうっとりとして、しばらくはそこにとどまっていたのだが、山のような御馳走も、着飾った貴婦人たちも、彼を引き止める理由にはならなかった。
  中庭に出ると、夕方の涼やかな風が彼の頬をなでた。
  何故だか、大広間の人々とともに姫の誕生日を祝い、杯を上げる気分にはなれなかった。むろん、それは別に姫が嫌いになったとか妬ましいとかそういうことではまったくなかったし、むしろ逆だった。
  さきほどの、クシュルカ姫の純白のドレス姿が思い浮かぶ。そのあまりの美しさ、気高さに、彼はうちのめされた。
(僕は……なんて馬鹿だったんだろう)
  中庭や庭園でも、置かれたテーブルの周りに人々が集い、談笑しながら食事をしたり、音楽に合わせてポルカを踊ったりと楽しそうに時をすごしている。ライファンはそんな人達を横目に、庭園の隅へと歩いていった。
(クシュルカ様は……王女様なんだ)
  いまさらのようにそんな思いが頭によぎる。
(いくら僕に話しかけてくれたり、微笑みかけてくれても、クシュルカ様は王女様で、いつかは国の王妃におなりになる御方……)
(なんて僕は馬鹿なのだろう)
(身分も地位もない僕は……たとえ騎士として認められたからといって、あそこにいる貴族たちのようには気軽に姫に近づいてよい人間じゃないんだ……)
(姫に拾われて、お話をしたり、そばにいるうちに、僕はいい気になっていたのだ)
(僕なんか……)
  しだいに遠くなる楽隊の演奏にぼんやり耳をかたむけながら、ライファンは暮れてゆく城壁の向こうの黄昏に目をやった。

「ライファン」
  その声に、びくりと彼は飛び起きた。
  宴のさんざめきもここには届かない。ひっそりとした庭園の奥で一人、木の幹に寄りかかってうとうとしていたのだが。
  見ると、目の前にクシュルカ姫が立っていた。これは夢だろうか。ライファンは目を丸くした。
「ひどいわ。ライファン。一人で出ていってしまったりして」
「ひ、姫……あ、いやクシュルカ様……」
「私、あなたと踊ろうと思っていたのよ」
  純白のドレス姿のままのクシュルカ姫は、腰に手を当てて可愛らしく唇をとがらせた。そうすると、かつて彼を奴隷市で拾ったときのような少女の面影がかいま見えた。
「あ……どうしてここが」
「わかるわ。それくらい。だって……」
  王女は少し恥ずかしそうに、唇に手を当てて言った。
「よくここでお話ししたでしょう。あなたの剣の稽古の後」
「はい」
  あれはいつごろだったか。ライファンの脳裏に、王女が自分の額に唇をあてた、あのときのことがよみがえった。王女はそのときと同じようにライファンの横に腰を下ろした。
「……」
  二人はしばらく黙ったまま、互いの肩が付くくらいに並んで座っていた。
  風がさわさわと木々を揺らす。
  王女は頬にまとわりついた遅れ毛をかきあげ、囁くように言った。
「どうして……出ていったりしたの?」
「はい……それは」
「それは?」
  ライファンは頭をかいた。
「あの……僕の勝手な思い込みで……」
「どんな?」
  姫が顔を寄せてきた。その透き通った水色の瞳が彼を間近く見つめていた。
  ライファンは真っ赤になった。
「あの……その、つまり……その、姫は……クシュルカ様は王女様だし……、その……僕はただの拾われた奴隷で、今は騎士の栄誉をいただきましたが……でも結局はただの身分なき剣士ですし。……ですから……その、今までみたいに姫とお話ししたり……こうしてお近づきになったりするのはもう……いけないことだと……」
「ライファン」
  王女はゆっくりと彼の言葉をさえぎった。
  そして、静かに……ほとんどやさしい口調で……言ったのだった。
「私ね……お見合いするのよ」
「……」
  ライファンはびくっと体を震わせただけで何も言わなかった。
「少し前から決まっていたの。お父様に言われて。相手はバルサゴ王国のサコース王子ですって……」
「そう……ですか」
「十六になったら、って約束だったの。ずっと、嫌だったけど、ついに来てしまったわ。この時が」
  王女はふっと悲しそうに微笑んだ。
「でも仕方ないわね。私はこの国の王女だし。バルサゴ王国は力のある大国。友好関係を結べばこの国の平和も約束される」
  ライファンは何といってよいものかわからず、王女の顔を見て、またそらした。
「ライファン……」
「……」
  王女は首を傾けて少年を見た。
「あなたは、どう思う?」
「僕には……僕なんかには……なにも……」
  そうだろう。いくら自分が嫌だ、そんな結婚などやめてください、と願ったところで仕方がない。すべては王女の、そして王国の運命であり、この国の人々の平和と繁栄を背負っている王家の娘、それが彼女なのだから、自分には何も言えるはずがない。
  少年はうつむいて首を振った。
「そう……」
  しだいに深くなる夕闇のなかで、二人は近くに寄り添いながら、互いの存在をとても遠く感じていた。
  王女の手が、おそるおそる地面に置かれたライファンの手に重なった。それが精一杯の王女の勇気だった。ライファンは、それを握り返せなかった。
  夕闇が二人の顔をかくした。
  王女はすっと立ち上がった。
「もう戻らないと……」
「はい」
  最後まで、引き止めて欲しいかのように、王女はしばらくじっと待った。そしてドレスの裾を持つと、そのまま小走りに去っていった。
  王城の広間からもれる明かりは、ライファンにはとても眩しく思えた。
  クシュルカ姫は、こちらを一度も振り返らなかった。
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