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(13)偽の愛は真の愛に成り上がる
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新見義明(にいみ よしあき)
…帝から将軍の位を賜り、敵を残酷なやり方で殺す。
帝への謀反を企んでいる。色事が好きだが女よりも男が好き。参謀の彼を気にかけながら計画を進めている。
沼津春貴(ぬまづ はるき)
…義明の参謀。本当は義明を探る為の敵側のスパイで、自分を信頼させる為に色で誘惑していた。義明を好きになることは許されなかったが、好きになってしまった。信頼させる為なら何でもしていたが、好きになったことで罪悪感などの負い目を感じてきている。
※春貴視点
義明「……帝め……この国の天子だからって、この俺に何でも命令しやがって…」
春貴「…ダメじゃないですか、義明さま。そんな怖い顔しちゃあ……私、怖くなって敵側に寝返ってしまいますよ?」
義明「春貴、よく来た。お前に会いたかったのだ。お前が居なかった間、帝への憎しみでいっぱいだったんだからな」
春貴「…フフ、それは失礼いたしました、義明さま」
彼の背中に周り、耳元に口を近付け、厭らしく囁く。
彼をその気にさせる為に。
春貴「貴方さまが寂しがってると思い、こうして来て差し上げたのです……許して…頂けますか?」
義明「…バカ者。この俺が許さねぇ訳無いだろう?…俺が許すのは…お前だけだ、春貴」
春貴「フフ。それはそれは、有難いお言葉。…ねぇ、義明さま……」
首元に手をやり、指で下から上に撫で上げる。
甘く、色っぽく、卑猥に、妖艶に、誘惑するように。
猫は私。彼が私を可愛がるように仕向けるの。
義明「ん……どうした。欲しくなったのか…?甘えん坊め」
春貴「いけませんか?…ご主人様」
義明「欲しいのならば、それなりの姿を見せてもらわないとな」
…その言葉を合図として、私は義明さまの目の前で服を脱ぎ、仰向けになる。
慣れているけれど、彼を目の前にすると、やっぱり恥ずかしくなってしまう。でもその恥ずかしさが良い。
この体は、なんと言われようとも、彼にしか見せない。
義明「……ますます、お前を手放したく無くなった」
春貴「フフ。私もです、義明さま。私の心は永遠に義明さまのものです」
義明「……良い子だ。それでこそ、俺の男というものだな」
春貴「…好きです、義明、さま……」
義明「………やはり、俺には無理なことだ。この男を殺めることなど出来まい……」
愛しの方の唇が私の唇に重なり、その手で体を触ってくれる。
義明さまが私を殺めることなんて、考えたくない。
もしかして、正体がバレてしまった?
だとしたら……これが最後の、彼との甘い時間に…。
ふふ。
偽の愛のままなら、こんなに寂しく辛く苦しくならなかったのに。
……例え殺されるとしても、彼が私を殺めるのなら、死んでも悔いは無い。
だって、本当に愛してしまったんだから。
愛する人の手で死ぬなんて、幸せなことだから。
春貴「んんっ、あっ、んん……義明、さま……あっん…んぁ……あん…あんんっ……」
義明「…仕置きだ。沢山、気持ち良くさせてやるからな」
義明さまは、私の唇を、貪るように舐めてくる。
彼の唇と舌が、私の唇を、私の心を、支配する。
まるで、最後の印を刻み込むように。
義明「……嬉しいようだな、春貴」
春貴「…ん、もちろん、です、義明さま……貴方さまにこのような事をされて嬉しくない訳が…ございません……んんっんんんん…あっ」
義明「可愛い男め…仕置きが足りないようだな。お前が崩壊するとしても、やめてやらねぇからな、覚悟しろよ…?」
春貴「…私を、壊して、頂けますか…?ご主人様」
花魁のように、目を見つめ、色っぽい声で、誘うように、彼を弄ぶ。
義明「……ふっ、そんなに煽りやがって…めちゃくちゃにされたいってか…?ん?」
そうだよ、義明さま。
どうせ貴方に殺されるんだ。
殺す前に、私を、めちゃくちゃにして壊してよ。
そして、あの世に行っても、貴方のことを想わないようにして。
春貴「……貴方になら、めちゃくちゃにされたいのです…私を存分に、いたぶってくださいませ…いたぶるのは、お得意でしょう…?」
義明「……俺がいたぶればどうなるか分からないお前ではあるまい。……さてはお前、死ぬ気か?」
春貴「えぇ……帝側のスパイである私を、殺すのでしょう?覚悟は出来ております……」
義明「……誠だったのだな。お前がスパイって知らせが来た時は耳を疑ったが。……安心しろ、お前を死なせはしない。永遠に俺のものだ」
……?
義明さまは、一体何を仰っているの…?
春貴「……????」
義明「何を言っているんだって顔だな。……教えてやる。自分で言っていた通りになるってことだ」
春貴「……な、何のこと、ですか?」
義明「俺はお前のものだって言ったろ?……逆でも言ってやる。お前は永遠に俺だけのもの。今もこれからもな。…したがってだ、俺がお前を殺す理由は無い。……俺はお前を気に入っているんだ。なぜお前を殺す必要がある?……俺側に寝返ってくれてもいい。いや、寝返れ。…大丈夫、お前のことは俺が誰を犠牲にしても必ず守る。約束する、名実ともにお前を、俺だけの男にしてやるよ」
……義明、さま…。
私を殺さないなんて…
それに、義明さまだけの男にする、なんて……。
春貴「義明さま……私…私……」
義明「……お前に涙なんて似合わねぇ。俺の前で泣くな、いたぶりたくなっちまうだろ?」
春貴「…フフ、申し訳ありません」
義明「……ほら続き、するだろ?さっきまでのキスくらいじゃ、足りねぇって顔してやがる」
春貴「フフ…バレてしまいました?」
義明「…何でも俺にはお見通しだ、隠しても無駄だぞ」
春貴「……では、お願い、出来ますか?……何処にも逃げられず、反抗する気も起こらせないくらいの、とびっきり激しい、愛の印を、身体中に付けて頂けますか?」
義明「…バカ者、俺から逃げられる訳ねぇだろ。それに俺がお前を逃がさねぇよ。お前は一生俺という檻に閉じ込めてやるから」
春貴「えぇ……一生、私を離さないでくださいませ。私の心も、この体も、一生、義明さまだけのものです」
義明「よろしい。では続けるぞ、覚悟しろよ」
春貴「えぇ。義明さまこそ、覚悟なさってくださいね…?並大抵の欲望は持っておりませんから」
義明「…任せろ、めちゃくちゃにしてやる」
私は妖艶に微笑む。
これで、正真正銘、私の全ては義明さまのもの。
義明さまを騙していたのは辛く苦しかったけれど、
これからはもう、騙し続ける必要はない。
堂々と、彼についていけばいい。
彼だけの私に、なり続ければいいんだ。
そうですよね………義明、さま?
…帝から将軍の位を賜り、敵を残酷なやり方で殺す。
帝への謀反を企んでいる。色事が好きだが女よりも男が好き。参謀の彼を気にかけながら計画を進めている。
沼津春貴(ぬまづ はるき)
…義明の参謀。本当は義明を探る為の敵側のスパイで、自分を信頼させる為に色で誘惑していた。義明を好きになることは許されなかったが、好きになってしまった。信頼させる為なら何でもしていたが、好きになったことで罪悪感などの負い目を感じてきている。
※春貴視点
義明「……帝め……この国の天子だからって、この俺に何でも命令しやがって…」
春貴「…ダメじゃないですか、義明さま。そんな怖い顔しちゃあ……私、怖くなって敵側に寝返ってしまいますよ?」
義明「春貴、よく来た。お前に会いたかったのだ。お前が居なかった間、帝への憎しみでいっぱいだったんだからな」
春貴「…フフ、それは失礼いたしました、義明さま」
彼の背中に周り、耳元に口を近付け、厭らしく囁く。
彼をその気にさせる為に。
春貴「貴方さまが寂しがってると思い、こうして来て差し上げたのです……許して…頂けますか?」
義明「…バカ者。この俺が許さねぇ訳無いだろう?…俺が許すのは…お前だけだ、春貴」
春貴「フフ。それはそれは、有難いお言葉。…ねぇ、義明さま……」
首元に手をやり、指で下から上に撫で上げる。
甘く、色っぽく、卑猥に、妖艶に、誘惑するように。
猫は私。彼が私を可愛がるように仕向けるの。
義明「ん……どうした。欲しくなったのか…?甘えん坊め」
春貴「いけませんか?…ご主人様」
義明「欲しいのならば、それなりの姿を見せてもらわないとな」
…その言葉を合図として、私は義明さまの目の前で服を脱ぎ、仰向けになる。
慣れているけれど、彼を目の前にすると、やっぱり恥ずかしくなってしまう。でもその恥ずかしさが良い。
この体は、なんと言われようとも、彼にしか見せない。
義明「……ますます、お前を手放したく無くなった」
春貴「フフ。私もです、義明さま。私の心は永遠に義明さまのものです」
義明「……良い子だ。それでこそ、俺の男というものだな」
春貴「…好きです、義明、さま……」
義明「………やはり、俺には無理なことだ。この男を殺めることなど出来まい……」
愛しの方の唇が私の唇に重なり、その手で体を触ってくれる。
義明さまが私を殺めることなんて、考えたくない。
もしかして、正体がバレてしまった?
だとしたら……これが最後の、彼との甘い時間に…。
ふふ。
偽の愛のままなら、こんなに寂しく辛く苦しくならなかったのに。
……例え殺されるとしても、彼が私を殺めるのなら、死んでも悔いは無い。
だって、本当に愛してしまったんだから。
愛する人の手で死ぬなんて、幸せなことだから。
春貴「んんっ、あっ、んん……義明、さま……あっん…んぁ……あん…あんんっ……」
義明「…仕置きだ。沢山、気持ち良くさせてやるからな」
義明さまは、私の唇を、貪るように舐めてくる。
彼の唇と舌が、私の唇を、私の心を、支配する。
まるで、最後の印を刻み込むように。
義明「……嬉しいようだな、春貴」
春貴「…ん、もちろん、です、義明さま……貴方さまにこのような事をされて嬉しくない訳が…ございません……んんっんんんん…あっ」
義明「可愛い男め…仕置きが足りないようだな。お前が崩壊するとしても、やめてやらねぇからな、覚悟しろよ…?」
春貴「…私を、壊して、頂けますか…?ご主人様」
花魁のように、目を見つめ、色っぽい声で、誘うように、彼を弄ぶ。
義明「……ふっ、そんなに煽りやがって…めちゃくちゃにされたいってか…?ん?」
そうだよ、義明さま。
どうせ貴方に殺されるんだ。
殺す前に、私を、めちゃくちゃにして壊してよ。
そして、あの世に行っても、貴方のことを想わないようにして。
春貴「……貴方になら、めちゃくちゃにされたいのです…私を存分に、いたぶってくださいませ…いたぶるのは、お得意でしょう…?」
義明「……俺がいたぶればどうなるか分からないお前ではあるまい。……さてはお前、死ぬ気か?」
春貴「えぇ……帝側のスパイである私を、殺すのでしょう?覚悟は出来ております……」
義明「……誠だったのだな。お前がスパイって知らせが来た時は耳を疑ったが。……安心しろ、お前を死なせはしない。永遠に俺のものだ」
……?
義明さまは、一体何を仰っているの…?
春貴「……????」
義明「何を言っているんだって顔だな。……教えてやる。自分で言っていた通りになるってことだ」
春貴「……な、何のこと、ですか?」
義明「俺はお前のものだって言ったろ?……逆でも言ってやる。お前は永遠に俺だけのもの。今もこれからもな。…したがってだ、俺がお前を殺す理由は無い。……俺はお前を気に入っているんだ。なぜお前を殺す必要がある?……俺側に寝返ってくれてもいい。いや、寝返れ。…大丈夫、お前のことは俺が誰を犠牲にしても必ず守る。約束する、名実ともにお前を、俺だけの男にしてやるよ」
……義明、さま…。
私を殺さないなんて…
それに、義明さまだけの男にする、なんて……。
春貴「義明さま……私…私……」
義明「……お前に涙なんて似合わねぇ。俺の前で泣くな、いたぶりたくなっちまうだろ?」
春貴「…フフ、申し訳ありません」
義明「……ほら続き、するだろ?さっきまでのキスくらいじゃ、足りねぇって顔してやがる」
春貴「フフ…バレてしまいました?」
義明「…何でも俺にはお見通しだ、隠しても無駄だぞ」
春貴「……では、お願い、出来ますか?……何処にも逃げられず、反抗する気も起こらせないくらいの、とびっきり激しい、愛の印を、身体中に付けて頂けますか?」
義明「…バカ者、俺から逃げられる訳ねぇだろ。それに俺がお前を逃がさねぇよ。お前は一生俺という檻に閉じ込めてやるから」
春貴「えぇ……一生、私を離さないでくださいませ。私の心も、この体も、一生、義明さまだけのものです」
義明「よろしい。では続けるぞ、覚悟しろよ」
春貴「えぇ。義明さまこそ、覚悟なさってくださいね…?並大抵の欲望は持っておりませんから」
義明「…任せろ、めちゃくちゃにしてやる」
私は妖艶に微笑む。
これで、正真正銘、私の全ては義明さまのもの。
義明さまを騙していたのは辛く苦しかったけれど、
これからはもう、騙し続ける必要はない。
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