君と桜が咲く頃に

白石華

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君と紫陽花の咲く頃に

(エッチシーンあり)俺の気持ちとリンリンの提案

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「あっじさい、あっじさい。」
「へいへい。」

 浴室で既にシャワーは浴び終えてサッパリしたところに。リンリンが今度は紫陽花柄のそこだけ半透明の色付きになっている、プラスチックの蓋がかぶさったバス用ランプを持ってくる。

「紫陽花はね、匂いがよく分からないから、ミントの入浴剤にしました。」
「涼しくていいんじゃないのか。」
「ローションはね、アレにした。サクランボ。夏ミカンと悩んだんだけど。」
「へー。」

 夏ミカンの季節でもあるのか。詳しく知らないがそういうのもあるんだろう。ミントとサクランボだと清涼感があってよさそうだ。

「桜はね、花が終わった後でも楽しめるからいいよね。」
「そうだな。リンリンと暮らすようになって。
 随分、桜とは長い付き合いになったような気がする。」
「ふふん。君も日本人なんだから桜を堪能しなさい。」
「へいへい。……ん。」

 にりにりと、リンリンにローションを塗られ始めたが。サクランボの匂いってシッカリ感じたことはなかったが、ダークチェリーに近い、赤ワインよりは軽めの果実の匂いと言ったらいいのか。そこまで匂うほどじゃないんだけど、酔ってしまいそうな甘い匂いである。

「サクランボも美味しいよねー。」
「そうだな。リンリンは大パック買いするからな。」
「だって買うでしょ。サクランボだもん。」
「うん。うまいことはうまいもんな。おっと。」

 塗り終えたのかリンリンも自分で塗って俺に抱き着いてくる。

「ランラン。今日はランランがしてみて。」
「するって、どんな感じ?」
「私が仰向けに寝るから、ランランが乗って。」
「おうよ。」

 床には既に滑り止め用の発泡マットは敷いてある。リンリンはそこに仰向けで寝るとスラリとした張りのある肢体が伺え、寝ている姿でも体形が整って見えて、随分と見事な乳房がプルンと揺れた。

「どんな感じでやるんだ?」
「うーん。マッサージを所望したいけどエッチじゃないかな。」
「いや、マッサージとかならエッチでもいける。」
「やった! ではお願いします!」

 という訳でリンリンからのリクエストでマッサージをすることに。

 ぬりゅぬりゅ……。

 ローションを手に取ると、俺はまず、リンリンの体……骨の形と肉の付きに沿ってマッサージをしていく。基本は筋の付き方の方向に沿って流すようになのと、骨の周りに付いている固くなった筋をよくほぐしていくイメージだな。体重はそんなに掛けず、撫でるようにだが、こうして触れてみると、乳房やお腹、太ももや脛以外のリンリンの体つきもピチピチでプルンプルンだった。足もしっとりして柔らかい。

「ん……ランラン、どこでそんなに覚えてきたの? 気持ちいいことは気持ちいいけど。
 手つきがしつこいぐらいに丁寧ですね。」
「いや。親とかやってて自己流だけど。あとネット。
 あとはあれですよ。リンリンの身体に触っていいという。」
「ふむ。こんどはせなかをおねがーい。」
「待て。まだおっぱいと胴回り。」
「あーい。あっ……。」

 にゅるん、にゅるんっ。

 リンリンの乳房に触れると。大きくてつかみごたえのある乳房をたぷんと掬って鎖骨近くまで撫でていくのを何度も繰り返す。こちらからでもリンリンの乳房を掬ってプルンプルン弾むように動かせて役得である。

「んっ、これが性感マッサージってやつですか?」
「知らんがな。どんな感じよ?」
「あっ、んん……。性的にも、マッサージ的にも気持ちよくて癖になりそうです……。」
「ほうほう。」
「はう……んっ。」

 今度は張りのある肉付きのいい太腿をまず片方を外側と内側で両手で挟むように撫で回していき、しばらくしたら反対側もして、それを繰り返す。マッサージ効果か、撫でていくうちに太ももがどんどん瑞々しくなっていくような気がする。

「脛は拳で挟んでいくぞー。」
「あああ……っ。」

 リンリンが本当に効いているのか、ごりごりと脛の両脇を足首部分から撫でていくとあられもない声を出している。多分、本人のサービスもある。

「おーし、次は背中だな。」
「も、もう……昇天しそうです。」
「はいはい。」

 ローションマッサージは実に気持ちいいらしく、リンリンがうっとりしていた。

「じゃあ今度は……ここか。」

 リンリンの肩を撫でると筋を掴むようにして背中に向かって撫でていく。それを解したら今度は背中を全体的に撫でていく。筋肉の付き方を知っていたら、ここも正確に撫でてあげられるんだけどな。

「ああっ。肩、いい。いいです、いいですっ。背中ももっとしてっ。」
「へーい。」

 リンリンは性感マッサージでもノリノリだった。こんな喘ぎ声聞いたことねえよ。次は太腿から足首まで一気に撫でては戻していく。

「はあああ……あぁっ。」

 脚も相当、疲れていたのか気持ちいいのかでブルブルしていた。

「最後は……ここな。」
「んん……んんんっ。」

 お尻を親指と残りの指で分けて掴むように掬い、下から上へプルン、プルンと固くなったお尻の肉を弾ませるように動かしていく。

「はあっ、はあっ、はあっ。ら、ランラン。もっとして。いつまでもしていていいからっ。」「うん。お尻はなー。いくら触ってもいいよな。」

 リンリンもお尻の肉を弄られるのに全く抵抗がなくなっている。こんなに性的にいいなりになるとは性感マッサージすごいな。

「リンリン、お尻を……出して。」
「う……。」

 のろのろと動いて、リンリンがお尻を突き出してくる。

「脚も、開いて。」
「うん……。」

 念入りに愛撫を施したのと、本人も大分気持ちよかったのか、そこの準備は大丈夫そうだ。  
「じゃあ……。」
「んっ、あんっ。」

 ローションを手に取り、手で擦り合わせて温めるとリンリンの花弁に塗っていく。お尻を掴むとローションで滑ってしまうから、リンリンの腰を掴むことにした。

 ぬちゅうう……っ。

「はあっ、あっ、ああんっ!」

 肉傘の先端が入ると、後はぬるんだ壁をかき分けるように進んでいく。

「ああっ、ああっ、あっ、いいっ!」

 リンリンも気持ちよさそうにしているが、こんなに効くなら次ももっとしてもらいたいというサービスも入っているだろう。うむ。その気にさせる分にはいい気分だぞ。

「よしよし。疲れていたんだな。」
「はーい。ご褒美は毎回、欲しいですぅ。」
「あいよ。その内、俺にもしてくれよ。」
「うん。それはいいけど。ローションだとランラン、すごい声、出るから。」
「やめなさい。」

 そういわれてみれば、そうだったけど。今言わないで欲しい。俺は抽送に集中することにした。

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ。

 リンリンの張りのある大きなお尻を突いていく。

「あんっ、あんっ。ふああんっ。」

 入り口をヌルヌルと摩擦していくだけでリンリンは気持ちいいらしく、お尻をぶるぶると震わせている。

「リンリン……っ。」

 今度はリンリンの方に体を倒し、覆いかぶさると、乳房も揉んでいく。

「ああ……あっ、ああんっ、んん……っ。」

 リンリンの腰がぶるぶると震え、一度、果てたようだ。乳房をぐにぐにと揉んでいき、と行こうと思ったが、さっきの性感マッサージを思い出してプルン、プルンと掬って撫でていく。

「ああっ、いいっ、いいですっ、そこもっとやってっ。」

 リンリンのノリの良さは相変わらずだなと思った。と、同時に締まりもよくなってくるため腰を軽いピストンで揺すり動かすことに。

 ぱんぱんぱんぱんっ、ぱんぱんぱんぱんっ。

「ああっ、あああっ、いっちゃう、いっちゃうっ。」
「うぐ……っ。」

 摩擦で擦られ、出そうなところを更に締め付けられる。

「で、出る……っ。」
「ん……っ。」

 びゅるっ、びゅぶぶぶっ。ずびゅびゅっ!

 勢いよく出ていき、リンリンの中を真っ白にしていく。

「はあ……っ。」

 リンリンはそのまま沈んでしまい、俺もその横に寝た。

「はあ……気持ちよかった。性感マッサージ癖になりそうですぅ……。
 なんかもう寝てしまいたい。」
「よし、じゃあ寝るか。」

 俺はリンリンの横に寝たまま、体を抱いて、俺の方に寄せた。

「うん。でもねランラン。私知っているの。このまま寝たらのぼせるか風邪ひくって。」
「風呂場の洗い場で全裸で寝るもんなー。」
「うい。せめてシャワーで体流して布団で寝ましょう。」
「そんなに気持ちよかったのか?」
「気持ちいいというか、あれはそう、極楽へ誘う天使の羽ばたきをその身に浴びたような。」
「はいはい。体力あったらまたやってあげるからとっととシャワー浴びなさい。」
「はーい、先生。」
「あいよ。」

 俺とリンリンはようやくシャワーを浴び始めると。

「ねえ、ランラン。」
「何だよ。」
「ランランは、まだ朗読やりたいって思っている?」
「あ……どうなんだろ。」

 改めてリンリンにそう聞かれると。どうして俺はリンリンに朗読の話をしたんだろう。

「俺がしたいというより、リンリンが……またしたいなら俺もついていくってところかな。」
「ふんふん。」
「俺とリンリンで遊びまわっていたのも楽しかったけど。
 朗読をしなくなって、する機会もなくなって、ちょっと寂しかったのかもな。」
「……ん。あのね、知り合いの……と言っても大学時代の女友達なんだけど。」
「いきなり何の話?」
「まあ最後まで聞いて。
 その人が小説とか演劇の脚本とか、自主製作でやっているんだけど。」
「うん。」
「小説や詩の朗読会も新たにやりたいって言ってたのね。
 でも今、私たち二人で生活しているじゃない。
 どうしようかと思っていたけど。ランランがその気なら、みんなでやってみる?」
「……え?」
「だから、朗読会。サークル活動時代と規模はそんなに変わらないけど。
 ランランがそんなに覚えていてくれていたなら、やってもいいかなって気になったの。」
「う、うん……リンリンがまた、朗読やるんだ。」
「多分、指定は作者本人だから私らよりも細かいし注文も多いと思うけど。
 あの頃のダラダラしたサークル活動にまた戻ろうか。」
「あ、ああ!」

 その時嬉しかったのは、またリンリンと朗読をやれるからなのか、俺が創作に僅かにでも関われるからなのか、例え内容が日常と変わらなくても、創作の神様が起こす、日常を超えた先にある俺の知らない創作の世界を俺に見せてくれるからなのかは分からないが、それでも俺は嬉しかったんだろう。

「毎日ランランとダラダラ過ごすのも休日だからいいやと思っていたけど。
 ランランがそんなに乗り気だとは思っていなくて。こないだまで全然、言わなかったし。」
「う、うん。最近よく、リンリンとサークル活動のことを思い出すようになってさ。」
「最初は体験でさせて貰えるだろうから、本格的にするかどうかはその後でもいいかと。」
「そうだな!」

 リンリンの話を聞いている内にどんどん乗り気になる俺。俺、そんなにリンリンと朗読していた時間が好きだったんだろうか。付き合うようになるぐらいだからそりゃそうだよな。

「よし、じゃあ、お風呂から出たら景気づけになんか飲むか!」
「そうだねー。まずは水が欲しいですぅ。」
「そだな。」

 俺も、元々、酒はそんなに飲めないけど。リンリンと今夜は飲んだのだった。
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