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主人公がモテまくるハーレム施設
親睦会、始まる
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「他の方は皆さん女性だから、私が呼んできますね。」
「お願いします。俺もそうした方がいいと思います。」
ラッキースケベ学園物の展開じゃあるまいし、初対面でいきなり女性の部屋に行く(あいさつ回り用のお菓子は一応買ってきたからいいのだが)とか一歩間違えたら侵入案件である。ありがたく寮母さんに任せる事にした。
元々の人口比が一対九であるのだから男性であるは受け入れられるようにしなければ総スカンの桁も違うのである。全人口を敵に回すに近い。
「その代わり、今日は焼肉ですから、炭火起こしをお願いします。」
「任せてください。丁度マイブームで炭火焼肉やってたんで。」
「じゃあ説明は大丈夫ですね。よろしくお願いします。」
きなこさんはちゃぶ台のような形をしたテーブル近くに食材を用意すると。焚火シートを敷いて、更に焚火台を置き、その上に網と炭を置いて、みんなを呼びに行ったようだった。今はキャンプギアも百均の簡易品やホームセンターでもコーナーが作られて買えるから、あっという間に普及したものである。
俺は炭と燃やすための着火剤を置き、火を点けて、火の回りが悪いのは着火剤を追加したり、ガスバーナーで火を送ってとしていきながら、炭火をいい感じに作っていき。更に用意してあった肉の脂を網に塗り込みながら、火の通りが悪い分厚い肉や野菜を焼いていった。
やはりバーベキューはいい。パチパチと爆ぜる炭火の音や肉の脂が蒸発するように景気よく泡立って焼ける香ばしい匂い。火を扱っているし見た目とろ火っぽいのにガッツリ焼けているから油断大敵なのだが、墨の中にホイルでくるんだ芋とかニンニクとか、丸焼きにしたら美味しそうな野菜などをを入れていき、網を外してトングで火の回り方を調節しながらホックリ焼けるのを待つ(直火だから割と速い)のどかな時間の使い方も普段のせわしない日々を忘れられる。
「あれー。もういい匂いしているんだ。」
「こんにちわー。本当に男の人が来てるー。」
そんなことをしていたら女の人たちが来たようだった。
「あ、先に火の通りの遅いのから焼いてました。」
俺はサックリと挨拶を済ませる。
「ありがとうございますー。火起こしとか準備とか。
苦手だから助かります。焼肉は好きなんですけどね。」
一人は清楚っぽい。
「あたしもー。炭火起こしとか全然分かんない!」
もう一人はギャルっぽい。研修生と言っても社会人か新卒だからか。年齢層は俺とそんなに変わらなくて、かつ成人のようだ。
「……。」
そして無言になった時にチラチラと、俺を珍しそうに見ているのは……男女比だからだろうか。そりゃあ、女の人ばっかりだっただろうしな。
「……こんにちは。私で最後かな。」
「そうですね。皆さん揃ったみたいです。」
三人目……あとからやって来たきなこさんを入れたら四人目の女の人がこっちに来る。無口で淡白そうで、大人しそうな感じの子だ。
「それじゃあ、全員揃いましたし。自己紹介から始めましょうか。」
みんながテーブルを囲むように座ると、俺の対面にきなこさんが座り、両隣に女の人が片方一人、もう片方が二人と、五人座りになったところで位置を調整しているようだった。
「えっと、俺はマコトです。苗字はタイガ
って言うんですけど。」
「つよそう。」
「つよそう。」
「うん。」
「そういう苗字だったんですね。お名前は伺っていましたが。」
女の人(最後はきなこさん)が次々に意外そうなリアクションをしている。
「掴みはいいんですけどね。」
「またまたー。かっこいい名前なんですから!
あ、そうだ。あたしの名前はサザンカです。」
ギャルっぽい子が俺にまめやかなフォローを入れつつ挨拶をした。
「私はボタンです。」
清楚そうな子の名前はボタンというらしい。
「ビオラ……って言うの。」
大人しそうな子はビオラというらしい。
「それで、私がきなこですが、皆さんにはもう、紹介してありますね。」
きなこさんが最後に自己紹介をすると、大体の名前の紹介が終わり。
「そんじゃ焼けたのから配っていきますね。
まずは野菜と芋と。ニンニクも焼いときました。」
俺はみんなに野菜から配っていくことにして。空いたスペースを今度は肉で並べていった。肉は肉で、脂が焼けて炭に落ちると、あっという間にファイヤーし、
「わーい、野菜も美味しい! あまい!」
サザンカちゃんらしき女の子が野菜を食べている。
「ニンニク……まあいいか。」
ボタンさんもニンニクを一旦、躊躇したものの、口に入れている。女の人ってやっぱり気にするよな。研修先は明後日だけど。
「おいも……好き。」
ビオラちゃんもホクホクに焼けた芋を食べている。
「そんじゃ次は肉ですね。」
俺はスッカリ焼き担当になって、みんなに肉を配っていくことになり。
「お肉も美味しー!」
「ニンニク……焼肉。禁断の味。美味しすぎる。」
「ここに追いニンニクおろしもある。」
「あっ……。」
ビオラちゃんがボタンさんに更に禁断の道へ呼び込もうとしていた。
「そういえば俺、食べてなかったわ。他の人に焼き、頼んでいいですか?」
「それなら私が。ここまでやって貰ったらあとは私がしますよ。」
「ありがとうございます。」
きなこさんが焼き担当に変わり。今度は俺が焼けたものを食べる事に。
「うわ。うっまー。」
まずはニンニクとバターを乗せたジャガイモを食べ。
「これもうまー。」
その次は野菜を肉で巻いて。焼き肉のたれをつけて、食べ。
「うま、うま……。」
今度は焼肉のたれに追いニンニクをして焼肉を食べ。
「うわあ……うんまいわー。白米もうんまいわー。」
俺は白米と肉が止まらないモードに入っていた。
「あ、そうだ。皆さんにマコトさんから。
お茶とお茶菓子を貰っていたから。
配ってお茶会もしようと思ったんですが。」
きなこさんが俺が買って来た菓子折箱を出して、みんなに配ってだけ行くも。
「きなこさん。今はニンニクの味よ。ウーロン茶にしよ。」
「私は牛乳を。」
「ビオラもウーロン茶にする。」
「ですねえ。お祝い事とは言え、ミスった気がします。」
ニンニクってやっぱり美味しいけど後に続けないなと思わしきコメントが女性陣から帰ってきた。
「あとででいいだけじゃん。ありがと、マコトさん!」
「いえいえ。挨拶代わりですから。」
きなこさんの言葉に真っ先にサザンカちゃんが答える辺り、この子は気配りの子のようだ。聞くとすぐに、きなこさんは台所らしき場所に向かって行った。
「ありがとうございます、マコトさん。
私たち、何も用意していませんが。」
「いいですよ。」
ボタンさんもお返しをしようとしているが俺が断った。
「うーん。でも、貰うだけ貰うって訳にも。」
ビオラちゃんも何か思っているようだった。
「えっと、こういうのって俺が何かやっちゃっても。
お菓子で許してねって話で配っているだけだから。
女性の園に俺一人で来ている訳だし、何か足りてない事とか今後。
あると思うんです。その時に備えてだと思ってください。」
実際その通りで配った訳だから、俺はそう説明すると。
「マコトさんはマコトさんで肩身が狭いんじゃないの?」
「ははは。とりあえずって事で。」
随分と気を回して貰える人たちに当たったなと思いながら、サザンカちゃんの返事を聞いていた。
多分こう……ラッキースケベ学園物みたいな展開にはならなさそうだなと、俺はホッと一安心するのと、そうなったら初日で間違いなく追い出されるから、それを回避可能にしただけでも成果と言えよう。
「皆さん、お茶も持ってきましたよ。」
きなこさんが戻ってきて、みんなで飲み物で最後は乾杯したのだった。こういうのも、お茶会なのかな。
「……。」
お茶を飲んでいる時。誰かの視線を一瞬、感じたような気がしたが。それが誰かまでは分からなかった。
「お願いします。俺もそうした方がいいと思います。」
ラッキースケベ学園物の展開じゃあるまいし、初対面でいきなり女性の部屋に行く(あいさつ回り用のお菓子は一応買ってきたからいいのだが)とか一歩間違えたら侵入案件である。ありがたく寮母さんに任せる事にした。
元々の人口比が一対九であるのだから男性であるは受け入れられるようにしなければ総スカンの桁も違うのである。全人口を敵に回すに近い。
「その代わり、今日は焼肉ですから、炭火起こしをお願いします。」
「任せてください。丁度マイブームで炭火焼肉やってたんで。」
「じゃあ説明は大丈夫ですね。よろしくお願いします。」
きなこさんはちゃぶ台のような形をしたテーブル近くに食材を用意すると。焚火シートを敷いて、更に焚火台を置き、その上に網と炭を置いて、みんなを呼びに行ったようだった。今はキャンプギアも百均の簡易品やホームセンターでもコーナーが作られて買えるから、あっという間に普及したものである。
俺は炭と燃やすための着火剤を置き、火を点けて、火の回りが悪いのは着火剤を追加したり、ガスバーナーで火を送ってとしていきながら、炭火をいい感じに作っていき。更に用意してあった肉の脂を網に塗り込みながら、火の通りが悪い分厚い肉や野菜を焼いていった。
やはりバーベキューはいい。パチパチと爆ぜる炭火の音や肉の脂が蒸発するように景気よく泡立って焼ける香ばしい匂い。火を扱っているし見た目とろ火っぽいのにガッツリ焼けているから油断大敵なのだが、墨の中にホイルでくるんだ芋とかニンニクとか、丸焼きにしたら美味しそうな野菜などをを入れていき、網を外してトングで火の回り方を調節しながらホックリ焼けるのを待つ(直火だから割と速い)のどかな時間の使い方も普段のせわしない日々を忘れられる。
「あれー。もういい匂いしているんだ。」
「こんにちわー。本当に男の人が来てるー。」
そんなことをしていたら女の人たちが来たようだった。
「あ、先に火の通りの遅いのから焼いてました。」
俺はサックリと挨拶を済ませる。
「ありがとうございますー。火起こしとか準備とか。
苦手だから助かります。焼肉は好きなんですけどね。」
一人は清楚っぽい。
「あたしもー。炭火起こしとか全然分かんない!」
もう一人はギャルっぽい。研修生と言っても社会人か新卒だからか。年齢層は俺とそんなに変わらなくて、かつ成人のようだ。
「……。」
そして無言になった時にチラチラと、俺を珍しそうに見ているのは……男女比だからだろうか。そりゃあ、女の人ばっかりだっただろうしな。
「……こんにちは。私で最後かな。」
「そうですね。皆さん揃ったみたいです。」
三人目……あとからやって来たきなこさんを入れたら四人目の女の人がこっちに来る。無口で淡白そうで、大人しそうな感じの子だ。
「それじゃあ、全員揃いましたし。自己紹介から始めましょうか。」
みんながテーブルを囲むように座ると、俺の対面にきなこさんが座り、両隣に女の人が片方一人、もう片方が二人と、五人座りになったところで位置を調整しているようだった。
「えっと、俺はマコトです。苗字はタイガ
って言うんですけど。」
「つよそう。」
「つよそう。」
「うん。」
「そういう苗字だったんですね。お名前は伺っていましたが。」
女の人(最後はきなこさん)が次々に意外そうなリアクションをしている。
「掴みはいいんですけどね。」
「またまたー。かっこいい名前なんですから!
あ、そうだ。あたしの名前はサザンカです。」
ギャルっぽい子が俺にまめやかなフォローを入れつつ挨拶をした。
「私はボタンです。」
清楚そうな子の名前はボタンというらしい。
「ビオラ……って言うの。」
大人しそうな子はビオラというらしい。
「それで、私がきなこですが、皆さんにはもう、紹介してありますね。」
きなこさんが最後に自己紹介をすると、大体の名前の紹介が終わり。
「そんじゃ焼けたのから配っていきますね。
まずは野菜と芋と。ニンニクも焼いときました。」
俺はみんなに野菜から配っていくことにして。空いたスペースを今度は肉で並べていった。肉は肉で、脂が焼けて炭に落ちると、あっという間にファイヤーし、
「わーい、野菜も美味しい! あまい!」
サザンカちゃんらしき女の子が野菜を食べている。
「ニンニク……まあいいか。」
ボタンさんもニンニクを一旦、躊躇したものの、口に入れている。女の人ってやっぱり気にするよな。研修先は明後日だけど。
「おいも……好き。」
ビオラちゃんもホクホクに焼けた芋を食べている。
「そんじゃ次は肉ですね。」
俺はスッカリ焼き担当になって、みんなに肉を配っていくことになり。
「お肉も美味しー!」
「ニンニク……焼肉。禁断の味。美味しすぎる。」
「ここに追いニンニクおろしもある。」
「あっ……。」
ビオラちゃんがボタンさんに更に禁断の道へ呼び込もうとしていた。
「そういえば俺、食べてなかったわ。他の人に焼き、頼んでいいですか?」
「それなら私が。ここまでやって貰ったらあとは私がしますよ。」
「ありがとうございます。」
きなこさんが焼き担当に変わり。今度は俺が焼けたものを食べる事に。
「うわ。うっまー。」
まずはニンニクとバターを乗せたジャガイモを食べ。
「これもうまー。」
その次は野菜を肉で巻いて。焼き肉のたれをつけて、食べ。
「うま、うま……。」
今度は焼肉のたれに追いニンニクをして焼肉を食べ。
「うわあ……うんまいわー。白米もうんまいわー。」
俺は白米と肉が止まらないモードに入っていた。
「あ、そうだ。皆さんにマコトさんから。
お茶とお茶菓子を貰っていたから。
配ってお茶会もしようと思ったんですが。」
きなこさんが俺が買って来た菓子折箱を出して、みんなに配ってだけ行くも。
「きなこさん。今はニンニクの味よ。ウーロン茶にしよ。」
「私は牛乳を。」
「ビオラもウーロン茶にする。」
「ですねえ。お祝い事とは言え、ミスった気がします。」
ニンニクってやっぱり美味しいけど後に続けないなと思わしきコメントが女性陣から帰ってきた。
「あとででいいだけじゃん。ありがと、マコトさん!」
「いえいえ。挨拶代わりですから。」
きなこさんの言葉に真っ先にサザンカちゃんが答える辺り、この子は気配りの子のようだ。聞くとすぐに、きなこさんは台所らしき場所に向かって行った。
「ありがとうございます、マコトさん。
私たち、何も用意していませんが。」
「いいですよ。」
ボタンさんもお返しをしようとしているが俺が断った。
「うーん。でも、貰うだけ貰うって訳にも。」
ビオラちゃんも何か思っているようだった。
「えっと、こういうのって俺が何かやっちゃっても。
お菓子で許してねって話で配っているだけだから。
女性の園に俺一人で来ている訳だし、何か足りてない事とか今後。
あると思うんです。その時に備えてだと思ってください。」
実際その通りで配った訳だから、俺はそう説明すると。
「マコトさんはマコトさんで肩身が狭いんじゃないの?」
「ははは。とりあえずって事で。」
随分と気を回して貰える人たちに当たったなと思いながら、サザンカちゃんの返事を聞いていた。
多分こう……ラッキースケベ学園物みたいな展開にはならなさそうだなと、俺はホッと一安心するのと、そうなったら初日で間違いなく追い出されるから、それを回避可能にしただけでも成果と言えよう。
「皆さん、お茶も持ってきましたよ。」
きなこさんが戻ってきて、みんなで飲み物で最後は乾杯したのだった。こういうのも、お茶会なのかな。
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