その匂いには逆らえない

白石華

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第三章

光の女騎士の更に求める匂い

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「……ここは。また、あの場所か。」

 サイレスが目を覚ますと、そこは前にも見た医務室だった。窓際近くの部屋の奥には人影があって。

「また会いましたね、先輩。」
「リンデン……。」
「どうしました? この前より……僕を見ても罪悪感が無いですね。」
「ああ。最後に私に言っただろう。限界を知る事になったと。
 それを自分なりに……決着をつけたよ。」
「ええ。多分。先輩が思っている通りの事に僕はなったんです。
 先輩との訓練で怪我をしたのは何の関係もありません。
 僕は……これまでのやり方に限界が来たんです。
 だから、やり方を変えて、強くなろうと今はしています。」
「それは……何なんだ?」
「知りたいですか?」
「知りたくないと言えば嘘になるが。また、お前がそうしようとしているなら。
 それを知れただけでもいいよ……。」
「先輩は……随分と穏やかに様変わりしましたね。」
「ああ。なんだろうな。きっと、もう一度、お前に会えたからだよ。」

 リンデンの言葉通り、サイレスは穏やかな口調と姿勢で語っている。

「先輩。また……身体が疼くんです。僕の面倒を、お願いします……。」
「いいよ。それでお前が、静まるなら……な。」

 サイレスはリンデンの座っているベッドの方へ移動した。

「それで、私は何をすればいい?」
「ええ。サイレス……僕に、愛撫されてください。ベッドに寝て、仰向けになって。
 服は脱いでください。」
「ああ……。」

 しゅるりとサイレスが来ていた上着を脱いでいく。

 とさっ。

「これで……いいのか?」
「はい。ありがとうございます。サイレスの身体は……鍛えられた美しさがありますね。」
「そうだな。自慢の身体と言ってもいいだろう。」

 リンデンの言葉が気に入ったのか、サイレスは誇らしげに自分の身体を言う。

「ふふ……サイレス。それじゃあ、愛撫、していきますね。」
「ああ。」

 サイレスにリンデンがのしかかる。まずは顔に近づけ……唇を重ねる。
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