喫茶モフモフ

白石華

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喫茶モフモフ

喫茶モフモフの次の目標は

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「お待たせいたしました。クワトロフォルマッジになります。」
「おお、これがモフモフ喫茶のクワトロフォルマッジ。」
「ピザパンになっていますな。」
「ピザパンもここで市民権、得たんですね。」
「僕らにとっては懐かしい味です。」

 その後、モフモフ喫茶、南の隣国店に来たサナダさんたちは自店メニューの参考になりそうなメニューを頼むことにして、来たのがクワトロフォルマッジだった。しかもふんわりモチモチのピザパン生地にチーズがたっぷり乗った状態の。

「これもアリならウチでもそうしたいですね。」 

 サナダさんが一切れつまみながら言う。

「しかもコチラはジャンボサイズで来るんですね。」

 ゴンドウさんも手に取った。ピザはとても大きかった。

「シッカリ発酵させたパンの味~。いい匂い。」

 マスエさんも堪能していた。

「それじゃあ次はハチミツを掛けて。」
「私も。」
「私も―。」

 今度はハチミツを掛けた版を食べていった。

「ふう、しかし、これだけ美味しいものを食べるフェアを続けていくと。
 刺激を入れるためにそろそろ新しい目標とかが欲しくなりませんか?」

 サナダさんが二人に提案する。

「目標と言っても、今の境遇がありがたすぎて、新たに何か求めようという。
 発想自体が無かったです。」
「そうですね。だから、あえてもっと、貪欲になるのです。」
「サナダさん、ゴンドウさん……それ、いいと思います! そうなりましょう!」

 意欲的なサナダさんにマスエさんがゴンドウさんも含めて応援するようになる。

「きっと、私たちもそうなっていいって事ですよ。今まで起こった、いい事全部は!」
「ええ。その通りですマスエさん。だからゴンドウさんも是非、何か目標を。」
「うう……ん。具体的には。そうですね……チーズメニューを一品、増やすとか?
 前にそんな事とかも言っていましたし。」
「いいですね。マスエさんはいかがですか?」
「はい。私は……ワンちゃんをもっと、ツヤツヤにしてあげたいです!
 エルフさんがフェア前にシッターに来てくださると。フェアの時、ツヤッツヤになるんですよ!」
「なるほど。マスエさんはウチのワンちゃんをツヤツヤにしてあげたいと。」
「そういう、サナダさんはどうなんです?」
「そうですよ。サナダさんも目標を言ってください。」

 ゴンドウさん。マスエさんがサナダさんに確認すると。

「僕は……フェアを続けて、隣国回りだけじゃなくて、世界中の架け橋になりたいですね。
 世界中の美味しいものと、名物と、そういったものを広めていきたいです。」
「おお。」
「わー。」

 持ちかけただけあって、サナダさんの目標はとても大きかった。

「そのためにも、モフモフ喫茶が世界中に受け入れられないとなんですが。」
「隣国の王子のような大きな話ですな。」
「ええ、きっと。目標は大きくていいんですよ。」
「あっ、あのっ。私はいいと思います! サナダさんが……そんなにカフェに取り組めて!」
「実際、カフェって今は世界中にありますし。ない所もありますが。その内きっと……。
 モフモフ喫茶は動物と人間の平和の象徴なんですよ。」

 サナダさんが本当に王子と同じことを言い始めていた。

「いい話です!」

 サナダさんの言葉にマスエさんが後押しする。

「それじゃあ、モフモフ喫茶の未来を願って、乾杯しますか。」

 ゴンドウさんがカップを掲げると。

「「乾杯。」」

 サナダさんとマスエさんもカップを合わせたのだった。
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