喫茶モフモフ

白石華

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喫茶モフモフ

隣国の王子の国での旅行、その1

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「今回もドラゴンに乗って国境を越えます。」
「へえ……。」
「隣国もですか。」

 山岳を移動する手段はこの国だと隣国でもドラゴンになるらしい。

「という訳で今回もドラゴン乗り合い所で山を越えて隣国まで行きます。
 それまでは馬車です。」
「はい。」
「馬車……。」

 何か言いたそうだったマスエさんとゴンドウさんだったが何も言わず、山岳をドラゴンで越えていくと。また馬車に乗って移動となった。

 ・・・・・・。

「今回は国境近くですが山岳と海の丁度真ん中あたりですか。」
「はい。ここだとあちこち回れるみたいですね。」
「確かに。」

 ゴンドウさんとサナダさんの会話通り、国境を越えたあたりで、山岳と海の真ん中辺りの地帯にサナダさんたちは来ていた。

「は~。いきなり大都市に来ちゃった感じですね。」

 大きな山脈を渡ったとはいえ、地理的にもそこまで離れてはいないし、隣国の街の景色は建物の並びはそんなに変わらないのだが、街の規模が広いのと、あちこちに見られる豪華な建物がここは大都市だと物語っている。

「よし、それじゃあ、ここではプラリネが有名だそうだから。
 観光したらプラリネとコーヒーを頂きましょう。」
「プラリネとコーヒー! カフェオレが欲しくなりますね!」

 サナダさんの説明にマスエさんが反応した。プラリネとは、ここでもナッツ類を砂糖でキャラメル状に加熱してナッツの香ばしさにカラメルの香ばしさと、甘さと苦みも足したお菓子だったり、お菓子に混ぜて加工するための材料だったりする。

「あとは、プラリネを混ぜたデザートがいっぱいあるそうだから、それも食べましょう。」
「……ふむ。これは見ておかないとですね。南国産のパフェと合わせられそうです。
 トロピカルフルーツとチョコと、プラリネがお茶うけになりそうですね。」
「プラリネを抜いてフルーツとスイーツのセットでも良さそうですね。」

 ゴンドウさんも唸り始めた。

「最初にカフェを回るんですか?」 
「休憩が必要ならそうしますが、まずは街並みを見て頂こうかと。
 最後に泊まるのは、こちらでも温泉宿ですがホテルのようなところですね。」
「王子の推薦だと豪勢なところですか?」
「豪勢だけど、民間でも泊まれる場所というギリギリのラインです。」
「ふーむ。フェアですからねぇ。」
「それもありますが、ここってホテルが天井知らずでして。
 僕がその辺りにって頼みました。」
「やっぱり大都市なんですね。」
「はい。温泉にも入れるホテルですから十分だと思います。」
「すごい所に来ちゃったんですね。」

 ゴンドウさんとサナダさんが会話をしているところにマスエさんが改めて感嘆している。

「王子が僕たちを歓待してくれるそうだから、喜んで受けましょう。それと。」
「はい。」
「何ですか?」
「やっぱりコチラのチーズフォンデュやチーズ料理も食べて欲しいそうです。
 燻製とサラダが付く料理で基本は変わらないみたいですが。」
「なるほど。」
「そうですね。」

 ゴンドウさんとマスエさんが頷く。

「売り込む気ですね。」
「チーズへの売り込みが。」

 王子の国でもチーズは売り込みたいようだった。
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