喫茶モフモフ

喫茶モフモフ

フェア二日目

「チーズフォンデュ、また入りました！」
「鍋を洗うのが追い付きませんね……お待ちいただく時にはチョコをお付けして。」

　・・・・・・。

「えっと……子供のリハビリの歩行訓練も温泉でしていると聞いたんですけど。」
「はいっ、こちらになります！」
「うちの人が身体悪くしちゃって……。」
「はーいっ。」
「私は温泉に入って遊んで、美味しいものも食べたくて～。
　ここのご飯、美味しかったから、向こうでもそういうの、あるんでしょ？」
「こちらでアレンジしたものもあるから、注文時に確認を取って頂ければ！」

　二日目。チーズフォンデュの売れ行きも良く、既に追加で仕入れが入りそうな勢いだった。更に、旅行以外にも医療目的での温泉プールでの治療やリハビリにも興味を持って貰えていた。

　・・・・・・。

「今日も売れ行きは好調なのと、チーズフォンデュが飛びぬけて人気みたいですね。」
「やっぱり……。カフェだからデザートやチョコも頼んでいただけていますが。
　ここのチーズを扱ったチーズフォンデュって皆さん食べたいんですね。」

　また閉店時間の雑談兼ミーティング兼休憩になって。
　地元の人以外にも、ここに来た、観光客と思わしき人までチーズフォンデュを頼んで食べていたから、子供用のノンアルコールにしたチーズフォンデュを選んで正解だったようだ。

「チーズケーキにサワーチェリーを入れたのを今からでも開発しましょうか。」

　ゴンドウさんまでチーズをメニューに入れるのが乗り気である。

「チーズパフェって作れますかね。」

　サナダさんも乗り気だった。

「一人分ぐらいの小さい焼き台に、炭火で炙っていく焼きチーズも良さそうですよ。」

　ゴンドウさんがそれを返した。

「やっぱりこの国の美味しいものを選んでメニューにしたのは正解でしたが。
　売れすぎて逆に数が読めない……。波や反動も大きそうです。」
「多かった時はチーズフォンデュだけ延長しましょう。売れ残る事はないと思います。
　このまま定番メニューにしてもいいくらいです。」
「そうですねぇ。」

　サナダさんとゴンドウさんの会話はまだ続いていた。

「……メニューにアイスクリームとか、酪農製品フェアもやったらどうなるんでしょう。」
「おお……それにも傾きそうです。次の次にしましょう。」

　マスエさんの鶴の一声で更に雑談は熱がかっていった。

「改めて知ったのは、この国の乳製品のつよさですね。」
「はい……チーズフォンデュがこんなに売れるとは。
　チョコやサクランボが売れていない訳ではないですが、売れ方が違う……。」
「それと、温泉地で保養以外にも、リハビリ目的でも伝わる事です。」
「温泉って湯船に浸かってノンビリ以外にも。
　プールや運動療法などの運動や医療にも用いられるんですね。
　山の温泉地ならハイキングもやれますし。ハイキングロードもあります。」
「温泉、熱くないですし。」
「熱くないんですよね。入り続けていると湯当たりはしますが。」

　何故か異文化のように語るモフモフスタッフの面々。

「よし。明日も張り切りましょう！　チーズフォンデュの仕入れも倍、入れておきます！」
「「はい！」」

　フェア二日目にして、改めてこの国のチーズとチーズフォンデュのすごさを知ったサナダさんたちだった。