喫茶モフモフ

白石華

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喫茶モフモフ

その頃のエルフ姉妹2

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「妹よ。アイスクリームも美味しいですね。」
「はい、お姉さま。生クリームに砂糖を入れてフワフワに泡立てて。
 何やかやを入れて凍らせた食べ物がこんなに美味しいとは。
 やはりここの乳製品は食べておいて正解でした。」
「新鮮な乳製品のミルクの風味もいいです。」
「中に入っているフルーツもここの特産品のサクランボですね。
 フルーティでザクザクした歯ごたえもいいです。」
「次はシャーベットに行ってみましょうか。」
「いいですね。」

 エルフ姉妹も食べ歩きと観光をまだやっていた。そしてまた満たされたのか優雅に食レポをしている。

「次はどこに行きましょうか、お姉さま。」
「そうですね。食べるだけ食べたから、街をぐるりと回って観光して。
 また食べましょうか。」
「食べる、歩く、遊ぶの繰り返しですね、お姉さま。」

 エルフ姉妹は歩くことにしたらしい。

「アホみたいに広い草原! 超でかい山!」
「見たことない植物が生えている花畑! 景色がいい!」
「ハチミツとか売っていませんかねお姉さま! 種類も豊富だし絶対うまい!」
「お土産のハチミツがこの国産のだと種類多すぎるのが頷けますね!」
「ハーブ飴も買いましょう!」
「買いましょう!」

 いきなり腹ごなしにハイキングをして街の外に出てみた姉妹だが。この国の噂に聞くような大自然が広がる草原と花畑、更にその奥に広がる森や土地を割って区切るように大きく流れている大河。山近くまで行くと、山からの綺麗な湧き水の泉や小さな滝もある。大自然の営みと人が住めなさそうな、入るとそのまま遭難してしまいそうな畏れを感じるような広さと深さ、人気を感じない静寂さで、こういう所でおとぎ話や民話、神話が生まれるのかと感じていた。自分たちもおとぎ話で出て来そうな亜人種だが。

「しかし街全体がおとぎの国のような建物ですね、お姉さま。」

 離れた所から街を見て呟くエルフの妹。

「ええ。妹よ。山で暮らしていると見られないような光景ですが。
 その森や山、高原を切り開いて国を作って発展させる者もいたんですね。」
「街から郊外に出ると自然がそのまんま残されていたり、超でかい山や川もあります。」
「何もかものスケールが大きいですね。」
「今度は街を回りましょうか。お姉さま。」

 エルフの姉妹は写真を撮りながら歩いて街に戻って観光する事にした。

 ・・・・・・。

「街の資料館もあるんですね、お姉さま。」
「妹よ。ここでは静かにしていましょう。」
「そうですね。」

 街の著名人が暮らした住宅がそのまま残されて資料館にされていたり、市庁舎近くには町の資料を残した建物もあった。更に市庁舎は時計台になっていて。豪勢な造りではないが塔が建っていてそこからこの街を一望可能になっていた。犬(魔獣)も塔以外なら道が狭くなくて危なくないから入っていいらしく、珍しく興奮しないでエルフ姉妹も観光している。

「ここで騒いだら不審者ですからね、妹よ。」
「ええ。そういう事の分別はあります。こういう所では騒がないのです。」

 騒いだら通報されるか、つまみ出される場所では静かにするようだった。

 ・・・・・・。

「お姉さま。次はどこに行きましょうか。」
「そうですね。またごはんに戻りましょうか。その後、ホテルに帰りましょう。」
「今だと魔獣OKのホテルもあってよかったですね。」

 エルフの姉妹は再びうまいもの巡りに戻っていった。

 ・・・・・・。

「という訳で今回の旅行はこんな感じになりました。」
「お姉さまとモフモフ喫茶以外にも、街でうまいものを食べて観光して回りました。」
「すごい! 建物が立派! 本当に魔獣がモフモフ喫茶にいる!」
「魔獣の見た目がちょい悪ワンちゃん! そして超ごついパティシェ!」
「こんな高山と大河に囲まれた土地でも人間が街を作って生活を営めるとは!」

 それから。サナダさんたちの暮らす場所からエルフの里に戻った姉妹は、他にも暇を持て余していたエルフたちに自分たちの撮影した写真を見せながら旅行の内容を話していたが。やはり珍しいものを見ると盛り上がり方が早口だった。

「飴も買ってきました。」
「お姉さまと選んでハチミツも買ってきました。パンに付けて食べましょう。」 
「うわ~~~!」

 お土産も見て更に興奮するエルフたち。

「私もモフモフ喫茶に行きたい!」
「やはりエルフの里にもモフモフ喫茶を呼びましょう! カフェでノンビリ過ごすのです!」
「私たちの里にも魔獣はいます! 暇つぶしが増えます!」

 エルフ里にもモフモフ喫茶は本当に進出するのか。それはまだ誰にも分からなかった……
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