喫茶モフモフ

白石華

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喫茶モフモフ

旅行に行くことになったモフモフメンバー

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「魔獣も無事、預けましたし、温泉に行きましょう!」
「はーい!」
「はい。」

 モフモフ喫茶に集合したサナダさんたちは旅行用の荷物を持って、出かける事にした。

「それでは乗り物乗り場に行きましょう。」
「乗り物って何なんですか?」
「ドラゴンです。」
「ドラゴン……。」

 今まで世界設定に日本っぽい西洋のどっか感があったため、異世界感を感じづらかったが、エルフが出てからいきなりファンタジーな展開の連続になり、面食らうマスエさん。

「山岳を移動して、温泉地まで連れて行ってくれるそうです。
 この国の温厚なドラゴンさんだと人間に懐いているみたいで。
 危険なドラゴンさんもいらっしゃいますから、それにも注意しましょう。」
「私。知りませんでした。」
「私もこの話を聞いたときは驚きましたからね。無理もないです。」

 ゴンドウさんがマスエさんにフォローを入れてくれた。

「それじゃあ、ドラゴン乗り合い所に向かいましょう。」

 サナダさんの案内で山岳入り口のドラゴン乗り合い所まで馬車で向かう事になった。

 ・・・・・・。

「うわあ……本当にドラゴンに乗ってますね。」
「ここのドラゴンは山岳を越えるための聖獣として扱われているみたいですね。」
「本当に……空を飛んでいる。」

 ドラゴン乗り合い所でドラゴンに乗ったサナダさんたちは、優雅に山岳を越えていた。ドラゴンに乗るのが珍しいのはマスエさんだけでなくゴンドウさんもだったようだ。マスエさんの感嘆の声に解説するサナダさんだったが、ゴンドウさんも実際にドラゴンに乗って空を飛んでいる光景を見て驚いている。

「ドラゴンに伝わる空を越える術で僕たちは飛んでいるため空気抵抗はないです。
 なんかすごい力でみんな無事で飛んでると思ってください。」
「実際、ドラゴンみたいに何人も人を乗せられるぐらい大型の動物が。
 空飛ぶほどの力で飛んだら私たち、大変なことになっていますからね。」

 サナダさんの解説にゴンドウさんが参加していたが、誰に説明しているのだろう。しかし飛翔動物に、人間がむき身で乗っても安全は保障されているようだ。
 
「うわあ……山から眺める景色がすごい。
 私たちが住んでいるところがどこか分からないくらいちっちゃくなってる。」

 マスエさんは空から地上を一望して眺める景色に見入っていた。建物は西洋のような、面積の違いはあれど、城を始まりにして、同じような建物がずらりと並び、その外壁を城壁が守っているような景色がポツポツ見えていて、風情もあるし壮観な眺めだった。

「山一つ登った所、と言ってもここは山岳地帯……高さは相当ありますからね。」

 モフモフ喫茶がある国の山岳地帯は例えるなら、実在のスイスではないが、スイスのアルプス山脈のように人類でも踏破するのが難関な、標高の高い山が次々にそびえていると想像して頂きたい。

「温泉地の場所はどこなんですか?」
「もうすぐだと思いますよ。空を飛んだらあっという間です。
 あ、ほら。乗り合い所が見えてきました。」

 サナダさんの声で山を眺めると、ドラゴン乗り合い所の先にある、山岳地帯にある街が見えてきた。
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