精霊都市の再開発事業

白石華

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第五章

サシガネの提案

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「商店街をそのまんま、デート、か……。」
「い、いいでしょ、実際どんなんだか見てみたかったし。」
「ああ。今回はサシガネとだけどよ、みんなと回ってもいいよな!」
「うん……特に意見とかはもらえなかったけど、自分たちで回るのも……いい、と思う。」
「おう! それにしてもお前、お祝いも仕事につなげようとするんだな。
 偉いというかオーバーワークには気を付けろよ。」
「ここの所ダンジョンに潜っていたから私もあんまり貢献できてた気がしなかったし。」

 やっぱり何だかんだでサシガネも自分の仕事内容が気になっていたようだ。それで俺たちがいるところだが。 仕事の終わりの時間になっているのを見計らって来た、ここの都市の甘味処だった。俺はトコロテンを頼んで、サシガネは抹茶クリームあんみつを頼んだ所である。お茶もここの地元で取れたものらしく、そういうのも売りらしい。

「まあ、コンビニの良さはどこ行ってもそんなに変わんねーだろーけどよ。
 こういう、町ならではの場所も実際に俺たちが建て直した場所の再確認になるよな。」
「うん。バーベキューも良かったけど。町のお店の食べる所にも寄ってみようよ。」
「ああ、確かあと……お好み焼きともんじゃ焼きの間みたいなのもあったような。」
「あはは。地元ならではの場所みたいだね。」
「お待たせしました。」

 サシガネと話していた内にメニューが届いたようだ。

「おお。やっぱりトコロテンはうまい。」

 俺は酢醤油とからしと青のりで食べるトコロテンをツルっと口に運んでいる。

「うん。抹茶クリームあんみつも美味しいよ。抹茶の蜜も掛けるみたい。」

 サシガネは抹茶蜜の寒天を食べておいしそうにしている。

「それで、どんな感じだ? ここは。」
「床も椅子に座った感じも特に違和感はないね。建てたばかりだったからだろうけど。」
「設計でチェックしてあるからな。」
「それに……窓も広く取った分、内側から鍵を閉めるシャッターも付けてあるし。
 防犯も気を付けていると思う。
 スプリンクラーも付けてくれたみたいだし。」
「本当によく見ているな。」
「それについては向こうと調整もしたんでしょ。やってあるかどうか見ただけ。」
「ああ。美観に関する問題だとこういう昔ながらの場所は景観も気にするからな。
 店構えの建築も新しくしないでくださいって要望まで来たんだし。
 それでも防犯上に問題があるのはきちんとこっちで説明して同意して貰うし。」
「だから言ってある通りに作ってあるって言われたんでしょ。」
「それと先祖から受け継いでいる家具や設備の一部はそのままにしてくださいとかな。」
「うん……だから一応、他の店も回ってみよう?」
「ああ、でもよ、折角二人っきりになったんだからよ。」
「……うん。」

 俺が持ちかけると、サシガネも照れたようになったが頷いたみたいだった。
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